「RGBワークフローガイド2007」の配布が始まっている。APA(日本広告写真家協会)発行のA4判48ページの冊子で、私も制作スタッフとして参加させていただいた。APAや電塾のセミナー等で入手できるが、いずれはAPAのサイトからも無料でダウンロードできる予定だ。
< http://www.apa-japan.com/download/index.html
>
内容は、Photoshopのカラー設定、画像ファイルの開き方、保存の仕方、プリントでの忠実な色再現、カラーマネージメントの基礎と実践等々といったことが解説されているのだが、カメラマンやデザイナーが最低限知っておくべき知識が掲載されている。
< http://www.apa-japan.com/download/index.html
>
内容は、Photoshopのカラー設定、画像ファイルの開き方、保存の仕方、プリントでの忠実な色再現、カラーマネージメントの基礎と実践等々といったことが解説されているのだが、カメラマンやデザイナーが最低限知っておくべき知識が掲載されている。
「RGBワークフロー」というのは何かと言えば、RGBで画像をハンドリングしてマスター画像を作成し、その後、印刷やWEB、データベース用にマルチユースして行こうというワークフローのこと。デジタルカメラで撮影しても、すぐにCMYK化するのでは従来のCMYKワークフローと変わりはない。
いったんCMYKにしてしまうと、印刷の色再現域に色情報が圧縮されてしまう。そこから色再現域の広いメディアに転用しても一度失われた色は戻らない。つまり鮮やかな色が出せるディスプレイに表示したとしても、印刷で出せるような色しか表示できなくなってしまうということだ。
RGBというのは各チャンネルの数値を同じにすればニュートラルになる。たとえば、「R240/G240/B240」も「R128/G128/B128」も「R10/G10/B10」ニュートラルになるので、色のバランスをとりやすい。また、CMYKよりも大胆にトーンカーブを動かせるなどレタッチ上の利点もある。
CMYK変換というのは、インキや用紙などの印刷条件によって変えなくてはいけないので、レイアウトソフトにもRGBのまま配置して、最後の製版段階でスキルを持った人がCMYK変換、リサイズ、シャープネス処理等をしましょう、というのがRGBワークフローのキモでもある。
●RGBワークフローのキーポイント
このガイドブックの中には、一番最初のページに「ワークフローのキーポイント」が箇条書きで記されている。以下のようなものだ。
(1)フォトデータはAdobeRGBとして作成・編集・保存する。
(2)WEB用データは原則としてsRGBとして受け渡す。
(3)RGBデータには必ずプロファイルを埋め込む。
(4)CMYKデータも、流通させる場合はプロファイルを埋め込む。
(5)フォトデータはリサイズしていないものを流通させることを原則とする。
(6)CMYK変換、シャープネス処理はプリプレス工程に任せる。
(7)Photoshopは7.0以降を使用し適切なカラー設定を行う。
(8)画像の補整処理は階調優先で「無彩色を無彩色に」が基本。
(9)階調補正を伴う画像補正はCMYKモードでは行わない。
(10)適切な環境光下の適切な作業環境が画像処理には必須。
(11)印刷用の色見本はCMYKプルーフプリントを添付する。
(12)用途に合わせて必要十分な解像度のカメラを使用する。
簡単に解説をしてみると、
(1)AdobeRGBは4色プロセス印刷の色再現域をほぼカバーしていて、印刷に向いたカラースペースであるということ。「モニタで確認できない色があるから使えない」という人もいるが、カラーマネージメント技術で近似した色に置き換えられるので問題はない。
(2)ただし、WEBではsRGBが基本なので、sRGBにプロファイル変換したデータを使う。
(3)RGBデータにプロファイルを埋め込むというのは、RGBと言ってもいろいろあるので、どんなRGBなのかをプロファイルによって規定し、正確に色の情報を扱おうということ。
(4)CMYKデータの場合もどうやって変換したのか(アート紙用とか新聞用)という情報は必要。後でまとめて削除することは可能。
(5)どんなサイズで利用するのか分からない段階では、リサイズしてしまわないほうがいい。
(6)アート紙に刷るのか、コート紙にするのか、新聞用なのか、といったことで変換用のプロファイルは変わってくる。印刷条件が分からない段階で、CMYK変換やシャープネスなどの製版処理はしてはいけない。
(7)アプリケーションはカラーマネージメントにきちんと対応している必要がある。バージョンにより、プロファイルの扱い等にも違いがあるため、Photoshopであれば7.0以降を使うことがおすすめ。
(8)これは色かぶり等をきちんと取り除いておくべきであるということ。ただし、意図的にウォームトーンにしたいとかクールトーンにしたいことも当然あるので、キャリブレーションのとれたモニタできちんと調整すべきだろう。
(9)CMYKよりもRGBでレタッチを行なったほうが階調劣化は少ない。またマスター画像はマルチユースすることも考え、RGBで作成しておくべき。
(10)意外に疎かになってしまうのが、作業をするための環境光。5000Kの演色AAAの昼白色のランプを使用して600〜750lxに調整するのがいい。モニタ面の輝度も70〜80cdに調整することにより、反射物とのイメージがかけ離れないようになる。
(11)印刷見本用のプルーフプリントは印刷のシミュレーションを行なっておく。とくに鮮やかな発色のインクジェットプリンタで出力すると4色プロセス印刷では再現できない色になってしまう。しかし、きちんと「校正」の設定をして出力すればオーケー。
(12)すでにコンパクトカメラでも1000万画素クラスの製品が出ている状況なので、プロ向けの機種であれば何も問題ないだろう。
これだけでは「?」と思う部分も多々あると思うので、詳しくは現物に当たって見て下さい。PDFがダウンロードできるようになれば、またお知らせします。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇キッチュレンズ工房
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>
いったんCMYKにしてしまうと、印刷の色再現域に色情報が圧縮されてしまう。そこから色再現域の広いメディアに転用しても一度失われた色は戻らない。つまり鮮やかな色が出せるディスプレイに表示したとしても、印刷で出せるような色しか表示できなくなってしまうということだ。
RGBというのは各チャンネルの数値を同じにすればニュートラルになる。たとえば、「R240/G240/B240」も「R128/G128/B128」も「R10/G10/B10」ニュートラルになるので、色のバランスをとりやすい。また、CMYKよりも大胆にトーンカーブを動かせるなどレタッチ上の利点もある。
CMYK変換というのは、インキや用紙などの印刷条件によって変えなくてはいけないので、レイアウトソフトにもRGBのまま配置して、最後の製版段階でスキルを持った人がCMYK変換、リサイズ、シャープネス処理等をしましょう、というのがRGBワークフローのキモでもある。
●RGBワークフローのキーポイント
このガイドブックの中には、一番最初のページに「ワークフローのキーポイント」が箇条書きで記されている。以下のようなものだ。
(1)フォトデータはAdobeRGBとして作成・編集・保存する。
(2)WEB用データは原則としてsRGBとして受け渡す。
(3)RGBデータには必ずプロファイルを埋め込む。
(4)CMYKデータも、流通させる場合はプロファイルを埋め込む。
(5)フォトデータはリサイズしていないものを流通させることを原則とする。
(6)CMYK変換、シャープネス処理はプリプレス工程に任せる。
(7)Photoshopは7.0以降を使用し適切なカラー設定を行う。
(8)画像の補整処理は階調優先で「無彩色を無彩色に」が基本。
(9)階調補正を伴う画像補正はCMYKモードでは行わない。
(10)適切な環境光下の適切な作業環境が画像処理には必須。
(11)印刷用の色見本はCMYKプルーフプリントを添付する。
(12)用途に合わせて必要十分な解像度のカメラを使用する。
簡単に解説をしてみると、
(1)AdobeRGBは4色プロセス印刷の色再現域をほぼカバーしていて、印刷に向いたカラースペースであるということ。「モニタで確認できない色があるから使えない」という人もいるが、カラーマネージメント技術で近似した色に置き換えられるので問題はない。
(2)ただし、WEBではsRGBが基本なので、sRGBにプロファイル変換したデータを使う。
(3)RGBデータにプロファイルを埋め込むというのは、RGBと言ってもいろいろあるので、どんなRGBなのかをプロファイルによって規定し、正確に色の情報を扱おうということ。
(4)CMYKデータの場合もどうやって変換したのか(アート紙用とか新聞用)という情報は必要。後でまとめて削除することは可能。
(5)どんなサイズで利用するのか分からない段階では、リサイズしてしまわないほうがいい。
(6)アート紙に刷るのか、コート紙にするのか、新聞用なのか、といったことで変換用のプロファイルは変わってくる。印刷条件が分からない段階で、CMYK変換やシャープネスなどの製版処理はしてはいけない。
(7)アプリケーションはカラーマネージメントにきちんと対応している必要がある。バージョンにより、プロファイルの扱い等にも違いがあるため、Photoshopであれば7.0以降を使うことがおすすめ。
(8)これは色かぶり等をきちんと取り除いておくべきであるということ。ただし、意図的にウォームトーンにしたいとかクールトーンにしたいことも当然あるので、キャリブレーションのとれたモニタできちんと調整すべきだろう。
(9)CMYKよりもRGBでレタッチを行なったほうが階調劣化は少ない。またマスター画像はマルチユースすることも考え、RGBで作成しておくべき。
(10)意外に疎かになってしまうのが、作業をするための環境光。5000Kの演色AAAの昼白色のランプを使用して600〜750lxに調整するのがいい。モニタ面の輝度も70〜80cdに調整することにより、反射物とのイメージがかけ離れないようになる。
(11)印刷見本用のプルーフプリントは印刷のシミュレーションを行なっておく。とくに鮮やかな発色のインクジェットプリンタで出力すると4色プロセス印刷では再現できない色になってしまう。しかし、きちんと「校正」の設定をして出力すればオーケー。
(12)すでにコンパクトカメラでも1000万画素クラスの製品が出ている状況なので、プロ向けの機種であれば何も問題ないだろう。
これだけでは「?」と思う部分も多々あると思うので、詳しくは現物に当たって見て下さい。PDFがダウンロードできるようになれば、またお知らせします。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇キッチュレンズ工房
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>