曜日感覚のないノラネコ[6]例えば花粉症から逃れるために沖縄で仕事するとか/須貝 弦

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不定期復活のつもりが、あまりに頻繁に掲載されるようになったので、意図的にしばらく休んでいた。今回は「曜日感覚のないノラネコ[2]夏のある日、PowerBookを抱えて小田原に行った」の続きだ。


●暑さや寒さ、花粉症や雑踏から逃れる

私は、作家がどこかの温泉宿にしばらく滞在して作品を仕上げるというスタイルに妙に憧れている。私もそんなふうに、好きなところに行って仕事がしたい——そういった想いがねじ曲がって、以前も書いたようにわざわざ電車で小田原まで行って原稿書きをしたりするわけだが、今は「もっと遠くに行きたい!」という欲求が強い。住まいは多摩南部とはいえ、日頃の行動範囲はやはり東京の雑踏だ。遠くて、もう少し人口密度の低いところに行きたいと思う。

冬や東京が花粉症シーズンとなる春先は、できれば沖縄にいたいものだ。沖縄では杉の植林があまり行われてこなかった。ヒノキもない。だから沖縄はここ数年、花粉症で悩む人にとっての「パラダイス」として徐々に注目され始めている。数年前はウィークリー/マンスリーマンションに滞在する人が多かったようだが、今では旅行会社の企画商品まで存在する。私も花粉症持ちなので、「今年は花粉の飛散量が多いです」などと予想されたときは、ぜひとも沖縄に逃れたい。

しかし、しばらく南国にいたら、いざ東京に戻ったときに社会復帰ができないかもしれない。以前、沖縄出張から帰ってきてしばらくの間「ダメ人間」になっていたことがあるので(別に沖縄が悪いわけではない)、この点は真面目に心配だ。毎晩、おみやげに買ってきた泡盛ばかり飲んでいたからなぁ。

他に滞在してみたいと思う土地は、まず盛岡だ。以前に仕事で盛岡に行ったとき、なんとなく「街の雰囲気の良さ」みたいなものを感じた。実は私の友人の中にも一人、同じように盛岡に魅力を感じている者がいて、今私たちの中で盛岡はちょっとしたブームになっているのだ。

どこが良いのかと問われると、具体的なことはあまり出てこないのだけれど、街が比較的きれいで賑やかさもあるが、東京に比べれば圧倒的に人が少ない——といったところが良いような気がする。だから、人ごみから「適度に」逃れるなら盛岡だと勝手に思い込んでいるのだ。そうそう、じゃじゃ麺も食べたい。

次に函館。函館が良いというより、湯の川温泉でしばらくぼんやりと過ごしてみたい。函館に少し飽きたら小樽でも札幌でも良いだろう(そんなことしていると、道内の移動だけでずいぶんと交通費がかかってしまうが)。ここ数年、どういうわけか急激に夏の暑さが苦手になってきているので、とくに真夏はどこか涼しい、せめて東京よりは気温や湿度の低そうなところに逃れていたい。

逆に太陽が恋しくなったら、真夏の沖縄でも良いな。日照時間が比較的長い都市ということであれば、長野県の松本市も捨てがたいものがある。仕事が少し行き詰まったら、松本市郊外をサイクリングに出かけたりするのも良さそうだ。

「○○に行きたい、逃れたい」ばかりではなく、いつか実際にどこかに逃れ、その土地からデジクリの原稿を送ってみたいものだ。ただ、私のように取材モノ中心のライターの場合は「インターネットに繋がりさえすれば、どこでも仕事ができる」というわけにもいかない。取材というのは、Skypeやビデオチャットで済むような作業ではないからだ。編集者とのちょっとしたミーティング程度ならそれでも構わないとは思うし、海外の誰かとテレカンで……というなら、それはそれで良いのだけれど、全部がそうなるわけではない。

ちなみに、寝台特急「北斗星」の車中から雑誌の編集後記のテキストを送ったことはある。逃れたんじゃなくて、忘れてたんだけど。

【すがい・げん】< http://macforest.typepad.jp/mac/ >
「たいようがこいしくなったら」を変換したらまず「大洋が」と出た。ああ、恋しいよねぇ横浜大洋ホエールズ。高木豊、田代、屋鋪、加藤博一、遠藤、斉藤明夫、ポンセ、パチョレック、若菜、大門——挙げればキリがない。