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── 「イラストレーションファイル」2007 玄光社刊 ──

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イラストレーションファイル 2007 アナログ「イラストレーションファイル」は、第一線で活躍しているイラストレーターの「仕事ファイル」である。その2007年版が発売中だ。この本(ムック)は10数年以上前から同じスタイルで、一人1ページ、平均4点の作品が掲載されている。作品はすべてポスターや広告など実際に使われた形で掲載されているほか、連絡先・略歴・顔写真・サイトURL・制作スタッフ名も同じページに見やすく整理されている。巻末には、検索に便利なアートディレクター別の「ADインデックス」もついている。

2003年版から「デジタル」と「アナログ」の二冊が同時刊行されるようになった。2007年版では、「アナログ」に502人、「デジタル」に375人が収録されている。「アナログ」は、従来の画材にこだわりを持って制作している人。「デジタル」は、制作過程でパソコンを利用し、データ納品も可能な人。という分け方をしているようだが、完全にアナログオンリーの作家、デジタルオンリーの作家と区別しているわけではない。いまや、そういう区別は意味がないことだし。


イラストレーションファイル 2007 デジタル想像だが、収録作家人数をふやすためにこうしたのではないのか。かつては、一冊の厚いムックだったが、どんどん厚くしていくと製本上の問題があるし、使い勝手も悪くなる、価格も高くなる。それを解決する手段として、分冊にしたのだろう(もっとも、価格は2007年版は二冊で税込み6,720円となる)。

「イラストレーションファイル」は、「広告制作者や出版関係者、キャラクタービジネス関係者など、クリエイティブな仕事に携わる方々から制作依頼のための情報源として高い評価をいただいている“イラストレーション年鑑”です」とうたい文句にあるように、名実ともに日本でもっと情報量の多い「イラストレーターのデータバンク」となっている。

だから、このムックに掲載されたイラストレーターは、仕事を得るチャンスが増える(はずだ)。あらゆるタイプのイラストレーションを一覧比較できる本、あるいはサイトはほかに存在しない。なにしろ、二冊で約3,500点の作品が収録されているのだから、クライアントにとってこれほど便利な情報源はほかにない。

「イラストレーションファイル」に、掲載されるとされないでは大違い(だと思う)。そこで、どうしたら掲載されるのか、希望するイラストレーターに代わって編集部に聞いてみた。

「本誌『イラストレーション』で、何らかのかたちで、人あるいは作品を紹介させていただいたイラストレーターの中から、編集部がセレクトし、掲載をお願いしています。“何らかの”というのは「ザ・チョイス」に入選したとか、もっと言えば準入選でもいいし、ズームアップの欄で個展(あるいはグループ展)の模様を紹介したとか、も含まれるという意味です」

とのこと。「イラストレーション」本誌に掲載がないと資格なしということだ。いくら自信があっても、いくら金を積んでも(笑・冗談)だめ。「ぜひファイルに載せて欲しいと、編集部に作品を持ち込んで見てもらえるのか」と突っ込んでみたら、「直接『ファイル』には結びつかないが」という前提で、売り込みを受け付けています」というお返事。

いずれにしろ、編集部と関係を持たないと前には進まない。持ち込みは常時受け付けているという。電話が一番早い。TEL.03-3263-3518 にピポパ。

※写真で見る「イラストレーションファイル」
< http://www.dgcr.com/kiji/20070425/
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※マガジンガイド&プレゼント
< https://bn.dgcr.com/archives/20070419140200.html
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●本誌アナログ・デジタルセットを玄光社よりデジクリ読者3名様にプレゼント。応募フォームをつかってください。締切は4月27日(金)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に5月上旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
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イラストレーションファイル 2007 デジタル
イラストレーション編集部
玄光社 2007-04



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イラストレーションファイル 2007 アナログ
イラストレーション編集部
玄光社 2007-04