デジアナ逆十字固め…[50]キッチュレンズ本刊行!/上原ゼンジ

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デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房 ~ピンホールに蛇腹、魚眼でレトロでアナログなデジタル写真を撮ろう!~本誌で連載させていただいているキッチュレンズネタが、一冊の本としてまとまった。タイトルは「デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房 〜ピンホールに蛇腹、魚眼でレトロでアナログなデジタル写真を撮ろう!〜」(毎日コミュニケーションズ刊)だ。やたらと長いタイトルだけど、後半部分はサブタイトルです。
< http://book.mycom.co.jp/book/978-4-8399-2421-8/978-4-8399-2421-8.shtml >


すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアルその前にやはり本誌で連載していたカラーマネージメントネタも、毎日コミュニケーションズさんでまとめていただいたが、こちらもタイトルが長い。しかも、ビックリマークがやたらと付いている所も同じだ。「すぐにわかる! 使える!! カラーマネージメントの本〜仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル〜」
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1937-2/4-8399-1937-2.shtml >

本人はいまだに正式書名を覚えておらず「カラーマネージメントの本」と呼んでいるが、今度もたぶん「キッチュレンズ工房」で通してしまうだろうなあ。タイトルはやたらと長いが、ブックデザインはシンプルでお洒落なものにしていただいた。

なんでカラーマネージメントの勉強をしてきたのかと言えば、自分のイメージ通りの印刷仕上がりになって欲しいからだ。特に今回の写真は自分のイメージでかなり色をいじっているので、いわゆる「適正」というような写真ではない。となれば、正解は自分のハートの中にしかないので、ほかの人によろしくというわけにもいかない。

通常雑誌なんかの仕事の場合は、プロファイルを埋め込んだRGBのデータを渡し、色校正を見ることもなく進行していくが、特に大きな問題が起きたことはない。まあ、キャリブレーションのとれたモニタで調整されたデータであれば、そんなにおかしな色にはならないようなシステムが確立されているからだ。

ただ、今回の場合は本文に微塗工紙を使うということで、それなりの気の使い方をした。塗工紙というのは紙の平滑性や光沢感を得るために塗料を塗布した紙のこと。この塗工量の違いにより、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙等々などの種類がある。

この塗工量が多ければ平滑性や光沢も増し、色再現域は広くなる。つまり、写真の印刷のためには、塗工量の多いアート紙やコート紙が向いているということだ。ただ、今回の私の本は写真集ではなく、通常の書籍なので、あんまりビカビカな紙ではなく、少しラフな紙ということで微塗工紙で刷ることになった。

ラフな紙だとインクを吸って沈んでしまい、黒の締まりも悪くなってくるので、仕上がりの予想も難しくなってくる。というよりは予測不可能なので、A2の紙一枚分に使う写真を集めてテスト印刷をすることにした。

まあちゃんとした写真集であれば色校をとるのが筋だが、予算の問題もあって全ページの色校正は無理。しかし、どんな感じに仕上がるのかまるで分からないまま印刷されてしまうのは恐ろしいので、印刷本機を使ったテスト印刷をしてもらったというわけだ。

印刷用のファイル自体はInDesignを使って私が作った。ただ、写真を寄せ集めるのではなく、同じ写真を使って明るさを変えたり、シャープネスを変えたりしてみた。まあ、多少沈むだろうなという予測と、ラフな紙なので、シャープネスは強めにしたほうがいいのかな、というテストをしたというわけだ。

結果はやはり全体的に暗めになったので、すべての画像ファイルをバッジ処理で若干明るめにした。用紙専用のプロファイルを作成してしまえば、こんな調整も不要のはずだが、今回は汎用プロファイルを使い、データの方を合わせ込む方式をとった。

シャープネスに関しては、ラフな紙だったので、やはり若干強めのほうがいい感じだった。ただ、最適なサイズにリサイズをしてからでないと、シャープな画像にはならない。とくに最近のデジカメは画素数がやたらと増えているので、このリサイズの工程が重要だ。

知り合いのデザイナーに尋ねてみたら、通常は特にリサイズをしたりということもせずに印刷入稿しているとのことだった。では、データを受け取った印刷会社の側でリサイズをしているのかと言えば、そうでもないようだ。こうして世の中にはボケたような写真が溢れてしまうことになるが、これはデジタルカメラのせいではない。

いまだにポジフィルムのほうがいいと言っている人がいるが、これはポジの場合ハイエンドのスキャナを使って印刷への最適化を行っているということが大きい。デジタルカメラの画像でも印刷に適したデータにすることは可能だが、プロファイルが埋め込まれていなかったり、変換の方法が悪かったり、シャープネスがちゃんと効いてなかったりで、仕上がりが悪くなってしまう。

技術的には昔が良かったなんていうことは絶対にない。技術はどんどん進化しているから、その技術がうまく行かせればクオリティーの高い印刷物を作ることは可能だ。しかし、ワークフローの問題で仕上がりのクオリティーが下がってしまうというのは、すごくもったいないことだなあと思う。

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジ写真研究所
< http://www.maminka.com/zenlab/top.html >

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◇上原ゼンジの新刊
「デジカメでトイカメ!! キッチュレンズ工房 〜ピンホールに蛇腹、魚眼でレトロでアナログなデジタル写真を撮ろう!〜」

(毎日コミュニケーションズ刊)1,680円(税込)
100円ショップで買ったオモチャの双眼鏡のレンズをデジタル一眼レフに付けるところからはじまり、ピンホールカメラ、ドアスコープ魚眼など、日本一のオモチャレンズを探し求める旅。連載時には入れることができなかった写真や工作の手順などを多数収録する。

●この本を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者3名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は7月6日(金)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に7月中旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html >



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すぐにわかる!使える!!カラーマネージメントの本―仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル
上原 ゼンジ
毎日コミュニケーションズ 2006-04
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by G-Tools , 2007/06/28