CGイラストの行方
── 松林あつし ──

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この前、オリジナリティを生かした仕事をするのはなかなか難しいと書きましたが、それをするための最大要因は明白です。「継続は力なり」これに尽きます。つまり、自分の作品カラーを確立するには、売れなくても認めてもらえなくても、我が道を貫き通す意志の強さが必要なのです。

しかし、私を含め、多くの作家は常に自らの作品に疑問を抱き、何か新しいテイストを取り入れられないかと模索します。結果、毎年のように作風は変わり、本当に表現したいものが何なのかを見失ってしまいます。


私も初期に比べると大きく作風を変えています。最初は3DCGという目新しさだけ(?)を売りにキャラクターを制作していたところもありますが、それでは先が見えていました。CG環境の進歩の早さを考えると、すぐにデジタルだけを売りにした作品は飽きられると感じていましたし、実際その通りになりました。

CGという分野が、イラストとして認められるようになったのは最近のことだと思います。それまではCGと手描きイラストは区別され、プリントアウトやモニタでしか作品を見せられないCGは、どちらかと言えば下に見られがちでした。それでもそこそこの原稿料が発生したのは「CGは金がかかる」というイメージがあったからです。

しかし、今ではマシンもアプリも値が下がり、誰でもCGを扱えるようになり、金食い虫の印象もなくなってしまいました。そうすると、どのようなことが起こるかといえば、CGという概念が、絵筆やエアブラシのように手描きで扱うツールと同じような捉えられ方をし始めたのです。

イラストを作成する上でのCGが画材の一つと捉えられ始めたということは、CG系のイラストレーターも手描き系イラストレーターと同等に扱われるようになってきたということではないでしょうか。少なくとも手描きとCGとの境界線が取り払われつつあるのは事実です。

これは喜ばしいことでもあり、シビアな現実を突きつけられると言うことでもあります。実際、CG人口は爆発的に増えている感じがしますが、市場のキャパは決まっています。誰でも安直に手を出せるCGだからこそ、今後は手描きアートと同じく、実力だけが評価基準になるのでしょう。

厳しい現状ではありますが、フリーランスの利点……「何にでもチャレンジ可能な環境」を手に入れたことを最大限に生かし、どんなに歳をとっても自分のアイデンティティを形にすることを掲げ、仕事に制作に勤しんで行きたいと思っています。

【まつばやし あつし】mail@atsushi-m.com
イラストレーター・CGクリエーター
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