[2255] 冒険と恐怖

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<相変わらず私の「出会い運」は強大です(笑)>

■創作戯れ言[16]
 冒険と恐怖
 青池良輔

■デジクリトーク
 今度はフランスのアートフェアに出陣
 筒井海砂

■イベント案内
 InDesign コンファレンス 東京 2007
 「ブライダルフォトグラファーのためのMac入門」
 APAアワード2008 記念講演「公募から就職までを考える」

■展覧会案内
 和のかたち 160人のイラストレーターが描く日本

■マガジンガイド&プレゼント
 「Web Designing」2007年9月号 毎日コミュニケーションズ刊


■創作戯れ言[16]
冒険と恐怖

青池良輔
< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140700.html
>
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コンテンツを制作する時、往々にして二つの感情が頭の中で交錯します。

「冒険心」と「恐怖心」

「冒険心」とは、これまでの制作で自分の経験した事のない技術、スタイルに挑戦してみたい心。これまで誰も発表していないものを生み出そうとする心。自分の信じる面白さを全面に作品に反映する心。などといういわゆるクリエイティブの「醍醐味」として語られる部分です。

そしてそれに反して「恐怖心」とは、新しい技術を使いこなせない。誰にも面白いと思われない。相手にされない、認められない、批判されるといった事への恐怖です。

この両者、どちらも必要だとは思うのですが、バランスを取るのが非常に難しいのです。

例えば、僕の場合、あるクライアントから、コンセプトの固まっていないプロジェクトのオファーを受けたとすれば、時間的、金銭的余裕があれば「あれもしたい。これもしたい。」とやたらに夢を膨らましてしまいますし、もろもろの制約があっても、それらをクリアーしながら、「世間を驚かせたい」なんて野望さえ抱いてしまいます。「冒険心」が大暴れする時期です。

そして、意気揚々とコンセプトをクライアントに説明すると、響かない……。
この瞬間、ぶわっと「恐怖心」が芽生え始めます。

「自分が挑戦しようとしている技術的チャレンジは、その技術を知らない人にとってはただの自己満足なのではないか?」
「刺激的だと思っているコンセプトは、悪のりではないか?」
「なにより、面白くないのではないか?」
「ものすごく技術が足りないのではないか?」
「いろいろ考えているうちに、一周回って普通の事をしているのではないか?」

とめどもなく溢れる恐怖心。ここで何か策を講じないと輝いていた「冒険心」がすべて悪い方に転化され、翻弄されてしまいます。

ストレートに対応すれば、
「技術的チャレンジより、分かりやすい見た目に注力する」
「コンセプトを丸くする」
「わかりやすい面白さを取り入れる」
「技術力の高い作品のテイストを拝借して、それなりに仕上げる」
「一周回っていない、作品の個性を再検討する」

となるのでしょうか。「恐怖心」が与えてくれた作品に対する影響は、本当に「冒険心」の暴走による悪い部分があれば、それを修復してくれるでしょう。しかし、恐怖の影響が大きくなりすぎると、「出る杭は打たれるから、大人しくしておこう」、「寄らば、メジャーの影」という不健康な考えに行き着くことになりかねません。

ひどい場合は、「パクリ」「コピー」という問題にさえ発展しかねません。

ここで、「冒険心」と「恐怖心」。この両方を満足させるにはどうすればいいのか考えてしまいます。

イメージとして、脳内で行われている学級会を想像します。

「文化祭の出し物を決めましょう」と、初めのうちは希望に溢れた個性的な意見、うまくやればものすごくおもしろい突飛な意見が飛び交いますが、「恐怖心」というグループが、「それは〜なので、ダメだと思います」的な意見を出し、テンションの下がった一同は、「じゃあ〜もダメじゃん」と否定的な方向にながれ、最終的には、スタンダードな出し物で落ち着いてしまうのです。

クリエイションの過程において、このプロセスを何度も目にしてきました。均等な力関係のなかで、コンセプトの「エッジ」がぞりぞりと削ぎ落とされ、どんどん凡庸になっていく瞬間です。皆の「恐怖心」が「冒険心」を押さえ込んでしまうのです。結果は「満足」ではなく「安心」です。

しかし、学級会のようなシチュエーションでも、ここでカリスマと説得力を兼ね備えた意見が全てを牽引してゆく場合があります。皆を説得し、情報を補足し、希望をあたえる意見です。

この「前向きな意見」が具体的に何をしているのかと言えば、

「ロジカルに冒険の理由を説明する」
「実現の可能性の裏付けを提示する」
「理解可能な言葉で、面白さを解説する」
「想像の余地を残す」

という事だと思います。逆に言えば、これらの要素をもっていない「冒険心」は「恐怖心」に飲み込まれてしまうとも考えられます。

話を戻して、冒頭で述べた「冒険心」のままにクライアントに提示したコンセプトは、ただの学級会の初めの盛り上がりにすぎないのかもしれません。

うまくバランスのある意見を出すには、まず「恐怖」を理解した上で、提示の理由、実現の可能性等を考慮し、そのふるいにかけて残った砂金のような冒険は、自信をもって取り扱うというのがベストだと思います。

僕も、この「冒険心を恐怖のふるいにかける」為の時間をより多く割くように心がけたいです。

生意気言いました。


【あおいけ・りょうすけ】your_message@aoike.ca
< http://www.aoike.ca/
>
以前のコラムで触れました僕の名刺代わりになっている作品「CATMAN」がフジテレビ・お台場ランドで順次公開されています。過去の14作品公開後には、新作を公開します。この新作が名刺代わりになるといいのですが……
< http://www.fujitv.co.jp/game/catman/
>

1972年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。学生時代に自主映画を制作したのち、カナダ・モントリオールで映画製作会社に勤務する。Flashアニメシリーズ「CATMAN」でWebアニメーションデビューする。芸術監督などを経て独立し、現在はフリーランスとして、アニメーション、Webサイト、TVCMなど主にFlashを使い多方面なコンテンツ制作を行う。

・書籍「Create魂」公式サイト
< http://www.ascii.co.jp/pb/flashbooks/create-damashii/
>

・連載「創作戯れ言」バックナンバー
< https://bn.dgcr.com/archives/22_/
>

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■デジクリトーク
今度はフランスのアートフェアに出陣

筒井海砂
< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140600.html
>
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みなさん、こんにちは。これまでニューヨークとロサンゼルスでの展示会活動について何度かお話させて頂いた筒井でございます。実はほんとにもうすぐなのですが、8月29日から4日間行われるフランスのアートフェアに参加します。初フランスです。初ヨーロッパです。き........緊張しまくっております。

『次はフランスへ』そう考え始めたきっかけは、昨年7月のニューヨーク。生まれて初めての海外個展で多くの人に同じコメントをもらいました。「君はパリへ行ってみるといい」。

半信半疑ではありましたが、お調子者の私がそれを真に受けるのに時間はかかりません。すぐさまネットで情報を収集を開始し、4か月後には具体的な話が進み始めていました。

情報が増えるに従って、パリとニューヨークの違いが分かってきます。ニューヨークで個展を開く事は実はそう難しくありません。それは日本と同様に貸しギャラリーが沢山あるからで、若い無名の作家であっても資金と行動力さえあれば「ニューヨークで個展」というのは極めて近い距離にある夢と言えるでしょう。でも、パリは基本的に貸しギャラリーがありません。フランスで活動するにはそれなりのコネや知恵者の手助けが必要です。

私がギャラリーのサイトを探すよりも前に、まずコーディネーターを探したのは単に「言葉の壁」があったからなのですが、結果的にそれは正攻法でした。また、一番最初にコンタクトを取ったコーディネーターIさんが、パリのアート業界に精通しており、なおかつ幅広いコネと知識を持つ人だったことは、我ながら本当にラッキーだったと思います。相変わらず私の「出会い運」は強大です(笑)。

コーディネーターIさんとの最初の顔合わせで「筒井さんはどういう方向で活動したいの?」と聞かれました。当初なら「パリで個展」と即答したでしょうが、実際の私の答えは「アートイベントに出てみたいです」でした。私の興味を個展からイベントへ向かわせたのは昨年11月に参加したロサンゼルスのJapanExpoです。このイベントの詳細は以前のデジクリ記事をご覧下さい。
< https://bn.dgcr.com/archives/20070327140200.html
>

ギャラリーで行なう個展やグループ展は、作家がギャラリーにいる必要がないため、レセプション以外で絵を見た人のリアクションを知ることは出来ません。一方、ブースに居たいだけ居られるイベントは、見た人の感想や表情をダイレクトに受け取ることが出来ます。私にとって、それがどれだけエキサイティングなことだったか、言葉で説明するのは難しいくらいです。また作品の販売実績も良く、予想していなかったビジネスチャンスがあらゆる方向からやって来ました。

ギャラリーにはギャラリーの、イベントにはイベントの良さがありますが、私の性格と作品はイベント向きなのではないか、それをフランスでも試してみたいと思ったのです。

アートイベントで最もポピュラーなのは、バーゼル、FIAC、ARCO、アーモリーなど歴史も権威も知名度も高いアートフェアです。でも、これらのアートフェアは運営側に参加を認められたギャラリーだけが自分のお抱えのアーティストを選んで展示出来るので、何の知名度もない作家が個人で参加出来るものではありません。

ギャラリーも高額な参加費を支払って出展するので、自分達が本当に自信を持って推薦出来る作家だけを集めます。それだけに世界のアート業界の指向やアーティストのランク、絵の価値まで左右してしまう巨大なマーケットで、私にとってはまさに「論外」なイベントです(笑)。

では、コーディネーターIさんが私に向いていると判断した「GRAND MARCHE D'ART CONTEMPORAIN(以下GMAC)」とはどんなものかといいますと、簡単に言えばアーティストの青空市場。広場に設けられた特設テント内にブースが作られ、審査を通過したアーティストはブース料を支払って参加します。審査はありますが、アーティストの知名度や画風には殆ど制限はないようです。なにせGMACはコンテンポラリーアートのイベントなのに、私の作品が審査に通るんですから(笑)。

GMACはフランスでこのようなイベントを年に数回、バスチーユ、ベルシービレッジ、シャトー、バルボンヌの4か所で行なっています。
詳細:< http://www.joel-garcia-organisation.fr/
>

私が参加するGMACが行なわれるバルボンヌは、コートダジュールのニースとカンヌの中間にある小さな町で、日本では殆ど知られていませんが、欧州の人にとっては夏のバカンスを過ごす高級リゾート地として有名だそうです。

日本人に知られていないということは、ネットでも情報が見つからないということ。私自身もいまだにどんな町で、イベントはどんな規模なのか、殆ど分からないまま出陣することになります(笑)。

フランス語の習得は、はなから諦めました。フランス語のポートフォリオは何を書いているか自分でも分かりません。皆から「フランス向き」と言われても、フランス人がどんな絵を好むのか知りません。傾向と対策など考えられるはずもなく、出発直前となった今でも本業に追われて時間が過ぎて行く毎日です。

一体どんなハプニングがあるのか、どんな新しいことに出会えるのか、不安を語り始めれば何時間でも喋れそうな状態ですが、それと同じくらいワクワクもあります。

このワクワクがたまらないから海外活動は止められないのです(笑)。

【つついみさ】< http://www.seasand.net/
>
2005年でフリー10周年を迎えてしまったイラストレーター。実は10月にはバスチーユ(パリ)のGMACにも参加する予定。仏語でMISAは「ミザ」と発音されるため、MISSAと表記するらしい。ミッサーの現地生レポートはblogで!

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■イベント案内
InDesign コンファレンス 東京 2007
< http://www.idconjapan.com/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140500.html
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日時:9月12日(水)、13日(木)
会場:ゲートシティ大崎・ゲートシティホール
内容:Adobe InDesignユーザはもとより、出版・印刷・デザインのプロフェッショナルに向け、Adobe InDeign CS3の最新情報やノウハウにフォーカスしたイベント。
スピーカー:戸田ツトム、猪俣裕一、ダイアン・バーンズ、デビッド・ブラットナー、赤羽紀久生、市川せうぞー、植野博、大里浩二、金川功、河合雅人、菊池美範、小木昌樹、小林正明、祖父江慎、田原恭二、キース・タング、槌屋匡人、中島弘稀、中村美香、永原康史、ナット・マッカリー、松久剛、森裕司、米谷テツヤ、ほか
参加費:1日4,500円、2日7,000円 登録制
主催:Barrycon Productions LLC
特別協賛:アドビ システムズ株式会社
特別協力:社団法人 日本印刷技術協会(JAGAT)NPO法人日本パブリッシング協会(JPC)

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■イベント案内
「ブライダルフォトグラファーのためのMac入門」
〜ApertureとiLifeを使いこなす〜
同時開催:プリンタ、モニターでのカラーマネージメント
< http://www.imaging-park.jp/seminar/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140400.html
>
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「ブライダルフォトグラファーのためのMac入門」と題して、Apertureを駆使したブライダル現場での実践的なワークフローと、iLifeを使ったスライドショーDVDの作成を紹介します。Apertureは、アップルが提供するフォトグラファーのためのオールインワン・ポストプロダクションツールです。一日に大量の撮影を行い、即座にセレクトを行わなければならないブライダルフォトグラファーにとって、Apertureは非常に強力な比較/選択の機能を提供します。

また、モニターやプリンタでの正確な肌の階調再現等に重要・不可欠なカラーマネージメントについても、カラーマネージメント機能を内蔵した大判インクジェットプリンタ「HP Designjet Z3100 Photoシリーズ」や、おなじみのキャリブレーションツール「Eye-Oneシリーズ」も、会場で見て、触れて、体験することができます。
主催:Imaging-Park
日時:8月24日(金)14:00〜17:40(開場:13:30)
会場:Apple セミナールーム(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー32階)
対象:ブライダルフォトグラファーの方で新規システムの導入を検討されている方、Apertureのワークフローに関心のある方、ブライダル業務に携わる方、写真館を運営されているフォトグラファーの方、カラーマネージメントに興味のあるフォトグラファーの方
参加費:無料
定員:100名
内容:サイトを参照

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■イベント案内
APAアワード2008 記念講演「公募から就職までを考える」
< http://www.apa-japan.com/event/award08_kouenn.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140300.html
>
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日時:9月8日(土)
会場:東京工芸大学 芸術情報館メインホール(東京都中野区本町2-4-7)
一部/講演会 12:30〜14:30
二部/講師がマンツーマンであなたのBOOKや作品を見ます 15:00〜17:00
主催:社団法人日本広告写真家協会(APA)
後援:経済産業省 文化庁(予定)
参加登録が必要、サイトから。定員になり次第締め切り。

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■展覧会案内
TOKYO ILLUSTRATORS SOCIETY PRESENTS
和のかたち 160人のイラストレーターが描く日本
< http://rcc.recruit.co.jp/g8/index.html
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140200.html
>
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会期:8月20日(月)〜9月21日(金)11:00〜19:00 土日祝休 水20:30
会場:クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGIN ZA8ビル 1F TEL.03-3575-6918)
内容:東京イラストレーターズ・ソサエティ会員160名が「和」というテーマに挑戦。30cm×30cmの正方形に描き下ろし。1点35,000円(額代込み)で、会期初日より先着順で販売。一部非売もある。
◇トークショー 第193回クリエイティブサロン
日時:9月12日(水)19:10〜20:40
会場:クリエイションギャラリーG8 入場無料 要予約
ゲスト:飯野和好、阪口笑子、灘本唯人、蓬田やすひろ
予約、問い合わせはギャラリー受付(TEL.03-3575-6918)まで
◇レイトタイムサロン
日時:8月29日(水)、9月5日(水)19:00 P.M.〜20:30
会場:クリエイションギャラリーG8 入場無料
出品作家が来場し、質問、相談など、直接話ができる貴重なチャンス。

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■マガジンガイド&プレゼント
「Web Designing」2007年9月号 毎日コミュニケーションズ刊
< http://book.mycom.co.jp/wd/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20070821140100.html
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<編集部より>

「Web Designing」編集部の井原です、皆さんこんにちは。
『2時間10分28秒』 ……この時間を見てピンときた人もいるでしょう。今や“時間泥棒”とも呼ばれる「ニコニコ動画」の、ユーザーひとり当たりの平均月間利用時間です(Nielsen//NetRatingsレポーターより)。

私と編集部のH島は、この2時間10分28秒を1日で消化するほどのニコニコ中毒。ではニコ動のどこが良いのかというと、それは「面白い」という気持ちを、多くのユーザー達と共有できる「ライブ感」に他なりません。昔、大手動画配信サービスのプロデューサーが言っていました。「テレビの視聴率を支えるのは、『昨日あれ見た?』という共有意識。この『面白かったね』という気持ちを、いつでもどこでも誰とでも共有できるのがネット動画なんです」と。ニコ動は、まさにその最たる事例なわけです。

さて、今月の」「Web Designingの特集は「“わかったつもり”のWeb知識」と、もう一つ。今日の話題もちょっと出てきます。「映像表現のバックステージ」です。

●特集1:“わかったつもり”のWeb知識
「GIF」と「PNG」、「Strict」と「Transitional」など、普段何気なく扱っているこれら形式にも当然、向き不向きがあるのはご存じですよね。では、いったいどういう条件の場合に、どちらを選択すべきなんでしょうか? この特集では、胸をはってWebクリエイターを名乗れるよう、これだけは説明できるようにしておきたい22のトピックを紹介。歴史的背景や意外な落とし穴といった、解説書には載らない(X)HTML、CSS、Flashなどの基礎に迫ります。

●特集2:映像表現のバックステージ
クライアントから、映像を使ったWebサイトを作ってほしいと言われるケースが増えてきています。その一方で、Web制作者にとって、映像制作の現場は身近とは言い難い状況。この特集では、GT INC.の伊藤直樹氏をはじめ、映像を使ったWebサイトを数多く手がけてきたWebディレクターやプロデューサーに話を聞いています。ぜひ「Webで最大限の効果を発揮する映像制作」について、考えるきっかけにしてください。

さらに今月は、特別付録小冊子「Microsoft Expression Blend チュートリアルブック」を収録。WPFによる3Dユーザーインターフェイスの制作方法を、ステップバイステップ形式で詳しく解説しています。また、Adobe AIRアプリケーションの作り方をわかりやすくレクチャーする新連載「Hello, AIR WORLD :-)」の他、短期集中連載「MITが生んだアート志向の開発環境『Processing』」もスタート。盛りだくさんでお送りします。ぜひお見逃しなく!定価1,280円で発売中です。

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は8月28日(火)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に8月上旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
>

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■編集後記(8/21)

・集合住宅住まいは概して気が楽だが、やはりいろんなタイプの人が住んでいるので、時々いいかげんにしてくれと思うことがある。我がマンションには二カ所の自動ドア玄関のほか、三カ所の出入り口がある。我が家のすぐそばに二カ所あり、犬の散歩や買い物に出るときなどとても便利で気に入っている。もう一カ所は建物北端にあり、利用者が一番多い。それぞれアルミの扉で開閉するのだが、これがよく壊れた。原因は乱暴な扱いによる。たいていは押し開けたまま行ってしまうので、ドアは大きな音をたてて勢いよく閉まる。そのうちがたがたになって閉まらなくなる。一番使われるドアは何度も修理して、いまは自然にゆっくりと確実に閉まるタイプになった。かなり高価な物件のようだ。我が家のそばのドアは旧式のままで、いつもやかましく大きな音を立てている。早朝から深夜まで。この夏、あまりの寝苦しさに寝室の窓を開けていたら、ドアの閉まるショッキングな音で眠れたもんじゃなかった。うつらうつらしながら数えていたが、三回に一回は大音響だ。こりゃたまりません。以前から「必ず閉めてください」というラミネートされた注意書きがドアに貼ってある。そこで、今年に入ってすぐ「静かに閉めてください」も付け加えてもらったが、顕著な効果は見られない。押し開けたままでなく、手を添えてそっと閉めれば音は出ないのだ。そこで「手を添えて静かに閉めてください」という注意書きに換えてもらった。これが効果テキメンで、となったら大喜びのバンザイなのだが、ほとんど効果なしでお手上げのバンザイである。誰だって、自分の家ならあんな不快な音を立ててドアを閉めることは絶対にないだろう。共有のものだから平気で乱暴に扱う人が少なからずいる。それ以前に、ドアは開けたら閉めるのが人間だ。まったく犬猫なみの連中である。字も読めないし。(柴田)

・昨日の続き。一週間しかないのでレベルを知るために過去問を中心に勉強する。あいまいなところ、わからないところは、参考書に戻って勉強。丸暗記できる人なら必要ないんだけど、私の場合は暗記力が弱いので、とにかくイメージ、体験、仮想体験が必要。イメージづけできない年月やJIS規格名は覚えられないから切り捨て。見たことのない印刷現場、製版や印刷機械についても弱い。アルファベットの略語はひたすら元の名前に戻して覚える。「USM」とあって、なんじゃこりゃ〜と思ったら、単に「アンシャープマスク」であった。「GDI」「PPD」「PPF」「PPML」「DDCP」「DSC」「CIP4」「JDF」「WIPO」「OECD」……と略語だらけ。ごっちゃになってイライラしてしまうのだが、「XML」「DNS」「FTP」「SMTP」「POP」「MIME」などは日頃平気で使っているわけで、現場の人にとっては楽勝なテストなんだろうなぁと。仮想体験というのは、参考書にある図や写真を元に、それらの単語が使われる場面を想像し、体験したつもりになること。失敗事例を覚えやすい。面付け作業をしたことがないのだが、折丁についてだと、実際に紙を折ってノンブル入れてみたら、いままではもらっても適当に見ていた折丁見本の「なんで天袋と地袋の場合があるの?」「どっちが縦組でどっちが横組の場合?」の合理性がようやくわかって嬉しかった。見たことも触ったこともない想像上のPS版には水とインクをのせて、頭の中でローラーで回してみたよ。うわっドットゲインが、とか、ゴーストが〜、ブロッキングが〜とか、乾いてないのに名刺を重ねないでよ、裏移りしたじゃない、なども仮想体験してみる。現場じゃ当たり前のことが全然わからないし、いままで覚えなくてもどうにかなってたのさ。(hammer.mule)
< http://cp.c-ij.com/japan/photoretouch/reference/function/function03.html
>
アンシャープマスク
< http://www14.plala.or.jp/tonan3730/toraburu.htm
>  印刷トラブル