音喰らう脳髄[34]夏の邂逅/モモヨ

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SUITE XVIこの夏は奇妙な夏だった。暑さについては語るまでもない。尋常ではない暑熱にたおれた人さえ出る始末だが、私にとって、最大のニュースは、三十年来の盟友と再会したことである。

盟友とは、ストラングラーズのジャン・ジャック・バーネル、ストラングラーズのベーシストにして、私のメジャーデビュー時にプロデュースを引き受けてくれた人物だ。

ストラングラーズは、この冬、新作である16枚目のアルバムをリリースしたのを機に、これまで主な活動を展開してきたEU圏内を出て、ついに日本でのライブを実現したのである。そのひさびさのライブが、あろうことか、サマーソニックだったのだ。


サマーソニック略してサマソニとは、いうまでもないが、幕張メッセ全てを使って複数のステージをつくり、同時進行でコンサートを展開する一大イベント、フジロックとならぶ夏のロックフェス、といえば聞こえはいいが、メッセという場所柄もあり、バンド見本市みたいなものとも見えてしまう。ゆえに例年は、参加を見合わせていたが、今年は、前日に、ストラングラーズから、ゲストリストに入れたという連絡をもらい、とにもかくにも駆けつけた次第だ。

当日は、バックステージにも招待されていたが、ジャンジャックとは後日会う約束がしてあったので、ライブを見ただけで帰宅した。

バンドであろうと、IT系であろうと、見本市というものは疲弊するものだ。それも今年は尋常じゃない烈夏だから、肉体の消耗度は半端じゃなかった。が、それも、盟友のステージ、それも相当にいい感じのそれを見た後だけに、帰りは元気。幕張からの帰路、これほどに軽やかな足取りだったことは、かつてない。

そして、数日後、ジャン・ジャック・バーネルが宿泊するホテルで彼と昼食をともにした。以前から申し入れていた二人の対談収録もかねて、だった。対談は、私の全集に収録するためのものであったが、なにしろ、間にメールをやりとりした数年間をはさむが、実際には三十年ぶりの再会である。対談というより、旧友の再会、その一場面と化してしまったような気がしていた。

しかし、先日、対談を原稿に起こしたものに目を通したところ、本人が思っているよりもいい感じの内容を語っていたを確認。少し安心した。

中でも、私が彼に訊きたかった事は、EUの現状についてだった。彼は、70年代後半からEUの設立を悲願として音楽活動を続けてきており、ベルリンの壁崩壊であったり、その後のEU統合であったりについては、相当に大きな力を発揮してきた。その彼の目に、いまのEUがどう見えているか、興味があったのだ。

以下が彼の答えである。

EU統合には良い点もあるとは思う。今では、自由に行き来できたり働けたりできる。また、過去50年間、ヨーロッパでは戦争を回避できている。けれど、悪い面がある。それは全てのものが画一化されているということだ。国や町ごと、地方ごとの個性がなくなってきている。つまりは、ね。アメリカのすすめるグローバル化戦略に貢献してるって部分。

この話を聞く私の脳裡に、どこへ行っても同じ顔を見せている、この国の地方都市の様子がみえていたことは、言うまでもない。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >

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ロックンロール・ウォーリアーズ Live’80
リザード
ビデオメーカー 2007-01-27

フリクションザ・ブック MANIACS BABYLON ROCKERS 東京ROCKER’S 79 LIVE 飢餓々々帰郷(DVD付)



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SUITE XVI
ストラングラーズ
SIDE OUT RECORDS 2007-03-07
おすすめ平均 star
star奇跡的な甦り!

13日の金曜日~ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール No More Heroes Coup de Grace Rattus Norvegicus Suite XVI

曲名リスト
  1. Unbroken
  2. Spectre Of Love
  3. She's Slipping Away
  4. Summat Outanowt
  5. Anything Can Happen
  6. See Me Coming
  7. Bless You (Save You, Spare You, Damn You)
  8. A Soldier's Diary
  9. Barbara (Shangri-La)
  10. I Hate You
  11. Relentless
  12. Instead Of This(Live Version)*Bonus Track For Japan
  13. Death And Night And Blood(Live Version)*Bonus Track For Japan

by G-Tools , 2007/08/28