電子浮世絵版画家の東西見聞録[9]美女探しはやはり大学が良い-3
── HAL_ ──

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「ケンチャナヨ!」この言葉は良くも悪くも使われますが、本来の韓国語の精神はともかく、私にはとても便利な言葉です。「ケンチャナヨ↑」というように語尾を上げて発音すれば心配顔の「どうしましたか?」になるし、「ケンチャナヨ↓」と語尾を下げれば「大丈夫です!」と言い切れるし、軽く「ケンチャナヨ、ケンチャナヨ」と繰り返せば「平気、平気!」と言うような意味にとれます。ちょっと懐疑心のある感じの女の子には、気軽さと愛情を持って「ケンチャナヨ」と言えば、少しは気持ちをほぐしてくれます。

声をかけた梨花女子大学の学生には、日本語出来ますか? という意味の気持ちを込めて「イルボンマル、ケンチャナヨ!」と明るく呼びかけます。私が声をかけた女学生達は、たまたまだったのかわかりませんが、日本語が分かる娘がほとんどいませんでした。


若い芸能人を通じて文化の交流がはかられているので、少しは興味を持ってもらっているのかと思いましたが、言葉に関してはなかなか難しいようです。日本の学生にとっての英語のようにはいかないですね。元々嫌われている部分の多い日本ですから、しかたがないのかもしれません。

しかし、若い子達には過去の歴史などによる悪い印象は少いようで、少なくとも訳の分からない日本人のアーティストに対しては優しくしてくれました。はじめに声をかけた二人組も悩みながらもOK!というような顔を見せてくれます。そんなにすぐ快諾されるとは思ってもいなかったので、私の方は逆に準備不足。どう撮ろうかもあまり考えていなかったので、とりあえずカメラを構えて撮影開始!!

撮影とは言ってもレフ板を用意しているわけでもなく、光がどうのということまでを考慮した、こちらの意志を伝えるのも難しい状況下です。空は晴れてはいますが、絵の素材としてのポートレート撮影には影の部分にも光が回り込み、絶好の太陽光という条件です。そんな天の味方を得るなか、二人には自然なポーズをとってもらい、にこやかに「キュートだよ」とか「可愛いね」とか言いながら、次々に撮影します。

最後にネットでハングル翻訳した写真使用に関する承諾書に記入してもらい、その承諾書と一緒にさらに一枚撮影させてもらいます。承諾書には赤い大きな数字が打ち込まれていますので、こうしておくと名前と顔が一致するデータとして残しておけます。よく開発途上国の人々の写真を目にしますが、こういった撮影では肖像権はどうなっているのでしょう。いちいち許諾しているとも思えないのですが、不思議ですねぇ。

さて、撮影終了後は「カムサムニダ」。とても丁寧過ぎるくらいの感謝の言葉ですが、とりあえず日本人だからケンチャナヨです。「コマオヨ」という「ありがとう」の簡単なフレーズが出てこないほど気持ちは高ぶっていますので、まあそれでもケンチャナヨです。

次に出会った女子大生は、今回出会ったなかで唯一日本語が片言くらいは話すことが出来る娘でした。少しでも言葉が通じるのはうれしいことです。私の気持ちもゆるみます。気持ちがゆるんだからと言って、変なお誘いなどは一切しません。これもお仕事なのですから、甘い気持ちを持ってはいけません。ええ、絶対そんな気持ちは起こしませんってばぁ。

この娘は、大きくシャギーを入れた胸元までくる髪をそのまま下ろし、白地にグレーのピンストライプのシャツを着ています。このシャツはVカット左右非対称の胸元をあわせるような形で、襟元に付いた2センチ幅のベルト、これには軽い金具が付き合わせられるように見えるデザイン。

そして、左右にタックの入った大きな胸ポケットがアクセントになったウエストまでの短めの丈。スカートは白地に軽やかな花をあしらった、ひざ上の長さのフレアーの入ったスカート。足元はシルバーのサンダル。やはりメタリックだぞ! どちらもシャープな顔立ちを上品に見せています。

被写体とする女の子選びの条件は、もちろん顔立ちも大切ですが、それ以上にその娘が持っている雰囲気が大切です。単に美人ということではなく、個性のある子がいればどんどん撮影していくつもりでしたが、彼女に関しては顔立ちもよく、持っている雰囲気も個性的な上品さがあり、誰が見ても美人だと思える娘でした。

三人のグループだったのですが、撮影許可を求めると、すぐに他の二人は引き下がってこの子を前に出してきました。他の二人も撮影すれば良かったのですが、こちらもその気に押されて彼女だけの撮影になってしまいました。カメラを向けるとポーズまで取ってくれたことから見ても、自他共に美人だと認められた存在であることがよく分かります。撮影後少し話をし、別れたあと側に止めてあったYAMAHAのスクーターに飛び乗って颯爽と去っていく姿も印象的でした。やはり、お茶でも誘えば良かったかなぁ、、、、。

その後も順調に撮影は進みました。女子大生という枠の中なので強い個性を出した娘は少なかったのですが、楽しい撮影をひとまず終了しました。次は隣の新村駅にある名門・延世大学校を目指します。

◎なんと急ですが、次週16日(日)には再び韓国に行くことが決定しました。今年に入って三度目の韓国旅行になります。前回妙な旅行会社のツアーに引っかかってしまったので、その雪辱戦です。妙な運び屋をやっているわけではありません。きっぱり自費で出かけます。韓国に用事がある方は是非ご連絡ください、用件伝達くらいの用事は果たせますから。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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