音喰らう脳髄[36]アングラを舐めるなよ/モモヨ

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,100文字)


前々から疑っていたが、どうも大規模地震がくる前には神経痛がひどくなるようである。先週、インド洋で大規模地震があった。その前夜もキーボードを打つ指の動きがぎこちなくなった。

獰猛な暑熱のせいで指関節の間の緩衝体が損傷してしまっただけかもしれないが、地電流の変化が体内の生理的電流に影響を与える、そう考える方が趣味に適っている。

膝がガクガクして歩けなくなることすらある。で、体調は地震が来る直前まで悪化の一途をたどり、去った後は胃腸にどっと影響が出る。今回もいつもと同じ、と言いたいが、今回は内閣総理大臣の辞任会見というオマケ付だ。世の人心の揺らぎも影響してか、下痢の後に熱が出た。

はっきりしない頭でテレビを眺めていたせいか、この総理大臣辞任に際してのあちこちの番組で、なにか、この世ならぬものを見てしまった、そう思った。なにかというと、麻生氏にまつわる異様な影である。黒い噂と言った方がよいかもしれない。


内閣総理大臣が、参院選大敗後、世の中の意識とことさらのようにかけはなれた会見を続けたこと、小泉路線を継承するといいながら古い自民党の再生に向っているようにすら見える動きを時おりみせたことなど、正体不明な行動の裏側に麻生氏がいるのではないか、そう思わせられる情報が飛び交っていたからだ。総理大臣を裏切った者がいる、そう公言した議員すらいた。

たしかに、麻生氏は、幹事長に就任した際の会見で、小泉元総理がぶちこわした自民党を建て直す、というもの言いをし、発言とその後の行動を吟味すると古い自民党に回帰するかのような印象をうける。いや、そういう印象を持っていたのである。

まあ、彼自身、総理が辞意を表明する前から、総理の辞任を前提に仲間達と集い、権力を掌握するつもりでいたことは周知のことだから、私が何かを言うまでもなかろうが、いずれにしたところで、私にとって格別の意味を持つに至らなかった。自民党代議士の権力争いなど、今に始まったことではない。御馴染みの三文芝居のようなものだからである。

が、昨日の演説の様子を見ていて悪寒が背筋を走った。そして黙っていられなくなったのだ。

麻生氏は、大衆を目の前にして、彼に敵対する勢力を古い自民党と一刀両断したのである。古き自民党代議士達から疎まれているとすら言い出した。

実際に、内閣の終末近いことにそなえるために仲間をあつめ、派閥をあげて次期総理大臣の椅子を狙って動いていた彼が、自分の立場があやうくなると、その派閥を、仲間を組む者たちを、そのことゆえに悪と糾弾するかのような発言をしたのである。これには、まいった。彼は一匹狼ではない。彼と仲間達もまた一つの派閥、古い自民党なのである。

その派閥政治を「ぶちこわされた」「建て直す必要がある」そう発言してから幾日もたっていないのに、である。思惑が外れたからといって、この変り身はいただけない。前総理を陥れたというのが真実なら、悪代官失脚の図というところだ。

あるいは彼にまつわる悪い噂、まったく故のないことかもしれない。だが、もう一つ。大事なことがある。彼が強い指導者になる自信がある、そう言っていることだ。私からすれば、その強い指導者など恐いだけだ。

彼が多分よわいと思っている前総理だってあれだけ強行採決を多用したではないか。その軽薄ぶりに私は戦前の脆弱な指導者達を見た。貴公子と呼ばれる柔和な彼等の手で、我が国は戦争への道を突き進んだのだ。そんな過去を思えば、前総理より強いと自認する人間が権力を掌中に握ったらどうなるか? それを想像すると鳥肌ものだ。

日本にブッシュはいらないんだ。

私は自民党とは何の関係もない。古い派閥とは無縁な市井の素浪人である。が、その私が、どう考えても、いまのところ落ち着く先は彼以外だと思っている。サブカル、コミックとかネットに興味を持ってくれるのは嬉しいが、脳内メーカーだとかサブカルだとかを演説で得意げに口にするうちは目がない。秋葉原の電脳仏閣にて出家。三年ほどサイコダイビングの修行を続け、人の苦しみを知り心を練り直す。その後に出直しをはかれば可能性がないこともないだろうが……とにかく、だ。

サブカル、アングラをなめんなよ。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >


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