[2289] 思い込んだらの巻

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<写真っていうのは実験することなんじゃないの?>

■わが逃走[7]
 思い込んだらの巻
 齋藤 浩

■デジアナ逆十字固め…[62]
 彼岸の花
 上原ゼンジ

■イベント・展覧会案内
 佐藤可士和・佐藤悦子 書籍刊行記念トークショー&サイン会
 JAGDA富山ポスターデザイン展2007「Green vol.12」
 「吉祥寺アニメワンダーランド2007」
 「Genius Party展」吉祥寺発アニメの想像と創造


■わが逃走[7]
思い込んだらの巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20071011140500.html
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巨人の星の主題歌「思い込んだら試練の道を〜」を重いコンダラ(コンダラって何?)と勘違いしていた、という話はよく聞きますが、私もその方同様、どうも言葉を変な意味に変換してしまう癖があるようです。

最近の例を挙げると、『Scawaii!』という雑誌があります。ちなみにエスカワイイと読みます。意外なことに主婦の友社刊。この雑誌名を最初に音で聞いてしまった私は『エスカはイイ!』という雑誌なんだと思い込んでしまったのです。

エスカはイイ。エスカレーターマニアのための専門誌。『鉄道ジャーナル』や『航空ファン』など乗り物系マニア雑誌は多数存在しています。最近私はバス好きのための『バスマガジン』なる雑誌の存在を知り、時代はここまできたのかと衝撃を受けたのですが、ついにエスカレーター!!

あれって乗り物といえば乗り物だけど、どこが面白いんでしょう。きっと巻頭カラーは江ノ島エスカー撮り下ろしグラビア。特集は中央デパート閉店に伴い、最後の三菱71式エスカレーター廃止。さよなら運転当日は全国からエスカレーターファンが押し寄せ、別れを惜しみました。なんて記事があるに違いない。

きっと読者のコーナーには「ぼくはエスカレーターの振動音が大好きです。あなたの街の日立製エスカレーターの音とぼくが録音したオーチス社の音を交換しませんか」とかいう投書が載ってるのだ。すげー世の中だな。世も末だね。などと思っていたら、ぜんぜん違った訳ですよ。参った。

この『思い込み』のことを“癖”と表現したところ、それは癖ではない、性(さが)であると、極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)から言われてしまいました。それって褒め言葉?

そんな訳で、今回はそんな性(さが)にまつわる思い出話でもいたしましょう。

【その1:聴覚系思い込み・マツムシ】

10月に入ってようやく涼しくなってきました。夜、窓を開けて仕事をしていると、虫の声が秋らしさを高めてくれます。

さて虫の声といえば、文部省唱歌『虫の声』が思い出されます。誰もが知っている「あれまつむしが ないている チンチロチンチロチンチロリン…」という曲。

私は出だしの「あれまつむしが」の部分の意味を取り違えていたのです。本当は、あれ??マツムシが鳴いている(つまり“あれ”が感嘆詞)が正解のところ、私は「アレマツムシが鳴いている」と捉えていたのです。マツムシもクワガタムシと同様さまざまな種類が存在していて、オオクワガタ、ミヤマクワガタのように、ノコギリマツムシとか、アレマツムシという品種が存在すると思ってしまったのです。

「コレはね、アレマツムシといって、ちょっと粗い感じのマツムシなのさ」とか知ったかぶりしないで本当に良かったと思います。「じゃ、粗い感じってどういう感じなんだよ!」とか言われたら、「ほら、触覚のあたりが普通のマツムシと比べてちょっと粗くない? わかんないかなあ」とさらに深みにはまっていったことでしょう。

余談ではありますが、この曲にはもっとメジャーな思い込みが存在します。最後のフレーズ「ああおもしろい、むしのこえ」を「青も白い、虫の声」と勘違いしていたというもの。私の従姉も小学生当時そう思い込んでいたらしく、青いものが白くなってしまう程感動的な、とかいった意味だと思い込んでいたそうです。オトナはよく“もののたとえ”を使うので、きっとこれもその一種だと納得してしまったのですね。まあ、よくあることです。

【その2:聴覚系思い込み・チコロ】

チコロ。皆さん、この言葉をご存知でしょうか。チコロには良いものと悪いものが存在するようです。いいチコロ、わるいチコロ。チコロがいい、チコロが悪い。

私もしばらくの間この意味が全く分からなかったのですが、普段あまり使う言葉ではなかったので、特に調べずに20歳を迎えてしまったのです。

そんなある日。そう、あれは11月も半ばを過ぎた頃だったと記憶しています。学生の私はムサビの1号館を背に、自転車置場に向かって歩いていました。と、何の前触れもなく、突然その曲が脳裏をよぎったのです。

「セクシ〜、あなたはセクシ〜、私はいいチコロでダウンよ、もうあなたにあなたに溺れる〜」

私はハッと気づきました。それは「いいチコロ」でなく「イチコロ」なのだと。

なぜいきなり謎が解けたのかは今をもって謎ですが、その時、巨大な壁が崩れ落ちて、そこから光が差してくるような、長い長いトンネルから突然抜け出たような感動があったことは今もはっきりと覚えています。折しもベルリンの壁崩壊の年。私の中の永遠の謎であったピンクレディ『渚のシンドバッド』が、その時崩れた壁の向こうから完全な姿を現したのでした。

以上、聴覚系思い込み二編をお送りしました。多かれ少なかれ、誰にでもこういったことはあると思います。私の周りでも、いまだに『仰げば尊し』の「いまーこそーわかーれめー」を「分かれ目」だと思い込んでる人がけっこういます(正解は係り結び)。

まあ、そういった訳で、よくあることなのです。なので、あまり気にしないようにしましょう。私も気にしません。

【その3:視覚系思い込み・ゴーシュ】

いわゆる読み間違い(?)とも違うのです。宮沢賢治の『セロひきのゴーシュ』、私はそれをずっと『ゼロひきのゴーシュ』だと思い込んでいたのです。ゴーシュが一匹もいないという話です。

別にゴーシュが何匹いようが俺には関係ないね。なんて思っていました。ゴーシュはたぶんバッタみたいな生き物。

なぜゼロひきなのに、セロひきという表記なのかを考えてみました。原稿は『ゼロひき』にもかかわらず、印刷段階で誤植があり、『セロひき』として定着してしまった。例えていうならトヨタの社名は当初トヨダだったのだが、社名ロゴのデザイナーに送られた情報にはトヨタとあったため、発表されたロゴマークに合わせて社名もトヨタにしてしまった、なんていうエピソードに似ています。

当時私は有名私立中学受験のための進学塾に嫌々通っており、試験に出るからという理由で宮沢賢治作品のタイトルを嫌々暗記していたのです。なので、こんなひねくれた思い込みをしてしまったのかもしれません。

後年、本当にセロひきだと知った時はショックでした。しかもセロがチェロのことだったとは!

やはり文学は強制されて読むものでもなければ、内容も知らずにタイトルだけ覚えるようなものでもありませんね。でも、そんなこと言ってるからお受験に挫折したとも言えましょう。人間、向き不向きってものがあるのです。

【その4:視覚系思い込み・南瓜の蔓】

小学4年生の時の話です。国語の教科書に原田直友さんの「かぼちゃのつるが」という詩が載っていました。有名な詩ですからから皆さんご存知かと思います。このような詩です。

  かぼちゃのつるが
  はい上がり
  はい上がり
  葉をひろげ
  葉をひろげ
  はい上がり
  葉をひろげ
  細い先は
  竹をしっかりにぎって
  屋根の上に
  はい上がり (以下略)

その日、担任の秋山先生が宿題を出しました。「明日の国語の時間は、この詩を読みます。なので、各自三回、朗読してくること。できればお父さん、お母さんに聞いてもらいましょう。」

私は夕食の後、母の前でこの詩の朗読をはじめたのです。
「かぼちゃのつるが、ハイ、あがり。ハイ、あがり。葉を広げ、葉を広げ、ハイ、あがり」

聞いていた母がツッコミを入れてきました。
「ちょっと何よ、その“ハイ、あがり”って」

私は「だって教科書にそう書いてあるんだもん」と答え、さらに続けました。
「ハイ、あがり。ハイ、あがり。」

「ハイ、あがりって…絶対おかしいから、ちょっとそれ貸しなさい」
母はそういうと私の教科書をとりあげ、読むや否や「あんた何言ってんの。これ、“這い上がり”じゃないの」

母のひと言はまさに「!」といった感じで、目からウロコが落ちるとはこういうことなんだと気づかされた瞬間でもありました。

しかし、その詩の意味するものが私のイメージしていたものと比べるとあまりにも当たり前の内容だったので、なんか拍子抜けしてしまったのです。さて、私の解釈はというと。

“かぼちゃのつる”が寿司職人をめざすストーリーだと捉えていたのです。植物なのにえらいなあ。病気のお母さんのお薬代を稼ぐために、寿司屋に住み込みで働いているのかな。

カウンターからお客さんに「ハイ、あがり。」「ハイ、あがり。」とお茶を出し、毎日努力を重ねた結果、竹をにぎれるまでになった。松をにぎれるようになるまでがんばれよ! と思い込んでしまったのですね。

それが“這い上がり”だってさ。そのまんま植物の描写をしているだけじゃないか。面白くもなんともねーや。

夜、布団に入っても私の中で寿司をにぎる擬人化されたかぼちゃのつると、いわゆる植物のかぼちゃのつるがぐるぐる回っていました。

(どっちが好きかといえば、絶対寿司職人の方だ。たとえ間違っていたにせよ、この俺が寿司職人と解釈したんだから、他にもそう思った奴が絶対いるはずだ。それにしても、「ハイ、あがり」と思い込んだまま明日授業でクラス全員の前で読んでいたら……大恥をかくところだったなあ。あぶねえあぶねえ。やっぱ、宿題はちゃんとやっとくもんだねー。)

翌日、学校に着いた私は、はやく国語の時間が来ないか楽しみでした。もし、自分以外の誰かが朗読することになったら、絶対「ハイ、あがり。」と読むに違いないと確信していたのです。そうしたらすかさず「バッカでぇ〜。“這い上がり”だぜー」と、はやしたててやろうと待ち構えていたのです。

国語の授業が始まりました。ヨコヤマくんが指名され、朗読がはじまりました。するとどうでしょう! ヨコヤマくんは普通に「かぼちゃのつるが、這い上がり、這い上がり…」と読んでいるではありませんか!

周りを見回しても、「ハイ、あがり。」と思い込んでいた人は誰もいないようでした。誰もが顔色ひとつ変えず、教科書を目で追っているのです。ショックでした。思い込んでいたのは、私だけだったのです。

おしまい。

書いていて思い出したけど、その昔、伝説の月刊誌『ビックリハウス』で流行語にしたい言葉を募集するコーナーがあって、思い込むことを『オモコする』と表現することが公式認定されていました。今さら流行ったら素敵だなあ、オモコ。

[さいとう・ひろし]saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
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■デジアナ逆十字固め…[62]
彼岸の花

上原ゼンジ
< https://bn.dgcr.com/archives/20071011140400.html
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なぜ自分が「ゆがんだ世界」を写したいのかは分からない。しかし、マグリットの絵が好きだったり、LivePictureで写真を変形させて遊んだりということ好きだったから、何か変形フェチのようなものなのかなあとも思う。

今だったらPhotoshopを使えば画像を簡単に歪めることはできるけど、何かそれだとちょっと面白くない。自分のイメージに従って変形をコントロールするよりも、歪んだガラスのせいで、図らずも歪んでしまった、という偶然性が面白いのだ。

ガラスカッターを買ったり、七輪を買ったり余計な回り道をしていたが、ネットで手作りのガラス小皿を発見してしまったので、とりあえずはそれを使い、フィルター代わりにした撮影をすることができる。

また、以前買ったまま使っていなかったボトルカッターも、ようやく役立てることができるようになった。なぜボトルカッターを買ったのかと言えば、コップの底の部分だけを切り取って使いたかったからだ。しかし、私が切りたかったコップというのはお猪口のような小さなものだったので、サイズが合わずに底を切り取ることができなかった。

私はまた余計なものを買ってしまった自分の愚かさを呪い、ここ何ヶ月かは無気力な日々を送っていた。しかし、ある日100円ショップで何か工作に使えるものはないかと物色していたおり、またいい事を思いついた。

「小さいコップじゃなくて、大きいコップなら、あのボトルカッターで底が切れるんじゃないないだろうか?」

なぜこんな当たり前のことに気づかなかったんだろう。分かっていればチャッカマンでガラスを焙って溶かしてみようなんていう、アホな実験をせずに済んだのに……。

ボトルカッターというのは小さな台にガラス切りの刃が付いたものだ。その台にワインボトルなどを乗せてクルクルと回転させれば、ボトルにくるりと筋が入る。その部分をロウソクであぶり、さらに氷や冷たい水に浸ければ、筋に沿って亀裂が入るという仕組みだ。

私はそのボトルカッターに合いそうな太さのコップを二つ買い、実際に切ってみた。結果は半分成功。半分というのは、切り離すことには成功したが、うまく筋に沿って切れなかったからだ。たぶんカッターで入れた筋が浅かったのだろう。しかし、実用的には問題ないので良しとする。最後に紙ヤスリで切り口を削っておしまい。

WEBのほうに、歪んだガラス小皿を使って撮影した写真をアップしたのでご覧下さい。ギャラリーの「ゆがんだ世界」というタイトルのものです。ちょっと歪み過ぎ? という気もするが、まあまあ面白い感じに撮れた。赤い花は彼岸花なんだけど、この彼岸花はちょっと新しいんじゃない?
< http://www.zenji.info/
>

●写真とは実験なり

なんでこんな実験ばかりしているのかと問われたら、「好きだから」というのが第一の答えだ。いろんな思いつきを試してみるのが、楽しいのだ。第二の答えは毎週締め切りが来てしまうので、苦し紛れにやっている、というのもある。なんかネタはないものかと、知恵を絞っているのだ。

最後の答えは、写真っていうのは実験することなんじゃないの? という考えがある。20年も前に森山大道氏に写真を見ていただいていた時によく言われたのは、「おれが見たことない写真を見せてくれよ」という言葉だ。

これは個人的に言われたのではなく、一緒に写真を見てもらっていた連中みんなに放たれた言葉だ。みんながモノクロで撮影し、コントラストの高いプリントを持ってきていた。つまり森山さんのヘタな真似のような写真ばかりだったから、見たことのない写真でビックリさせてくれ、ということだ。

当時森山さんは「写真時代」で連載を持っていて、フォトグラムをやってみたり、一枚の写真からトリミングで何枚もの写真を切り出したり、といった実験的な写真を見せてくれていた。だから、みんなにもどんどん実験をするように勧めていたのだ。

つまり、物真似ではない新しい写真を見せることが重要だということ。これは発明家とか研究者に似ているかなと思う。今まで誰も考えつかなかったような概念を見いだし、時代を前に進めるという意味でもある。

そういう実験的写真の対極にあるのが、たとえばただのきれいな風景写真だ。風光明媚な場所に、それなりのカメラを持っていけば、きれいな風景は写る。でも、きれいな風景写真が撮れたって「きれいだね、それがどうしたの?」という話だ。風景写真がすべてダメとかって話ではないけど、ドキドキ感はない。

写真に対する取り組み方というのは人それぞれで、みんながみんな実験的で新しい写真を撮る必要はまるでない。でも自分としては写真の実験を続け、見たことがないような写真を提示できないものかと思っている。

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/
>
◇「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html
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■イベント案内
佐藤可士和・佐藤悦子 書籍刊行記念トークショー&サイン会
< http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200711/samurai_07111.html
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< http://design-note.jp/article/0002168.html
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< https://bn.dgcr.com/archives/20071011140300.html
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『佐藤可士和の超整理術』トークコーナーでは、本を執筆するきっかけや、「整理術」が生まれた背景を振り返りながら、問題解決のための“整理”を解説。一方の『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』コーナーでは、SAMURAI成功の陰の立て役者、佐藤悦子さんから見た可士和氏の凄さを、身近な存在からどう捉えているか。そしてクリエイターをさらに上のステージへステップアップさせるマネージメントおよびブランディングの方法を語る。(サイトより)

日時:11月1日(木)19:00〜21:30
会場:六本木ヒルズ森タワー40階 アカデミーヒルズ40 キャラントB
入場料:1,500円
詳細・申込:サイト参照

→アマゾンで『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』を購入するなら
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4416607245/dgcrcom-22/
>
→アマゾンで『佐藤可士和の超整理術』を購入するなら
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532165946/dgcrcom-22/
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■展覧会案内
JAGDA富山ポスターデザイン展2007「Green vol.12」
< http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/kachi/pos/19po_top.html
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< https://bn.dgcr.com/archives/20071011140200.html
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JAGDA富山会員デザイナーを中心に、「GREEN」をテーマにデザインしたポスターを展示。今年で12回目。(サイトより)

日時:10月13日(土)〜21日(日)11:00〜19:00(火曜休廊)
会場:元麻布ギャラリーTOYAMA(富山市桜町1-4-5 東横インJr.富山駅前2F)

日時:10月23日(火)〜11月19日(月)9:00〜17:00(会期中無休)
会場:富山県産業高度化センター(富山県高岡市オフィスパーク5)
< http://www.suncenter.co.jp/tskc/
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※「ヒロシマ・アピールズ」ポスター展併催

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■イベント案内
「吉祥寺アニメワンダーランド2007」
「Genius Party展」吉祥寺発アニメの想像と創造
< http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20071011140100.html
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現在、吉祥寺は日本におけるアニメ・マンガ文化の中心地となっており、多くのアニメ制作スタジオや作家が拠点としています。
その中でも吉祥寺にスタジオを構えるアニメーション制作会社、STUDIO4℃は、常に挑戦的な企画と確かな技術で日本のアニメシーンを牽引してきました。本展では、この夏公開のSTUDIO4℃制作の短編オムニバス映画「Genius Party(ジーニアス・パーティ)」をとりあげ、吉祥寺で創られ、世界へ発信されているアニメーション制作の現場とその監督たちの想像力を、制作の過程における数多くの資料によりご紹介します。(サイトより)
< http://www.studio4c.co.jp/
> STUDIO4℃

●吉祥寺アニメワンダーランド2007
< http://www.kichifes.jp/wonderland/home.html
>
日時:10月6日(土)〜14日(日)
武蔵野商工会議所と地域コミュニティ、そして在住・ゆかりの漫画家、アニメスタジオが主体になり1999年度より開催してきた全国的にも例を見ない街と漫画家、スタジオが一緒に開催してきたお祭りです。

●「Genius Party展」吉祥寺発アニメの想像と創造
< http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/
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主な展示資料:イメージボード、キャラクター設定、原画、美術
日時:9月15日(土)〜10月28日(月)10:00〜17:30
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7F)

●湯浅政明監督×竹熊健太郎氏トークイベント
< http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/data/events/2007/2007ev.html
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「マインド・ゲーム」「クレヨンしんちゃん」などでおなじみの湯浅政明監督。「Genius Party」で手掛けた「夢みるキカイ」の制作過程を竹熊健太郎氏の進行でわかりやすく解説します。
日時:10月14日(日)15:00〜16:00頃
会場:吉祥寺美術館音楽室
定員:80名(先着順。当日10時から整理券を配布)
入場料:美術館入館券(100円)が必要

●「Genius Party×FASHION展」
< http://www.libro.jp/web/topics/index.php
>
日時:10月6日(土)〜14日(日)
パネル展及びコラボグッズを展示。
会場:リブロ吉祥寺店店内特設会場(吉祥寺パルコB2F)

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■編集後記(10/11)

東京てくてくすたこら散歩・伊藤まさこ「東京てくてくすたこら散歩」を読んだ(文藝春秋、2007)。図書館に予約していて、なかなか順番が回ってこなかった人気の一冊。タイトルが気に入った。楽しみだった。でも手に取ったその本は、どうしてこんな程度で書籍になっちゃうのかなと思ったくらいスカスカだった。「オールカラー!人気スタイリストの東京フォトガイド」というコンセプトらしいが、ガイドにしては情報の質と量がむしろ貧弱といってもいいほうだし、写真だって平凡なスナップだし(プロの手になることはわかるが)、それなら文章がすばらしいのかというとごく普通の作文だ。A5判並製カバー装の160ページ、横組みの本文はあっけないくらい少ない。写真は35ミリのベタ焼きくらいのサイズのものが、多めの白地の中にぽんぽんと置いてあるのが特徴(もちろん一ページ大、ポストカード大もあるが)。本人は写真に出まくりである。ガイドとなる地図は思い切りおおざっぱ。行き先は、吉祥寺、根津・谷中、二子玉川、浅草、築地、神楽坂、青梅などで、それぞれの土地で訪ねたスポットは60ヶ所以上あるが、雑誌「散歩の達人」などとは違ったテイストの非実用的ガイド本。というか、人気の雑貨&料理スタイリストの「タレント本」なのだ。このみょうにルーズな感覚はブログじゃないかと思ったら、やっぱり文藝春秋のサイト「CyberCREA」で人気だった連載をもとに、追加取材してまとめた一冊であるという。それを知らずに、タイトルだけでおもしろい実用的散歩ガイドブックに違いないと期待したわたしが悪かった。この本を激烈支持する人は、まさこさんが住んでいる東京に行ってみたいわ、という地方の乙女が多いんじゃないかと思う。最初はこんなスカスカ本はけしからんと不快だったが、タレント本であることを見破ったら、ああこういうのもありねと納得した。わたしにはまったく役立たず本だったけどね。(柴田)

Real-Action・電王の挿入歌がオリコン6位って。来年1月には大人サイズ変身ベルトも出るって。子供サイズと違い、イマジンの決め台詞が聞けたり、音量調整もできるらしい。うちの甥は来年また新しい仮面ライダーがはじまったら、そっちに夢中になるだろう。だが今の電王変身ベルトは甥二号が使い、いま二号が使っているカブトの変身ベルトは甥三号が使うことになるだろう。甥二号はカブトベルトで電王変身の真似をしているのだ。いつまでごまかせるやら。TVでは今週から、いつもは憑依されていた主人公が、やっと自分で戦えるようになったよ。楽しみになってきた。(hammer.mule)