デジアナ逆十字固め…[63]万華鏡写真を極めたい/上原ゼンジ

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今度は万華鏡写真にちょっかいをだしてみた。万華鏡写真というジャンルがあるのかは知らないんだけど、万華鏡に映し出される世界を、キチッと撮れないものだろうか、という実験だ。

なぜ万華鏡なのかというと、透過光を使ってかなり彩度の高い写真が撮れるんじゃないだろうか、と思ったからだ。彩度の高い写真というのは、カラーマネージメントのサンプルとして必要になることが多い。

たとえば、最近のモニタやプリンタというのは、色再現域がかなり広くなってきている。つまり、かなり鮮やかな色まで再現できるということだが、その再現域を生かした出力には、彩度の高い画像が必要だ。


サンプルに使う被写体としては、色鉛筆やパステル、それからカラフルな糸や布なんかをよく使う。まあ、サンプルだからそういった被写体で全然構わないのだが、もうちょっと面白い被写体はないものかと、いつも探していた。そこで万華鏡の写真が面白いんじゃなかろうかと思ったというわけだ。

万華鏡の中に入れる素材のことは「具」と呼ばれる。ビーズやガラスのかけらでもいいし、植物でも金属でも何でも構わない。普通にサンプル用の写真を撮ろうとしたら、「文房具つながり」とか「洗面道具つながり」とかで構成を考えるが、そういったことをまるで無視して、色や形だけで具をチョイスできるという点が魅力だ。

万華鏡の写真はすでに一度テスト済みだ。その時は、コンパクトデジカメのレンズ部分に万華鏡を直接テープでくっつけてしまった。マクロモードで撮影をしたら、けっこう簡単に撮影することができた。しかし、今回はもう少しクオリティーが上がるような撮影方法を考えてみることにした。

●「表面反射鏡」がポイント

まず、光源はHIDランプにした。色温度6500Kのもの。演色性が高く色をしっかり出したい場合に向いている。物体の色というのはまず光があり、物体に当たって反射した光や透過した光により認識できる。つまり物体を照らし出す光というのが、けっこう重要で、光源の中にさまざまな波長の光が豊富に含まれている必要がある。

カメラは一眼レフにした。小さな具の撮影がしたいので、レンズはマクロレンズがいい。画角が広ければ鏡に映る模様が増え、狭ければ周囲の鏡に映った部分が少なくなるはずだ。

撮影はカメラを複写台に取り付け、真上から行うことにした。ライトは横から当て、白い紙で上にバウンスさせる。そして台の上にガラスを乗せ、そのガラスの上に具をちりばめる。

今回の具はガラスのかけらにした。いろんな色のかけらがミックスされたものを買った。探す場合のヒントはカレット(ガラスのかけら)という言葉だ。あとは「ビーチグラス」とか「シーグラス」で検索してもいい。まあ、海の近所に住んでいる人は自分で拾ってきたほうが楽しいだろう。

最初のテストは万華鏡の工作キットをそのまま使った。スリー・ミラー・システムのごく単純なもの。万華鏡は「鏡を何枚使うか」とか、「鏡の形は」といったことで、写るイメージもさまざまに変化するが、もう少し慣れてきたら、ちょっと複雑なものにも挑戦してみたい。

万華鏡というのは、単に万華鏡をのぞいた時のイメージがきれい、というだけでなく、蒐集して楽しめるような、作りの美しさというのも重要だ。しかし、私の場合は万華鏡写真が撮りたいというだけなので、見た目はどうでもいい。

組み立てた万華鏡は、ドーナッツ型に切ったスチレンボードを使って、マクロレンズと合体させた。接着剤も使わずにステップダウンリング代わりにしたというわけだ。

レンズは、28mm、60mm、90mmのものを試してみたが、写る範囲の広い28mm(35 mm換算で42mm)のものがちょうどいい感じだった。ただ、今回はわりとかっちり撮影したいと思っていたのだが、いまいち周縁部がボケた感じで気に入らない。

そこで、用意してあった「表面反射鏡」を使ってみることにする。表面反射鏡というのは、万華鏡作りには欠かせない鏡のことだ。安いキットに付いているのは塩ビ製の鏡だがこれはあまり質が良くない。

通常のガラスの鏡というのは鏡の裏側にアルミなどが蒸着されているが、表面反射鏡の場合は、表面に蒸着されている。普通の鏡の場合はガラスをいったん通過してから反射し、またガラスを通って光りは戻ってくる。それが表面反射鏡では、表面でそのまま反射されるので、ガラス部での屈折や散乱がなく、クリアなイメージが得られる。

ただし、普通の鏡に比べ高価だし、自分でカットしなければいけないというのがちょっと面倒だ。まあ、私は趣味がガラス切りなので、難なく切ることができたんだけどね。

さて、塩ビミラーと表面反射鏡の違いはどうだったか? これはもう全然違いますね。最初に作った時のボケた描写は安物の塩ビミラーのせいだったということが分かった。表面反射鏡侮りがたし。けっこうクリアな万華鏡写真が撮れたから、ちょっと見てみてください。

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