KNNエンパワーメントコラム 小沢一郎の辞任表明で考えたこと/神田敏晶

投稿:  著者:  読了時間:11分(本文:約5,300文字)


KNN神田です。

虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実 (講談社+α文庫 (G143-2))民主党代表の小沢一郎氏が辞任の意を表明した。福田首相の「自民公明&民主党」連立政権要請を、民主党に持ち帰り反対されたことが理由だという。総選挙を控えて、戦後最大の政権交代のチャンスを壊した男として、彼は歴史に名を刻むことになることだろう。

・小沢一郎民主党代表の辞任表明会見
< http://asx.pod.tv/dpj/free/2007/20071104ozawa_v300.asx >
< http://www.dpj.or.jp/news/files/191104kaiken2.pdf >
< http://www.news.janjan.jp/government/0711/0711040138/1.php >

小沢一郎氏は、本当に連立政権で良いと考えたのだろうか? てっとり早く、政権を握れると本気で考えたのだろうか? 幹部が納得すると思ったのだろうか? もし幹部が納得しても、国民はなんと思うのかを考えなかったのだろうか? といくつもの「?」が残った。

そのうちのひとつが、「中傷報道に厳重に抗議する」であった。
< http://www.dpj.or.jp/news/files/19.11.4kougi.pdf >


剛腕維新事実であれば、日経と朝日以外に対して、訴訟するという方法もあるはずだ。ウェブサイトでもっと事実関係を発表するなどのことができるはずだ。なんならば、「民主党TV」として、放送するメディアを持って中傷報道に抗議し訂正を求めればよいことであって、辞任するほどの理由にならないと感じた。むしろ、「辞任発表」が及ぼす影響を考えるべきだっただろう。

民主党にとっては最大のチャンスを、代表によって、戦略そのものを考えなおす必要性が生まれてしまった。もしかすると、小沢一郎氏は、すぐさま自民党へ復党というシナリオもボクはありうると思う。すぐに「辞意」を表明させ、問題を雪だるま的に大きくさせてしまったという、民主党の手法にも疑問を抱いた。

これが、もし福田総理の想定の範囲内であれば、かなりのソフトムードでのしたたかぶりかと思う。だが、これで衆議院が解散した際には、国民はなにをどう判断したらよいのだろうか?

日本国憲法第59条に「衆議院の優越」ということが、決められており、ねじれ参議院で否決されても、衆議院の2/3以上で可決すると法案として成立する。衆議院の定数は480人(小選挙区300人、比例代表180人)なので、日本の法律は参議院で反対されても、衆議院で2/3の賛成(320人)があれば成立する。自民党(305人)と公明党(31人)が連立であることによって2/3以上の336人の票を確保して、与党としてのポジションをなんとか維持している状態だ。

与党(336人)70%
自由民主党 305人
公明党 31人

野党(144人)30%
民主党 113人 23.6%
日本共産党(9人)1.9%
社会民主党(7人)1.5%
国民新党(6人)1.3%
無所属(9人)1.9%

簡単に考えると、次の衆議院の総選挙で、与党(336人)から176人の票が野党に流れると、法律の決定権が変わる。176人もどうやって変えられるのか?

六年間ある参議院と違って、四年の任期のうち、いつ解散があるかわからない衆議院の先生たちは、自分たちを選んでいただく地元の票稼ぎが一番の仕事である。地元の冠婚葬祭や運動会にラジオ体操に朝立ちと、認知度を維持しなければ生き残れない。だから、実際の政策の勉強などより、「ドブ板選挙」といわれる政治以外のパフォーマンスを重視しなければならない生き物だ。

自民党の衆議院議員の平沢勝栄氏の「政治家は楽な商売じゃない」という本を読んでみて、アホらしくなった。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4420310235/dgcrcom-22/ >

一年間に冠婚葬祭だけで800回も出席しているという…。そんなにヒマがあるんだ。喪服とモーニングを着替えるだけでも大変。こんな足で票が集まるということ事態が大問題だ。

そこで、そんな政治家よりも、具体的な政策がなくても、真摯に日本の未来、世界の未来を考える人たちが政治の世界にもっとドンドン立候補してもらいたい。政党政治のなれの果てが、今回の小沢一郎氏の蹉跌だ。どうして、政治家ってこんなにも空気が読めない人ばかりなんだろうか?

●ボクの妄想ストーリー「村上・中田新党(仮)」

2007年夏の参議院選で、「FromNakatanet」というアカウントから「Take Action7.29」という中田英寿からの謎のビデオがYouTubeにアップロードされた。未だに削除されていないということは、本人の事務所からの正式な映像であろう。
< http://jp.youtube.com/user/fromnakatanet >

もしも、中田氏が政治に興味、いや今の世界に問題意識を持っているならば、今回の衆議院は彼にとっての大きな転機になることだろう。そこで、大胆なシミュレーションをおこなってみたい。ここからはボクの妄想ストーリーである。既存の政党政治のしがらみではない、新たな政党が必要なのかもしれない。

政党は10人の候補者が600万円を供託すれば10分で認可される。ボクでさえ、参議院選挙の際に、たったの10分で政治団体として認可された。役人は、規定さえ守っていれば断る理由がないのだ(逆にどれだけ良いことでも規定にそっていないと断られる)。これを利用しない手はない。

旅を続けていた中田英寿は、サッカーを通じて知り合った作家の村上龍に、今回の衆議院選挙への参加を呼びかけた。朝青龍のサッカー問題ばかりを取り上げる、日本のメディアから伝わる日本の政治の情報に嘆いていたからだ。自民党の提携申込で、民主党が自爆しているのも彼にとっては、見ていられなかったのもひとつの理由だ。

村上龍は、現在の政治に対してのカウンターパンチの機会として、この中田の誘いに乗り、「村上・中田 新党(仮)結成」の機が熟したとして動き出すことを決めた。次に標的に上ったのが、「北野武」である。1989年より「TVタックル」という政治バラエティという番組を展開している。バラエティでも映画でもやることはすべてやりつくし、村上と中田の説得におもしろうそうだと感じ、軽そうで本当は重たかった腰を上げた。

村上、中田、北野が次に狙いを定めたのが、音楽家の坂本龍一だった。坂本は環境問題に取り組む金融NPO APバンク< http://www.apbank.jp/ >を主宰していた。同じく主宰の小林武史(音楽プロデューサー)、桜井和寿(ミスター・チルドレン)らにも声が広がり、参画が広がった。

この頃から、芸能、文化人の間でも、村上・中田のラインの動きが密かに話題になり始めた。人づてにこの情報を聞きつけたテリー伊藤が、新庄剛志、みのもんたを推薦する。新庄はタレント活動よりも国民へのサービスの意味の大きさを考え参画、みのは政治に対して常に批判的でありたいと辞退するが、藤原紀香を紹介した。

藤原は結婚で話題になり、生活や子供のための日本を考えていた。アフガニスタンなどの国際問題についても関心を持っていたため、即座に参画を発表。そして、藤原が声がけをしたのが、イチローであった。イチローもやるべきことはすべてやった。今後は今の記録をどれだけ維持するのかと、日本のために何が自分ができるかを模索していた。イチローはマリナーズとの契約があるが、党の発起人としては参画を承認した。10人目には、沢尻エリカの彼として注目を浴びた高城剛に、中田から声がかけられた。「デジタル日本人」「ヤバイぜっ!デジタル日本」の著書で日本の未来に疑問を投げかける。エキセントリックな風貌とは裏腹にIT業界に深い造詣があるからだった。
ボクの妄想で村上・中田による十勇士が揃った。

村上・中田新党(仮)の発起人一覧

1.村上龍(作家)党首
2.中田英寿(元サッカー選手)幹事長
3.北野武(映画監督)
4.坂本龍一(音楽家)
5.小林武史(音楽プロデューサー)
6.桜井和寿(音楽家)
7.新庄剛志(元野球選手)
8.藤原紀香(タレント)
9.イチロー(野球選手)
10.高城剛(クリエイター)

最低限の政党を作る発足メンバー10人が集まった。現役の政治家がいないので政党助成金319億円(国民が年間1人250円負担)の分担はないが、これらの布陣には政治とカネの問題は関係がなさそうだ。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=15494241 >

これだけの政党助成金が分配されているにもかかわらず、
自民党には、「財団法人国民政治協会」85億円
< http://www.kokuseikyo.or.jp/ >
献金企業名がズラリと並ぶ
< http://www.kokuseikyo.or.jp/syuushi/h18.html >

民主党には、「国民改革協議会」5300万円
< http://www.dpj.or.jp/sub_link/kenkin/h15.html >
という企業献金の受け皿が用意されている。
薬害エイズにC型肝炎の元ミドリ十字の三菱ウェルファーマ(株)も国民改革協議会に74万円の寄付をおこなう。

企業も見返りのない献金などしない。献金に頼らない本来の政党助成金だけで
政治がなぜできないのか、ボクには疑問で仕方がない。

政党の単なる票集めのためのタレントではない人たちが立候補することにより、日本の選挙の投票率もきっと上がり、さらなる民意が反応されるのではないだろうか? 今までの政党では反応しなかった新たなメンバーによる政党が必要なのかもしれない。そして、その認知度を武器に「ドブ板選挙」とは無縁の新たな民主主義が始まるのではないだろうか?

第44回2005年9月11日の衆議院選の投票率は、67.51%であった。
第21回2007年7月29日の参議院選の投票率は、58.64%であった。
第45回の衆議院選ではどうなることだろう?

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