KNNエンパワーメントコラム ボディチェックを簡素化する方法はないか/神田敏晶

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,000文字)


KNN神田@バリ島です。

デンパサール空港の長蛇の列の税関から抜け出して、バスでゴトゴト揺られながら、この原稿を書いている。バリは二年前のテロ事件直後以来だ。

このところ、海外に出る機会が本当に少なくなっている。一番の理由は、ガソリン税の高騰とボディチェックのわずらわしさかもしれない。

東京ー大阪が新幹線で往復3万円弱かかるのに、HISの格安チケットでは東京ーロスが往復で3万5000円なので、海外に飛んだほうがオトクな気がする。今回のバリも同じ金額だ。最初は5000円程度だったガソリン税がいまや2万円もしている。1バーレル100円時代に突入すると、渡航料金よりもガソリン税の方が高くなってしまうのかもしれない…。


911同時多発テロ事件以来、海外への渡航事情は大きく変わってしまった。今ではもう、あたり前のようになってしまっているが、あの荷物検査とボディチェックのために、米国の国際線だと三時間も前からチェックインしなければならないという馬鹿らしさなのである。

その真横を、航空会社のクルーや政治家と思しき人たちは、涼しい顔でボディチェックを簡単にすり抜けていく…。航空会社のクルーや政治家は、自爆テロやハイジャックをしないという前提なのだろうか。

では警察はどうなのだろうか? 医者は? 先生は? 宣教師は? 上場会社の役員は? 職業で自爆テロをおこなうかどうかを判断できるのであれば、あの行列はもっと少なくすむであろう。

テロリストではないという証明書を、何らかの方策で与える仕組みができないのだろうか。そのうちブランド化して名誉証明として思われるようになり、その後は、犯罪歴のない人たち誰もが保持するようになり、今度は人権問題として問題になるかもしれない。しかし、今のボディチェックの非生産的な時間は解消できるだろう。

もしくは、産業界ではあたり前のように、統計的な抜き打ち検査をおこなうのだ。たとえば、10万人に一人の割合でいるテロリスとがいるとしよう。今のボディチェックは残りの9万9999人もチェックしているのだ。これを100人中一人をランダムにチェックするだけで、たった1000人チェックすればよくなる。これだけで、行列は1/100に減り、心理的な効果は1/1000以上快適になるだろう。

そこでボディチェックに選ばれた人たちには、協力手当として航空会社のマイルを1万マイルプレゼントするのだ。二回ボディチェックを受けると、なんと東京ーアジアへ行けることとなる。その経費はセキュリティの人件費から捻出できるはずだ。

当局は、この統計的なボディチェックで、何人に一人チェックすればいいのかを考えてみてほしい。狂牛病の時の、米国産牛肉の全頭検査を思い出して欲しい。本当に全頭検査しているから安全だったのだろうか? むしろ、国内での肉の偽装事件などのほうが問題であった。全頭検査しているから安心、安全というのではなく、そのコストと時間効率も計算に入れるべきだろう。

また、ボクは、ボディチェックをしている人たちの態度も気に入らない。「機内安全のために協力ください」とい言いながら横柄なのだ。どうしてあのような態度になるのだろうか? 一流ホテルの研修制度を取り入れるべきだ。そのほうが仕事のモチベーションもきっと変わるはずだろう。

こちらはあくまでも協力者であり、疑われている一人なのである。ベルトは外され、靴まで飛行機に乗るたびに脱がされるという、非人道的な扱いを受けている。

ボディチェックが厳しくなったから、自爆テロから守られているのだろうか?日本の国内線のボディチェックを、米国は参考にすべきだろう。出発15分前でも搭乗できるというのは世界的には奇跡に近い。あのボディチェックでは、やっている意味が本当にあるのかと思うほど早いが(笑)

ボディチェックの重要さの一つは、抑止力なのかもしれない。しかし、そのためだけにあの時間と労力は無駄過ぎる。ハイジャックではなく、自爆テロを考えるのならば、なにも飛行機に限らなくてもいい。飛行機はたかだか300人くらいだが、新幹線なんてその10倍の3000人もの命を乗せて運んでいる。また、ビルに突入するよりも、線路を遮断したほうが被害は甚大だろう。

列車の自爆テロの方が殺傷能力は高い。しかし、ニュースのインパクトに欠けるのだ。テロリストの目的は自分たちのパフォーマンスが、いかにインパクトをもって報道されるのかが目的である。むしろ、テロリストの活動を過剰に報道することは、テロリストの活動に協力しているようなものだ。

テロを無視するのが、一番テロリストにとっては都合が悪いのだが、そうもいかない。そもそも、テロを起こされる理由も、もっと考えなければならないのだろう。

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