装飾山イバラ道[3]私の理想の日常
── 武田瑛夢 ──

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今までの私は、生活は偏っていても良いと思っていた。美術系の道を歩んで来たので、周囲には極端な生活をしている人が多かったし、逆にそれが個性を作り出しているようでカッコ良くも見えた。

最近は生活のバランスをとって、苦手なことに取り組むことも大切だと思っている。その方が体をまんべんなく使えるし、たぶん脳も全域を動かすことになりそう。今まで全く興味を持たなかったジャンルだからこそ、少し試すだけで相当刺激があるんじゃないだろうか。全然動かさなかった部分があることを、もったいないと思い始めた感じなのだ。

でも、今までやらなかったことに触れる機会は、偶然には決して近寄ってこない。よほど意識して自分から近づくしか、バランスなんて一生とれないのかもしれない。

私の理想の日常を並べると、こうなる。


1.ブログやメルマガにテキストを書く
2.家計簿をつける
3.植物を育てる
4.ニュースを見る
5.英会話に通う
6.絵を描く
7.カラオケに行く
8.スポーツジムに通う
9.料理を作る

こんなことだったら誰でも半分以上はしている感じ。実は上の日常は、

1.国語
2.算数
3.理科
4.社会
5.英語
6.美術
7.音楽
8.体育
9.家庭科

なのだ。なんだ中学校の時間割ってバランスの典型みたいじゃないですか。

大人にも、5教科プラス4教科分くらいのバリエーションに富んだ生活コンテンツはあったのだ。でも実際の私は、家計簿をつけていないし、動植物に触れていない。時期によっては文章ばかり書いていて、とても偏ってしまう。一週間積極的には音楽に触れなかったり、ジムに行かないこともある。意識しないとついつい偏るのが大人の生活だ。

ところで私の遊びの王道<ゲームの時間>はどの時間割に入る? ちょっと考えると<10.ゆとり>かな。でもよく考えると、WiiでもDSでもかなりの教科をカバーするゲームが出ている。DSの「えいご漬け」はヒアリング力とライティング力の素晴らしい学習教材だし、「しゃべる!DSお料理ナビ」は新婚時代にかなり助かった。そういえばDSで犬も飼っていたっけ!

Wiiの「Wii Sports」では、テニスでいつも右腕が筋肉痛だったし。実はゲームの世界では、自分でやっていたものだけでもかなりの教科をカバーしていたではないか。なんだ結局ゲームでバランス取れてるからいいや、という結論?

既に自分に染み付いている好きな習慣にプラスして組み込めば、意外なジャンルを体験することができると思う。ゲームだったら英語も漢字も歴史も楽しい。

ゲームは「用意されたものをなぞる体験」という一面はあるけれど、とっかかりの刺激としては十分。笑いの「つかみ」のように、その世界を楽しむ心の用意ができる。

ここのところ、テレビで多く目にする歴史や理科などの教育系バラエティ番組も、苦手意識を埋める市場なのかも。ニュースによれば、来年からDSで「進研ゼミ」が勉強できるようになるらしいし。DSを広げている人が、ただ遊んでいるだけじゃないことが、もっともっと理解されると嬉しい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
そろそろイルミネーションがはじまってワクワク。昔、うちの母は私が玄関に飾ったクリスマスツリーの電飾を「電気がもったいない」と消していた。でんこちゃんより厳しい。

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武田 瑛夢
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by G-Tools , 2007/11/27