ネタを訪ねて三万歩[35]STRATA 3D[in]シリーズ三昧/海津ヨシノリ

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●とってもお得なPhotoshop用3Dプラグ登場

STRATA LIVE 3D [in] J for MacOSX今年の頭に、STRATA 3D CXについて雑誌に執筆したのですが、年末は新たに登場したSTRATA 3D[in]シリーズ三昧となってしまいました。こいつは簡単に言うと、Photoshop CS3 Extendedのプラグインとして利用できるSTRATAシリーズというわけです。従来品では唯一日本語版のリリースが遅れていたLIVE 3Dも3D[in]版が先行リリースされました。

STRATA DESIGN 3D [in] J for MacOSXとにかく何が凄いって、価格がメチャクチャ安いのに、従来品のほとんどの機能を網羅している点ですね。例えばDESIGN 3D[in]ではかなり特殊な処理をしなければ、ほとんどこれ一本でアニメーションまで作れてしまう豪華仕様です。なにより、よく分らなかったPhotoshop CS3 Extendedの3Dレイヤーが本格的に利用できると言っても過言ではないでしょう。そもそも謎だったPhotoshop CS3 Extendedの3Dレイヤーのデモンストレーションデータが、これでSTRATA DESIGN 3D[in]で作成されていたことが分りました。

もちろん従来からのSTRATA 3D CXで作成したデータの読み込みも問題有りません。ただし、逆は出来ませんがファイルの拡張子が違うので混乱することはないでしょう。これは3D系クリエータだけではなく、デザイナーにも使い倒せるツールだと確信しました。とかくインターフェースや操作性のハードルが高い3Dソフトが多い中で、大変親しみやすいインターフェースと直感的に使える操作性は今も受け継がれているからです。

ちなみに、デモ版はひとつ前のバージョンであるSTRATA 3D CX 4.2が公開されています。早く5.1または3D[in]シリーズのデモ版が公開されるといいのですが……。


●デジカメで撮影して3D作成

STRATA FOTO 3D [in] J for MacOSXFOTO 3D[in]は、モデリングを行わなくても、手持ちの小物をデジタルカメラで撮影するだけで3Dモデルを作成してくれるツールです。処理そのものは、専用のマットシートを印刷してから厚手のケント紙などに合紙して平面性を確保してから、100円ショップ等で入手可能な園芸用ターンテーブルの上に載せます。あとはその上に紙コップを逆さまに載せ、3D化させたい小物を載せて撮影するだけです。

ただし、注意しなくてはならないのは、三脚に固定したカメラで、マットシートが必ず見える角度から最低15カット撮影する点です。これはマットシートの印が24度きざみで15方向に配置されているからです。なお、キッチリとした形状によっては天面部分のマッピング処理が曖昧になるので、角度を変えて上の方から数カット撮影する必要があります。

ところで、撮影はある程度のスキルが必要です。カメラのストロボはオフにして、光源を一定に保つといった処理がキモで、ある程度本格的な撮影を意識したほうが良いでしょう。なお、きれいに取り込めるものとしては、陶器製の人形といった、テクスチャーがなくあまり出っ張りのないもの。逆に苦手なものとしては、凸凹が大きいもの、凹みのあるもの、透明なもの、テクスチャーのあるものといったところです。

確かに今どきの3Dデータを扱うことを考えると、辛い部分もありますが、あまり何でもOKの仕様にしてしまうと、無駄に重たいデータが巷に氾濫してしまうので、この割り切りは正解だと感じて言います。

考えて見ると、時代に逆行したカクカクのローポリデータなんていうのも面白いかも知れませんね。モデリングでよく使うmodoなどの元データは、恐ろしいほどのローポリで作成しています。もちろん、揃っていると何かと便利なのですが、それぞれが独立している設計に好感が持てます。とにかく、個人的にはAdobe Dimensionsの時に完成させた作風からそれほど変化していないので、断然OKなわけです。それよりもやっぱり撮影ですね。みんな頑張って写真を勉強しよう。

●グリグリ回せる3DWeb

STRATA LIVE 3D [in] J for MacOSXLIVE 3D[in]では、STRATA以外のツールで作成したデータであっても、OBJ形式などでDESIGN 3D[in]に一旦読み込み、光源を全てオフにしてからPhotoshopに配置し、レンダーモードをデフォルト、ライト設定をデイライトに設定すれば全方向が自然なライティングに設定されます。しかも、サブディバイスでかなり滑らかに調整しても、意外に軽く作ることが出来ます。もっとも、サブディバイス設定はPhotoshopに配置した途端に意味なし状態となってしまうので、確認程度に活用し、具体的にはいい感じの状態でジオメトリー変換にてダメ押ししておくとよいです。

また、3Dレイヤーの下に文字やデザイン要素を作り込めば、それらも含めた形で、ぐりぐり動かせる3Dモデルを作成可能です。しかし、PDFとして作成すると背景は一切再現されません。ただし、これはあくまでもAcrobatの仕様であり、LIVE 3D[in]がAcrobatで3Dコンテンツを表示する際のU3Dというフォーマットを厳守していても、AcrobatがPDF上で3Dコンテンツを表示する際に、3Dコンテンツの背景として画像を表示することが出来ない仕様なので、せっかくの背景デザインを生かすことが出来ません。

テスト的にアップしたページ
< http://www.kaizu.com/eggman >

近日中(冬休み中)にキャラクターを整理して、ToyWarsのページを設定する予定です。正式なオープンはBlogまたはサイトで告知いたします。

とにかく、modoとの愛称もよいので大助かり。更に、この手のツールは、例えばFOTO 3D[in]にしろ、LIVE 3D[in]にしろ、DESIGN 3D[in]がなくても単独で利用できる点が嬉しいです。もちろん揃っていると何かと便利なのですが、それぞれが独立している設計に好感が持てます。

なお、3D[in]シリーズのテキストをマイコミジャーナルにアップしています。
【レビュー】写真から3Dモデルを作り出すSTRATA FOTO 3D[in]

(1)3Dモデル作成のための下準備
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/11/sfoto/ >
(2)撮影には基本的な知識が必要
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/11/sfoto/001.html >
(3)3D化処理はフルオート、時々手動
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/11/sfoto/002.html >
(4)工作感覚でアナログ作業を楽しもう
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/12/11/sfoto/003.html >

●吉井さんを引き込む

そんなわけで、STRATA 3D[in]シリーズの世界に吉井さんを引きずり込んでしまいました。私が吉井さんの粘土の世界に引きずり込まれるほうが、絶対に先だと思っていましたが、世の中何が起こるか解らないですね。もっとも既に半分は足が入っているのは確かです。粘土買い込んでいるし……。

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Happy Xmas (War Is Over)今月のお気に入りミュージック(この時期のお約束ですね)
"Happy Christmas" by John Lennon in 1971
"クリスマス・イブ" by 山下達郎 in 1983
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来月(1月21日19時より)のアップルストア銀座のセッション
Made on a Macとして画像処理セッション『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.18』グラフィックデザイナーのための速攻レタッチ術』を行います。素材の状態に合わせて適宜使い分ける海津式速攻レタッチテクニックを、幾つかのケースに分けて紹介します。コツを掴めば短時間に効果的なレタッチを行うことが出来るようになります。予約無用・参加無料
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

・レポート200通チェック
年内の授業も終わり、あとはのんびり寝正月といったとこですが、正月明けにはレポート200通以上のチェックが待っています。かなりの激務です。試験の採点と違い、レポートは初めに読んだ生徒と後の方に読んだ生徒の評価基準がずれてしまうからです。最低でも三回ぐらいは読み返さないと採点できないので苦労するわけです。そういえば、夏休み前の試験の採点も三回チェックしていたことを思い出しました。だいたい200名分で三か所ぐらい勘違いがあります。思った以上に先生モードは神経を使います。自己責任であれば自業自得ですが、こちらのミスで評価が分岐してしまっては大変ですからね。

・簡易教科書
今年は、クローズな場所で行われる定期開催のセッション用として整理した資料を随分作りました。Windows版も含めてかなりの数を作成しました。しかし、いきなりゼロから作成したわけではなく、一般公開されているセッションや大学の授業用のプリント等を整理することが出来るので、それほど時間がかかるわけではありません。ただし、ハンズオンの場合は流れが読めないのでいつも苦労します。

・暴発授業の依頼
頻繁に学生から飲み会に誘われるようになり、かなり盛り上がった年でした。そして、ある学生から「先生の授業は真面目過ぎるので、もっと先生の好きなことで暴発したほうがいいのでは?」とアドバイスをもらいました。嬉しい反面、そんなことしたら1コマ90分じゃ足りません。なにより、かなり危ない授業になることは確かですね。でもやってみたいですね。来期は少しずつ崩れてみようかとも思っています。しかし、彼は私の何に期待していたのだろうか?

yoshinori@kaizu.com
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