[2340] 「Wii Fit」でお正月

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<デジクリは4月からなんと! 11年目に突入します>

■装飾山イバラ道[5]
 「Wii Fit」でお正月
 武田瑛夢

■気になるデザイン[4]
 定形郵便でできること、できないこと。
 津田淳子

■KNNエンパワーメントコラム
 大統領選挙はセ・パの日本シリーズに例えるとわかりやすい(かも)
 神田敏晶

■電子浮世絵版画家の東西見聞録[21]
 セーヘーポンマーニパヂュセヨ!
 HAL_


■装飾山イバラ道[5]
「Wii Fit」でお正月

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080108140400.html
>
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皆様あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

お正月第一弾ということで何の話題にしようかと考えたけれど、今回の正月にしていたことと言えば「Wii Fit」。昨年の正月もWiiでゼルダ漬けだったので、結局お正月はだんなさんの実家に挨拶と、ゲームで終わるものなんだな。でも、理想とするバランスの良い生活に近づくためには、やはり体を動かさないといけないし。

「Wii Fit」
< http://www.nintendo.co.jp/wii/rfnj/
>

「Wii Fit」はそのうち買えばいいかなと思っていたけれど、私が年末の展覧会で忙しくしていた時に暇をもてあましただんなさんが、売り切れ続出の電器店を三軒回って買っていた。テレビでおなじみの白いバランスWiiボードに、「Wii Fit」のソフトがついて8,800円は思いのほか安い印象。

乾電池を入れてセットしたら、まずは「からだ測定」。でも、実はなかなか自発的に欲しいと思っていなかった理由のひとつに、「家族に体重がバレそう」というのがある。

ところが、コレはそのへんも優れもので、パスワードを設定すれば自分にしか体重がわからないようになっているのだ。だから、だんなさんにも体重がバレることなく「Wii Fit」ができる!(だんなさん、その点は残念そう)

しかしながら、画面に出てくる自分のキャラクターがポッチャリ体型になってたり、時々出てくる質問なんかで、デリケートな人はそれなりに傷つくこともあるかもしれないので念のため。

からだ測定の後のバランステストで「バランス年齢」が出てきて、私は実年齢マイナス5歳だった。とりあえずオーバーしていなくてホッとする。

運動はいくつかのジャンルに分かれていて、一番楽しそうなのがバランスゲーム。サッカーの「ヘディング」や「バランススキー」、「スキージャンプ」などがある。ほとんどのゲームがバランスボードの上で重心を左右に傾けるだけでできるので簡単だ。飛び上がったりしてはダメで、すぐにWiiに怒られる。

バランスボードは相当微妙な揺れを感知するので、ボタン操作のようには確実にいかないのが難しい。体を支えている足でゲームするというのは、全身がついてこないとどうにもならないのだ。

頭の反応を体に伝えるスピードの衰えを感じたし、一度やったことを再現させるのがこんなにもどかしいとは。ボードの使い方のバリエーションも、縦位置で置いたり、手を置いたりと飽きさせないように考えられている。

バランスゲームでは記録によって「バランス不足級」「アマチュア級」「プロ級」「チャンピオン級」と分けられ、星マークがひとつから4つまでつく。ミシュランじゃないけど、なんとかして星4つの「チャンピオン級」を取りたいものだ。

いろいろやって、だんなさんがビギナーズラックなのか、いきなり「チャンピオン級」だったのが「座禅」。これはボードの上にあぐらをかいて座り、なるべく動かないでじっとしている。バランスを崩すと目の前の炎がゆらゆらして消えてしまうゲーム。

なのに、だんなさんが座ってから炎が全く消えそうにない。ずいぶんと時間がたってとうとうそのまま終了して、最高点の「チャンピオン級」を獲得。私は半分以下の時間で消えてしまったので、感心しつつこの能力の生かしどころは何なのかを考えたり。

困ったのは、夫婦お互い負けず嫌いなので、それぞれの競技で自分が負けているものがあるのが落ち着かないことだ。一番しのぎを削っているのは「バランススキー」。大回転のようなスキーゲームで、斜面を滑ってゴールまでの時間を競う。

ハタのゲートをきちんと通らないと、点数がマイナスされてしまう。最初はノーミスで滑りきるのだけでも大変だ。慣れてくるとだんだん星の数が増えるのが嬉しいし、このゲームの精度が高いということだと思う。結局、正月の三が日は夫婦で毎日逆転を繰り返す。

気がついたのは、だんなさんがお風呂に入ったスキに自分でがんばって出した記録は良いということ。でも朝寝ているうちに記録を更新されていたりするので、うかうかしていられない。

で、私の「バランススキー」の現在記録は初級レベルでは25秒台、上級レベルでも44秒台で「チャンピオン級」の星4つを獲得している。だんなさんはまだ私の記録を超えられない。コツは、今越えようとしているハタのひとつ先のハタを見るような感じで、なるべく蛇行しないこと。まるで人生のようですね。これが証拠写真(笑)。
< http://www.dgcr.com/kiji/20080108/fitImage1 >

実際の雪山のスキーでは、私は万年初心者コースなのに、コブ付の上級コースを滑るだんなに勝てるのがゲームのすごさ。これには相当悔しいらしく、出勤が始まるのが残念みたい。どっちにしても、仕事始めは辛いものだからあきらめよう。

「Wii Fit」はこんなふうに記録を出すのも楽しいけれど、決められたポーズを受け入れて「やる」ことに意義がある気がする。「こうやりましょう」を「そうしましょう」で全身ですばやく返せる力。

私の70代の母はからだ測定でバランス年齢50代だったし、「スキージャンプ」では128メートルを飛んだ。たぶん、テレビゲームをやったのは生まれて初めてだと思う。思ったより受け入れ力があるのがわかって嬉しい。

今のところバランスゲームばかりやってしまって、ヨガや筋トレをさぼりがち。もっと「Wii Fit」自体をバランス良く使いこなさなければと思っている。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
箱根の駅伝、我らが東海大を一喜一憂しながら見ていました。走るってすごい。

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

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< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>

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■気になるデザイン[4]
定形郵便でできること、できないこと。

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080108140300.html
>
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新年、あけましておめでとうございます。年々、一年が過ぎるのが早く感じますが、これは歳をとった証拠なのでしょうか……。早起きにもなったし。

さて、昨年、今年の年賀状のことなどをチラッと書かせていただきましたが、昨年末、自分のものをつくる時には、随分と焦りました。年末27日が、私が編集している『デザインのひきだし』の校了日だったこともあり、年賀状どころではなく……というのは、まあ、いいわけなのですが。

スケジュール的にもかなりタイトで、紙屋さんにも、印刷屋さんにも無理を言ってしまいましたが、一番焦ったのは、出来上がってきてからはたと気がついたこと。「……これって、50円で送れるのだろうか?」

私がつくった年賀状は、「ケーネスボード」という、白板紙の片面に灰色のフロッキー加工(植毛加工)された紙を使い、裏面に活版印刷で墨と金赤の2色刷りというもの。フロッキー加工された表面には、予算がないこともあり、何も印刷無し。鼠の手触りを、というつもりでつくったのですが、届いた方にはそれが伝わったのか一抹の不安も……。

問題はこの「ケーネスボード」という紙、L判(1100×800mm)で40.5kgというけっこう厚みのある紙で、そこにふわふわした短い毛皮みたいなのが付いてる。何年か前、「ソフライトラフ」という軽いけれど厚みのある(といっても2〜3mm)紙で年賀状をつくったら、ある郵便局で「これは50円ではダメだ」と言われたことがあり(でも別の郵便局に持っていったら大丈夫だったのだけど)、もしかして今年の年賀状も50円切手ではダメなのでは、と、仕上がってから気が付いたのだ。

もう、くじ付き年賀50円切手を買ってしまっている。ガーン。

慌てて日本郵便のWebサイトで調べてみたら、なーんだ、私のつくった年賀状は定型郵便としてとどくんじゃーん、ということがわかり、ことなきを得たのだが、では何年か前にソフライトラフがダメだと言われたのはなんだったのだろうか……。定型郵便の規定によると、50円で送れるものの最大サイズは15.4×10.7cm、重さは6gまでということは、大きさは問題ないはずだから、重さがギリギリだったのかしら。
< http://www.post.japanpost.jp/service/standard/two_size.html
>

今年いただいた年賀状の中でも、いくつかこの定型郵便にひっかかったせいで、+30円の切手が貼られていたり、クロネコヤマトのメール便できたものがあった。その中でも、ハガキが封筒の中に入って送られてきたものがあった。中のハガキを見ても、大きさも定型内のようだし、厚みも普通の紙だし、「年賀」も「郵便はがき」も「郵便別納」のマークも印刷もされているのに、どうしてそれをさらに封筒に入れて送ったのだろうか……。

疑問に思ったので新年早々電話をしてみたら、なんと「型抜きしてあるから、このままでは郵送できない」と言われたらしいのだ。たしかに、その年賀状は紙の端っこの方が何カ所か型抜きされていたけど、そんなこと知らなかったなぁ。日本郵便のWebサイトにも、そんなこと書いてないじゃないか! 機械作業で効率化を図るためにはいろいろな規制が必要なことはよくわかるが、それならそうと、しっかりWebに記載しておいてほしい!! ……と思ったら、「通常はがきは長方形の紙に限ります」という備考がついている。型抜きしてあると長方形ではない、ということなのね。むー。

とまあ、新年最初からちょっと怒りモードになってしまったが、定型郵便物の規定はまだまだわからないことが多いなぁと、改めて今回感じました。だって、最少サイズは書いてあるけど、薄さはどこまでOKかは書いてない。ってことは、ティッシュペーパーみたいに薄いものでも大丈夫なの? とか。今年は定型郵便の限界にチャレンジしてみようかしら(って、なんだそりゃ)。

そうそう、そんな中、最近の郵便事情で面白いなぁと思っているのが、オリジナル切手。いただいた年賀状の中に、オリジナル切手をつくって貼られているものがいくつかあったが、これけっこういいですね。全日空から来た年賀状は、オリジナル切手で、なおかつお年玉クジ番号まで付いていたんですが、大量につくるとそんなことまでできるんでしょうか? うーむ、こちらも今年はいろいろと探ってみたいものです。

って、もう書き終わりになって気がついたのですが、これってデザインの話とちょっと違う気が……。新年最初から横道にそれた話で恐縮ですが、今年もどうぞよろしくお願い致します。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
読者の皆さんの中でも、定形郵便の限界に挑戦してみたい! という方がいらっしゃれば、ぜひともご連絡ください。一緒に遊びましょう!
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。『デザインのひきだし vol.4』もただいま印刷中です!
< http://www.graphicsha.co.jp/
>

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■KNNエンパワーメントコラム
大統領選挙はセ・パの日本シリーズに例えるとわかりやすい(かも)

神田敏晶
< https://bn.dgcr.com/archives/20080108140200.html
>
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KNN神田です。
あけましておめでとうございます!
本年はパワーアップしていきたいと思います!
よろしくお願いいたします!

大統領選挙はセ・パの日本シリーズに例えるとわかりやすいと思う。

アメリカの大統領選挙の前哨戦が始まった! とニュースでよくいわれるが、いまいち日本人にとってはわかりにくい。

単に投票するだけでなく、各党の代表を選んでから、そこでまた選挙人の投票というスタイルが、すごくわかりにくい。しかし、実は単純で日本の野球にそっくりなのだ。野球のセ・パでわけると親近感がわいてくるのでは…?

アメリカ大統領選挙は、プロ野球だと思えばいいと思う(すいません、野球はあまり詳しくありませんが…)。

日本のように、国会議員が多数いる党の総裁や党首がそのまま総理大臣になるわけではなく、あくまでも選挙権を持つ人、党員らの投票によって、党代表が決まり、大統領本戦では、ポイントのたまった代理人(選ばれた選挙人の投票)によって大統領は決められる。

間接的ではあれど、大統領を直接応援して決めるようなファン投票的感覚になっているからこそ、まるでひいきのチームを優勝させるようなお祭り気分で盛り上がっているように感じる。しかもゲーム全体は約11か月にもわたって楽しめる。候補者は大変だが…。

毎年開催されるフットボールやバスケットではなく、四年に一度の大イベントでもあるから、さらに盛り上がる(サッカーのワールドカップはアメリカでは人気がないのでオリンピックと同じ)。そして、オリンピックと同じ年の開催でもある。

セリーグ、パリーグのペナントレース優勝を決める、のようなものが、毎年3月前半の(火曜日)の「スーパーチューズデー」である。しかし今年は、なぜか大人の諸般の事情(?)で2008年2月5日(火曜日)というナント! 1か月も早い強行スケジュールで、20以上の州で同時巡業されることとなったから、さぁ大変! もうこの時点で一か月を切ってしまっているのだ! これから各州で、誰を大統領にするのかが連日、報道される。日本の「衆参同日選挙」をマスメディアが一か月にわたり、大特集しているような規模だ。

今回は、大統領候補のガチンコ対決候補が1か月も早くなったので、がぜん力がはいっていることだろう。もちろん、セパの優勝チーム同士の対決、「日本シリーズ」も盛り上がることにちがいないが、日本の敗者復活戦のような「クライマックスシリーズ」がないから、ペナント開幕戦から熱狂的になっている。しかも地方都市から始まるので、地方の都市にも政治応援団が駆けつける。

米国大統領は2期以上(1期4年)連続優勝できないルールなので、パリーグのディフェンディングチャンピオンのジョージ・ブッシュ大統領は今期限り。選挙戦がはじまると一気に閑職になってしまうようだ(個人的にはセリーグが8年前に勝っていたら、911の事件も起きなかったのかもしれないと思う)。

開幕戦は、1月3日、セリーグ「民主党(Democratic Party)象さんチーム」とパリーグ「共和党(Republican Party)ロバさんチーム」、ともに、アイオワ州で開始された。結果は、以下の通りであった。

セリーグ「民主党」の順位は、
バラク・オバマ(黒人男性初大統領?)38%
ジョン・エドワーズ元上院議員 30%
ヒラリー・クリントン上院議員(女性初、madamプレジデント?)29%
リチャードソン・ニューメキシコ州知事 2%

パリーグ「共和党」の順位は、
マイク・ハッカビー前アーカンソー州知事 34%
ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事 25%
フレッド・トンプソン元上院議員 13%
ジョン・マケイン上院議員 13%
ルドルフ・ジュリアーニ前ニューヨーク市長 6%

ただ、これはコーカスと呼ばれる各政党党員(球界関係者のようなもの)による選挙での結果(党員といっても、自己申告)なので一般という見方では、次の2008年1月8日(水)ニューハンプシャーの一般選挙(プライマリー)に話題が集まる。

この順位がニューハンプシャーでどうなるのか注目される。なぜならば、ニューハンプシャーは、初のプライマリー(Primary Election)選挙と呼ばれる州の人たちが政党代表を直接選ぶ選挙権があるからだ。つまり大統領になるべき党代表を選べるのだ。

だから、ニューハンプシャーには、全米から政治ファン(?)が集まって、各候補の良さをアピールする。なぜなら、ここでの結果の影響を受ける人が他の州には必ずいるからだ。政治サポータだが、敵対するとフーリガンなるのかもしれない(笑)。当然、マスメディアも集中するのでここでの戦いに力が入る。

2008年2月5日(火曜日)まで、各州でゲームが開催され、予備選挙でのペナントレース勝者が決まる。今年は会期が短いためテラ豚丼クラス(意味不明!)の「メガチューズデー」となる予想がなされている。

その結果をもとに党大会が開催される。ま、優勝祝賀会のビールかけ(はありません)、日本シリーズを目指しての決起集会という感じに近いかも。

セリーグ 民主党 象さんチーム(象がシンボル)
2008年8月25日〜28日 2008年民主党党大会(コロラド州デンバー)
パリーグ 共和党
2008年9月1日〜4日 2008年共和党党大会(ミネソタ州セントポール)

そして、今年は、2008年11月4日(火曜日)「エレクションデー」と呼ばれる(選挙人選挙)というセ・パの優勝チームで戦う日本シリーズで、日本一!が決まる、いや、米国一の大統領を決める選挙が開催される。

しかし、この日本シリーズで優勝の権利を「選挙人」が決めるシステムになっているのがへんなところだ。ここで自分の州で応援している大統領候補を応援している「選挙人」を選びだし、その州の中でのトップ当選の選挙人がすべての選挙人の票をゲットできるというなんだかギャンブル性の高いものとなっている。まるでオセロ並べみたいだ。

大統領は、各州(50州)での上院議員数(参議院みたいなものだけで100人しかいません)と同数100人と下院議員数(衆議院みたいなもの)同数435人+特別な市であるワシントンD.Cの3名分の合計538名分の選挙人の票数で決まる。過半数は270票なので、選挙人270票以上を獲得すると、晴れて米国大統領となるのである。

この日本シリーズの投票は、大統領選挙というよりも、「クイズダービー」のはらたいらさんに200点! というように、勝てそうな選挙人に投票しないと意味がないから、さらにゲーム性が増しているようだ。その州の一番強い選挙人の票が、他の選挙人の票も総取りだから、各州ごとの票数の結果がポイントとして集まり大統領を選出する。

全米のメディアがこの四年に一度のお祭りをさらに盛り上げるから、アメリカでは子供でも誰を大統領にすべきかという議論ができるようになる。また、政治の世界を、誰に投票しても同じではなく、芸能界やスポーツ界並みに身近に感じているようである。本当は、税金問題など、自分は気にしていなくても、納税という形で収入の3割近くは、政府にピンハネされているのだから気にしないと本当は大損なのである。

日本では、ブログでも宗教や政治の話をする人は、どことなく、凝り固まっていてやだなぁと思うけど、また、自分もそう思われるのがいやで、触らぬ神にたたりなし的な気分になってしまうが、民主的な意見を表現できる手段として、このような祭りとして参加するのは意外に楽しい。

「日本人が選ぶアメリカ大統領予備選挙」を、2000年にネットでやったら、ブッシュよりもゴアが圧倒的多数だった。しかし、プログラムの不備で二重投票できるなどのバグが見つかり、ゴアチームに貢献できなかった。しかし、本戦でさらにすごい本物のバグがフロリダで登場した時は、本当にびっくりだった(笑)。実際に2000年にブッシュは一般投票では敗北したが、選挙人選挙で復活当選したほどだ。

ほぼ、二分の一の政党の確率で大統領が競われるが、マイナー候補としての政党もあるので、こちらにも目を向けると意外にユニークな政策をかかげていたりする。

ともかく、サブプライム問題や経済的な不安を抱えながらも、ブラジルがワールドカップ開催時期にはほとんど問題がないのと同じで、アメリカも11月までは、余計なことに首を突っ込む余裕がどこにもなさそうだ。

少しでもアメリカの選挙の構造を理解して楽しんでいただければ、幸いである。


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■電子浮世絵版画家の東西見聞録[21]
セーヘーポンマーニパヂュセヨ!

HAL_
< https://bn.dgcr.com/archives/20080108140100.html
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セーヘーポンマーニパヂュセヨ! あけましておめでとうございます。

東西見聞録も、韓国の旅はそろそろ品切れかなと思いながら写真を再度眺めていると、再びその時の記憶が読み戻され、ついつい文章が長くなります。一応、間違いのないように再検索していると、さらに新しい情報が見つかり、再びソウルの街に飛んでいきたくなってしまいます。

韓国の新年は来月になりますが、新年の挨拶「セーヘーポンマーニパドュセヨ」(新年に福が沢山訪れますようにという意味です)の言葉は、年末年始を問わず飛び交っていることでしょう。日本のように、挨拶の初めにだけ使う言葉ではなく会話の中に挟んだり、去り際の挨拶に使ったりします。合う時はいつもと同じ「アニョハセヨ」です。

●少しだけソウル郊外へ─水原華城(スウォン・ファソン)

ソウルから南へ、電車で約一時間の場所にある水原華城は、ソウル市内にある昌徳宮とともにユネスコ世界文化遺産に登録されています。

水原華城は、正祖が父に対する孝心と王権強化の一環(経済力を備えた新都市を建設)として、1794年に着工し二年後の1796年に竣工した城郭です。水原華城城郭の全体の長さは5.52kmあり、城壁の上部には体を隠して敵を監視、攻撃できるような銃穴が空けてあるなど、ほかの城では見られない多くの軍事的構造が設けられてあります。また、城内には小川があり、小川と城壁がぶつかる所に水門を設置して、そこに水を流すことのできる七つのアーチ型水門と、その上に華虹門という楼閣を建てあります。

水原華城は特に城郭に石材と煉瓦を併用した点、矢と槍を防御し銃砲を撃つことができる構造が大変優れているとされ、韓国の城郭建築史上一番独歩的なものとして評価されています。また万里の長城と比較されるほど城郭は長く、全体を歩くと二時間半かかるといわれています。城郭の中が一般の市中と同じように民家が建ち並び、歩いていると単なる土手のように感じてしまうところも多くありますが、各所に建ち並ぶ門や楼閣は見事なものです。

私たちは水原に住む教え子に案内され、土手を上って十メートルほど歩いていると、下の方からおばさんに声をかけられました。水原華城は万里の長城の小型版といった感じで、場所によっては多摩川の土手のようなものです。どこからでも上がろうと思えば上れるのですが、所々に詰所があり、ここでチケットを購入して上るのが本筋です。水原市民は無料なのですが、観光客はチケットが必要です。とはいっても1000w(120円)程度だったと思います。おばさんは詰所の管理人だったのです。

料金を払い、ぶらぶらと散歩しながら所々にある鉄砲を撃つための穴から外を望むと、ゆる〜りとした悠久の時を感じることができます。ただし、全体を歩くのは半日がかりになります。歩くのが面倒な人は、華城列車という観光用の車に乗ってみるのも良いでしょう。こちらも一部を周遊するだけのようですけれど。とにかく長い水原華城が続きます。そして、所々に見所があるので飽きることはありません。

その中の、長安門の屋根の峰の上に不思議な動物たちが並んで空を見上げていました。これは雑像(チャプサン)といい、屋根の四隅にある厄除けの像です。一説によると、三蔵法師とその一行を表しているという話もありますが、建物によって七つや九つというように、数も様々です。この数が必ず奇数であることは韓国ならではのようです。景福宮など、市中の宮にも必ずありました。この空を見上げる像のデザインが何とも良いのです。ひとつ欲しくなりましたが、お土産としては大きすぎますね。

華城の中核になる華城行宮はテレビドラマの「宮廷女官 チャングムの誓い─大長今(テジャングム)」の撮影にも使われ、ドラマを見た人にはまた別の楽しみがあります。華城行宮の入り口にある門は新豊楼といい、その前では武芸大会など様々な催しも行われているようです。私たちが行った時には、可愛い子供達の遊び場となっていました。

中に入ると、主人公が出迎えてくれます。もちろん書き割りですが、そこで記念撮影というわけです。内部は回廊のようになっていて、宮廷内の生活を見ることが出来ます。厨房や中庭に並べられている、キムチの壺と共にある展示パネルは「チャングムの誓い」の中の写真です。それだけ影響力が大きいのでしょうね。私はドラマ全編は見ていないのでありがたさは感じられませんでした。展示に日本語訳もなかったのでね。

また、水原市は1997年から「美しいトイレ文化作り」を展開し、公衆トイレが世界で一番きれいなことでも有名です。それぞれが個性的で、本当にトイレ? と疑問を感じながら入るような、工夫を凝らした建物もあります。私は一カ所利用しただけですが、他の公共トイレと比べると格段に差が感じられます。でも、ソウル市内の公共トイレも全般的にきれいで安心して使える感じです。食の街は、最後のことまできちんと考えているということでしょうか。

なんか、観光案内だけのようになってきたなぁ、、ま、、許してください。
では、今年もいい年であられますように。「セーヘーポンマーニパドュセヨ!」

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
>
Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
>
Sound Drawing グループ「ZIetZ」の公式サイト
< http://zietz.hal-i.com/
>

新刊「塗り絵で親しむ俳句の世界」(桃園書房)著者名・飯田晴山
「Shade 9 ガイドブック」BNN新社「ArtRageで絵を描こう!」BNN新社
「Photoshopバージョンブック」毎日コミュニケーションズ
「Illustratorバージョンブック」毎日コミュニケーションズ

●イベント案内
ZAIMデジタルワークショップ 参加申し込み受付中
< http://za-im.jp/dws/
>

横浜ZAIM(ザイム)デジタルワークショップは、若きクリエイター・アーティストの育成、こどもから大人までの一般の人々にデジタルアートやコンテンツを創ることを体感してもらうという、年間を通じてプロジェクトです。このワークショップは約3か月にわたって、じっくりとものづくりに取り組み、スキルアップを図ることを目的にしていますが、同時にリテラシー・著作権・モラルなども学びます。そして単にデジタルアートを学ぶだけでなく作品を作り上げ、ZAIMをはじめ、公共の場にて展示・上映します。

第1期 2008年1月18日(金)〜3月16日(日)コース内容と講師
・Max/MSP/Jitter 安野太郎、松本祐一
・Isadora  飯名尚人(Dance and Media Japan)、亀井寛之
・Flash  まつばらあつし
・Painter  HAL_
・Digital Camera  ヒラヤマユウジ

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■編集後記(1/8)

・あけましておめでとうございます。デジクリは4月からなんと11年目に突入します。よく続いたもんだと感慨にふける新年です…… が、昨年は最終号で「まぐまぐ」重複発行という痛恨のミスをしでかしました、まことにもうしわけありませんでした、とまずはお詫びからスタートです(しまらないですね)。そんなわけで、今年もどうぞよろしくお願いいたします。(デジクリ)