武&山根の展覧会レビュー ふたつの見えにくい「暴力」その後/武 盾一郎

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12月12日の「ふたつの見えにくい『暴力』」の続きです。
< http://bn.dgcr.com/archives/20071212140100.html >

●ベルクその後

年明けそうそうにベルクに寄ってみたのですが、雰囲気は変わらず普通に元気に営業してたので、少しだけほっとしました。ただ、「ベルクをご利用のお客様へ」で、ルミネから退店勧告されたという報告ページが閉鎖に追いやられているところを観ると、水面下では引き続き緊張した交渉が行われているんだと思います。
< http://www.berg.jp/l/l01.html >


ファンサイト「LOVE! BERG! 〜ビア&カフェ「ベルク」を応援しよう〜」
< http://ameblo.jp/love-berg/ >

ここのコメント数は1月15日現在で141。コメントの多くはmixiの「BERG(ベルク)大好き!」コミュニティー(1206人)でこのことを知って、書き込んでいるようです。デジクリで知ってコメントしてる方も見受けられたのでちょっと嬉しかったです。ほかにFC東京ファンのブロクから知ったという方もいたり、飲食店関係ではないところにも情報が広がっていて、ネットワークの面白さ・可能性みたいなのも感じます。

もっともっとコメント増えて欲しいなあと思っておりますので、ベルク好きな方、是非ともコメントして下さい!

先日、1月14日(月)にベルクにふらっと寄ってみたのですが、署名活動を始めたようです。パソコンからプリントアウトできるようになっていますので、ベルクを応援したい方々はプリントして署名し、ベルクに行っておいしいコーヒーでくつろぐのはいかがでしょうか。僕も署名してベルクに持って行こうと思ってます。
< http://www.berg.jp/syomei/syomei1.htm >
< http://www.berg.jp/syomei/syomei2.htm >

現在、ベルクのギャラリーでは副店長の迫川尚子氏の写真展をやってます。迫川氏は新宿西口地下道段ボールハウス村、および段ボールハウス絵画を撮り続けていた数少ない写真家の一人です。

ベルクはいろんな意味で「新宿そのもの」だと僕は思っています。

●渋谷アートギャラリー246その後

前回、小川てつオ氏の日記を転載致しました。氏の訂正とお詫びを追記させて頂きます。


(追記 12月26日)
本文中に「日本デザイナー学院の生徒が路上生活者に「出て行く」ように説得に回ったという話もある」との記述がありましたが、調査したところ、日本デザイナー学院の生徒が路上生活者に「出て行く」ように説得した事実は確認出来ませんでした。よって、その一文を削除するとともに、誤った事実に基づく話を記載したことを、日本デザイナー学院、生徒の方、読者にお詫びします。


現在の状況ですが、高架下に暮らしていた人達の多くは元の場所に戻ってきているようです。この「渋谷アートギャラリー246」、いちアーティストとしてやはり考えざるを得ないことが多々ありました。そこで2007年12月18日、小川てつオ氏と僕は現場で会い、このことについて考え話し合って行く会「246表現者会議」を発足させました。
< http://kaigi246.exblog.jp/ >

渋谷駅高架下状況の簡単な説明を上記ブログから抜粋すると、


渋谷駅の東口と南口を結ぶ246号、JRと東横線の高架下に、以前からダンボール小屋などで、5〜10人の人が住んでいる。高架下のために雨を避けることも出来、また大きな排気口があって、冬でも外気よりも少し暖かい。

2007年3月に、その246号の両脇と地下道の壁面に、壁画が描かれた。渋谷桜丘周辺地区まちづくり協議会の依頼により、日本デザイナー学院が、学生の間で公募を行い、学生たちの「春の小川プロジェクト」チームが描いたものだ。描く時は、住んでいる人たちも家を動かし協力した。

7月に全面的にグラフィティを描かれ、それに対して白く塗りつぶし再び壁画を描く。

10月の終わりころに、滞在者各位に対する「移動のお願い」という張り紙がされた。渋谷区2丁目、3丁目、道玄坂一丁目、渋谷アートギャラリー246の連名である。滞在している場所は、ギャラリーの一部で、今後ギャラリーにふさわしい舗装や展示の足場、彫刻物などの展示に使う予定だから早急に移動してくれという内容。

10月30日、支援団体、町内会、東急、交通省、などの話し合いが持たれ、平行線のまま、現在、役所側が、住んでいる人に寮に入るように説得を続けている。

12月はじめ、放火とみられる出火のためダンボール小屋が一軒焼失(幸いけが人はなし)。


それから、2007年12月2日夜、渋谷駅地下から約50名の野宿者が突然追い出されたようです。それは渋谷駅前地下の所有者が、東京メトロから東急に変わった矢先の出来事らしいんですね。ちなみに、渋谷アートギャラリー246の壁面の所有者も東急らしいのです。そして、今年の夏に池袋と渋谷を繋ぐ「副都心線」が開通します。
< http://www.tokyometro.jp/sinsenkensetsu/13/ >

これは東京メトロだけど、渋谷駅からそのまま東急に乗り入れるようなんです。ここで僕が思ったのは、大規模な再開発が渋谷駅周辺および地下で起るのではないか、ということです。その可能性が高くなるような情報もありました。

「副都心線」開通で東京に何が起きる
< http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/99/index.html >

再開発の前には決まって大規模な排除が行われる。そう考えると、渋谷アートギャラリー246はもとから再開発を行う際の一斉排除目的だった可能性も否めなくなります。

これをアートの問題としてどう捉えて行くか、ということを今考えてるのですが、今のところ、現場に通いつつ定期的にいろんな人の話を聞いて行こうというスタンスで246表現者会議を開いています。

第一回246表現者会議は、2007年12月26日(水)18:00から渋谷駅南口R246高架下歩道(渋谷アートギャラリー246)で23:00くらいまでやっていました。参加者はのべ14人。参加者には一通り、渋谷アートギャラリー246を各自見て回ってきて頂き、その上で感想を一人ずつ述べてもらい、議論をしました。いろいろな話しが出ました。

僕が今、気になってることは、排除を学生に肩代わりさせているという点です。もし仮に学校側に排除目的がなかったとしても、現場を見ればそこに人が暮らしていることはわかるし、野宿者に向けた移動のお願いポスターも張り出されています。この「事実」がまるで見えないかのように事が進んでしまっているんですね。

追い出したい人たち(企業なのか行政なのか)が直接手をくださず、言い方は悪いかもしれないけど、弱者にその排除作業を代行させてしまっている、という点です。これは現在、いろいろな場面で同じような傾向があるような気がしています。

例えば、話は少し古くなりますが、講談社の新人漫画家が「デスノート」に酷似していた問題で、講談社の謝罪のコメントが「新人教育を徹底させます」、という例にも表れていると思います。現場作業者(漫画家)に責任を押し付けてそれを「謝罪」としてしまう、仕組み。なぜか講談社という巨大企業にはまるで非がないような物言いと、仕組み。なんだか大事な事柄がすっぽりと抜け落ちて消えてしまってる感じがするのです。

もし「アート」に可能性があるとするならば、「人間の存在を肯定するところから始まっている」ところなんだと思います。現場で考えて、話し合っていこうと思っています。今月末、第二回246表現者会議を開きます。興味のある方はぜひ立ち寄ってみて下さい。

●第二回246表現者会議
日時:2007年1月28日(月)18:00〜
場所:渋谷駅南口R246高架下歩道(渋谷アートギャラリー246)

【武 盾一郎(たけ じゅんいちろう)/ 今年の書き初めは「男の色気」】
take.junichiro@gmail.com
< http://iddy.jp/profile/Take_J/ >
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「246表現者会議」
< http://kaigi246.exblog.jp/ >