うちゅうじん通信[15]うちゅう人のコンセプトノート公開初!/高橋里季

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今回は、コンセプトノートの中身を初公開! 同じコンセプトでみんなが作品をてがけても、きっと出来上がる作品って、同じモノってひとつもないのかも。まだ途中のコンセプトノートの切れ端なので、つまらないかもしれないけど、いや、人によってはヒントや刺激になったりするかも?!

私、本当は、同じコンセプトで抽象画や版画やアニメーションとかも作ってみたいんですが、いつもの自分の作風で作っているうちに、仕事が入って、ちょうど作っていた作品を少し仕事の内容よりにしてみたりしているうちに、季節も流行も変わっていくし、コンセプトノートの中身も増えていくし、でね。

そうだ! お金持ちになったら、私のコンセプトで作品募集のコンクールをやって、みんなにいろんな作品を作ってもらって、大きい会場で展覧会をやるの!って素敵かも!?(あ、今年はとりあえず文章上達が目標だったわ、、、。)


さて、近頃私のコンセプトノートによく書かれているのは「集合」ということです。これが絵になっていきます。



コンセプトノートの内容と、自分の描いた絵、瞑想の内容、この三つを手がかりに、時代を切り取ってみたいと思います。私の最新作は、年賀状に描いた絵と、前回お見せした「明るい闇夜のカラスのイメージ」です。高橋里季のホームページやデジクリサイトで探してみてね!

この頃よく瞑想に出て来るのは、四角い動くトンネルと、子供が描く雲のような形。これが左右から視界に入ってきてまん中で一度ひとつになってから、ズレるように上下に別れて消えていきます。

切り口を短い言葉で表現したものが、たとえば個展の時のキャッチコピーになったりします。本当は絵の題名とかにできればいいのですが、絵の題名は、全体的な構想とは違って、その時に一番気にとめていたことを思い出せるようなメモの役割になっているみたい。

最近のキーワードとしては、「理想解除」ということを考えていて、これは、瞑想中に勝手に出てきた言葉。気まま、移り気、蝶または小鳥のような感性をイメージしています。なぜだか、キーワードとして思いつく言葉は いつも色気がないの。たぶん、いろんな内容を思い出しやすい言葉が、「理想解除」という四文字になっているのでしょう。

どういうことかというと、総合知ではなくて、部分的な知識に熱中して、途中で違う分野に移ってしまうような感性の様式。科学を勉強して、科学の視点でファッションデザインを眺めて、次は科学や流行のデザイン感覚で歴史を眺めてみる。というように、いろんな知識を総合して新しい思想をつくるとかではなくて、樹木で例えるなら、枝から枝に移って行く感じ。蝶だったら花から花へかな?

枝から枝に移動することで、自分が生きている時代を違う視点から感じることができる、世界を分ける「集合」の図のイメージが、どんどん変わっていく。どこか、気分ではそれが一本の大きな樹、ひとつの時代であることを感じていたり、太い幹を辿れば、樹を支える土があって、普遍的に時代を超える価値にも辿りつくことを感じていながら、枝から枝に移るだけ。

森の中ではなくて、大きな樹の梢の先端、繊細な、空と木立の間にいながら、フワフワ漂っている気持ち良さに価値を見い出すのじゃなくて、もう少し積極的にその場にいる感じ。

樹自体に関わろうとするのではなくて、樹をとりまく空間の形や枝を揺らす風のような動きの中にいる感じ………。そういう場の感覚って、言葉にするとなんだろう?

普遍性(ここでは私は土と呼んでいる)ではない。時代(樹と呼んでいる)に切り取られた、何か(ここでは空間と呼んでいる)。この何かが、時代と共鳴しあうように、時代を形づくっているんじゃないか。

普遍性VS時代性を超えた向こうがわ。死VS生を超えた向こうがわ。近頃、私が描くのは、やっぱり私にとっての神様のイメージらしいということは、だいたい分っているんだけど、今の時代の気分の中に、そのイメージを探す………ということなのかもしれない。

たとえば、ファッションで、アンドロジナスというのは天使のことらしくて、これは両性具有らしいんです。聖書の世界の天使のイメージは、両性具有かもしれないんだけど、私が今、探しているイメージは………「無性」っていうのはどうかな? と思って。たとえば、山は無性、花は両性で、そこに男と女がいる。山と桜と男と女。という感じで、四項のモチーフを設定して、どれも大切に描いてみたいのね。

山が無性かというと、イメージでいえば、富士山の祭神は古事記にでてくるコノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘売)だし、中国でも山は女性のイメージ。桜が両性なのかといえば、これもまた、伝説などでは、女性のイメージが多いかも。でも、現代の私の感性では、花は両性で、山は無性だ。………と言ってもまだ迷っている。科学VS自然っていうような二項対立が、なんだかピンとこないっていうところも、「現代の日本人の私」なんじゃないかと思うんだけど。

とはいえ、このイメージで、絵の枚数は増えていく。迷いながらも描いてしまうので、ラフスケッチだけ今のところ12枚。描いているうちに、コンセプトノートの隙間をつなぐ言葉を思いついたりして、20枚くらい描き上げた頃には、「理想解除」という凝縮された硬い言葉も、もっとイメージしやすい言葉で表現できるハズ。今日は、少し新しい画材を探しに行こうかな。

それでは、また………。みなさまの週末が素敵でありますように!

【たかはし・りき】イラストレーター。 riki@tc4.so-net.ne.jp
・高橋里季ホームページ
< http://www007.upp.so-net.ne.jp/RIKI/ >
コンセプトノートを書くときは、なんと言っても四色ボールペンが便利。
読書:茂木健一郎さんの本を二冊読みました。


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それでも脳はたくらむ (中公新書ラクレ 264)
茂木 健一郎
中央公論新社 2007-12
おすすめ平均 star
star脳のたくらみを楽しむ
star森の中で深呼吸するように

脳を活かす勉強法 欲望する脳 (集英社新書 418G) (集英社新書 418G) すべては音楽から生まれる (PHP新書 497) 芸術の神様が降りてくる瞬間 生きて死ぬ私 (ちくま文庫)

by G-Tools , 2008/02/08