グラフィック薄氷大魔王[124]続・恐怖のGDTツール「OmniFocus」
── 吉井 宏 ──

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●2週間フルにOmniFocusを使ってみた感想

否が応でもやらなくちゃいけない多くの案件や、無数の細かい事務処理を抱えるような人には最適。これは必携アプリになると思う。特に、あれもこれも頭から離れなくて、仕事に集中できない人には非常に役立つにちがいない。

で……、僕みたいにリストを見ないと項目を思い出せない人には必要ないかも。もともと自然に忘れちゃってるんだもん。OmniFocusでリストを作って、何度も見返してチェックするのが習慣になってくると、普段はせっかく忘れてる項目を覚えちゃうのだ。このアプリの目的とは逆に、今考えなくてもいい用事で頭が占領されてしまうのは誤算だった。


そんな状態ではテレビやDVD映画を見る気にならないし、雑誌ものんびり読めない。テレビなどより優先度が高く期限が迫っている用件がたくさんあるんだから。もちろん、そういうのも予定に組み込んじゃうのが正解なんだろうけど、そこまで割り切れるもんじゃない。

また、何かの拍子に創作意欲が爆発的に高まることがあり、仕事そっちのけでものすごい勢いで制作することがあるけど、リストを見た後ではその衝動が抑えられてしまう。気まぐれに作業するのが楽しいフィギュア制作も、リストにしてしまうと締め切りがある仕事みたいに思えてきてしまう。僕的には非常に損な気分だ。

「鬼軍曹に命令されて泣く泣くいろいろ片付ける」というイメージがあったけど、よく考えてみたら、項目を差し出してるのは自分なのだった。なんだあ、自分の命令なんか聞けるかよ〜。

というわけで、使用を停止し、ライセンスの購入も見送りました〜。iCalのみで平和に暮らしたいと思います。(iCalの各ToDoに、OmniFocusとのシンクでToDoの先頭に追加された「@仕事: 」など数百個を手作業で削除するというおまけ付き〜)

すみません、先週リンクするの忘れてました。
OmniFocus < http://www.omnigroup.com/applications/omnifocus/
>

補足。iCalとのシンクが不完全と書きましたが、初期設定のシンク設定が違ってました。ちゃんとiCal側にもOmniFocusで作成した個々のアクションが読み込まれます。iCalのToDoにつけられたURLからOmniFocus側の項目に飛ぶこともできます。ただ、全アクションを読み込むと、いきなり何百個ものToDoができてしまってiCalのToDo欄が見にくくなるので、ここは人それぞれの判断で、シンクの項目を限定したり設定を変えるほうがいいと思う。

●時間が「見える」iCal

ところで、ファイルメーカーBentoもGTDアプリと呼ばれることがあるようだ。やはりGTDは流行ってるらしい。OmniFocusやBentoを使わずに済む方法はないものか探っていて、iCalだけ使うGTD的スケジュール管理方法を考えた。僕の場合、「新しいやり方」を考えるのが楽しいだけで、実際に運用するかどうかは別問題なんですけどね。

仕事の優先度・種類・所要時間・期限がわかりやすいことがOmniFocusの利点。一方、iCalの優れた点といえば、所用時間や種類が「色のついたオビ」の形で視覚的に「見える」ことと、そのオビを柔軟に動かせること。

一つの仕事を段階でいくつにも割り、それぞれの所要時間分のオビをあらかじめ作っておく。それらを来週とか今月末とかの空いている時間に貯蔵しておく。必要なだけオビを作成。で、実際に予定に組み込むときに、それぞれのオビをドラッグかカット&ペーストで移動し(月表示にするとやりやすい)、順番を組み立てていく。所要時間はすでに設定してあるので、テトリス的に空き時間にはめ込んでいくだけ。

この方法だと、現在かかえている仕事に必要な時間が手持ちの時間の中でどのくらいの量を占めているか、視覚的にはっきりわかる。ホントは僕、そういうの、きゅうくつでイヤなんですけどね。締め切りが詰まっていて大変な時には役に立ちそう。

【吉井 宏/イラストレーター】 hiroshi@yoshii.com

某所でリンクされていた記事。Tech-On!【MacBook Air分解その5】「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」。ここでのMacBook Air自体の評価はおいといて、技術者たちが日本の技術や製造業のあり方に自信を持ちすぎている様子がコワイ。「私がこんな設計をしたら、社内で絶対通らないですよ」「技術的にすごいと感じるところは一つもない。我々ならもっと安く作れる」。同動画記事では、造りの雑さに苦笑する場面も出てくる(実際の製造は台湾メーカーらしい)。オレたち日本人技術者は世界一の品質のモノを作ってるんだという過剰な自信。……30年前の「スター・ウォーズ」上陸のとき、日本の有名特撮スタジオの人が「あれくらい日本でも作れる。我々が学ぶべきところは何もない」とコメントしていたのを思い出す。それで作られたのが「宇宙からのメッセージ」なんだけどさ。日米の特撮の思想の違いはあるにせよ、当時スター・ウォーズマニアな僕にとって「あああ、こんな考え方をしていたら日本はこれからダメになる」と思ったものだ。やはり、30年前から何も進歩してなかったのか……。いや、一部の技術者だけの話と信じたい。そもそも、安価で技術的に優れたモノを作れば必ず売れる、わけないじゃんよ〜。
< http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080217/147537/
>

16ヶ月間、メインマシンとして使っているMacBook Pro17インチのパワーアップ作戦。最近、外付けFirewire800HDDから起動して使っていて非常に快適だった。そうなると、内蔵HDD160GBが遅くてたまらない。また、せっかくのMBPが据え置きデスクトップマシンとしてしか使えない。そこで、200GB7200回転のHDDに交換。ついでに最近激安になってるメモリ2GBを2本。このモデルは4GB差しても3GBまでしか認識しないんだけど、知ってて購入。すでに1週間使ってるけど、見違えるようにキビキビ動く。これで、MacProを買わずにあと1年やそこらは快適に仕事できそう。レンダリングなどの重い作業はCore2QuadのVistaマシンでやるので問題なし。っていうか、ノートパソコンだけに慣れちゃってると、デスクトップマシンの騒音が我慢できなくなる。できれば次もノート型にしたい。

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