気になるデザイン[8]都営三田線が、なぜ小豆色なのだ!?/津田淳子

投稿:  著者:  読了時間:4分(本文:約1,900文字)


電車で都内やその近郊を移動することが多いのですが、最近、Webやケータイでの路線検索サービスを使うことがほとんどなので、あまり行き慣れないところだと、とっさにどことどこが近いとか、そこに行くのなら帰りがけにどこに寄れるな、などということがわからなくなってしまった。

この前も白金高輪駅に行って、そのあと2時間くらい時間があるので、展覧会や書店巡りなどをしようと思ったのですが、はて、どこに行くのがいいのか、とっさに頭に浮かばなかった(バカと罵らないで下さい・苦笑)。

そこで、首都圏近郊の路線図を見てみようと、Webで検索してみた。いろいろあったのですが、一番最初にでてきたPDFでいいや、と思って、ある大学が作ったものをダウンロード。プリントアウトして白金高輪付近を見てみようと思ったのだが……
< http://www.wcoop.ne.jp/support/tokyo_map.pdf >



都営三田線がなぜ小豆色なのだ!?

電車はにはそれぞれラインカラー(誤乗防止などのために各路線の車両の車体色や、駅名標などの案内表示に使用されている運転系統の色)が決まっている。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=18331928 >
日本の鉄道ラインカラー一覧

東京の地下鉄にあまり乗らない人にはわかりにくいと思うのだが、都営三田線のラインカラーは「ブルー」なのである。駅にある乗り換え表示でもブルーの○で書かれているし、路線図や電車のラインもすべてブルーだ。

それなのに前述したPDFの路線図では、都営三田線が小豆色で描かれているので、非常に不自然。というより、都営大江戸線のラインカラーが小豆色(正式には「ルビー」という色らしいが)なので、一瞬大江戸線に思えてしまう。

この路線図では他にも、千代田線が青緑(本来は緑)、有楽町線が緑がかった黄色(本来は黄土色[ラインカラー規定ではゴールド])、南北線が水色(本来はエメラルドグリーン)、大江戸線がスカイブルー(本来はルビー)で書かれていて、見づらいことこの上ない。

丸ノ内線(赤)や半蔵門線(紫)、都営浅草線(ピンク)、都営新宿線(黄緑)などは、ラインカラー通りの色になっているし、何かビジュアル的な意図があって、ラインカラーとは違った色に変えているようにも思えない。どうしてこんな色をつけてしまったんだろうか。

ラインカラーは別に法律で定められたものでもないけれど、各電鉄会社などが制定していて、電車の車体やサインなどに頻繁に使われているので、日頃電車を使っている人には、無意識にそのカラーが刷り込まれているので、わざわざそれに逆らった色を付ける意味がないと思うのだが……。ただ単に、ラインカラーのことを知らず、都内の地下鉄にも乗ったことがない人がつくったのだろうか。

ちなみに電車や駅の色でいいな、と私が思うのが、田園都市線の用賀駅から池尻大橋駅までの駅構内のカラーリング。以前は新玉川線と呼ばれていたわずか5駅の区間だけなのですが、駅構内の壁が、それぞれ違った色のタイルで敷き詰められている。用賀は水色、桜新町はピンク色、駒沢大学は緑色、三軒茶屋は黄色、池尻大橋はオレンジ色。

以前はこの沿線に住んでいたため、よく田園都市線を利用していたのだが、電車内で居眠りしていてハッと目を覚ましたとき、これらの5駅では、瞬時に今どこの駅にいるのかがわかって、乗り過ごしていないということが確認できて、便利だった。もちろん見た目もきれいだし。

こんなこと今更改めて書くことでもないくらい、当たり前なことだと思うのだけど、色は装飾の目的だけでつけるものではないですよね。前述の路線図PDF、世界一複雑(だったはず)な東京の地下鉄マップをせっかくつくったのに……、もったいないのぅ。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
最新刊『デザインのひきだし vol.4』は、表紙が変! 斜めになって折って切ってある黄色い表紙が目印です。特集は「折り/抜き/紙の加工でこんなことできる!」ぜひともご覧ください。また来週あたりには『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』という本も発売予定です。
最近作った本は『デザインのひきだし vol.3』『田名網敬一 デイドリーム』『デザイン・制作のセオリー』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/ >