電子浮世絵版画家の東西見聞録[29]ソウル地下鉄で女性専用車両運行が保留になったわけ/HAL_

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日本では成功しているのか、していないのか全く情報もなく、見るからに意味のない「女性専用車」が継続運行されています。ソウルの地下鉄でも深刻化する性犯罪を未然に防ぐという目的で、女性専用車を運行するという計画が昨年わき上がっていましたが、女性団体の反対が多く保留になりました。

ラッシュ時の人口過密なソウル市道路は車で埋まり、バスは過密状態で、外国人には理解不能な路線が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、朝の地下鉄構内は人であふれかえっています。過去、女性専用車両は1992年に水原と仁川の間に運用されましたが、実用性が薄かったためにひっそり姿を消しています。


2006年には地下鉄性犯罪が600件を超え、2007年度にはそれをさらに上回ると予想され、今回は地下鉄全線に女性専用車両を導入する計画でしたが、女性団体からの反対や反対世論が多く保留になったようです。梨花女子大学韓国情勢研究所研究教授によると、女性専用車両は「性犯罪の深刻性を認識させる上では有意義だが「専用車両を利用しない女性に対しては犯罪対象にしても良い」という認識を持たせる」といいます。

人間はひとつの事例を多方面から考えることはとても良いことだと思いますし、そうあるべきだとも思いますが、日本人の考え方と韓国人の考えはこうも違うものかと思ってしまいます。この意見が、韓国女性のすべてを代弁しているわけではありませんが、この考え方は完全に男性に対する不信感から来ているとしか思えませんし、男性はすべからく「潜在的な性犯罪者」であると断定しているように思えてしかたがありません。

日本人的発想は「人はすべて善人である」という考えが根底にあり、そこからのコミュニケーションでまとまった社会だと考えていますが、過去の韓国人は日々敵国から侵される危険を感じ、同国人に対しても疑問を感じながら生活するという事が、現在まで根底にあり続けているのでしょうか。大陸に直結した半島の中で一カ所に集中し、さらに城壁で囲いこむ生活していたという事情がそうさせているのでしょうか。

日本の場合、Wikipediaで検索してみると、女性専用車両は戦前東京の中央線のラッシュ時に「男性と女性が一緒の車両に乗るのは好ましくない」という当時の国民性を反映して導入されたが短期に廃止され、関西でも神戸市電が運行した事はあるが、あっという間に姿を消しています。戦後は、殺人的通勤ラッシュから子供と労働女性を守る目的で中央線、京浜東北線に導入されたこともあります。これも京浜東北線では短期に廃止され、中央線ではこれはシルバーシート導入と共に姿を消しています。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=18574821 >

2000年代になると痴漢行為が社会問題になり、時間を区切った形で「女性専用車両」の運行が試験的に開始され、各路線が次々積極的に取り組み、現在に至っています。以前は弱者を守るという立場からの女性専用車の運用でしたが、現在の運用はやはり男性蔑視からなのでしょうか?

私は日本での「女性専用車」運用時の事をよく覚えています。私は田園都市線を利用していましたが、電車に毎日乗るわけではなかったので、たまたま導入された当日はそのニュースを全く知らずに駅に入りました。そして、いつも乗る最後部車列に向かってホームを歩いていきました。2005年5月のことです。

なぜかその日、後部車両の手前に制服を着た女子駅員らしき人がいて「不思議だなぁ」と思いながらもその脇を通り抜け、いつも通りに最後部車両に乗って吊革につかまっていましたが、何となくまわりの雰囲気が妙なのです。外を見るともなく見ていると、先の駅員がホーム後方に向かってくる人を止め引き返させています。何をしているんだろうと思いつつも、そのまま電車は扉を閉じ、発車しました。

車内を見まわすと、目に映る景色がピンクに染まっています。車両内のポスターがほとんど同じピンクなのです。当然のことながら乗客の雰囲気がいつもとは違います。ピンクに染まったポスターを凝視すると「女性専用車」の文字が躍っています。その瞬間は何のことだか分からなかったのですが「え、えっ!」と思いながら、ようやく理解し、なにか後ろめたい気持ちがわいてきて、そろそろと前方の車両に移りました。この時の女子駅員が、なぜ私を止めてくれなかったのかが理解できません。

先日TVで周防正行監督「それでもボクはやってない」を見ました。これは痴漢えん罪からみた現在の裁判のあり方を描いた映画ですが、東京でもソウルでも通勤ラッシュ時の混雑では何が起こっても不思議はない世界ですね。通勤ラッシュには乗ることはなくなっても、帰宅ラッシュ時には混ざってしまうことがあります。週末になると酒臭い息がたまりませんね。あっ、だから酒を飲んで帰るのか!

・写真は混雑時のソウル地下鉄駅構内と日中の駅ホーム



【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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