うちゅうじん通信[19]うちゅう人の究極の理想/高橋里季

投稿:  著者:  読了時間:7分(本文:約3,400文字)


「理想解除」というキーワードから、その後考えていることを書きます。
「理想解除」については、デジクリサイトを見てね。
< http://bn.dgcr.com/archives/20080208140200.html >

さて、理想解除から再構築に向かっています。最近は、「究極の理想主義」の私。コンセプトを考えるときに、構造主義とか、行動主義とか、そうゆう方法は、全部、使えばいいと思うんです。ただ、たったひとつの方法で、やっていける訳ではないので、ここまでは構築、ここからは脱構築とか、自分の考え方の文脈を自分で「理想解除」したり「再構築」したりできる事が大事かな。という気がしています。


●一億年後ヒトは矛盾から解放される

21世紀は、まだ「縄張り争い(闘)」に負けたら職を失い、「種族保存本能(性)」や「自己保存本能(食)」の危機に怯えて生きていかなければならないのが現実かもしれません。結果的に餓えて死んだり、予期不安のストレスから狂気を発した殺人鬼に殺されるかもしれない世の中です。女の子が、「あんまり気乗りしないんだけど。食べていくためには不安なまま結婚や子育てしなくちゃ」な状況も、まだまだあると思います。もっと恐いのは「私が」正気でいられるかどうか。

そして、「どのように生きるべきか」をみんなが考えたいと思っているっていうのは、今の時代の気分だと思います。楽しければいいっていう考えかたも、古い感じがするよね。エイズとか、テロとか、いろんな事があったしね。

みんな、何か「信じるべきもの」が欲しいと思ってる。では何を信じるのか。家族? 人類愛? 家族を信じて矛盾を感じないなんて、日本人だって一割に満たないでしょう。

親がね、「この程度の生活で そこそこ楽しく生きられればいいじゃないか」っていうのはね、「家族幻想リカちゃん世代」に対抗した時代的な気分であって、決して生きるための考え方にはならないと思うんです。根本的なヒトの矛盾とは関係のない、狭い時代的気分だと思います。

だからと言って、般若心経や論語を「参考になる読み物」ではなくて、人生の指針にできるかというと、ちょっと無理な感じ。私たちは神様に恥ずかしくないように生きたり、死んでから極楽に行くために善行を重ねたりする訳じゃないのは、みんな知ってると思うの。

きっと神様は、ヒトが殺し合っても、地球を丸ごとふっとばしても、許して下さるでしょう。だいたい、食べる食べられるなんてことになっているのは、神様のせいかもしれないんですからね。

私たちは矛盾をかかえながら生きています。それは、はっきり自覚した方がいいと思うけど、ヒトは、動物的な本能と「予想する能力」との矛盾から、いつか解放される事が理想なんだ! って、おとなが言えばいいと思うの。

それは、社会のルールを変えたり、「生き方を説いたり」する事で、なんとかなる問題じゃありません。「生き方」という事で言えば、「私たちは、一億年後だろうが、この辛い矛盾を解決できる。だからこそ、子孫を残す意味があるのだ」と信じて生きて行くのが気持ちいいと思います。

私たちは、まだまだ、動物的な本能に振り回されて、辛い矛盾を抱えたまま生きるでしょう。戦争はダメだって言っていても、平気でまだ死刑とかはやってる。毎日の生活を「幸せ!」って感じるよりは、「まあ幸せなんだろう」と自分に言い聞かせている。

老人がね、「私は矛盾を抱えたまま、なんの解決策も示すことができずに、もうそろそろ仕事も終る。でも、精一杯やったのだと思って死んで行く」ということを言うのはいいと思うんです。「次世代のみんなも、たぶんそんな感じだと思うけどがんばってね、って言うのはいいと思うんです。だけど、「矛盾を抱えながら生きるのが、人間のあるべき姿」じゃないと思うの。

「もっと高い理想が本来あったからこそ、子孫を残す、教育というシステムは残っていく」と言ってくれないと、がっかりしちゃうわ。

どこかで「中庸を知る」ということの意味を読んだことがある。中庸を知るというのは、無難にホドホドで良しとすることではない。どんなに辛く絶望的な時も、どんなに嬉しくて幸せな時も、これがヒトというもので、「特別なことではないのだ」という客観性を持つことだと、、、。その時その時が、大きな中庸の流れの中にあるのだということだと、、、。

こういう意味や解釈を、自分なりに考えてみるのは楽しいし大切なことだと思うんだけど、私は、自分たちがバカで惨めだとしても、まだまだ人類の途中なんだ、、、と可能性を信じることはできるんじゃないか、、、と思っています。死ぬ時に、自分の惨めな時代だけでなく、一億年後の希望を胸に死んでいけたらいいな、と思っています。

神や仏や大昔の賢人の尊い教えに支えられて、「矛盾に悩みながらも生きていく」のは、ヒトにとって、あと一億年くらいは必要な事かもしれません。でも神様に、私は今ここに自分が在ること、たった一歩でも矛盾の解決に向かうことができることを感謝するのであって、信じている、、、神様は、ヒトをもっと進化させるつもりでいることをね。だからこそ、子供を産むことも、生活することも、意味があるんです。そして、だからこそ、クリエイティブの意味も信じることができるんです。

本能的でない子孫の残し方(性)が、たぶん見つかるでしょう。動物的でない欲望を持つことが、たぶんヒトはできるようになるでしょう。本能の能力を活かしながら、新しい「食・性・闘」を開発するでしょう。

ちなみに資本主義というのは、比較的新しい闘い方なんだと思っています。せっかく闘い方が洗練されてきたのに、仕事場で「これは闘いだ!」なんて志気をワイルドなムードに逆戻りさせなくっても、女性の社会進出で、どんどん仕事場がエレガントになるといいな〜と思っています。

殺すな、死ぬな、狂気に走るな、最高の幸福を手にいれる一億年後の未来を信じろ。むくわれないまま、御先祖様はかれこれ700万年もやってきたのだ。21世紀の私たちも、ほとんどが犬死に、、、まさに、ケダモノのまま死んでいくのだけど、一億人にひとりくらいは人類の進歩に繋がる発見や開発をするでしょう。

愛とか夢とか、観念的な言葉でごまかすのではなくて、私はもっとストレートに「ヒトの可能性」を信じていいと思います。「可能性を用意した神」を信じていいと思います。ヒトは、この地球史上初の「殺さない死なない美しい生き物」になるのだわ!

それは目的志向的にではなく、錬金術的に達成されるのかもしれません。だって、ちょっと考えたって、100年前より今の方が、ずっと世の中、素敵になってるもんね。奴隷は自殺もできない時代があったんですもの。

もしかしたら、命は全部、「時間」に食べられるためにあるのかもしれない。それくらい人智の及ばない、神の視点というものがあるのかも知れない。そんなことがあったとしても、ヒトはそういう運命を自ら知り、解決していくのだと、そう思っています。

次回「究極の理想主義」を支える「時間についてのこと」を書きます。難しいので、上手に書けるかな? とは思いますが、、、。

【たかはし・りき】イラストレーター。 riki@tc4.so-net.ne.jp
・高橋里季ホームページ
< http://www007.upp.so-net.ne.jp/RIKI/ >
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