[2402] はなみの話

投稿:  著者:  読了時間:24分(本文:約11,500文字)


<様々な「快楽の奇跡」を辿らせてくれた『MANDALA』>

■音喰らう脳髄[47]
 はなみの話
 モモヨ

■Episode of ガテン系デザイナー[14]
 資料は寝て待て
 相子達也

■デジクリトーク
 技術の進歩と、失われしもの……
 新 泰幸

■デジクリトーク
 アナタが望めば降臨する漫画『MANDALA』
 鷺 義勝

■展覧会案内
 細尾文彦「複製と摩滅」展


■音喰らう脳髄[47]
はなみの話

モモヨ
< http://bn.dgcr.com/archives/20080408140500.html >
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はやいもので、すでに花の頃も過ぎようとしている。

近隣の学校では今週あたりが入学式のピークになるようだ。が、ここ何年かと同じく、花は落ちつつある。妙に季節感がふぞろいなのは、こんなご時勢、いたしかたないことなのかもしれない。

桜花もひともとの山桜の下などということなら風情もあるが、大量の桜花、雲のように横にたなびく枝が交錯した満開の花の下というのは妙に非現実感というか、歩いていても奇妙な浮遊感を感じる。あいまい模糊とした霧のようなモノが空間を支配しているような気味があり、植物の魔力じみた力を感じる。むせ返るような生気のあつくるしさを感じさせるせいか、私はあまり好きではない。

杉の花粉が人間の健康を左右するのはプリオンのせいかどうか、ここ何年か論争になっているようだが、それはともかく、杉の花粉が悪者で、桜となれば、先を競ってそれを浴びに行くのは、どうも納得がいかない。むせ返るほどの生の祭典の下、そのもとで酒をのみかわせば、当然ながら魔につけいられる。そうに決まっている。だから、この季節、私はそういう場所には近寄らないことにしている。

しかし、先週末、ひょんなことから、そうした中を半日近く右に左に彷徨せねばならぬ羽目となった。知り合いの老人が花見にでかけ、団体からはぐれて行方不明になったというのだ。それも真昼を過ぎたころ、午後三時過ぎに、である。聞くだに怪しい話ではあるが、とりあえず、電話連絡を受ければ出かけるほかはない。気はすすまないが、重い足を運んだ。

案の定、花見の参加者はみな出来上がっていて鼻と頬を赤く染めている。いや、他の客もみな似たようなもので、大半が鼻を赤くした老人たちだ。これでは花見ならぬ鼻見だ、などと嘯きながらも、私は、付近を歩いて話を聞いて回った。

私は、夕刻近くからそんな花見の現場である満開の桜の下、花しべと花粉が降るなかを右へ左へと走り回り、あちこちで事情を聞いたが、花見客の語るところは、どれもこれも曖昧で、話をきけばきくほどに狐につままれたような気分になる。同行した花見の一団の話しぶりからして、どこかに違和感があった。

その行方不明者についても、みなが微妙に言うことが違う。失踪者が忽然と姿を消したのは確からしいが、それ以外に、どうも妙だ。皆がはっきりモノをいわない。春になると突然病気が出る人もいるから、誰かが言い出したのを皮切りに、皆がボケの予防対策を開陳しあう始末である。最近の老人は妙に薬物に詳しい。皆がカタカナの薬名をそれぞれ口に出すのだが、私とすれば、それに感心するよりも、ことの頓珍漢な成り行きに呆れるしかない。

それにしても、あまりに見事な桜の咲きっぷりだ。夕闇が降りるころには体中から桜の花粉の香りが染み出そうな気分になった。もちろん気持ちのいいものではない。逢う魔が時、である。結局、七時をすぎても失踪者は見つからず、後を警察にまかせて帰ってきたが、顛末は、あっけないものだった。その夜、失踪者が何事もなかったように家に帰ってきたのである。

聞いてみればなんのことはない。花見の席でちょっとした諍いがあり、面白くないので退席した。これだけのことである。当然、諍いの相手は、そのことを知っていたはずなのだが、警察や私たちの捜索が始まったために言い出せないでいたようなのだ。人騒がせな話だが、とにかく、見つかってよかった。

花の季節に欝欝するのは健康に悪い。

Momoyo The LIZARD 管原保雄
< http://www.babylonic.com/ >

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■Episode of ガテン系デザイナー[14]
資料は寝て待て

相子達也
< http://bn.dgcr.com/archives/20080408140400.html >
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●怒濤の年度末

年度末は色々な更新が重なり、仕事が大変なことになります。「4月にリニューアルとか更新したいのよ」というやつです。量があっても何とかこなせるのですが、例のパターンで更新用の資料が遅れるとしわ寄せはこちらに来るわけです。なんせ4月の第一週から公開ね、と「ケツ」を決められてますから。

商品の紹介追加や、メニューの変更、新規事業のコンテンツ、写真の差し替え、採用情報の更新などなどを「やってちょうだい」と連絡をもらうものの、待てど暮せど資料は来ない。メールで催促しても返信来ない。電話をしても出ない。留守電にメッセージ残しても連絡来ない。雲隠れか。

連絡がついたらついたで、また大変。
「我々も年度末は忙しいからなかなか揃えられないんだよー」
「ほとんどできてるんだけどね、もう少しなんだけどね」できてないな。
「誰々がつくるって言ってたよ」確認すると「聞いてません」
全部じゃなくていいので送ってもらえませんか?
「USBメモリうちに置いてきちゃった」
取りに行きましょうか?「あーうーいー今から打ち合わせに出ちゃうんです」
「見た目変えてさ、お、新しくなったってしてよ」おい。
「なんかこううまく作ってくれない?」おいおい。
「あ、忘れてた」おいおいおい。
「あー今出ました」出前か。

そして、ついに締切ギリギリになって資料が届きます。はいはいコレを一日でやれってことですね。

もちろん、きちんと資料を揃えて連絡をくれるクライアントもいます。チラシのIllustratorデータや写真、各種情報の書かれたExcelファイルと全て揃えてあるうえ、それを届けてくれたりします。ありがとうございます。

毎年同じことを繰り返すのはイヤなので、事前に連絡を入れておいたり、2月ごろから打ち合わせをしても結果はあまり変りません。担当者が異動になったり、退社したりでさらに状況が悪くなることもしばしば。こんなものと諦めるしかないんでしょうか。

今年も怒濤の年度末をなんとか乗り切ることができました。

●建設現場報告 凍結の影響

建設業界は「道路特定財源廃止するぞ」で大変な状況です。先行きが不透明なので、ニュースの通り、道路工事の多くが凍結されました。これはエライことです。

建設業は12月ごろから3月の年度末が一番忙しく、4月から大体8月ごろまではあまり忙しくありません。以前は兼業農家の人たちが多く、この時期は農作業をするのにちょうどよかったわけです。稲刈りの後の農閑期に建設業を手伝うわけです。今は兼業農家自体も減ってきてそういう働き方はほとんどないのですが、お役所からの仕事の発注は以前と変らず、この時期は仕事が少なくなります。

じゃあ凍結されても大丈夫じゃないの? そうではないのです。4月に本年度行う仕事が決まり、設計やらなんやらをいろいろやってから発注されます。その後入札をして受注。施工計画を立てたり様々な手続きをして、工事が始まるのが8月以降になります。もちろん、小さな工事ではもっと簡単に進みますが。

凍結が解除されたとしても、そこからスタートになるわけですから工事の開始がずれ込んでいきます。つまり、入金がうんと先になってしまいます。厳しい状況の建設業は、運転資金の借り入れも大変です。そう簡単に銀行は首を縦に振ってくれません。そこで、役所からの工事発注書を提示して借り入れをするのですが、それすら難しくなっています。発注がずれ込めば、運転資金の確保もできなくなってしまうわけです。残念ながら、この夏を待たずに看板をおろす会社が増えそうです。

ガソリンが安くなっても、車が走る道路を維持していけなくなればなんにもならないです。確かに無駄な工事はあります。でも、危険な通学路に歩道を作ったりする必要な工事まで出来なくなれば大問題です。

もちろん、自治体でも必要なものは凍結しないといっていますが、今回のことで建設業が少なくなったら(きっと少なくなります)他のことでも問題が起きるでしょう。例えば、災害の時やその後の復旧に建設業が必要ですが、地元にある建設業が少なくなれば、救出や復旧が遅れる事になります。新潟の地震の復旧作業に、私の住む栃木からも救援に行きました。そういった協力もできなくなる可能性があります。

「これは問題がある、だから廃止。ほーらガソリンも安くなってよかったでしょ?」
じゃ、それに代わる財源は?「う〜ん」
こんなに弊害がありますけど?「え〜と?」
でいいんでしょうか。

【あいこたつや】aitatz@gmail.com < http://www.ggrafix.jp/ >
bjorkの新曲「Wonderlust」のミュージックビデオが面白い。
いつもスゴイ世界観。
< http://www.bjork.com/news/?id=805;year=2008 >
全部公開しちゃうのがbjork。高解像度版は↓

制作したENCYCLOPEDIA PICTURA< http://www.encyclopediapictura.com/ >
Wonderlustのロゴをクリックすると高解像度ムービーが見られます。
他にもすごい映像がたくさんあります。

作っているところの写真
< http://www2.nysun.com/article/72892 >

作っているところのムービー。面白そう。
< http://www.facebook.com/video/video.php?v=13166005718 >

bjorkと監督Isaiah Saxon Sean Hellfritschのインタビュー
< http://video.on.nytimes.com/?fr_story=cae6cd1d56ad61cd2686baeba62701d9f7a8d2ae >
3Dメガネで楽しむバージョンもあるそう。早く見てみたい。

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■デジクリトーク
技術の進歩と、失われしもの……

新 泰幸
< http://bn.dgcr.com/archives/20080408140300.html >
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寒い季節は、焼酎のお湯割り、美味しいですよね。ところでこの「お湯割り」って、古来の焼酎の飲み方を非常に簡略化したものらしいんです。芋焼酎の本場・鹿児島では、昔は以下のような方法で焼酎を飲んでいたといいます。
(1)まず焼酎と良い水を半々に混ぜる
(2)それを一晩寝かせる
(3)次の日に黒じょかという平たい土瓶に移し変える
(4)それを七輪の火にかけ、ゆっくり直火でお燗して飲む……。
もちろん、「焼酎をお湯で割って飲む」ほうがはるかに簡単で安価ですから、この「お湯割り」という方法が広められなかったら、焼酎の消費量は現在の何分の一、いえ何十分の一だったことでしょう。

イタリアの友人の漫画家は、手巻きの刻み煙草を喫(す)います。彼は「煙草の葉が有害なんじゃない。市販の煙草を巻いている紙と、紙をとめてある接着剤が有害なんだ」と言います。もう一人のイタリアの知人は、葉巻だけを嗜みます。「ハバナのこの銘柄は、現地の女の子が太股の上で葉を巻いて作るから旨いんだ」とうそぶき、それしか喫いません。彼は「市販の紙巻煙草は危険だ。火薬が入っているからな。だから放置しても消えないんだ」と言います。確かに葉巻は、放置するとすぐに火が消えてしまいます。

そして二人とも、ショートホープを喫う私に「市販の紙巻は、今すぐやめろ」と言います。でも、一日に何十回も刻み煙草を手で巻くのは億劫だし、一本数千円もする葉巻を毎日買うこともできない私……。

先日、家の物置と化している部屋を片付けていたら、古いLPレコードが大量にあることに気づきました。学生の頃は、これを毎回ジャケットから出して、さらに中袋から出して、静電気防止のスプレーを噴霧し、黒板けしのようなものでホコリをぬぐい、レコードプレーヤーのターンテーブルの上に置き、針を持ち上げてからそっと盤面の端っこに落とし、ようやく聴いていたものです。

しかも、30分ほどでB面にひっくり返さなければならなかった。今はもう、面倒でやってられないでしょうね。最近は音楽を聴くのは、MP3などデジタル・オーディオ・ファイルばかりです。LPからCD、MP3。どんどん便利で安価になりました。……でも、何故なんでしょう。音がどんどん悪くなっているような気がするのは。技術はものすごい勢いで進んでいるのに。

『MANDALA』vol.02が発売となりました。またもや表紙から中の漫画から奥付まで全部一人で担当しましたので、究極の同人誌みたいなものです。気に入っていただける方がお一人でも多くいらっしゃれば幸いです。まずは、書店で見かけたら、パラパラと眺めてみてください。きっと一つは、あなたのツボにはまる作品があると思いますから。

【しん・やすゆき】y-shin@kodansha.co.jp
講談社モーニング編集部
講談社MOOK MANDALA(2)
< http://www.e-1day.jp/morning/comics/mandala/mandala_2.html >

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■デジクリトーク
アナタが望めば降臨する漫画『MANDALA』

鷺 義勝
< http://bn.dgcr.com/archives/20080408140200.html >
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どんな方にも、読むべき刻に発刊されていた書籍というものが在るのではないでしょうか? 残念な事に、社会、経済、文化といった様々な影響によって気付かれる事も無く埋もれてしまう良書も在るのでしょうが、実際には発刊されている書数は言われている程、減少している事は無い様に私は思います。ただ、「MANGA」と読者の向き合い方が、時代と共に育まれ急速に土壌が形成されている最近の状況に、これまでの既視感覚が通用しにくくなっていると言う事は出版側・読者側共に良くも悪くも有るのではないでしょうか。またこうした変容によって「MANGA」が解消してくれる日常の眼の肥やしを果たしてくれる書籍に、私は久しぶりに出会う事が出来たので是非皆様にも御紹介致したいと思います。それは、講談社「モーニング」特別編集『MANDALA』(マンダラ)です。

世界八カ国の作家陣、290ページオールカラーといった体裁も然る事ながら、ここに描かれている「宇宙」は、正に読み繰り返す事で読者の創造空間を無限に解き放つ非常に希有な「核」だと申し上げる事が出来ると想います。「美麗革命」と銘打たれた第二号の発刊の意図も作品のフルカラー化に留まらず、それぞれの作品に作者が投げかけた描写の動機が、これ程迄に混沌と且つ強固に陣を成す「MANGA」に事勿れ主義な姿勢も在るが故、不勉強な私は嘗て出会った事が有りませんでした。各作品を楽しむ順序を数度に渉り変えている内に、書籍と向き合う感覚から何故か次第に食事を楽しんでいる様な感覚に、体が打ち震えている自分に気付く様にも成りました。映画、音楽、アニメ、ゲーム、はたまた旅行等、様々な「快楽の奇跡」を辿らせてくれた『MANDALA』。

では個々の作品に付きまして「こんな絡み方では如何でしょう?」といった視点から、お話してみたいと思います。まず今号の表紙として「MANGA」の心象空間から「物語」を起動させ、色調によって独自の哲学性をも訴え得ている中国出身の作家、BENJAMIN氏。描き下ろし短編作品「救世主」では所謂カラーノベルズ的に成りがちな表現感を、漫画ならではの多次元性を自在に描写する事で、制作を目的化する事無く「一つの作品」として完成させる段階に到達している様に感じました。今後が非常に楽しみな作家です。

続いて、当誌の造本上の特徴でもある、表4側から左開きする事で楽しむ、2作品を御紹介致しましょう。イタリア出身の作家、DE LUCA氏の「ピックマンのモデル」。この作品は数作ある絵画調の当誌の作品の中でも、特にストーリー観を繊細な作画による空間表現によって、際立った魅力を引き立たせています。作者はこの作品の土台として、思春期の頃より敬愛している小説家の作品をオマージュとして使用しており、その事からも作家としての姿勢が筆致より伝わって来ます。そして感動は更に深淵へと向かうのです。

ドイツ出身の作家、SCHULTHEISS氏の「河をゆく女」。作品を楽しんでいる内にこのタイトルが、主人公の「魂の渇望感」が如何なるものなのか、読者の探究心を鷲掴みにします。色感と線質が織り成す豊かな心象描写が何と言っても魅力的なこの作家を、暫くは追い続けたくなりました。

3作品紹介させて頂きましたが、残る12作品の中から個人的にこの『MANDALA』誌を今後も購読したくなった然るべき動機を産むに至ったと思われる2作品のみをあえて御紹介させて頂く事で、不透明な部分は皆様が必ず御持ちになっている「審楽眼」を発動され、当誌と接触されます事を切に願います。

御一人目は日本出身の作家、王欣太氏の「三界のスサ」。作画上の粗密感と物語が展開される「間」の取り方に、ここまで独自性を追求されている様な傾向の作品に魅力を持たれる事が日本の漫画界に望まれる事は、これまで如何程の頻度で在ったでしょうか。この作品はキャラクター性や風景観にも、同様の説得力を垣間見る事が出来ました。言ってみれば「世界観の創画」に囚われる事無く「MANGA」の魅力を追求なされている様な表現観の姿勢に強く打たれる作品だった様に想います。是非次回は、全く異なった観念を表現の動機に立脚された作品を、楽しみに待たせて下さい。

遂に最後の作品となりました。フランスの作家、SERA氏の「Bar」。この作品より作画をフルデジタル化されたとの事なのですが、物語が産み出される発端を描写する然るべき方法として自ずと導入されるに至った経緯が、強い説得力を通じて読者に魅力を与えている様に感じ、俯瞰的な視野から完成度の高さを追求されている点にこれまで無かった読後感を深く味わう事が出来ました。「日常上の危機感」といった恒に我々の存在の傍らに憮然として横たわり得る、自我の孤立、訪れ得ぬ未知、意思への謀反、見返り無き変容、こうした問題を「MANGA」によって解決する事が作家の使命であり、希望ある指針の役割足り得る唯一無二の方法論として駆使し、凡ゆる「尺度」を統合させる事で、「ヒト」という「有象無象の意図」に決着を着ける為に『MANDALA』と言う「MANGA」が降臨した様に、私には映りました。

早速第一号も入手せずには居られません!
頑張って下さい、微弱ながら応援致します!

【さぎ・よしかつ】sagi@gol.com
DIGITAL CREATOR
1997年度[第一回文化庁メディア芸術祭]デジタルアート[ノンインタラクテ
ィブ]部門優秀賞受賞。個人制作による唯一の静止画作品でもありました。
< http://plaza.bunka.go.jp/festival/1997/degital_none/000038/ >
ASIAGRAPHをサポートして頂いて居ります、ロフトワーク様のサイトです。
< ハhttp://www.loftwork.com/user/2492/portfolio/ >

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■展覧会案内
細尾文彦「複製と摩滅」展
< http://fmedim.com/ >
< http://www.a246.net/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080408140100.html >
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会期:4月9日(水)〜4月22日(火)10:00〜20:00
会場:A246 Gallery(東京都港区青山北2-7-15エスコルテ青山)

作者は昨年度の「エスクァイア日本版 デジタル写真賞'06-'07」グランプリ受賞者であり、アートの一表現手段としてのデジタル・フォト作品で高い評価を得た。今回は、昨年の受賞を受けて写真賞がサポートするかたちで個展を開催、受賞作をより深化・純化した新作を発表する。

作家について:80年代前半より、ビデオやフィルムを使ったインスタレーション作品を発表。異なる場所の異なる時間を組み合わせてギャラリー空間に移植し展示した「Triptyque」シリーズや、生活の中の特異な瞬間を反復・増幅して提示した「HOTONDONANIMONAI」シリーズなど、映像メディアを使って“日常空間に隠された意味を顕在化すること”を追求して作品の制作続ける。JOHN DUNCANら内外のパフォーマンス・アーティストとのコラボレーションも多い。90年代以降は、デジタル環境での制作を手がけ、情報としては利用価値がなく、人びとの記憶からも忘れ去られようとしているような、印刷物やTV映像、写真など、様々な素材をセレクト、緻密な編集を加えて独自のイメージを作り上げる手法を追求。その成果をDVD作品「Hybrid」として発表。

NTTドコモ「Mobile Movie Creatives' Festival 2002」ドキュメンタリー部門賞「エプソンカラーイメージングコンテスト2006」グラフィック部門入賞「エスクァイア日本版 デジタル写真賞'06-'07」グランプリ受賞など。なお、ヤマハ、オリンパス、東京海上amなど、大手企業のコーポレイト・サイトを数多く手掛けるウェブ・ディレクターとしても活躍中。

作品について:ここ数年作者は、デジタル・フォトによる作品を中心に発表している。その手法は、「モノについてのドキュメンタリー」とでもいうべきもので、ある女性が残したメモやスクラップを被写体として接写した「フォリアドゥ」や、戦時下の日本で発行されていた古銭を撮影した「AncientFaces」、かつて観光地のお土産として売られていた古いスライドを、フィルムの表面の傷や退色した色彩にフォーカスして再撮影した「Travelogue」など、デジタルならではのシャープな視線で、あくまでも表層的にモノをとらえ、鑑賞者にそれを見つめさせることでイメージを喚起する、といった試みを追求している。

今回の個展では、「AncientFaces」「Travelogue」その他写真作品一点、ビデオ作品一点を出品する。

「エスクァイア日本版 デジタル写真賞'06-'07」
< http://www.esquire-dpa.com/ja/grand0607/index.html >

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■編集後記(4/8)

誰も書けなかった年金の真実―あなたがもらえなくなる日・辛坊治郎「誰も書けなかった年金の真実」(幻冬舎、2007)を読む。これはすばらしい本だ。いままでサッパリ分からなかった年金のことが、まさに手にとるように理解できるではないか。むずかしい話もスイスイ読める。なんという読みやすさだと思ったら、文字が異常にデカいからであった(反則技に近い)。この本は現行の年金制度の説明をする本ではない。そんな本なら読んでも仕方がない。わたしも年金世代だが、何年か前にやさしく噛み砕いた内容と銘打った年金本を読んで、まったくわからなかったのにはショックだった。結局、銀行の年金アドバイザーの指導で手続きを完了し、現在は「報酬比例部分」と「厚生年金基金」の年金を受給している身である。でも、その金額は情けないくらい少なく、一番お金が自由になったころの小遣い程度だ。今後は、63歳で「定額部分」「配偶者の加給年金」が加わり、その後「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」に変わるのだが、じつは正確には知らない。でも、問題の年金記録漏れには該当せず、とにかくサラリーマン生活で厚生年金に加入していた時期が28年あったから、国民年金だけしか加入していなかった人に比べると恵まれてはいる。厚生年金やそれよりもっと受給金額の多い共済年金に加入していた人と、国民年金にしか加入していなかった人の老後は「天国と地獄」と言っていいほどの格差があるのが現実らしい。でも、その格差よりもすごい格差がある。著者は「あらゆる社会構造格差の中で、老人と若者の間に横たわる年金格差ほど大きな格差はない」と断言する。この本は年金の驚くべき現状を明らかにする。その現状認識は多くの国民が共有すべきものだ。つづく。/読売新聞の火曜日連載コラム「ねんきん教室」がわかりやすいが、「ねん太」と「きん子」の対話形式というのがすごいセンス……。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344014391/dgcrcom-22/ >
アマゾンで見る

年金とは関係ないけど、このふたつの記事は興味深い(nikkei BP net)
・森永卓郎:HD-DVD撤退の東芝が、いま打つべき手
< http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz08q1/567279/ >
・ビジネススタイル/ニュース解説
ミクシィの利用規約改定問題が示すCGM時代の権利処理のあり方
< http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/080403_mixi/ >

・考えが甘かった。人権バッジをつけて走るとの会見があったので、てっきり混乱はないものだと思っていた。観客が聖火ランナーを見られないぐらいの重厚警備の中、5回も火が消され、最終的には中止と聞いて驚いた。さすがは「パンがなければお菓子を食べればいいのに。民衆よ立ち上がれ! フランス革命、ばん…ざい。♪ラ・マルセイエーズ。(一部フィクションです)」の国だなぁ。フランス近辺の国からもデモに参加した人はいるんだろうな。中国とダライ・ラマとの対話が成立したら、これは世界の人たちの抗議の成果だろう。/世界がひとつになるべき祭典で、沿道にはチベット国旗と中国国旗。デモなのでチベットの旗は理解できるが、なぜ中国の国旗なんだろう? 単にオリンピックの旗が目立たないだけ?/サンフランシスコのリレーコースは非公開って……。/日本の聖火リレーはお寺からスタートか。皮肉なもんだなぁ。「宗派を問わない」仏教寺で、阿弥陀如来がご本尊か。ふーん。政教分離だから、人権について訴えても国や政治を批判しているわけではない、ってことにはならない?/大阪のローカル番組で、ローカルでない(文化人的な)タレントさんが「星野さん友達だから、近寄ってふっと消してこようか?」と冗談で言っていた。ローカルじゃないタレントさんは皆、チベット問題への発言を曖昧にしがちなので驚いた。気骨のある人だったんだなぁ。(hammer.mule)
< http://www.zenkoji.jp/ >  善光寺
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=17693437 >
フランスの国会議員が聖火リレー中に歌ってたという話も。歌詞こわい〜
< http://meta-metaphysica.net/lit/lamars.html >
全訳。そりゃフランス人怒るで