電子浮世絵版画家の東西見聞録[38]明洞聖堂(ミョンドンソンダン)へ行く
── HAL_ ──

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私の最近の文章の書き方に、どうもラフさがなくなっていることが気になって仕方がありません。会話の途中に適当なクッションを置きながら話すのが好きなのですが、文章を書くとどうも堅くなりがちで、読者に楽しんで読んでもらうというよりも、自分をひけらかしているような文章になって良くないなぁと思いつつ……。変えることが出来ない。仕方がないのかなぁ (^^;) 今日は少しラフに書いていけるかな、とも思っていますが、はてさて。

さて、今日は明洞聖堂について書いてみます。明洞聖堂は明洞地区にあるカトリック教会です。私はキリスト教のカトリックもプロテスタントも区別が付きませんし、キリスト教自体にも興味はありません。だからといって、どこかの宗教に傾倒しているということもありませがね。

もっとも、キリスト教についてまったく無知と言うことでもなく、ある時期宗教に興味が湧いて毎週一時間を使い三か月以上、一部のキリスト教について勉強をしたことがあります。でも、言わんとしていることがまったく分からず、私の人生観からはかけ離れたものだったので、途中で面倒になり勉強会は止めてしまいました。

そんな私のような者でも、教会聖堂内に入ると、その内側には何か未知の力に満ちているようなパワーを感じます。これは、不思議です。お寺さんや神社にも感じるのは何故でしょう。

明洞聖堂は、韓国カトリックの象徴として位置付けられているようです。また、明洞のシンボルにもなっている場所です。二度目の往訪なのですが、前回は簡単に周りから見ただけの時間しか取れませんでしたので、今回は二日目の朝一番に行ってみました。前日に雨が降ったため、天候は時々薄日が差し込むような少し厚めの雲が強い光をやわらかくして、ゴシック様式の大聖堂を優しく包んでいます。大聖堂の正面が、補修工事のため幕で覆われいるのがちょっと残念でした。



●大聖堂に入ると

ところが、大聖堂に入る大きな扉は固く閉ざされ、独特の威圧感で私達の前にあります。中には入れないのでしょうか。ちょっと横に回ってみると、やはり大きな扉が閉ざされています。昔、行ったニューヨークのセント・パトリック教会の大聖堂は大きく門が開かれ中が見えていたのは、クリスマスの時期だったからなのでしょうかねぇ。そこは、中は全ての照明がキャンドルでとても厳かでした。日本の教会にも行かないのに、何で他国に行って入るのかねぇ。わたし。

明洞聖堂の扉を眺めつつ、なんとなくうろうろしていると、見るからにふつぅ〜の韓国人のおばちゃんが、なんのためらいもなく横手の扉を開けて入っていきました。それをみて、おそるおそる入ってみると中は巨大な空間。正面にはマリア像があり、四方の窓にはめ込まれたステンドグラスがやわらかい光を放っています。後方を見ると、正面の扉は工事のため閉ざされているようで、この脇からはいることが正解だったらしいです。

内部は外から見るよりも荘厳な空間で、その空間の威圧感につぶされるのではないかと心臓が高鳴ります。少し落ち着かせるためベンチに座り数分間じっとし、周りを観察すると10人に満たない信者がベンチに座りお祈りを捧げています。本当に静かに、両掌を組み合わせ、頭を垂れている姿がぽつり、ぽつり。聖堂内は静寂に満ちています。

明るい外から入ってくると、ステンドグラス越しの自然光のみの室内はかなり暗いのですが、その暗さを感じさせないよう真正面のマリア像を中心に光が集まるように設計されています。信徒に暗さを感じさせない作りになっているのです。でも、そのステンドグラスを通した光の中に数多くの影が存在し、そのコントラストが見えないパワーを作り出しているような気がします。

そのまま数分間、目を慣れさせるとさらに細かいところが見えてきます。ベンチから立ち上がり一度マリア像の真下まで行き、そこから振り返り真っ直ぐ正面入り口まで歩いて、壁沿いを左に半周してみました。教会の内壁には、キリストの教えを年代順に描いたレリーフがかけられ、聖堂内をぐるっと回ると歴史が分かるようになっているようです。実際には半周しか回らなかったのですが、それは正面に戻った時にマリア像の後ろから差し込む光に、目が奪われてしまったからです。

ステンドグラスの光はマリア像の肩越しに床に落ち、美しい光のカーペットを作り出していたのです。思わず見とれて数10秒。あ、写真、写真、と考えた時にはシャッターチャンスを逃してしまっていました。雲を切り裂いた朝の光は、再び雲の向こう側に隠れてしまったのです。結局、キリスト教には縁がないのかしらん。

明洞聖堂ホームページ < http://www.mdsd.or.kr
>(韓国語/英語)

韓国人のおばちゃんが入っていった明洞聖堂右側扉


正面入り口からマリア像を望む


美しいステンドグラス


ステンドグラスから落ちる優しい光


●「Jazz香る・版画展」
< http://hal-i.com/ex/jazzkaoru.html
>
会期:5月27日(火)〜6月8日(日)11:00〜18:00 最終日16時
会場:SAKuRA GALLERY(東京都江東区常盤2-10-10 TEL/FAX:03-3642-5590
< http://kiyosumi-gallery.sakura.ne.jp
>

「Jazz香る・版画展」2週間の展示折り返しです。まるで梅雨のような天候が続いていますが、多くの方々が来て下さり嬉しく思っています。展示会場に行けない方のためにパノラマムービーを用意しましたので、是非ご覧下さい。

・展示会内容
< http://hal-i.com/ex/jazzkaoru.html
>
・パノラマムービー
< http://hal-i.com/ex/panorama.html
>
・「ZIetZ」の公式サイトBlogでも展示報告をしています
< http://z-blog.hal-i.com/
>

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
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Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
>
Sound Drawing グループ「ZIetZ」の公式サイト
< http://zietz.hal-i.com/
>