[2450] お札、大好き。

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<おもしろいぞ携帯電話サイト>

■気になるデザイン[14]
 お札、大好き。
 津田淳子

■装飾山イバラ道[16]パリ旅行記(6)
 ノートルダム寺院とステンドグラス
 武田瑛夢

■ローマでMANGA[10]
 ヴァレンティーナ
 midori

■マガジンガイド&プレゼント
 『Web Designing』2008年7月号 毎日コミュニケーションズ刊


■気になるデザイン[14]
お札、大好き。

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080624140400.html
>
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突然ですが、みなさん、お金は好きですよね? 私ももちろん好きで、その中でも福沢諭吉が描かれているものが一番好きなわけですが、印刷・加工好きでもある私としては、お札の印刷技術についても、ひとかたならぬ興味を抱いている。

現行の日本のお札は世界的に見ても、偽装防止のための印刷・加工技術は非常に高いものだそうだ。私の手元で留まっていることが少ないながら(苦笑)、お札をじっくり眺めてみると、昔ながらの白透かし(光に翳して見ると肖像画が白く透けて見える。対して黒透かしは、透かした部分が黒くというか濃く見える透かし)や精密な肖像画、ルーペで見ればマイクロ文字が見えたり、角度を変えて見ると色が変わって見える偏光パールインキが使われていたり、数字の部分が凹版印刷で盛り上がっていたり、ブラックライト下で発光したり、ホログラムがついたりと、特殊印刷の宝庫だということがよくわかる。

話はちょっと逸れるけど、ほとんど使うことのない2000円札。今でも一億枚以上が流通しているらしいので、全国民一枚ずつくらい持っていてもおかしくはないのに、どこにいってしまったのだろうか。お札は10000円、5000円、1000円と長辺が順に5mmずつ短くなっているが、2000円はその方式の中には組み込まれておらず、1000円と2mm違い。ここからみても、なんだかあまり計画的につくられたものじゃない気がしますな。

閑話休題。偽造防止策満載の日本のお札も大好きながら、私は海外のお札も非常に好きだ。近年見てビックリしたのが、オーストラリアのお札。なんとお札の中に透明な窓のような部分があるのだ。

ひょえー。これは「ポリマー紙幣」と呼ばれるもので、合成樹脂でできたお札。現在ではオーストラリア以外にもサモア、シンガポール、パプア・ニューギニア、クウェート、ニュージーランド、ベトナムなどでもこのポリマー紙幣が発行されているのだが、どうしてこれらの国でポリマー紙幣が使われるようになったのかわかるだろうか? ヒントはこれらの国の気候を考えれば……。

お札は一般的には強度のある原料を使った紙でつくられている。日本ではコウゾやミツマタと呼ばれる植物が原料になっている。普通の紙に比べて耐久性は高いものの、お札のように何度も何度も出したりもらったりを繰り返すものだと、その耐久性にも限度がある。特に高温多湿の地域では、耐久性はなお落ちることは想像に難くない。

そう、ここまでくればわかるだろう。ポリマー紙幣は合成樹脂でできていて、紙に比べて耐久性が高いため、高温多湿の地域でいち早く導入されていているのだ。ちなみに海外の人は、お札を折り畳まず、ズボンのポケットにグシャッと入れる人も多いのでよりお札が痛みやすい、という説もあり、よけいにこのポリマー紙幣は必需品なんでしょうな。もちろん、耐久性以外にも偽造防止強化の意味もあるそうだが。

ポリマー紙幣
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=19577697
>

ポリマー紙幣以外にも、アフリカ諸国のお札には動物が描かれているものが多かったり、マダガスカルのお札には有名な「バオバブの木」が描かれていたりと、そのビジュアルを見ているだけでも、プチ世界旅行をしているような気分になれて面白い。

そうそう、お札にはその国の重要人物の肖像が入っていることが多いが、世界中の現行のお札で、一番多く描かれている人物ってだれだかわかるだろうか?すぐに正解を言ってしまってはおもしろくないので、こたえはまた別の機会に(※すぐにでも知りたい方がいらっしゃれば、メールください)。

肖像画と言えば、日本の昔のお札は、肖像画をキヨッソーネという外国人がつくっていたため、神功皇后の顔が、日本人らしからぬ掘りの深い肖像画になっていたり、やはり調べていて興味が尽きることがない。

神功皇后
< http://www.77bank.co.jp/museum/okane/02.htm
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そんな国内外のお札の現物や歴史が見られるのが、貨幣博物館。特別な催し物がない限りけっこう空いていて、じっくりと世界のお金を見られておもしろい。超超超インフレのお札なんて、ゼロが何個あるか、数えるだけでも一苦労。機会があればぜひ一度足を運んでみてください。

日本銀行金融研究所 貨幣博物館
< http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/index.htm
>

この貨幣博物館には「一億円を持ってみよう」というコーナーがあり、実物の一億円と同じ重さの札束風のものを持つことができるのだが、その重さは約10.5kg。お米袋ひとつ分くらいで、けっこうひょいっと持つことができる。「あの3億円事件はこれが3つ分なら、けっこう軽く持って行けたんだなぁ」などとこっそり話をしていたら、まわりにいた警備をしている人(?)が「当時は1000円札もかなり入っていたので、そんなもんじゃなかったですよ」とのこと。なるほど。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
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< http://www.graphicsha.co.jp/
>

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■装飾山イバラ道[16]パリ旅行記(6)
ノートルダム寺院とステンドグラス

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080624140300.html
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パリ旅行では豪華な建築や装飾品を見るのも楽しみだったけれど、最後に行ったノートルダム寺院のあるシテ島では、また違った目的の装飾をみつけることができた。寺院のステンドグラスだ。

大学時代にステンドグラスの工房でアルバイトをしていたので、ステンドグラスは好きだったけれど、実際に教会で見ることは少なかった。本格的な寺院の壁面を内側から見られるのはなかなかない機会なので、なるべく天気の良い昼間の時間を狙っていたのだ。シテ島には、ステンドグラスで有名なセントシャペルがある。

・セントシャペルのステンドグラス
< http://www.eimu.com/dgcol/sag >
拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/sag2 >
部分(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/sab >

セントシャペルの中に入ると、壁面の全面に施されたステンドグラスの細かな光が美しい。ひとつひとつに意味のあるシーンが描かれている。

窓用のステンドグラスの難しさの一番のところはやはり耐久性で、外からの雨風に耐えることはもちろん、下部のガラスは全体の重みにも耐えなければならない。雨どい形状の金属のフレームは、鉛の混合率が高く柔らかい。だからこそガラスの曲線にも沿わせることができるのだけれど、長年垂直に立てておくと重みに耐えられずゆがんできてしまうことがある。

バイト時代は、縦の重力を考えずに横のラインばかりのデザインにしてしまうと社長から修正された。縦の重みを横に分散させて、ラインをつなげていくのだ。

きっと古い寺院のステンドグラスも、その時代で最新最善の努力で組み立てられているのだろう。一枚一枚のガラスのかたちはシンプルで、遠くから離れて見た時の全体感を重視して作られている。赤や青のガラスは外からの自然光をキラキラと取り込み、まるで色の洪水のように仰ぎ見る人を包む。

バイト時代には、できたばかりの工房だったので、私たちは自発的に作品を作ることが許された。高いガラスを使って、実験的な作品をどんどん作ることができたのだ。今思うと貴重な経験だ。窓用ステンドグラスも作ったけれど、平面の作品の難しさと重量によるリスクに、あまりトライしたがる人は少なかった。

テーブルランプのシェード(傘)用のステンドグラスの方が、繊細で複雑な柄をデザインすることができる。私はこちらの方が好きだったけれど、一枚のガラスピースの形やラインに制限があるし、五画面の連続柄なら美しくつながるように、有機的に柄の終わりの形を考える必要があるので難しい。

話をパリに戻して、セントシャペルでは大きな薔薇窓と呼ばれる丸い窓がある。中心部には最もクライマックスのシーンが描かれるようだ。
・セントシャペルの薔薇窓
< http://www.eimu.com/dgcol/san >
拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/san2 >

ノートルダム寺院のステンドグラスも素晴らしかった。強度をもたせるための太い枠と細い枠のバランスが素晴らしい。薔薇窓はセントシャペルのものよりも巨大で圧倒される。光の感じは実際に目で見た印象通りには写真に写らないのがもったいない。
・ノートルダム寺院の薔薇窓
< http://www.eimu.com/dgcol/nog >
拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/nog2 >

修復が行われているのだろうが、これだけ長い間巨大なステンドグラスが残っているとは驚きだった。湿度の高い日本とは気候的にも違うし、地震などの条件もあるかもしれない。西洋は石とガラスと金属の文化だと思う。日本は石と木と紙の文化だろうか。

ノートルダム寺院では、塔のてっぺん目指して歩いて上ることにした。塔へは外部の階段入り口に並び直さなければならない。外にのびた長い行列を待つ間に、サンドイッチを買って食べた。通りでは「ノートルダムのせむし男」風のマスクをかぶった人が、観光客の背中を後ろから突然たたき驚かせるパフォーマンスをしていた。

実は、行列をチェックするときに私もひっかかりギョッとしたところを皆に笑われたので、自分が並んでいる時は逆に驚く人たちを楽しむことにした。おかげで時間が経つのも苦にならなかった。後から思うとこの時が一番お気楽にノートルダムを楽しんでいたのかも。

・ノートルダム寺院(中心付近に薔薇窓がある)
< http://www.eimu.com/dgcol/not >
拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/not2 >

ノートルダム寺院の塔の階段を上るのは実はとっても大変。そのエピソードを書いていたら、一回分の長さになってしまったので次回へ回します。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
毎年時期を逸して買えずにいたレインコートをとうとう購入。でも買うとなかなか着る機会がないもので、一回も着れずにいる。

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>

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■ローマでMANGA[10]
ヴァレンティーナ

midori
< https://bn.dgcr.com/archives/20080624140200.html
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前回は、MANGAとコミックスの構築法の違いを、夢中になって説明してしまいました。まだ考察は続いてますが、今回は工房の中身を。

いよいよ第一回の工房も終わりました。イタリアの学校制度は6月が学年末だからです。当初の参加者8名が、紆余曲折で5名になりました。今回はそのうちの一人、ヴァレンティーナに焦点を当てます。

●卓越した画力のヴァレンティーナ

ヴァレンティーナは、色白でいつも顔を紅潮させている。いわゆるマンガチックなスタイルで描く。つまり、日本の漫画風。というよりゲーム画風。唯一の二年生だ。工房参加者は三年生か卒業生と基準を決めたのだけれど、ヴァレは卓越した画力で、三年生にひけを取らない。

< http://www.luxferulez.deviantart.com/gallery/
>

彼女が長年温めて来た物語を、やっと表に出せる機会を得たと喜んで参加している。というか、頭に物語をあたためている子によく出会う。だけど、こうした工房を待ってないで、自分で勝手に描かないの? エミリアもルチアーノもそう。まぁ、いいか。

ヴァレンテイーナがあたためて来た物語は、大長編。それを50ページ以内にまとめるのは無理だから、一番描きたい部分を読み切りのエピソードにまとめたら? のサジェスチョンで、「あるきっかけで、主人公が幼い頃の想像だと思っていた真の姿になる」というエピソードを取り出した。

ささっと描く人物がうまい。鉛筆の線がいかにも手慣れている。訓練された線で、見ていて目が気持ち良い。早口の説明はついて行くのが大変。頭の回転が早い子だ。もたもたと私がひねり出すイタリア語の感想を、いつも前半分で皆までわかってしまい、残り後半を代わりに言ってくれる。

工房を開始して二か月はキャラデザインばかりやっていて、不安だったけど、ずっとあたためて来た物語だけあって、人物が決まると後は早かった。

●超センシブルなヴァレンティーナ

工房で使う教室は、中央に大きな作業机があり、それを囲む形で皆が座る。向かい合い、隣り合うからおしゃべりも当然生じるし、描きながらの独り言にご近所が反応したりする。

ヴァレンティーナも普通に反応したり、「あっしまった!」みたいなことを言うけれど、他の子のように他の参加者の絵を見に行かない。それと、話をする時に人の目を見ないのに気がついた。たまに相手の顔を見るときは、あごを突き出して、見下したような見方をする。つまり、お高くとまっているように見える。

ある日、頭痛がする…と言うヴァレンティーナに指圧を施した。指圧は工房のオプションで「頭が痛い」と言う声がすると、たちまち始まることになっている。

ぐえっ! 首から肩にかけて、肩から背中にかけてガチガチ。頭だろうがなんだろうが、痛くない方がおかしい。普通は初めて経験する指圧の痛みにぎゃーぎゃー騒ぐのがイタリア人だけど、ヴァレンティーナは騒がない。凝りすぎて効いてないのだ。

コチコチの華奢な体を触っていてわかってしまった。敏感な彼女は他人の気持ちをびんびん受け取ってしまう。必要以上に。それで傷つく。傷つかないために構えて武装する。自分を出さない。全部抱え込む。それを言うと「うん、で、時々大泣きするの」

言いながら、ヴァレンティーナの肩の力が少し抜けた気がした。ツンケンしているのではなくて、殻をかぶっているのだ。誤解されてさらに傷つくこともあるだろうに。傷つくことを恐れて殻を厚くするのではなくて、対峙できるようになるといいね。

彼女が夢中になっているマンガ制作は、抱え込んでしまうものを昇華する役割をもっているのだろうか。作者が吐き出すものが、読者のカタルシスになれば両者でお得。作者の自分勝手な発散が、読者の共感を得て快感を与えるようになるには、何が必要なんだろう?

作者の発散がこちらにあって、読者の共感があちらにあるとする。この二つが全く別々のままになってしまうのは駄作。ただの愚痴だったり、ウケ狙いで嫌みだったり。この二つがうまく手を結ぶ作品を作れるのは、人間性の深さによるのだろうか。

●ゾンビのようなヴァレンティーナ

新人賞応募にはMANGA言語が必要だとわかってから、工房でもMANGA構築法の授業を短時間入れるようにした。

ヴァレンティーナは全身をアンテナにして聞き、しかも理解する。だから、ネームを見てサジェスチョンをするとき「この吹き出しの位置が…」と言っただけで、「こっちにずらせば間が開いて、ゆっくり言ったことになってこの状況に合うね」などと即座に分析する。前回の話の続きで言えば、右脳と左脳がハイレベルで機能している感じ。

工房最終日。白い顔をいっそう青白くして、ゾンビのように部屋に入って来た。6月の学年度末で進級試験があり、そのための課題制作に追われた上、当番で家の掃除をしてきたそうだ。睡眠をあまりとってないのだろうね。

ヴァレンティーナの作品は30ページ。ケント紙へのえんぴつ下書きが25ページまで済んでいた。チェックしてみたら、うっかり23ページを2枚作っていた。つまり24ページ以降が1枚づつずれていく。最終ページが奇数ページになってしまうので、1枚追加して32ページにすることにした。

新人賞は12ページから50ページまでが規定だから、追加には問題なし。ゾンビでも動かす手は早く、たちまち最終ページまで下書きを終わらせてしまった。級友とNARUTOの話などしながら。

ヴァレンティーナが描く人物は造形が美しい。美しいけれど、BlameとEDENが好きというヴァレンティーナのファンタジー作品は、ちょいとわかりにくい。

目に気持ちの良い絵に、大泣き代わりの自分の気持ちを込めた作品と、読者の共感が結びつくに至るだろうか。ああ、読者の前に審査員達がいた。仮に賞を取れなくても、自分のウエブギャラリーに載せる作品が出来ることをとりあえず喜んでいる。

【みどり】midorigo@mac.com

毎朝毎朝、どさどさっとばかりに杏の実の絨毯爆撃に見舞われています。庭に三本ある杏の木にどっさり実がついて、一斉に熟しちゃってるわけで、ぽたっ、どさっと実が落ち続けます。

毎朝かごを持って木の下へ行き、5〜6キロは拾い集めます。そのうち半分は既にカラスやツグミにつままれてたり、落ちた衝撃で半分つぶれたりしてるので、それは鶏さんの食卓へ直行。

残りの半分はご近所や親戚に配り、さらに残った分はジャムにしてます。それでも大鍋一杯はあります。毎日大鍋一杯の杏ジャム作り。作ったジャムをガラス容器につめて、これまた友人に配ったりしてますが、杏のどさっ! はまだ続いてます。

取っておいたら腐ってしまうから人にあげる。ジャムにする。ジャムも食べきれないから人にあげる。人にあげて喜ばれる。

これは、前に読んだ「贈与経済」の在り方だなと思いつつ。持って抱え込むのではなくて、人にどんどんあげる。持っているものを抱え込みたくなるのは、それが「利子」を生んで、持っていることでより価値が出る場合。

杏のように、持っていると腐ってしまうものは、持っていても仕方がない。自分で処分しきれないものは人様にもらっていただくのが一番。持っていると価値が下がるが、あげると、その行為には価値がある。お金もそうあるべき……というような話だったと思う。

持ってれば持っているほど偉い! という世界より、人にどんどん廻した方が良い……という世界の方が健全な気がします。自然の法則に近いし。

midori yamane
midoriyamane@gmail.com
< http://midoroma.hp.infoseek.co.jp/
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■マガジンガイド&プレゼント
『Web Designing』2008年7月号 毎日コミュニケーションズ刊
< http://book.mycom.co.jp/wd/
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< https://bn.dgcr.com/archives/20080624140100.html
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<編集部より>

「Web Designing」編集部の小林です、皆さんこんにちは。ふと思ったのですが、最近「もしもし、小林です」と言う機会がまったくないことに気づきました。というのも家に固定電話がなく、携帯電話にかかってくる電話は当然ぼく宛てで、名乗る必要がないからです。携帯電話の登場によって、それまであった日常風景の一部‥‥モノでいえば、先の固定電話や公衆電話、テレフォンカードがどんどん姿を消しています。しかし、消えていくものがあれば、生まれてくるものもあるのが世の常で、最近では、非常におもしろい携帯電話サイトが生まれつつあります。
「Web Desigining」7月号特集1のテーマは、この「携帯電話サイト」です。モバイル業界の動向はもちろん、Flash Liteでのサイト制作方法について詳しく解説します。

●特集1:携帯電話サイト こと始めリファレンス
“よりリッチで使いやすい携帯電話サイト”のニーズが高まっています。GUCCIやナイキ、ポルシェ、マクドナルドなど、すでにいくつかのナショナルクライアントはFlash Liteを使ったサイトを公開中。その制作には、今やFlashコンテンツの制作に長けたWebクリエイターが参入しはじめています。今回の特集では、携帯電話サイト制作におけるビジネスの可能性を言及するとともに、PCサイトとは異なる携帯電話向けFlash Liteサイトのノウハウについて解説します。

●特集2:近ごろ話題の10組のクリエイター 2008
2006年から毎年行っている、話題のクリエイターにスポットライトを当てた特集です。国内外の広告賞を受賞したサイトの制作者や、ゆるぎない個性で作品作りをするクリエイターなど、今年は10組11名を取材してきました。業種はディレクター、プランナー、デザイナー、プログラマーとさまざまで、その特徴も十人十色。彼らはどうやって魅力のあるサイトを生み出しているのでしょうか?

さらに今月号は、好評連載「CSS Analysis」が装いを新たに、読みやすくなりました。また最終回を迎える短期集中連載「非PCデバイスのためのHTML/Flashリファレンス」では、WILLCOM W-ZERO3向けのWebサイト制作について解説します。ぜひお見逃しなく! 定価1,280円で発売中です。

※6月18日から、『Web制作会社年鑑 2009』の掲載受付を開始しました。詳しくは弊誌Webサイトをご覧ください。
< http://book.mycom.co.jp/wd/webprobook/
>

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は6月30日(月)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に7月中旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
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■編集後記(6/24)

プレジデント 50 + (フィフティプラス) 2008年 7/16号 [雑誌]・「あなたの余命教えます」の続き。自分の正確な余命を知ることは○か×かを考えた。小説の主人公は、それなりに覚悟はしていたつもりでも、はっきりと突きつけられると混乱と狼狽の後には、残された時間がどんどん減って行くというどうしようもない焦燥感に駆られている。結局、この小説では最終的に救いがあるわけだが(というと話の結末がわかってしまうかもしれない)。仮に自分の余命15年ということが決定したらどうする? と妻に聞くと、あっけらかんと「そうね。まだ行っていない世界の国を回ってみたい。まずは『赤毛のアン』のプリンス・エドワード島かな」と言う。こっちもそれに合わせて「外国はもうめんどうだから、沖縄と小笠原の島へ、それから西国と坂東の観音様めぐりでもするか」と応じたものだが、深刻であるべき課題に正対しないお気楽過ぎる夫婦である。「残された時間が決まったのなら、優先順位をつけてやるべきことを計画的に粛々と行い、悠然とお迎えを待つのだ」と付け加えたものの、たぶん自分に正直ではないだろう。余命告知を平然と受け入れたフリはできても、おそらく残された時間のことばかり常に考えていて、楽しい人生ではないと思う。死ぬ日が近くなっても正常な神経でいられるだろうか。そう考えると、自分の正確な余命を知ることは×しかない。というか、ナンセンスな設問であった。先のことがわからないから、生きていることがおもしろいのだ。めんどうなことは考えぬほうがいい。といいつつ、「プレジデント50+」なる雑誌を買う。特集は、「介護、葬式、墓全課題50」っての。うわー、突きつけられるリアルな近未来、めんどうだが考えぬわけにはいかんわ。(柴田)
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>
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FUJITSU ScanSnap(スキャンスナップ) S510  FI-S510・「ScanSnap S510」を買った。Windowsモデル。結局5年保証のきくジョーシンにした。サイトからMac用ドライバ「ScanSnap Manager」をダウンロード。e-文書法対応ボタン「e-スキャン」は使えないのだが、画像として残したいだけの書類やメモには問題なく使える。もちろんe-文書法用に設定すればe-スキャンボタンは必要なし。テストがてら捨てられなかった演劇チラシをスキャン。デフォルトではPDFでスキャンするようになっているので、「ScanSnap Manager」の詳細設定モードからjpegに。画質や圧縮度を設定し、スキャンボタンを押すとあっという間に読み取ってしまう。シュレッダーにかけているよう。楽しい。仕事をしながら長期戦でスキャンしていけばいいやと考えていたのだが、早すぎてつい次々とスキャンさせてしまう。凝った印刷物だとやっぱり残しておきたくて、選別しつつ、となると仕事に身が入らない。大量にスキャンさせるものを用意し、機械的に、何も考えなくて済むようなルーティン体勢にしないと並行してスキャンというのは難しいね。/紙類が減って保管スペースに悩まなくて済むのは嬉しいというような話をしていたら、何年か経って、保存メディアの容量が大きくなると「私の人生、これ一枚」ということになるかもね〜と。お棺に入れて、はいさようなら、と。(hammer.mule)
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