電子浮世絵版画家の東西見聞録[43]根津のたいやきと塩ゆで落花生
── HAL_ ──

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●下町の良さ根津のたいやき

根津の駅を利用するのは2年ほど前からで、ほとんどの場合、誰かの展示会がらみで訪れています。千代田線根津駅は湯島と千駄木に挟まれ、何か歴史的な匂いを感じさせる駅名です。Wikipediaで調べてみると千代田線は1969年12月開業ということで、かなり古くからある駅がそのまま残されているといった感じ、よく言えばその風情は歴史を感じさせ、私のような庶民的な目には単に「古い」といった印象なのですが、この駅の面白いところは駅構内に金魚が住んでいるということです。

駅に金魚がいるというと、壁面に水族館のような水槽があり、その中に様々な金魚が泳いでいるという姿を思い浮かべてしまうかもしれませんが、ここの金魚はちょっと大きめの、ごく一般的な四角い水槽に飼われています。きっと駅員さんが朝夕の餌やりをし、水替えをして大切にしているんだろうなと、アットホームな下町的情緒が伝わってきて嬉しい駅です。この水槽は一番線の綾瀬方向にありますので、癒されたい方は是非水槽の前で1時間でも2時間でも金魚たちと会話して、時間をつぶして下さい。



根津は英語表記だと「Nezu」と書きます。でも、そのままキーボードでキーを打っても変換は出来ません。友人の名前の中に「ゆづ」があります。彼女も「Yuzu」と英語表記します。「づ」を打ちたい時には自然に考えると「zu」と打つと思うのですが、変換する時に「du」と打つのはどうも抵抗感がありますね。

閑話休題。根津には国の重要文化財に指定されている根津神社があり、東側には上野公園、北に谷中、西には東京大学、南に降りていけば不忍池から上野というまさに文京区の文京という名の狭間であり、所々に下町の風情を残した情緒あふれる良い街です。下町の庶民的な味はさがせば沢山出てくると思いますが、根津の駅から根津神社へ向かうと、神社入り口に曲がる手前に「根津のたいやき」として有名なたいやき屋さんがあります。
< http://www.enjoytokyo.jp/OD003Detail.html?SPOT_ID=s_13005610
>

ここを知ってから一度食べてみたかったのですが、根っから行列の嫌いな私は10人も人がいるとさっさと通り過ぎてきてしまいますが、ちょうどタイミングの良い時だったのか、客足がとぎれた時に遭遇したので早速買ってみました。お土産用に沢山のたいやきを買うと、無造作に積み上げるようにして包装されてしまい、帰ってから広げてみるとそれぞれが形よくつぶれていて、そのお手軽な感じも庶民的な下町の良さと感じてしまいます。

もちろん、たいやきは熱々を食べるのがいちばんですので、お土産とは別にひとつづつ購入して食べることをお薦めします。たいやきは小振りで、生地が薄くパリッと焼けています。皮の表面には所々餡が飛び出し、まるで錦鯉のような柄になっています。中のほくほくした餡の味はさっぱりした甘みで、最近食の細くなった私でも、二つ三ついっぺんに食べられそうです。たしかその時の値段は120円だったと思いますが、今日調べてみたら140円と書いてあるBlogがあり、やはり様々な状況の中、値上げせざる終えなかったのでしょうか。

●初めて食べた塩ゆで落花生

さて、今日ご紹介する料理の本命は別の所にあります。このお店は、前記したように友人の個展を見に行った時に知ったお店です。花影抄という「お茶屋さん」の奥にあるこぢんまりした会場で、池田八惠子さんの個展でした。
サイト< http://www.yae-8.com/illustration_blog/
>にあるイラストレーションとは大きく違い、麻布の上に描かれた彼女の童子作品は日本の幼な子の心を上手く伝えた印象的なもので、私達は大好きになり何度も通わせていただいています。

個展を見て暖かな気持ちになった私達は、個展会場の隣のビル、地下にある旬味酒菜「大八」に入りました。調べてから行ったわけではなく、飛び込みですが、この店が大当たり。これはきっと普段の行いが良いからなのでしょう。

狭い階段を下り、大八と描かれたのれんをくぐると、いきなり突き当たるような狭い空間、左にキャッシャーがあり、そこから左側に折れた通路の左右に小席があります。ぎゅうぎゅう満席にしても、せいぜい20人という広さでしょうか。店自体は最近改装されたらしく、お洒落で清潔感のある店です。ここの女将は、食材について質問すれば何でも答えが出てきそうな、下町の知的な切れ者という印象です。店の他の人達も教育が行き届いているという感じで、その対応は客をとても良い機嫌にさせてくれます。接待業の鏡です。

料理は和食が中心ですが、ちょっと季節の変わり料理も置いてあります。お刺身は盛りがちょうど良く、鮮度も品質も上等です。串揚げや天ぷらも切れの良いカラッとした揚げ方で私好み。もちろん、はじめは生ビールから行きます。そこに出てくる突き出しが毎回絶品なのです。これだけで料理の前にジョッキが空いてしまいます。

初回に出されたものが「塩ゆで落花生」。すっかりきれいに処理され、むき身になっているので、はじめは何の豆かなと思いつつ、箸をのばし口に含んでみました。薄茶色で丸みのある豆は、はじめに口当たりの柔らかい塩分と、表面のつるりとした食感が新しさを感じさせてくれました。これを奥歯の間に挟みかみ砕くほどに暖かみのある甘みを感じます。これがとてもまろやか。

ピーナツは口の中でかみ砕くと、ざらついた細かなツブツブがいつまでも口に残りますが、この落花生はまるで餡にした小豆のような、もう少しねっとりとさせた食感です。塩ゆで落花生を知ってはいたのですが、実際に食べたことはなくこの時がはじめて。これは美味です。早速、検索をかけてみましたが鹿児島や種子島という南の方で作られているようです。でも、きっとここ大八の落花生は千葉産を使ったものでしょうね。と、憶測の域を出ませんが。

旬味酒菜「大八」東京都文京区根津1-1-14 らーいん根津 B1F

ゆで落花生の作り方
< http://www.geocities.jp/kurobee55jp/5ratu.html
>

○ZietZ LIVE 予告

さて、第7回目の ZietZ LIVE を終了しました。Vol.007はグラフィックユーザーにはお馴染み、Painterで有名なCOREL Jpapan主催のブランド発足一周年パーティー会場です。クローズドな環境でのライブはこれで2回目、大盛況の内に終了し,一周年に花を添えさせていただきました。

そして、次回開催は7月25日、EIZONE 2008 メインスポット横浜赤レンガ倉庫での開催が決まりました。定例のApple Ginzaライブは予告通り8月29日(金)です。赤レンガ倉庫、銀座アップル、どちらも入場無料となりますので、お時間のある方は是非ご来場下さい。会場内のインターネット放送局「EIZONE STATION」にもばんばん登場します。

EIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/index.html
>

Sound Drawing LIVE Vol.008
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
日時:7月25日(金)16:30〜17:00
イベント問い合わせ TEL.03-3481-7920(ヨコハマEIZONE事務局)

その他、EIZONEではワンデイワークショップも開始しておりますので、是非ご参加下さい。詳細は下記「ワンデイワークショップ」サイトで。
< http://www.y-eizone.jp/workshop/index.html
>

LIVE in ZAIM(COREL)Sound Drawing スクリーンから客席を望む


【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
>
Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
>