電子浮世絵版画家の東西見聞録[44]この季節はジャムづくり
── HAL_ ──

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●BlackBerryとは

iPhoneに対抗する………訳ではなく。「BlackBerry」と言っても、欧米のビジネスマン向けのスマートフォンのことではありません。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/BlackBerry
>
ではなく
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=20143300
>
の方のお話。

ブラックベリーはバラ科キイチゴ属のひとつで、キイチゴ属には日本では有名なラズベリーとブラックベリーの二種類があります。ラズベリーは真っ赤な実がなりますが、ブラックベリーはその名の通り収穫時には真っ黒な実に見えます。この色は、もの凄く濃い赤紫で、完熟したものを収穫した時には手が赤紫色に染まってしまいます。白いシャツなど着て収穫すると、完全に染み付いてしまうので要注意です。


花はソメイヨシノよりも濃いめのピンクで、五弁のとてもかわいらしいものです。この花からあのような実が収穫できることなど想像も出来ません。人智の及ばない神の叡智のなせる技です。4月の終わりから花を咲かせはじめ、6月頃から徐々に実の収穫が出来るようになります。灌木で冬の寒さに強く、手入れはほとんど必要ありません。ほったらかしておいても実がなるので、我が家ではフェンスに絡めています。

実がなりはじめる頃梅雨に入ります。雨が長く続くと、色づきはじめた実が白く腐ってしまいます。雨は降る時に降って、あとは暑い日が続く、今年のような季候では白くなる実も少なく、花の数だけ実を付け、収穫は多くなります。完熟には高温多湿の時期が必要らしいのです。

ブラックベリーとの出会いは7〜8年前。裏の公園の中に木イチゴらしい花を見つけ、毎日のように観察していました。次第に赤い実が育ち、その後、誰も採る様子もない真っ黒に完熟した実ををちょっとだけ採り、お味見してみました。その実を元にインターネットで調べ、これがブラックベリーであることを知りました。

●ブラックベリーの収穫

もともと植物には興味があり、挿し木でも育つかなと思い、ブラックベリーの枝先をちょっといただいて持ち帰り、植木鉢にさしておいたのですが、手も掛からずにすくすくと育ち、その年のうちに枝葉をどんどん伸ばしていきました。ある程度大きくなったので、直径40cmほどの大きめの鉢に植え替えたのですが、ほおっておいたら鉢底から根を張り、しっかり地植えのごとく育ってしまったのです。ほんの数十個の収穫だった、その二年後には立派な実が、山のように採れるように育ちました。

花が落ち、青い実がふくらみ、はじめは赤い色になってきますが、あっという間に黒くなります。青い果肉は酸味が強く渋みもあり、ちょうど青梅(あおうめ)のような味がします。意外に青臭い味はないのです(それなりに美味しいかも)。真っ黒になった実は、完熟すると収穫です。指先でちょっと押さえなければ取れないくらいのものは、種が大きく口に含むと種ばかりが気になって、食用になるとは言い難いものです。

7月から8月にかけて次々に成熟し暗褐色に色付き、収穫の季節になります。収穫する実は、完熟すると手で触れただけで枝先からポロッと掌に落ちてきます。そのようになった実は、口の中に入れるとトロッととろけて喉に流れ落ちます。すこし堅そうな実は、自然な酸味と甘みが口の中にはじけますが、果肉の中にあるゴマの二つ分位の大きさがある種が、口中にたくさん残ってしまいます。

色づき甘みが増した実は少しずつ収穫し、さっと水洗いし冷凍庫に保存しておきます。ある程度たまったら、解凍しフードプロセッサーで形を崩します。どうしても種が残るので、粗めの網で種を濾過します。ネット検索すると種子の少ない品種もあるようなのですが、我が家の品種は原種に近いのでしょうか、早く収穫しすぎると種子が大きくて口当たりが悪いのです。

●ジャム作り

1)ブラックベリージャムこの種子が邪魔なブラックベリー、とにかくこの種子を濾し落としてしまうことが先決です、フードプロセッサーはまわりの果肉をつぶすくらいの感じで使い、網で濾すのですが、この作業がまた大変です。我が家では濾すための網として味噌こしを使います。もう少し手頃な大きさの網の目があると良いのですが、とりあえず家にある物を道具としています。

次にすっかり種子を取り除いたソースを煮詰めていきます。煮詰めていくとアクが浮いてくるので、こまめに取ることが必要です。鍋の中は真っ赤で、この状態でもう何のジャムなのか分かりませんね。お砂糖の量はブラックベリーの半分以下です(1kgに対して400g位)。ジャム作りは種子を採るのが面倒なだけで、あとは非常に簡単なものです。今年はちょっとだけ新しいことをと、レモンもしぼって入れてみました。

ブラックベリージャムは煮詰め具合でやわらかくなり、ジャムというよりソースといった感じの仕上がりになることもあります。作ったジャムやソースはヨーグルトに入れたり、パンに付けたりと様々に利用できます。爽やかな酸味と香り、そして深紅の色が持ち味のジャムが完成します。そして、残った種なのですが、まだまだ回りにゼラチン質状のものがまとわりついています。今年はこれもまた利用できないかと画策中です。

ついでにジャム作りをもう一本。

2)うめジャム(南高梅)

完熟した南高梅が安く手に入った時に、梅シロップかな、梅干しかな、と考えていたのですが、はじめての試みとして、梅ジャムを作ることにしました。梅は種まで割って中の明神様まで入れて、風味豊かなジャムとしてみました。

まずアク抜きのために梅を水につけ、翌日水を取り替えまた一晩つけます。鍋に梅を入れ水はひたひたで火にかけ、果肉がやわらかくなったら種からはずします。皮が気になる口当たりかもしれないので、ていねいに裏ごししました。

次に、ほうろう鍋かステンレスの鍋に入れ、砂糖を三回ぐらいに分けながら加え、好みのやわらかさと甘みになるように煮詰めます。ここで、種の中の明神様も入れていきます。出来上がったジャムはジンジャーティーにちょっと加えると、この梅雨の時節、お腹に優しく身体を温める飲み物になります。

どちらのジャムも煮沸して空気をぬき、瓶詰めすると完成です。こうしておくと、常温で保存可能になります。もちろん瓶もジャムを詰める前に煮沸滅菌しておかなければなりません。

ブラックベリーの花


まだ青い果実


色づきはじめ、収穫はもう少し


最盛期、一日の収穫量


中の種子を濾す作業


煮詰めていく


瓶詰め


南高梅のジャム


◇ZietZ LIVE
7月25日(金)「EIZONE2008」メインスポット、横浜赤レンガ倉庫での開催が決まりました。定例のApple Ginzaライブは予告通り8月29日(金)です。赤レンガ倉庫、銀座アップル、どちらも入場無料となりますので、お時間のある方は是非ご来場下さい。会場内のインターネット放送局「EIZONE STATION」にもばんばん登場します。

EIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/index.html
>
Sound Drawing LIVE Vol.008
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
日時:7月25日(金)16:30〜17:00
イベント問い合わせ TEL.03-3481-7920(ヨコハマEIZONE事務局)

その他、EIZONEでは携帯電話の壁紙時計を作るワンデイワークショップも開始しておりますので、是非ご参加下さい。詳細は下記「ワンデイワークショップ」サイトで。
< http://www.y-eizone.jp/workshop/index.html
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【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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