Otaku ワールドへようこそ![79]ぼくの夏休み '08編
── GrowHair ──

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一般的に言って、環境を自分の思い通りにそっくり作り変えるのと、自分の側を環境に合わせて調整するのとでは、後者の方が楽である。楽とは言っても、いつもうまくいくとは限らないわけで、うまい具合に環境に適応できた人は、心の土台が安定し、幸福のひとつの段階に到達したと言っていいだろう。

学生生活の終わりごろには、自由を謳歌できるのももはやこれまで、あとは地道に仕事をこなして淡々と生活を回していくだけの灰色の人生が待つばかりだ、と暗澹たる気分に陥っている人も、たいていの場合は、会社勤めするようになってから半年も経たないうちに、手のひらを返すように「いつまでも学生気分が抜けないやつは、甘いなぁ」なんて言ってたりする。

そんなの見てたらすっかり白けた気分になっちゃって。環境に適応するというのはいいことだけど、見方を変えれば、調子よくうぬぼれてるだけじゃん。実際の環境がどうあれ、どこかになんらかのうまみを見出して、人より一段高いところに上がったような気になってればいいんだから。

そこへ思い至ったとたん、すっかりシニカルな気分に陥ってしまい、おかげでサラリーマン生活20年になる今でも学生気分がちっとも抜けず、心のどこかでサラリーマンを小ばかにしている。自分の歩む道に誇りが持てないので、しかたなく、オフの時間だけをささやかな楽しみとして生きるよりない。そんな幸薄いおじさんが、夏の総決算として提出できるのは、特に意見もなく、できごとばかりを長々とつづった日記のようなコラムくらいが精一杯なのでありまして。って、すでに言い訳が長いですね。ごめん。



●カメラが痛い目に

うーん、ちゃんと「おじゃまします」と言って一礼して、靴を脱いで上がったんだけどな。やっぱ許していただけなかったかなー。どうもその後、カメラまわりに受難が続く。やっぱ墓石によじ登って撮ったりしては、いけなかったか。

7月20日(日)に、川口の鋳物工場跡のスタジオ "KAWAGUCHI ART FACTORY"にて、劇団 MONT★SUCHT の公演の宣伝用の写真を撮らせてもらった。
< http://www.art-kouba.com/
>
前日に買ったばかりのレンズを使う。キヤノンは50mmの単焦点を3種類出しているが、その中で最上位の"EF50mm F1.2L USM"。開放絞りがF1.2 と非常に明るく、異常分散ガラスを使って収差を抑え、シャープで高コントラストな像が得られる、優れもの。

いきなり本チャンの撮影に使うのは恐いので、もともとの予定では、7月13日(日)に買っておいて、その足で撮影場所へ下見に行き、試し撮りすることにしていた。ところが、新宿でうっかりフランス人をナンパしちゃって、買ってる時間がなくなってしまったのである。

いや、正確には、ナンパではないのだけれど。西口の地上1階のロータリーから高層ビルの方へ伸びていく道で、立ててある地図と、手に持った英語のガイドブック「ロンリー・プラネット」を見比べながら困っている様子の若くてきれいな外国人の女性が二人いたもんで、ここは手を貸してあげようかと声をかけたのである。

よく、東京に来たことのある外国人から、道や鉄道路線が分からなくて困っていても、誰も助けてくれなかったという悪評を聞いていたので、日本男児たるもの、ここはひとつ勇気を出して日本のイメージ向上に一肌脱がねば、と使命感に燃えてのことである。

二人ともリヨンから来てて、2か月にわたって日本を旅行する予定なんだそうで、都庁の建物内にある旅行案内所に行こうとしているとのこと。説明するのが面倒だったのと、軽く話などしてみたくなったのとで、目的地まで同行して差し上げる。

一人はブロガーだった。
< http://lesvoyageusesmadeinlyon.blogspot.com/
>

この日のことは、"Les buildings de Shinjuku" の項で書いてくれている。私の後姿の写真入りで。フランス語の分かる友人に訳してもらうと、「私達のガイドは、私達を中に招き入れて、さらには富士山への小旅行に必要な情報を全て、私達の代わりに聞き出してくれました。私達が今まで触れることが出来た日本流のもてなしの中で、最高の実例だったと私は思います。しかもどうやらこの日本人はフランスのことを知っていて、パリやグルノーブルにも行ったことがあるそうです」。よしっ。

本チャンの撮影の翌日、写真を眺め渡していて、思いもよらぬ失敗に気づき、血の気が引く。ささーーーっ。ピントが合ってないのだ。目に合わせているつもりだったのが、耳やサイドの髪に合ってて、ほとんどが後ピンなのだ。しかも撮った枚数の半分くらい。やばいやばいやばいっ。

これが起きているのは50mmのレンズで撮った写真だけ。テスト撮影してみると、オートフォーカスは一見ちゃんと作動し、合焦マークが点灯するのだが、撮った結果は後ピンになっているのである。

7月28日(月)、ヨドバシカメラ新宿西口本店へ。問題のレンズを店のカメラ本体に装着し、現象を確認。あっさり再現した。無償交換してくれるとのこと。で、新品のレンズで念のためテストしてみると……。あれ? そのレンズでも現象が再現。在庫の4本で次々に再現。全滅。

結局、メーカーにすべて返品し、一週間ぐらい経って良品が届いたので、無償交換してもらえた。まあ、後ピンの写真も、大伸ばししなければなんとかごまかしきれるレベルなんで、それほどの被害をこうむらなかったのは幸いだった。実は、ひどかったのは、カメラ本体のほうで。

7月27日(日)、山へ。私が勝手に「スピリチュアルの森」と呼んでるところ。人形の撮影の予定だったのが都合で流れ、行く必要はなかったのだが、前回から季節が変わったので、とにかく見ておきたくなり、行ってみる。

杉の森の中の道は、涼しくて、さわやか。沢辺に降りると、水しぶきのせいか、空気がいっそうひんやりとしていて、気持ちがいい。沢に沿って遡ると、まだ14:00前だというのに、かなり暗くなってきて、雷が雲の中で低くごろごろいっている。

避難小屋で休憩していて、そこを動かなければよかったものを、まだ降り出さないだろうと楽観して、歩き出してしまった。ものの10分も経たないうちに、やられる。まず、近くに落雷。雲の中からほぼ一直線に真下へ向かって太い稲妻が走り、地上に届いている。1秒足らずのうちに、非常にクリアな音で、パッシャーーーン! と。ビビる。

それから、ものすごい雨。滝に打たれるような感じで、あっという間に全身ずぶ濡れ、飽和状態。パンツまでびちょびちょ。帰りの電車はがらがらに空いてたのに、座るに座れず。しかも、途中は降った形跡すらなく、一人、水もしたたるいい男。

まあ、パンツはいいのだが、カメラをしまう間もなく、雨ざらしにしてしまったのは、まずかった。屋根の下に逃げ込んでからテストすると、うんともすんとも言わない。そういうわけで、翌日、ヨドバシカメラでは、カメラを修理に出すという用事も兼ねることになってしまった。

次の週末、8月2日(土)、3日(日)は名古屋で世界コスプレサミットがある。カメコが空身で行くわけにはいくまい。代替機を買う。EOS-kiss を考えたのだが、小さくてレンズとのバランスが悪くてかっちょ悪い。それと、電池や記録媒体に互換性がなく、ややこしい。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 40D EF-S18-55 IS レンズキット EOS40D 1855ISLKEOS-40Dにした。ドック入りしているEOS-5Dに比べると撮像素子の領域が小さいのが難点だが、代替機としては、まあ手ごろ。コスサミではそれで撮りまくり、帰ってくると、修理工場から留守電が入っている。折り返しかけると、修理不能との宣告。げ。中が腐食してて、どうにもならないという。げ。そのまま手をつけずに返品するという。げげげのげ〜。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS5D EF 24-105mm F4L IS USM レンズキット EOS5D24105LK代替機はあくまでも代替機であって後継機ではないのだ。まだ人形の本チャン撮影が続くので、グレードを落とすわけにはいくまい。EOS-5Dを買う。あのー、大変なんですけど。ヨドバシカメラさん、吉野家あたりとコラボして、ポイントで牛丼が食えるようにしてはくださいませんか?

●寝るときは枕に頭を乗せられるといい

もういっちょ、受難の話。8月22日(金)、日曜まで帰らないつもりで着替えを持って会社へ。22:00過ぎまで仕事して、新宿へ。"club hoop" にて、劇団MONT★SUCHT の公演を観る。真夜中にスタートして、朝までなんだよねー。私の撮った写真は、サイトで5枚ほど使っていただいている。
< http://www.artism.jp/ad_m030.html
>

ラブクラフトのクトゥルフ神話をモチーフとした演劇。集団発狂する人々の身体の動きが、人間とは思えない奇妙さで面白かった。怖かったとも言える。

それと、VANQUISH。
< http://www.ness2000.com/ks.html
>
ボーカルの青炎(セイレーン)さんを、川口のときに一緒に撮らせていただいている。やや小柄ながら、パンチの効いた歌いっぷりで、迫力ある。

両者の出番の終わった3時過ぎ、集団発狂の人たちを靖国通りで記念撮影。6:00品川発ののぞみで新大阪へ。8月23日(土)、24日(日)は、岸和田でDAICON7である。正式名称は、「第47回日本SF大会」。
< http://www.daicon7.jp/
>

SFアートギャラリーには、美登利さんが作った人形が展示される。それと、美登利さん、八裕沙さん、橘明さんが作った人形をスピリチュアルの森で私が撮った写真を展示させてもらえる。戎橋(えびすばし)の漫画喫茶に寄って、その日の宿を予約。岸和田近辺が全部満室、別の路線の聞いたことない駅の近くにやっとひとつ空いてるとこがあった。

大根の内容報告は後回しにして、まず、受難のこと。夜、SFギャラリー関係者たちと、難波で飲みとカラオケ。23:00過ぎに美登利さんとともに辞して、なんば駅からはひとり、宿に向かう。この辺にとっときゃよかった。

日付変わって8月24日(日)。0:30ごろ宿の最寄駅に着く。暗い道を歩いてやっと探し当てると、入り口は真っ暗で鍵が閉まってる。「フロントは終了しました」の表示。そう言や「23:00を過ぎる場合は必ず連絡ください」って書いてあったっけ? げげ。

終電が出た後の、聞いたこともない田舎駅の前で、泊まるとこがねーよ、という面白い状況。どーしたもんか、かーしたもんど(←意味不明。困り果てた心理描写)。途方に暮れてると、タクシーが一台、来た。河童に水とばかりに(← チョットちがうか)乗る。事情を言うと、この地域のホテル2軒に問い合わせてくれたが、いずれも満室。これまた聞いたことない地名のとこで24時間営業している漫画喫茶へ。小上がりマットの個室が取れたんで、横になれる。快適に寝れる私。

日曜も大根に行き、撤収後、夕方、京都へ。人形のお店「昔人形青山/K1 ドヲル」へ。橘さんの作った人形が3体、展示されている。月代わりで、人形作家一人ずつの特別展示として。
< http://www2.odn.ne.jp/k1-aoyama/
>

近鉄で行って、18:30ごろ着いたら、後から出たはずの美登利さんが先に着いてた。新幹線で来たそうで。だけど、熱海あたりで大雨が降って大幅に遅れてるとかで、帰りを心配してた。私は、雨ぐらいならそう大したことはあるまい、と楽観。

19:00閉店。家族を待たせているという美登利さんと北大路駅前で別れ、あとは帰るだけ。京都駅に着くと、下りの新幹線は約90分遅れで運転しているが、上りはほぼ定刻通りのこと。19:42京都発ののぞみ260号。新大阪始発の臨時列車なので、比較的すいてて、自由席の窓際に座れる。22:03東京着の予定。

ところが、名古屋で1時間半止まり、三河安城の通過線で2時間半止まり、ホームにつけて停車中のひかりとドアの位置を合わせるために1メートルほど進み、通路を渡してホームに下車できるようにするとのアナウンスがあり、しかし、実行される前に運転再開となり、東京に着いたのは5時間半遅れの3:33。5:00ごろまで、休憩用に新幹線車両が3編成、用意されてた。朝、帰宅。

この原稿を書く暇がどこにもないわな、ってわけで、あらかじめ月曜は休みを取っておいたのだが、寝てつぶれる。枕って、いいなぁ。ま、言い訳するのはみっともないんであんまりしたくないんですけど、こういう事情があって、今回の原稿は、書いてる時間が十分にとれなかったということをあらかじめご承知いただければ幸いです。

では、本題の夏休みの日記に入りましょう。まず、箇条書きすれば、こんな感じです。
7月20日(日)川口にて MONT★SUCHT 撮影。
7月27日(日)「スピリチュアルの森」。夕立、カメラ故障。
8月 2日(土)世界コスプレサミット、大須にてパレード。
8月 3日(日)世界コスプレサミット、栄にてチャンピオンシップ。
8月 9日(土)高円寺散歩。
8月10日(日)朝までだらだら飲んでしゃべる会。
8月13日(水)腐女子イタリアより来たるあり、メイドバーでカラオケ。
8月14日(木)山へロケハン。また夕立にあうも、カメラは守りきる。
8月15日(金)16日(土)17日(日)コミケ。
8月20日(水)前日に仰せつかって、広島へ日帰り出張。
8月22日(金)夜中〜。新宿にて MONT★SUCHT 公演。
8月23日(土)24日(日)岸和田にて DAICON7。
8月24日(日)京都、青山 K1 ドヲル。
じゃ、ひとつひとつ、いきますよー。順不同で、まずはだらだら飲みのことから。

●朝までだらだらというよりは激論飲み

デジクリ編集の柴田さん、水曜日にチャット形式で美術展を楽しく評論している武さんと山根さん、金曜日に隔週交代で書いてる高橋里季さんと私、という面子で、山根さんちで飲んでしゃべる会。

この会、どうしても合わないみんなの予定を無理くり合わせて開いてるもんで、ちょっとヘンなことになってる。夕方、みんなでおじゃました時点では、場所を提供してくれた山根さん本人が不在。7時ごろには帰ってくると言ってたのに、結局、夜中ごろになったもんだから、柴田さんと里季さんとは入れ違い。

武さん、山根さんとは初めてお会いする。デジクリのチャットからは、廃人寸前のぶよぶよなアル中のおっさんを想像してたのに、なんか二人ともすんげーたくましくて若々しくて、びっくり。武さんが、私のコラムについて感想を述べて下さった。「頭おかしいよ」。まー、ほめられたと受けとっておきます。

武さんと山根さんが、しこたま飲んでチャットするのは、意識の作用で巡らされた枠が発想の自由な広がりをブロックしたりしないよう、酒の力で枠を壊しておいて、無意識から発せられた生の言葉を読者にお届けしようというサービス精神からなのだそうで。

うーん、それはすごい。私は、言葉がどっかにつっかえて出てこなくなったとき、酒の力を借りてスムーズに出してやろうとしたことはあるけど、するする出てきた言葉を翌朝読み返して、こりゃ使いものにならんわ、と全部ボツにしたっけなー。武さん&山根さん的には、それこそ採用すべきだった、ってことになるのかな? いや〜、そんな恥ずかしいもん、ぜ〜ったいにお見せできません、て。

まー、恥ずかしいもんを、みずからさらけ出すのが芸術なのかな。確かに、写真の場合、被写体が写ると思ってるうちはまだまだで、あれは実際、撮ってる自分がよーく写っちゃうんだよねー。ものを見る見方が浅い場合、その浅さが丸見えになっちゃう。撮った写真を人に見せるなんてのは、非常に勇気のいる行為なのだ。人間、見られていちばん恥ずかしいのは、ソコでもアソコでもなく、そこ。人間の底なのだ。

んで、芸術論になる。絵の原点、つまり、人類が最初のころ、そもそも絵を描こうと思った動機って何だろうねー、って話。武さんによれば、例えば砂浜で打ち寄せる波に洗われて均された砂を棒でつーっとやれば、線が引けるように、何かをしたら、何かになった、という素朴な楽しさ、みたいなのが原点なのではないかという。あるいは、降り積もった、まっさらな雪の上に、思わず足跡をつけてみたくなる、なぜそうしたいのかよく分からない衝動みたいなもの。結局は消えていく、という点が絵の本質的なところなのだという。うーん、そこは難しくて、私にはよく分かりません。

しかし、原初的な動機というと、結局は、基本的な欲求あたりに取り込まれちゃったりはしないかな? 自己保存の欲求とか、種の保存の欲求とか。雪なんて、「バージンスノー」っていうくらいで、やっぱこう、性的ななんかを象徴してたりしないかな? オスがメスに、一押し二に押し三に押しで根気よく口説いたら、ついに思いかなってヤラせてもらえた、よし、いただき! みたいな。消えるのが本質だとすると、ヤッときながらなかったことにしたいってこと? ヤリ逃げ? 責任逃れ欲?

でも、そうすると、人間以外の動物はなんで絵を描かないんだ、って話になるわけで。あるいは、ひょっとすると、ふとした瞬間にそういう低次元の営みから切り離されて、なんらかの抽象概念に行き着くことができて、その先の先のずっと先に神的なものの存在をちょこっとだけ感じ取ることができて、ユーフォリア(euphoria:高い高揚感)を得て感動を味わう、という、基本的な欲求とは別の、高次元の芸術的体験、みたいなものが、当初からあって、それが動機になっているのかもしれない。

いやいや、もしかすると、言葉だけでは伝わらない何かを絵で伝達したかった、という実用の必要性からだったのかもしれないけど。プレゼン資料用の図だった、っちゅうか。

里季さんが、最初のころに書いてた、ステンドグラスで神を作ったって話が非常に印象的だった。たしか、学生のころ、例えば受験生なら理系か文系か進路を選ばなくてはならないように、生きるか死ぬかを自分で決めなくちゃ、って思って、それなら神様にお伺いをたてよう、ってことで、ステンドグラスで神様を作ってみた、って話だったよね。そんなことを考えるのは、里季さんをおいて他にいないだろうと思ったんだけど、それを言うと、里季さんたら「でも、みんなそうだと思うの」。これには、みんな、のけぞる。

でも、考えてみると、なんとなく、分からなくもないかなー。ステンドグラスで神様を作るかどうかはともかくとして、創作って、とてつもないエネルギーを注ぎ込む行為なわけで、動機としては生きるか死ぬかっていう切羽詰まったものがないと、できないことなのかもねー。

私は、捨象することが創造することだ、みたいなことを言ったかも。表現空間の次元が下がれば下がるほど、要らない部分をより多く捨象しなくては入りきれなくなるので、それだけ創造性のレベルは上がっていくのだ、と。あとは、よく覚えていない。

柴田さんと里季さんは、早めにお帰りになった。私は特に用事もなければ待つ人や犬もいないので、残る。夜がずいぶん更けてから、山根さんが帰ってきた。そしたら、武さんが、ちょっと15分だけ、とか言って隣りの部屋に行って、寝ちゃった。どう見ても朝まで起きそうもない様相だったけど、そこを山根さんがたたき起こして、復活させる。

んで、朝まで激論。これは、意図的に激論にしたもので、それを2時間分ぐらい、デジカメに録音していた。私ゃ、マジで、泥酔へべれけ状態で、かなり限界に近いとこにいた。議題すら、覚えてないぞ。無意識の底から、なんか言葉が出ちゃったかも。いやいや、しゃべってる間は、けっこう理性のはたらいた会話が成り立ってたような気がしなくもないけど。いやまあ、しょせんは酔っ払いの会話なんだけど。

ま、そういうわけで、いちばん滞在&覚醒時間が長かった私がいちばん楽しめたんじゃないかな? 6時半ごろだっけ、おいとま。途中まで、お二人に見送ってもらって、地下鉄の駅へ。ずっと熟睡状態のまま家まで帰り着いた感じだけど、途中でちゃんと二回、乗り換えてんだよね。帰巣本能ってやつか? 夕方まで、寝る。夜中近くになって、ようやく復活し、ヒトカラ行ったのが、この日にしたことの、すべて。

さて、まだまだ書くことはあるのだけれど、なんと、原稿の締め切り時間が来ちゃいました。どうやら次回に持ち越しで、また日記みたいなコラムになっちゃうかもしれませんが、よろしくおつきあい下さいませ。というわけで、今回はちょっと短いですが、このくらいにしときます。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp

カメコ。8月9日(土)には、人形作家でもあり、劇団 MONT★SUCHT の看板女優でもある由良瓏砂さんに、高円寺を案内していただく。小物屋さんとか、手作りペンション風のこぢんまりした喫茶店などを回り、さらに古着屋さん「チョコレートチワワ」へ。いろんな人が持ち寄った手作りの品々を展示・販売してくれるお店。人形作家三人と私が10月に銀座で開くことにしているグループ展「幻妖の棲む森」のDMを置かせていただいた上に、ブログにも載せていただいた。ありがとうございます。
< http://yaplog.jp/choco-chiwawa/
>

8月13日(水)、イタリアからビアンカさんが来る。何年か前、原宿の「橋」で "Psycho le Cemu" というビジュアル系のバンドのメンバーのコスプレをしていたイタリア人がいて、撮らせてもらった。それがバーバラさんで、ビアンカさんはそのお友達。今回は、ビアンカさんがお友達二人を紹介してくれた。で、イタリア人三人をお連れして、行きつけのメイドバー「ヴィラージュ・レイ」へ。カラオケが大好きなんだそうで、ウィングガンダムのオープニングテーマなどを上手な日本語で歌ってくれた。また楽しからずや。
< http://village-rei.girly.jp/
>