[2488] 天体観測のデジタル事情

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<さらなる高みを目指してモノ探しの旅に>

■伊豆高原へいらっしゃい[21]
 天体観測のデジタル事情
 松林あつし

■わが逃走[28]
 モテる男と映画の話の巻
 齋藤 浩

■買物王子のモノ語り 新連載[1]
 優等生のアイロン台は週末労働の救世主となるか?
 石原 強


■伊豆高原へいらっしゃい[21]
天体観測のデジタル事情

松林あつし
< https://bn.dgcr.com/archives/20080904140300.html
>
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僕が天体観測を始めて一年半、望遠鏡を買い換えて約三か月が経ちました。その間飛躍的な進歩があったかと言えば、未だカメラの知識も観測の技術も初心者と変わりありません。しかし、非常にスローペースではありますが、日々の色々な驚きや感動が、観測しているという充実感を与えてくれるようになりました。

最近では遠征も始め、天候が良ければ天城高原まで機材一式を抱えて出かけます。この「天城高原」は、実は天体観測の名所だったのです。週末に行くと必ず数名の観測者が、関東方面から来ています。車で20分ほどのところに、そのような場所があったことはラッキーでした。

望遠鏡も新しくなり、遠征も始めた事で、ベランダ観測では限られていた観測対象も広がりつつあります。それに伴う知識が増えると同時に、天体撮影においてデジタルは不可欠であることがわかってきたのです。今回はそんなデジタルを用いた天体観測の現状を軽く(深くは掘り下げられない^^;)レポートしたいと思います。

●天体観測の深みにはまるまで

そもそも、天体観測を始めると、どんな道を通って深みにはまって(?)いくのか……よくある流れを辿ってみます(これはあくまでフィクションです)。

図鑑の木星を見て、自分の目でも確認したいと思った……天の川を見て、その中に含まれる多様な天体を覗いて見たいと思った……ガス星雲の美しさを体験したいと思った……など、天体観測を始める理由は様々ですが、まずは天体望遠鏡を用意したいとおもうはずです。

買ってきた望遠鏡(例えば80mm径ニュートン式)を覗いて月面のクレーターや木星の縞模様、土星の輪を自らの目で見て感動します。

しかし、すぐに赤道儀とモータードライブ(自動追尾装置)がなければ、星の導入も長時間の観測も難しい事がわかります。

仕方がないので、高いお金を払ってそれらを取り付ける事になります。これで、なんとか木星や土星を長時間観測することができるようになりました。

今度は美しい星雲なんか見てみたいと思うようになります。しかし、M42(オリオン座大星雲)を導入してみてがっかり……図鑑に載っているような綺麗な色も見えないし、ほとんど白黒のぼやっとした淡い雲にしか見えません。アンドロメダ大星雲も同じです。いて座の三裂星雲、干潟星雲に至っては、望遠鏡だけでは姿も捉えられません。

そこで暗い星雲を綺麗に見るには、撮影機材を使って長時間露光する事が必要であると気がつきます。まず使うのはデジタル一眼レフです。各社対応の接続アダプタが売られているので、すぐに取り付けられます。

ここで、赤道儀の軸合わせが正確にできていれば、ISO800程度の感度で3〜5分露光すれば、星雲はある程度写るようになります。しかし、色が出ていません……何故でしょう?

通常、デジカメには赤外線カットフィルターが付いています。しかし、多くのガス星雲は赤系〜赤外線に至る淡い光で輝いているので、デジカメで撮ると、肝心な部分がカットされてしまうのです。そこで、専門業者に頼んでデジタル一眼の赤外線カットフィルターを取り除く「改造」をしてもらいます。当然、そのカメラは通常撮影はできなくなります。

惑星の場合は明るいので、0.5秒ほどの露光で大丈夫です。しかし、なんだかピントが合っていない……木星の大赤斑が見えない、土星の輪がボケボケ……デジカメのファインダーは暗く、ピント合わせも大変なのですが、大気の揺らぎ(シンチレーション)がじゃまをして、シャープな惑星を撮るのは非常に困難なのです。

それでも、なんとか綺麗な模様の木星を見たい……という願望は捨てきれません。実は方法があるのです。それは複数枚、同条件で惑星を撮影し、画像処理ソフトでコンポジットする、という方法です。

我々が通常使用しているPhotoshopでも多少はできるのですが、処理できる枚数が限られますし、手動では出来映えに限界があります。そして綺麗にコンポジットするためには数百枚の画像が必要になるのです。Photoshopではちょっと無理がありますね……そこで、登場したのがWebカメラで動画を撮影し、それを専用の解析ソフトで処理をする、という方法です。動画ですから、1分ほどで数百枚の画像を撮影できるのです。そして、この方法で惑星の画像クオリティが飛躍的に向上することに感動します。

同じように、星雲も撮影できないかと考えます。しかし、Webカメラの感度ではさすがに淡い星雲はうまくいきません。一眼レフの改造にも二の足を踏んでいたとしたら、他に星雲を撮る方法はないのでしょうか。動画撮影での問題点がカメラの感度である事を考えると、超高感度カメラを使えばうまく行くのではないでしょうか。

しかし、天体観測に良く使われる超高感度カラーカメラを探してみてビックリすることになります……ヘタすると、望遠鏡本体の何倍もの値段がするのです。ましてや、ペルチェ素子を使った冷却CCDカメラなどはなおさらです。冷却CCDまで買ってしまうと、「機材地獄」まっしぐらの道を進みそうで、踏みとどまります……やはり必要最小限の機材で観測することを前提とすると、この辺で息切れがしてきます。

それでも、10万円ぐらいなら……という余裕があるのなら、方法はあります。モノクロの超高感度カメラが10万円以下で売られているので、それにRGBの各フィルタを付けて、チャンネルごとのモノクロ撮影をすれば良いのです。コンポジット処理後にPhotoshopでチャンネル合成をすれば、フルカラーの星雲画像が出来上がります。

とまあ、ありがちな流れを追ってみました。この中で、撮影観測に関してはすべてデジタルの処理を必要とします。ここまで観測におけるデジタル化が進んだのは、最近10年ほどではないでしょうか。自動追尾や自動導入はそれ以前、かなり前からありましたし、望遠鏡本体や赤道儀の分野では、数十年大きな変化はないように思えます。事実、名器として名高い望遠鏡は、20年前のものでも高値で取引されている現状を見ると、アナログ的に成熟した光学機器は、ビックリするほどの新技術はもう出てこないような気もします。

●天体観測にパソコンを持って行くのはあたりまえ

しかし、昔と比べて、アマチュア天文家人口は増えているように思えますし、熟練されていない、にわか観測者(私?)の撮影する天体写真のクオリティもどんどん良くなっています。これはやはりデジタル面での新たな技術が導入された結果ではないでしょうか。

デジカメが登場するまで、天体写真は銀塩写真で撮るしかなく、高度なカメラの知識と熟練を要しました。しかし、デジカメが一般的になって、撮影の敷居が低くなったため、僕のレベルの知識でもとりあえず天体写真を撮ることができるようになったのです。もちろん今でも銀塩にこだわって、美しい天体をとり続けている方も沢山おられますが、その場合でも、何らかのデジタル処理は必要となるようです。

新たな技術としては、インターネットの普及に伴って登場した、Webカメラの存在が非常に大きいと言えます。最もよく使われるカメラはPhilips社製のToUcam Proと呼ばれるもので、感度が比較的良いのと、圧縮比が小さい(画像の荒れが少ない)、アダプタの取り付けが簡単、などの理由で重宝されています(残念ながら日本では売られていません)。

僕が使っているものはToUcam Pro3(SPC900NC)で、今はこれが主流のようです。しかし、ただ撮影しただけでは、その1コマ1コマは1枚のボケた星像でしかありません。パソコンに保存した動画をRegistax4(フリーソフト)という天体写真に特化したソフトで処理することによって、まるで魔法のような効果を生むのです。
ToUcam Pro3
< http://www.amazon.com/Philips-SPC900NC-Camera-Sensor-Interface/dp/B000EIIGYU
>
Registax
< http://www.astronomie.be/registax/
>

ToUcam Pro3とRegistax4による処理結果はこちら
< http://www.nexyzbb.ne.jp/%7Epeppy_atsushi/digi_cre/08_09_04_toucam.html
>

同じように淡い星雲画像は、Webカメラの代わりに超高感度カメラで撮影する事になります。カメラの出力そのものはNTSC信号ですが、画像処理はデジタルで行います。

これら動画系のカメラでの撮影は、残念ながら640×480ピクセル程度の解像度しか得られません。しかし、木星も土星も一枚写真で撮ればそれ以下のボケた画像になるわけで……今のところこれが安価に良い結果を生むための、最良の方法と言えるかもしれません。

撮影に限らず、デジタルは望遠鏡制御まで行うようになりました。僕の使っているMeade LX90GPS-20はオートスターと呼ばれる天体の自動導入装置を装備していますし、ステラナビゲーターなどの天体シミュレーションソフトと連動し、パソコンからの制御も可能です。こうなると、屋根の上に望遠鏡を固定し、室内から遠隔操作で天体観測をしたくなります。

実際、遠征に出かけた先で他の観測者に出会うと、真っ暗闇の中に青白いパソコンの明かりだけが目立ちます。今や、天体観測にパソコンを持って行くのは当たり前なんですね。

ここで、僕のように天体観測はしたいけれど、パソコンはMacしか持っていないと言う方へ残念なお知らせです。

基本、望遠鏡の自動導入と連携するソフトはWindows対応のものしかないようです。ToUcam Proに同梱されているキャプチャソフトもWindows版です。ですから、観測に使用するマシンはWindowsが前提となってしまうのです。

しかし、望遠鏡制御はできませんが、ToUcam ProはMacで認識します。そして、ToUcam Pro対応のMac版汎用キャプチャソフトとして唯一(たぶん)の「macam」というフリーソフトを使うことで、録画まではできるのです。残念ながらRegistax4はWindows版しかなく、結局処理するにはWindowsは必要になってしまうのですが……。
macam
< http://webcam-osx.sourceforge.net/
>

Mac対応の天体観測環境をもっと充実してほしいものですが、Intelチップとなってからは、必ずしもMacOSにこだわる必要もなくなったのかな、とも思います。めんどくさいですが、BootCampでWondowsを使って処理するというのが現状です。

ウェブサイトに天体撮影の苦労記を書いていますので、よろしかったらご覧ください。

松林あつし/イラストレーター・CGクリエーター
< http://www.atsushi-m.com/
>
pine4980@art.email.ne.jp

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■わが逃走[28]
モテる男と映画の話の巻

齋藤 浩
< https://bn.dgcr.com/archives/20080904140200.html
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さいとうです。なんか本業が激しく忙しくて、月日が経つ感覚が麻痺しておりました。本日掲載の『わが逃走』ですが、締切はまだ一週間先だと思っていたのです。そんな訳でいま慌てて書いているのです。どうにも情けない話です。

さて、こんな困った状況に陥ったときの強い味方は夢の記録であります。私は一風変わった夢を見るタチでして、今までも名作『トクホン』や『竹輪宇宙人』、『明太子ボクサー』などをこの場を借りて発表してまいりました。今回は寝苦しい夏に見た新作夢、『映画館』と『モテる男』をご紹介いたします。

『映画館』

極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)と、渋谷に映画を見にいく夢を見た。劇場はホール1と2に分かれていて、1は大スクリーンだけど屋外。2は屋内だけどスクリーンが小さい。ちょうど温泉における内湯と露天の関係に似ている。上映している映画の内容自体は一緒である。

最初は大スクリーンのホール1に行ってみたのだが、昼間の屋外ゆえ、画面がぜんぜん見えない。国道246沿いにあるため車の騒音もひどく、セリフも全く聞き取れない。なので、屋内のホール2に行こうと極親しい間柄の年上の女性Aさん(年齢非公開)に言ったところ「あたしは大スクリーンで見たいの」とキツい口調で言われてしまった。仕方なくひとりでホール2へ移動した。

屋内の映画館は静かで広く、落ち着いていた。ただ、部屋の面積に対しスクリーンはかなり小さい。500人入れるホールに対し、17インチテレビ程度のサイズだ。しかも、何故か全ての椅子がスクリーンに対して逆に(後ろ向きに)設置されていた。

なので、画面を見るには体を180度ねじって後ろを向かなくてはならない。よく電車で子供が窓の外を見るようなポーズで、シートに膝を立てて画面を見ることは、この映画館ではカッコワルイとされているようで誰もやっていない。ほとんどの観客は、オープンカーでバックするようなポーズに似た体勢で映画を見ているのだ。私も体をねじってスクリーンに向かった。最初はいいのだが、だんだん首と肩が痛くなってきた。

痛くて目がさめたのだが、そのとき私はかなり体をねじった状態で寝ており、さらに着ていたTシャツが思い切りよじれていて、右肩から左裾にかけて引っ張られた状態だった。だから何だ、と言われてみればそれまでだが、往々にして夢とは意味不明なものである。

『モテる男』

男には二種類ある。ヤリティンとドーテーである。私の知人のモテ男ヤリティン君は、夢を見ると大抵の場合、「これは夢だ!」と眠りながら理解するそうである。そうとわかれば遠慮は無用! と、上司をはじめ著名なエライ人をぶん殴り、出演している好みの女性といいことをしまくるのだそうだ。

私は生まれてこのかた、一度もそのような夢を見たことがない。是非一度、女にモテモテな夢を見てみたいものよのう……と思い続けたところ、ついに俺がめちゃくちゃモテるという意味合いの夢を見ることができた。

4畳半の窓のない部屋に机と椅子。そこで私は考え事をしている。何をそんなに熱心に考えているかというと、今年一年で、何人のおねいちゃんとイイ仲になれたか、ということを思い出しているのだ。

「えーと、あれは確か2月……いや、3月だったかな。うーん、確かにおねいちゃんとイイ仲になったのに、どんな子だったか思い出せないなあ。うーん……」「あ、確か4月にも誰だったかおねいちゃんから声かけられて、そのまま、あーんなことや、こーんなことをしたと思ったんだがー。いや、したのは事実!さて、どんな娘だったかなあ。うーん、思い出せないなあ……」

と、ひたすらメモ帳とにらめっこするという内容。結局最後まで女性は一切登場しなかった。確かに『モテる夢』なのに、メモ帳とペンと机と椅子しか登場しなかったのだ。

そんな訳で、今日は過去最高に短い『わが逃走』でした。悪いけどもう寝ます。おやすみなさい。次回はちゃんと書きます。

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。
< http://www.c-channel.com/c00563/
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■買物王子のモノ語り 新連載[1]
優等生のアイロン台は週末労働の救世主となるか?

石原 強
< https://bn.dgcr.com/archives/20080904140100.html
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この春に転職をして、職場環境が大きく変わりました。毎朝通勤ラッシュに巻き込まれるのも苦痛だけど、いまさらながら戸惑ったのは服装です。

新卒の頃から、自由な服装が許されていた職場だったので、ラフな格好で通していました。たまに顧客のオフィスに行くときだけスーツを着用していましたが、今度ばかりはそうはいきません。オフィスで着る服としては「Tシャツ」と「ジーンズ」は望ましくないとの服装規定があるのです。

基本的には、襟のついた「Yシャツ」を着ていなければなりません。そのくらいは大したことではないと思ったのは間違いでした。同じシャツでも「T」と「Y」の異なる点は、色だとか襟の有無だとかの見た目だけはなく「シワ」があってもいいのかダメなのかということなのです。洗いざらしで着られるTシャツと違って、Yシャツは「アイロンがけ」が必須です。一日一枚、一週間で五枚がたまります。

これをすべてクリーニングに出せれば簡単なのだろうけど、それはもったいない。無駄遣いをやめれば……という家人の指摘もあるけれど、それは無理。という訳で、週末に自分でアイロンをかけることになってしまいました。

毎週末に五枚をノルマとしてこなさなければならない。しかも一回サボると翌週には倍に増える。これが結構重労働。いくらきれいにかけたって、一回着たら終わりなんだから、シワがあったっていいじゃないかと愚痴ってみたり……。

なかなかキレイにかけられないので道具を変えてみようと、探し求めてたどり着いたのが通販生活の「立体アイロン台」です。値段が一万円を超えているのに、発売から12年のロングラン商品というのが信頼できる。この先一生、買い換えることなんてなさそうだし。キレイにアイロンできるならと、給料三か月分ならぬ、クリーニング代三か月分をはたいて買ってみた。

特徴としては、横から見ると台が平面ではなく真ん中が盛り上がった曲面になっている。そして肩の部分に出っ張りがある。ブティックの店頭にあって服をディスプレイする「トルソー」を半分に切って開いて潰したような形。使い方は台に服を乗せるのではなく「着せる」感じです。ぴたっと「着せる」とぴしっとかかる。このアイロン台だと急にアイロンがけがうまくなったみたい。

シャツを人間の丸みにあわせた台に沿わせればシワのない状態になり、そこにアイロンをあてれば、そのままシワがのびるということ。当たり前なのかもしれないけど、アイロンがきちんとかかるかどうかの鍵を握っているのはアイロン本体ではなく、アイロン台の方だと気がついた。というのも、アイロン台と同時にスチームがたくさん出ると評判のアイロンを買ったのですが、それまで使っていた安いアイロンでも十分でした。

このアイロン台を開発したのは、知る人ぞ知る大正13年創業の「斉藤アイロン台工業」。アパレルメーカーやクリーニング店など、プロが昔から愛用している「まんじゅう」と呼ばれる、丸く盛り上がったアイロン台に似せてつくられたのだそうです。

さらに、突起のあるボードに厚いフェルトを乗せてカバーする三層構造になっていて、スチームはすぐに抜けるけど、熱だけはこもる。生地に残った湿気で戻りジワになることを防いでいるということ。老舗メーカーが工夫をこらした、いわば「育ちが良い優等生のアイロン台」なのです。

しかしこの「優等生」には融通のきかないところがあります。それは価格相応に「キレイに仕上がる」けれども「ラクに仕上がる」わけではないということ。いちいち着せたり脱がせたりするのは面倒ですが、横着すると余計シワになってしまう。だから、手を抜くことができません。ネットには「ものの5分で仕上がる」と書いてあったけど、それはちょっとオーバーで一枚最低10分、手を抜かずにやると15分くらいかかります。

それに、アイロンがけそのものがキツイことに変わりはない。特に今年のように暑い夏の夜のアイロンがけは汗だくになる。クーラーをかけても手元に熱源があるのだから無駄だ。終わった思ったら、シャツに点々と丸いシミが。自分の汗か……。熱くないアイロンというのは、やっぱりできない話なんだよなあ。

通販生活「立体アイロン台II」
< http://kayoudayo.jp/customer/ServletB2C?SCREEN_ID=K_SHOHINDETAIL&hMoushikomi=1100200
>
斉藤アイロン台工業「マダムサイトウアイロン台」
< http://www.airondai.jp/
>

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
しばらく連載はお休みしておりましたが、その間も買い物は増え続けています。宅急便が届くたびに、「いいかげんにして」という視線を向ける家人をよそに、さらなる高みを目指してモノ探しの旅に出ます。おつきあいくださいませ。
・ウェブアナ
< http://www.muddler.jp/
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■編集後記(9/4)

個性を捨てろ!型にはまれ!・三田紀房「個性を捨てろ!型にはまれ!」(大和書房、2006)を読む。身も蓋もない、というか何というか、すごいタイトルだね、こりゃ。内容は「世の中には、成功するための『型』がある。個性も才能もいらない。ただ用意された『型』にはまればいい」ということを、わかりやすくストレートに伝える。まことに過激である。いま世間一般では、個性を重視して自由を尊重することがすべてという風潮がある。著者はこれを、「不気味な個性幻想」と表現し、それが若者の足を縛り、身動きをとれなくしていると指摘する。こんな時代、若者がフリーターやニートになるのは当然の流れだ。いやー、するどい斬れ味。小気味がよい。気に入った部分に付箋をつけたら、本が付箋だらけになった。重要な部分はゴシックで組まれているから、それを拾い読みするだけでも著者の言わんとすることはわかるが、文字数ぎっしりの本ではないから、全部読んだって小一時間とかかるまい。中学生くらいでこの本を読むと、けっこうショックを受けるかもしれない。「俺様って個性的」を気取る高校生、大学生なら自分を否定されたと感じるだろう。否定してるんだけど。不愉快に感じる人は必ずいる。でも、この本の説得力に、きちんと反論できる人はいるだろうか。わたしはできない。全面的に賛同している。じつはあたりまえのことを言ってるんだから。子どもの教育に自信のない親や教師は読むといい。理論構築用に最高のテキストだ。たいして絵がうまくない著者が、漫画家として活躍できる理由も書かれている。自らの主張を裏付けるサクセスストーリーだ。「だから、いま『夢を探している』『やりたいことを探している』『本当の自分を探している』という人は、もうその時点で人生を間違っていると思ったほうがいい」痛快、痛快。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479791817/dgcrcom-22/
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アマゾンで見る(レビュー18件)

・ピタゴラスイッチの「アルゴリズムこうしん」にウィーン少年合唱団が登場。/お返しに貰ったカタログから選んだコンフィチュール(ジャム)。「おまかせサシェセット」というもので、小分けした袋が16個。それぞれ違う種類のものが入っている。苺とミント、オレンジと生姜という割と普通の組み合わせから、パイナップルと黄ピーマンという組み合わせまである。毎朝、手に取ってから、「今日はどんな味だろう?」とタグを見る。トーストに塗るのだが、タグにはアイスクリームに添えるといいとか、お湯割りでとか、何々料理にとか、カフェオレに加えてとかのアドバイスが書かれてある。先に書いたバイナップルと黄ピーマンの組み合わせの時は、タグに「とろけるチーズをたっぷりかけて」と書かれてあったので、慌てて冷蔵庫からスライスチーズを出し、トーストの上に載せ、トースターで再度温めてからジャムを塗ってみた。見た目ジャムなのにピザっぽい。ジャムのイメージって、苺やオレンジの甘酸っぱいイメージなので、野菜の味だと不思議な気がする。大阪にもお店できないかな〜。/神戸の「TOOTH TOOTH」のジュジュにはまる。神戸にしかお店がないので、次に食べられるのはいつになることやら。「ボックサン」のロールケーキもおいしかった〜。/石井選手の発言がエスカレート。変な質問をするインタビュアーもどうかと思うけど。監督さん、先輩らはガツンと注意せなあきまへんえ。(hammer.mule)
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< http://www.cep-shop.co.jp/lineup.html
>
現在572種あり。36と37のあたり
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< http://www.patisserie-toothtooth.com/
>  TOOTH TOOTH
< http://blog.goo.ne.jp/branaire/e/02aa4b9892f9634ab7b6ac8bc5aa0595
>
ジュジュ
< http://www.bocksun.com/
>  ボックサン