装飾山イバラ道[20]魅惑の箱ーケーブルテレビ
── 武田瑛夢 ──

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さて、オリンピックが終わってしまっても、国際的に活躍するスポーツ選手から目が離せない。錦織圭選手のテニス全米オープンの試合が見たくて番組表を探すけれど、この試合はWOWOWじゃないと見られない現実。WOWOWとは契約していないので残念。試しに視聴のお知らせにチャンネルを合わせると、お得なプランで猛烈にアピールしてくる。

うちはまだケーブルテレビの通常契約で見られるチャンネルでさえも全部はチェックしきれていないのに、さらに有料チャンネルに入るのはどうももったいない。この試合の数日間は、WOWOWの誘惑になんとか打ち勝てるかの勝負どころだ。



インターネットで見るにしても、試合が終わった後の動画では嫌だし、生で中継していてさらにタダなところを探した。どうやら、ライブストリーミング形式の映像が見られるところがいくつかある。日本時間で朝の7時半から始まる放送を見るために、探し始めたのが6時くらいだったので特別なアプリケーションをインストールする気もしないのでMedia Playerで見られるものを探した。探し方は単純に、多くのサイトへ行って映らなかったら即あきらめるのを繰り返す方法で。そして「justin.tv」というYouTubeのライブ版のようなものをみつけた。しっかり全米オープンの番組もいくつかアップされている。

・justin.tv
< http://www.justin.tv/
>

リビングのおNEWのテレビの前でノートPCを開けて、ライブストリーミングのテニス中継を見る。大きな鏡の前にいるのに、コンパクトの鏡をのぞいている時のような感じ。

錦織選手の前の試合が始まっていたので、画質の確認をする。時々CMが入るけれど気にならない。ただこの解像度ではテニスのボールは小さくて速いので、肝心の一番の決め玉が見えにくい。それでも試合運びは問題なく見られるので、無料なのはありがたい。バレーボールなどはもっと快適に見られそう。

肝心の錦織選手の試合も、リアルタイムに問題なく見られて良かった。テニスって粘りが必要なスポーツだ。私が選んだチャンネルはたぶんスペイン語(?)の放送だったけれど、点数表示されていれば流れはわかるので、言語はそんなに関係なかった。

でも、なぜか途中で日本のWOWOW放送席が映しだされ、しばらくの間は日本語の解説の音声に切り替わっていたのが不思議。錦織選手の母国だからなのかとも思ったけれど、WOWOWの放送を少し見せることで「ほらやっぱり日本語放送っていいよねー」という宣伝効果(?)。こんなところにも誘惑の魔の手がしのびよっているとは。

この試合では結局負けてしまって、今度は女子のダブルスが気になるところ。WOWOWが魅力的なのは確かなので、ぜんぜん嫌いとかではないです。錦織選手の試合の生放送も緊急決定されたもので、そういう柔軟性は素晴らしいと思う。いずれ必要なチャンネルを吟味して、スポーツと映画と自然番組で何を残すか整理したいと思う。

遊星からの物体X ― コレクターズ・エディション話変わって、先日映画チャンネルの録画に失敗したおかげで、思いがけずに楽しい映画を見られた。映画チャンネルの「洋画★シネフィル・イマジカ」で「遊星よりの物体X」をやるのをテレビの番組表で発見して、「遊星からの物体X」と勘違いして録画してしまったのだ。

あの、頭に蜘蛛のような足が生えてテケテケ歩いて逃げて行く映画だと思って。見たらなぜかモノクロの昔の映画でびっくり。テレビ画面上の番組表って、制作年代などが出ないのでタイトルだけで録画ボタンを押してしまった。

・洋画★シネフィル・イマジカ
< http://cinefilimagica.com/
>

遊星よりの物体Xこの「遊星よりの物体X」は1951年制作で、舞台が極寒の地であるところや宇宙人と格闘するというのは同じ。後年の1982年「遊星からの物体X」ではSFXのシーンが多く、こちらの方が原作に近いらしい。1951年版ではとてもユニークな宇宙人で(頭が大きい巨人でほとんどフランケンシュタイン)細胞融合のしくみとしては植物的な生き物という設定で話が進んでいた。

しかしながら、昔の映画なので特殊撮影の技術が弱いためか、肝心の見たいものがなかなかアップにならない。舞台を遠くから見ているような気分になる。おもしろいなと思ったのは、宇宙人が近づいてくる恐怖感を放射能のガイガーカウンターのメモリが上がることで表現していたシーン。数値を読み上げる人が最大値を告げると、扉を開けて宇宙人が基地に入ってくる。まさにジャーンという感じで(笑)。

このあたりは、1982年版のいつのまにか未知の生物が味方に侵入してしまっている恐怖とは全く異なる。基地の外は氷点下の吹雪で、無線も通じない密室感がキーになっているのは同じだった。Wikipediaによれば、2009年公開を目指すリメイク企画が進行しているとのことで、とても楽しみ。私にとって初めて映画館で見る「遊星からの物体X」になるだろう。

「タイムマシン」や「宇宙戦争」のように20〜30年に一度はリメイクされる映画を見比べるのはとてもワクワクする。生きてる間に、同タイトルの映画を見られるのが3作品もあるのはラッキーなのかも。もしかするとさらに20〜30年後の4作品目が見られるかもしれないけれど、その頃にはSFホラーに興味がないかもしれないのがさみしい。

ケーブルテレビの良さは、各チャンネルがテーマに合わせて集めた番組を、気楽に見ることができる点だと思う。ちょうどオフィスのお菓子BOXのように、自分が食べたいお菓子だけを選んでちょこっと食べられる。いわゆる置き薬のシステムで、箱に収まっているのが番組なのだ。

どうも有料チャンネルが魅力的に見えてしまうのは、デパートのセール除外品に欲しいものがあるのと同じなのかもしない。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
SFホラー好きのおばあさんというホラー?

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
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やさしいデザイン―誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
武田 瑛夢
エムディエヌコーポレーション 2007-09

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by G-Tools , 2008/09/09