買物王子のモノ語り[2]質実剛健は見た目だけ、本当は軟弱モノ。/石原 強

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9月に遅い夏期休暇がとれたので、沖縄でダイビングを楽しむことにしました。知り合いの民宿に泊まるので、久しぶりにのんびりできそうです。この機会に、ダイビング用に海がキレイに撮れるカメラへアップグレードしたい。

ダイビングは10年目になりますが、これまで、周りがデジタル化していくのを横目に、ニコンの水中用カメラ「ニコノスV」を頑なに使っていました。17年間同じスペックで販売され続け、水中カメラの代名詞ともなっていた名機です。中古で買ってメンテナンスもロクにしていないのに丈夫で長持ち。

20mmレンズに、大きめの外付けファインダーを装着した姿は、無骨ながら機能美にあふれてカッコイイ。手に持つと、金属製カメラらしいずっしりとした重量感があります。持っていると、プロっぽくて威張れるカメラなのです。



しかし、なにせ発売は20年以上前のアナログカメラ、デジタル全盛の今となっては不便極まりない。ピントを合わせるのは目測です。外付けファインダーは、被写体がフレームに入っているかを確認する程度しか機能しません。当然、フィルムの現像も必要になるので、海から上がってすぐに確認することはできません。撮ったその場で結果がわかるデジタルカメラとは違い、ほとんど運を天にまかせた状態。やせ我慢をして使うのも、そろそろ限界です。

ところが、デジタルカメラの水中用ハウジングは、なんだか透明なお弁当箱みたいなのです。赤や黄色のプラスチックのパーツがついた、見た目は子供のオモチャみたいで気に入らない。便利さと引き換えに見た目を諦めることにして、まずは2年近く愛用しているソニーのサイバーショットT10用の水中用ハウジングを探しました。

世代交代の早いデジタルカメラ、旧モデルの水中用ハウジングは、既に販売終了してどこのショップにも残っていませんでした。ヤフーオークションをチェックすると、高値で取引されています。もう少し早めに買っておけばよかったと後悔しても後の祭り。

やっぱり新しいカメラを買うしかないが、チャチな水中用ハウジングを購入する気にもならない。水中用ハウジングを見た目で選んでから、それに合うカメラを買うことにした。

Epoque エポック mod EHS-1000HD サンヨーDMX-HD1000 DMX-HD1010用 カラー/グレー<水中写真機材の専門メーカーのサイトで目についたのが、サンヨーのデジタルムービーカメラ「Xacti」用のハウジングです。カメラ自体は、ここで解説するまでもない高性能なモノ。静止画だけではなく動画も撮れて、しかもフルハイビジョン。ボディは片手で持てて、ピストルのグリップのようなスマートなデザインも他にはない魅力。

それに対して、水中用ハウジングは無骨な雰囲気。ボディの前面はグレーに塗装され、後側はクリアな液晶の部分を除きは半透明です。水中でグローブをした手で操作できるように、ボディから突き出した操作ボタンもシルバーに輝いて、無機質な「メカ」っぽい見た目が魅力的です。

スマートなデジカメに鎧のような水中用ハウジングを装着すると、まるで深海探査のために作られた潜水艇のようにも見えてきます。これならきっといい絵が撮れると、旅行に行く前から妄想膨らみまくりでした。

a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001AQUU30/dgcrcom-22/ref=nosim/" target="_blank">SANYO ハイビジョン対応 デジタルムービーカメラ Xacti (ザクティ) ダークシルバー DMX-HD1010(S)実際にダイビング中に撮った映像を見ると、静止画と動画では臨場感が全然違います。初日の夜はダイビングのビデオを肴に、一緒に潜った皆で盛り上がりました。

しかし、翌日とんでもないことが起こります。なんとダイビング中に水中用ハウジングに浸水! いきなり液晶が切れて電源が入らなくなりました。やばいと思ったけれど、すぐに上がるわけにもいかず……ボートに戻った時には、中のカメラはどっぷりと海水につかり、永遠に帰らぬ人(?)となりました。(合掌)

幸い前日の撮影分は、ハードディスクにバックアップしてありましたし、当日分も水没前まではSDカードに残っていました。映像は、思いのほか良く撮れていて、かなり満足のいくものでした。

以前に、他人のカメラで撮影したものを見たことがありましたが、青カブリが強くて、モノクロ映像のようでした。このカメラでは、暗いところもよく映っていて、一緒に潜った人や、潜ることができない家族にも大好評です。やはり静止画よりも動画は、魚のいきいきした動きが見られるので楽しい。

浸水した水中用ハウジングは、現在、メーカに現物を送り返してチェックしてもらっています。しかし、今後も使い続けるのか悩んでいるのです。ネットの掲示板などをよくよく検索して見ると、同様の水没報告がちらほら。質実剛健な見た目とは裏腹に、かなり軟弱な代物だったようです。

旅行直前にあわてて買ったから、あまり調べていなかったのも敗因でした。それに、もっとキレイに撮るためには、大光量のビデオライトも必須。機材へ投資し始めると、いつもキリがないのです。

ニコン 水中カメラ「NIKONOS-V」
< http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/film/nikonos/ >

サンヨー フルハイビジョン デジタルムービーカメラ「XactiDMX-HD1010」
< http://www.sanyo-dsc.com/products/lineup/dmx_hd1010/index.html >

エポックワールド デジタルカメラハウジング「EHS-1000HD」
< http://www.epoque-japan.com/digitalhousing-ehs1000hd.htm >

沖縄 備瀬のダイビングショップ&民宿「ヒートウェーブ」
< http://heatwave-okinawa.com/ >
市街から遠いけれど、美ら海水族館もきれいなビーチもすぐ近くで、ゆったりした「沖縄時間」を満喫できます。ダイビングをする人はもちろん宿泊だけでもOK。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp

台風13号が沖縄に近づいてハラハラしましたが、ゆっくりした動きで西にそれてくれたおかげで、休暇中ダイビングを楽しむことができました。さらに一日帰りがずれていたら、ANAのシステムトラブルに巻き込まれてたかもしれないのだから、カメラ水没と差し引きゼロと考えよう…。
・ウェブアナ < http://www.muddler.jp/ >