おかだの光画部トーク[2]初心者向けデジカメ入門:第1回 カメラを選ぶ《その1》何が撮りたいのか?
── おかだよういち ──

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世界に類をみないカメラ大国の日本。これだけ多くのカメラメーカーがある国は他にはありません。

実際に、オリンピックやF1GPなどの世界のスポーツイベントで報道カメラマンが使っているカメラはほぼ日本製ですし、世界中の人が利用している写真Webサービス、flickrのCamera Finderで見ても世界中のユーザーが用いているのは日本製のカメラだらけです。
< http://www.flickr.com/cameras/
>

そこで出てくる贅沢な悩みが、「数あるメーカーの数あるカメラの中からどれを買えばいいの?」ってことだと思います。実際に、わたしも友人から「どれを買えばいい?」「何がオススメ?」とよく聞かれます。そこで今回から数回に分けて、カメラ選びのポイントを書いてみたいと思います。



何も知らずに、いろんなレビューや話題でイイと言われているカメラを買っても、自分の撮影スタイルと合っていないと、思ったような写真が撮れずに残念な思いをする事になってしまいます。

RICOH デジタルカメラ GX100 ボディ GX100BODY例えば、mixiのRICOH Caplio GX100コミュでのトピックで「子供達の野球の試合の写真を撮ったのだけどあまり綺麗に撮れません。どんな設定で撮ればいいの?」的な話題がありました。
< http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32139277&comm_id=2001363
>

GX100はわたしも使っているお気に入りのひとつでとてもいいカメラです。しかし、オートフォーカスが遅いので、スポーツやペットなど動きの速い被写体はちょっと苦手。しかも、望遠側が72mmまでしかないので、遠くでプレーする子供を撮るには向かないカメラです。これはカメラの設定でどうにななる問題ではなく、買う時のチョイスを間違えている根本的な問題です。

この例のように、何が撮りたいのかをしっかり決めることが、カメラ選びでは大切です。何が撮りたいのか、漠然としててわからない場合は、普段の生活の中で、どんなシチュエーションで写真を撮りたいと思うかを考えてみるとよいかもしれません。パソコンを買う時と同じですね。単にネット中心で使うのであれば、そんなにスペックの高い高価なものは必要ないですし、画像や映像の編集に使うのであれば、高速で処理が出来るマシンが必要です。

コンパクトデジカメ、デジタル一眼レフを問わず、一台で全てのシチュエーションにおいて完璧で万能なカメラは存在しません。一眼レフは画質的に満足ですが、どこにでも気軽に持ち歩いていつも一緒に居るには大きすぎます。最初は楽しくても、だんだん持ち歩くのが億劫になり、せっかく買ったのに使う頻度が減るという話もよく聞きます。

いくらいいカメラを持っていても、シャッターチャンスにカメラを家に置いてきてしまってたら当然撮れない。だったら一眼レフより画質は落ちるけど、携帯電話でもいいから、小さなカメラを常に持っている方がいいかもしれません。

「とにかくペットをかわいく撮りたい。」とか、「子供の成長を写真に残したい。」とか、「友達と飲み会での楽しい写真を撮りたい。」とか、「ブログに載せる料理を撮りたい。」とか、「綺麗な風景を撮りたい。」とか、「日々のスナップを気軽に撮りたい。」とか、「ネットショップ掲載用の商品を撮りたい。」とか、「手軽にYouTubeにアップするムービーも撮りたい。」とか、「マリンスポーツでの写真を撮りたい。」とか、「あの子と仲良くなりたい。」とか、「友達の結婚式でステキな写真を撮ってプレゼントしたい。」とか、「とにかくおしゃれに決めたい」とか。それぞれ目的が色々あると思います。何が撮りたいかで、コンパクトデジカメなのか一眼レフなのか、また選ぶ機能などもおのずと決まってきます。

闇雲に画素数にこだわるとか、カタログに載っているスペックだけを選ぶ基準にするのはあまり賢い選択はできません。

デジカメが出てきた初期の頃とは違い、技術も機能もかなり成熟している今は、普通に使う限り既に充分な画素数に達しています。駅貼りのポスターくらいの大きさにプリントする事などあまりないでしょうし、プリントすらせずブログに載せるのが目的ならなおさらです。

デザインやボディーカラーなどの見た目で選ぶのも、もちろんアリです。でもせっかくですから自分の目的にあったカメラを選んで、いつも一緒にカメラと居て、いっぱい撮る事が楽しいフォトライフなのかなぁと思います。

という事で、次回はコンパクトデジカメとデジタル一眼レフとの違いについて書いてみたいと思っています。

【おかだよういち/デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
>
okada@s-style-arts.com

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