うちゅうじん通信[32]うちゅう人と秋の宵
── 高橋里季 ──

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今日はよく晴れていたので、夕日が見えた。ラッキー! 気がつくと、もうこんな時間! というふうに毎日が過ぎていくから、何日も夕焼けを見ないということもあります。でも今日は、お茶の時間が遅くなって、夕方5時前頃にプリントアウトをしつつ休憩。窓の外を見ると、太陽が、もうすぐオレンジ色になりそうなんだけど、まだ少し眩しいくらいの感じでした。日が沈むまで、コーヒーを飲みつつ眺めていることにしました。ここは、5階です。

私は、イラストを必ずプリントアウトして確認します。モニタでは確認できないような消し忘れの淡い色残りなどは、印刷では汚れのように見えてしまうので、注意します。プリントアウトで、「あれ? ちょっと色が残ってるかな?」という箇所をモニタ上で拡大してみると、4%のグリーンが、うっすら消し忘れてあったり。特に女性の顔の眉間や目のあたりに、髪型を整えたアトが、変に影のように残っていると、不機嫌な顔に見えてしまうので要注意なの。

それから、色の強弱の見え具合などを確認して、少し直して再度プリントアウトを3回ほど繰り返して、「まあ、これでいいかな。」という感じで休憩。コーヒーがおいしい。



夕日は、確実に動いている感じで、まっすぐにストンと消えてなくなることもなく、少しづつ西に移動しつつ、なんだかだんだん丸が大きく見えて、赤味を増していきました。

それでね、夕焼けについて、謎がひとつ解けました。最後の最後に、ちょうどスッポリとビルに隠れてしまったの。謎だったの。時々、絶対にあっちの方に夕日がありそうで、空は茜色で明るいし、雲もないし、だけど、どこにもオレンジ色の夕日が見えない、不思議だな〜と思ったことが何度かあるんだけど、そうか! ちょうど、夕日を隠すくらいの建物に、うわ〜、ちょうどハマるっていうことが、あるのね。

なんだか嬉しい。私、知ってる。どこにも夕日は見えないけど、あのビルの後ろに隠れたの。その隣りのビルじゃなくて、あのビルの後ろなのよ。

太陽いわく「ちゃんとね、いろいろ決まりがあるの。私が動いてるっていう訳でもないんだけどね。」そうなのね。太陽じゃなくて地球にのって私が動いているのよね。でも、わからない。本当は知らない。そうなんだって本に書いてあったのを信じているだけ。だからきっと、シニフェな太陽が大切なんだと思います。

光る!星座板 星・月の動きそれから、この文章を書いて、「もう外はだいぶ暗くなっているのかしら?」と、窓から外を眺めると、もう星が出ている。晴れているせいか、大きい星が西の空に、いつもよりバッチリな存在感です。西南の空にも、ひとつ、大きいのがあるけど、名前はなんていうのかなぁ。ということで、ひさしぶりに「星座早見盤」という金属でできたお皿のような道具を取り出してきました。

これは、文章で説明するとなると難しいんですが、お皿のフチに目盛りのように並んだ日付に、時間の目盛りを合わせると、その時の星座が見られるという便利な道具です。みんな知ってるのかな。持ってる? 三省堂とかに売っています。
< http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gakusan/e-j/seiza_hayami.html
>

わからないわ。この道具によるとあの星は、やだ、わからない。そもそも、金星ってどれ? ネットで調べてみたら、日没後、3時間くらいは金星が見えるらしいんだけど。そういえば、明けの明星は見たことがあるけど、宵の明星は見たことがないかも?
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=21231418
>

金星って、月みたいに満ち欠けがあるんですって。知らなかったわ。金星は特別な星。ユダヤ密教カバラの生命の樹では、男女、左右などの二項対立のどちらにも属さず、まっすぐに神に通じる道に、ティフェレトは在る。「美」の星なのだわ! 英語ではヴィーナス。

柴田編集長に教えていただきました。「月と惑星は星々の間を動いているので星座早見盤には載っていない。」私、今まで何回も、いろんな星座早見盤で、もしかしたら、これには惑星も載ってるかもしれないとか期待して、やっぱり載っていない。どうしてなのかなぁと思っていました。

「来年7月、奄美大島で皆既日食が見られる。悪石島では、既継続時間が6分30秒という21世紀最大級の日食となるようだ。今日の朝のNHKでやっていたね。」というのも柴田さん情報。
< http://akusekiisland.web.fc2.com/page2/kaikinissyoku1.html
>
< http://www.f3.dion.ne.jp/%7Ep2k/eclipse2009.html
>

ダイヤモンドリングを見ることができたら素敵! こうやって、少しづつシニファンな太陽が、特別なシニフェな太陽になる。世界を手に入れるって、こういうことかもしれないと思います。

柴田さんによると「夕方西天に見える超あっかる〜い星が金星でしょう。宵の明星です。金星は一等星の170倍の明るさだからすぐわかるよ。」とのことなんだけど、肉眼では、同じくらいの明るい星がね、二つあるんだもの。

わお! ここで柴田編集長経由で、木曜日に連載の松林あつしさんからの情報が!「今の時期、日の沈んだ直後(薄明るい内)、西南西に見えるのは金星(宵の明星)で、その次に南南西に見え始めるのが木星です。どちらも、非常に明るく見えます。金星は6:30ごろ水平線に沈むので、もし、その星が7時頃に見えたとすると、それは木星だと思います。」とのこと。

松林さんは天体望遠鏡を持っていて、星について詳しい方なのです。うわぁ。金星と木星だったんだわ。なんだか嬉しい! そうかぁ。西南西と南南西、さすが松林さん! 大丈夫、私も方位磁石は持ってるの。天体シミュレーションソフトっていうのが、あるのね。欲しくなっちゃったなぁ。

私の秋は、こんな感じで、「秋だわぁ。」とか、それなりに楽しい感じです。柴田さん、松林さん、ありがとうございます。明日も晴れるといいですね!

そうだったわ! 銀座で人形と写真4人展「幻妖の棲む森」11月1日(土)までなの。見に行きたいなぁ。晴れたら、デパートの屋上とかで金星と木星を確認してみようかしら!

「幻妖の棲む森」
< http://www.vanilla-gallery.com/gallery/doll&p/doll&p.html
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会場:ヴァニラ画廊(東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビル4階)

【たかはし・りき/イラストレーター】riki@tc4.so-net.ne.jp

・高橋里季ホームページ
< http://www007.upp.so-net.ne.jp/RIKI/
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