[2532] ハイビジョンでゴジラ

投稿:  著者:  読了時間:23分(本文:約11,000文字)


<なにコレ東京?>

■装飾山イバラ道[24]
 ハイビジョンでゴジラ
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[3]
 初心者向けデジカメ入門:1 カメラを選ぶ《その2》
 一眼レフかコンデジか
 おかだよういち

■クリエイターのための自転車ライフ[3]
 仕事の移動に自転車を使ったっていいじゃないか
 須貝 弦

■デジクリトーク
 ワーキングプア出版
 白石 昇


■装飾山イバラ道[24]
ハイビジョンでゴジラ

武田瑛夢
< http://bn.dgcr.com/archives/20081111140400.html >
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ケーブルテレビのチャンネルの中でも、日本映画ばかりを放映しているのがその名も「日本映画専門チャンネル」。ここで10月から3か月に渡ってゴジラの全28作品を放送している。

チャンネル数が多いのがウリでもあるケーブルテレビでは、いつどこでおもしろい作品をやっているのか、発掘するのが大変。番組表の冊子もあるけれど、さほどマメでもないのでテレビ画面の番組表を横にスクロールして、目につくものだけ見る。

いつものように番組表をなにげなく見ていたら「昭和ゴジラシリーズ15作品予告篇集」というのをやっているのをみつけた。昭和の15作品分の公開当時の劇場予告編をまとめたもので、全部で45分くらいだし気軽に見てみた。東宝のキラキラ輝く文字で始まるあのゴジラ。大きな手書きの「公開迫る!」などの白い文字を重ねた、昔懐かしい雰囲気だ。

白黒作品は見たことがなかったけれど、見覚えのあるはずのカラーのモスラも、記憶にあるモスラとはなにか違う画面の雰囲気。なんでだろうと思って気がついたのは、これはハイビジョンだということ。子供の頃の小さいテレビの中のぼんやりしたモスラとは違う、鮮明でプリプリとした質感のモスラがくっきりと映っている。だから見たこともない感覚の映像だったのだ。

劇場版の予告編自体が貴重なものだし、それをハイビジョンで15作品分連続で見ると、時代の流れや作風の変化がわかってとても興奮した。28作品全部の本編を見るほどの熱烈なファンでもないし、時間もないけれど15作品の予告編集だけでもたっぷり楽しめた。

・日本映画専門チャンネル ゴジラ完全放送
< http://www.nihon-eiga.com/godzilla/index.html >

・ゴジラブログ
< http://hd-godzilla.cocolog-nifty.com/ >

作品数が多くて全部は見られないけれど、昔の映画をハイビジョンで見られるというのはとても価値があると思った。記憶の奥底にあったようなおぼろげなものが、一気にピントが合ってしまうのだから。撮影時のクオリティによっては精細さに限界があるけれど、見直すべきものがもっとあるに違いない。上記のサイトの「ハイビジョンプロジェクト」のコーナーを見ても、ハイビジョン化の苦労がわかる。オリジナルフィルムが劣化する前に、こうした処置をしておく価値は大きい。

本編作品は一番最初の1954年版「ゴジラ」を初めて見た。美大時代の友人から「とても怖い」と聞いていたけれど、白黒の色からくる心理的な暗いイメージもあって重々しい。黒々としたゴジラの吐く炎が白い。中盤からゴジラが町を攻撃し、人々が逃げるシーンが延々と続く。打つ手のない人間たちの姿が悲しい。一方的にやられるだけだし、ボロボロの町の中で母子が身を寄せ合うところなどは、何もそこまで悲しくしなくてもと思ってしまう。

しかし、少し長すぎるようなこの殺戮のシーンが、後でゴジラを攻撃する理由を見る側にしっかりと感じてもらうためだとわかる。生き物を攻撃するからには、よほどの理由が必要という日本人らしさが出ているのかもしれない。

ゴジラを倒す武器を使うラストシーンには、まるで「アルマゲドン」のようなドラマが用意されている。エアロスミスのあのテーマ曲が頭をめぐる。宝田明が昔の潜水服を着ていて、それが宇宙服と似ているからなおさらアルマゲドンとかぶるのかも。その他の初期のゴジラ作品とは一線を画す名ラストシーン。ゴジラシリーズをいろいろ見ても、この初代「ゴジラ」が格調高さもあるし、シンプルで一番好きだ。

ゴジラに出てくる人物はヒーロー、ヒロイン、博士などの他にその作品に応じて変わる数人の助演陣。いつも関心するのは、女優たちの美しさだ。アイドル風のヒロインに謎のクールな美女。今でも通用するようなメイクやおしゃれにびっくり。さすが東宝。

異国の皇女や金星人とか、かなり突飛な設定であっても日本人が演じていて十分に綺麗。エキゾチックという表現の範疇に入って見える(笑)。日本女性は黒髪のままでこんなに綺麗だったのだ。

ゴジラにはモスラ、ラドン、キングギドラなどの怪獣も出てくる。私はザ・ピーナツのかわいさもあってか、モスラが一番好きだった。今回の放送でも多くのモスラ作品がある。

モスラはチョココルネのパンに似ている。子供の頃はチョココルネを買ってもらうと、いつもモスラーと言いながらテーブルの上を這わせていた。今回ハイビジョンでモスラを見ると、やっぱりチョココルネに似ているのは確かだった。パンの焼きで膨らんだような丸みだもの。モスラパンという商品は簡単にできそうだ(おいしそうには見えないけれど)。

そして、モスラはかなり繊細に縦にうねって歩いていたのを発見した。しっかりと地面を捉えながら、前進するしくみは思ったよりもリアル。人が入っているゴジラと戦うサイズで作るのだから大変だったろうな。それにしても、戦うには不利なボディに見える。実際は、モスラが口から吐く糸の攻撃力のすごさに驚かされることが多いのだけれど。

大人になってからも、私は何度か映画館でゴジラやモスラの映画を見た。近所に前売り券を売っている所があったし、日本の誇る特撮映画だし。ハリウッド版も見たけれど、日本版のゴジラのデザインのままでなめらかに動くものが見たかった。巨大生物の破壊力を見せつけた「クローバーフィールド」の体感パニック映画のような世界を見てしまった今でも、あのゴジラの声と姿の魅力は別格なものに感じる。

・クローバーフィールド-HAKAISHA-
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001B9CMQE/ >

今の技術ならきっとものすごくかっこいいゴジラ映画ができるはずだけれど、怖さの基準が変わってきた今では、昔と同じテーマでは作れない。ゴジラに関しては、日米が同時に満足する姿というのはそもそもないのかもしれない。その大きさ、人間の敵か味方か、出現の理由、解決方法のどれを考えても、日本のファンの中でも意見は一致しないだろう。録画しておいた分のゴジラを見て、私の理想のゴジラを考えてみたい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
モンステラの水やりに便利なインジケーターを買う。鉢の中の水分量を色の表示で教えてくれる便利なもの。本当は土の色や植物の顔色でわかるようになればいいんだけど。

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/ >

「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/ >

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■おかだの光画部トーク[3]
初心者向けデジカメ入門:1 カメラを選ぶ《その2》
一眼レフかコンデジか

おかだよういち
< http://bn.dgcr.com/archives/20081111140300.html >
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前回は、「カメラを選ぶ時に何が撮りたいかを考えましょう。」という内容でした。撮影スタイルを考える事で、その人にとっての良いカメラが見えてきます。今回は、コンパクトデジカメとデジタル一眼レフの違いを挙げてみます。

まず一番大きな違いは、その大きさでしょう。一眼レフの大きなボディサイズは、重くて常に持ち歩いて撮影するには億劫になるなど使い勝手においてマイナスです。しかし、その大きなボディの中には大きなイメージセンサー(画像素子)が入っています。

デジタル一眼レフの普及機に搭載されているセンサーはAPS-Cというサイズで、大きさは23.4ミリ×16.7ミリ。これに対しコンパクトデジカメに多く使われている1/2.5インチサイズのセンサーは5.7ミリ×4.3ミリ。面積比で約15倍あります。

最近ではコンパクトデジカメの画素数もどんどん大きくなってきて、1,000万画素あたりは普通です。画素数を大きくすると売りやすいのか、コンパクトデジカメにそんな画素数必要なの? って思える程の1,470万画素なんてカメラも出てきています。

画素数だけをとって見てみると、一見一眼レフと変わらない気がしますが、同じ1,000万画素でも、一眼レフのそれとコンパクトデジカメのそれとは全く違います。それは先に挙げたセンサーのサイズ。小さなセンサーに1,000万画素を詰め込むと、ひとつひとつの素子が受ける光量も少なくなります。

晴れた日中の屋外など、充分に明るい場所で撮る場合はたいして問題ないのですが、暗い所でフラッシュ無しで撮る時などは影響が出てきます。暗いので感度を上げて撮る(ISO800とか1600とかに設定して撮影する)わけですが、センサーが受ける光量が少ないので、電気的に増幅するためにノイズが出てしまいます。暗い場所で、コンパクトデジカメや携帯を使って撮っても、なんだか満足いかない写真ばかりなのはこういう理由です。

センサーが大きいと、更に良い事があります。例えば、被写界深度を浅くして背景をボカしたい場合、同じ焦点距離、同じ絞り値だとセンサーが大きい方がボケ具合は大きくなります(被写界深度、焦点距離、絞り値などの写真用語については追ってご説明する回を設けますね)。写真から伝わる雰囲気とか、空気感とか、味みたいなものはボケ具合から感じる部分が大きいと思います。なので、大きなセンサーでいいボケ味の一眼レフで撮った写真がなんだかステキに感じるのは、これが理由のひとつかもしれません。

センサーのサイズだけではなく、写真を撮る上で最も重要な部分のひとつであるレンズが、圧倒的に大きいのが一眼レフの利点です。レンズを通った光が画像を描くわけですから、レンズの善し悪しがそのまま写真に影響します。小さなレンズより大きなレンズを通ってきた光の方がきれいだし、細部まで解像度が高い描写ができます。

では、コンパクトデジカメはダメなのかというとそうではありません。一眼レフにはない数多くの機能がたくさんあって、いろんなメーカーが特徴あるカメラを次々に出してきています。外見で言うと、おしゃれでカラフルなボディーだったり、カードサイズの薄いボディーだったり。防水機能でマリンスポーツなどでも安心して使える機種もあります。

2年程前から搭載され、話題を呼んだ"顔認識機能"も今では当たり前になってきていて、更にそれが進化しています。大人か子供かを自動的に判別して、笑顔になったらシャッターが切れる"スマイルシャッター"や、二人の距離が一定以上近づくとシャッターが切れる"恋するタイマー"。

更には、カメラがシミ・くすみの目立たない、ふんわり、なめらかな肌感へと仕上げ、明るい肌色に画像調整し、気になる小ジワもカバーし、透明感のある肌で、若々しく自然な印象にと"カメラが自動でお化粧"機能まで。とにかく誰もが極力失敗しないというコンセプトで作られています。

その他にも、動画に強いモデルや、blogに簡単にアップ出来るような機能、16:9や1:1など通常のプリントの比率ではないアスペクト比で撮れるものなど、魅力的なコンパクトデジカメが沢山あります。

カメラに慣れてない赤ちゃんや子供は、黒く大きな一眼レフを向けると怖がる事も多く、そんな場合は小さくてかわいく自動で顔にピントを合わせてくれるコンパクトデジカメの方が、笑顔のステキな写真が撮れるかもしれません。

一眼レフの方がもちろん画質がいいわけですが、写真は画質だけがすべてではないので、一眼レフを使えば誰でも必ず思った通りのいい写真が撮れるわけではありません。どちらが良いとか悪いとかではなく、できれば撮影状況によって使い分けるのがベストだと思います。

今月末にはインク不要で撮ったその場でプリントできる小さなプリンターと一体となったおもしろいトイカメラが、玩具メーカーのタカラトミーから発売されます。年末年始のパーティシーズンに人気者になれそうですね。
◎タカラトミー xiao(シャオ)
< http://www.takaratomy.co.jp/products/xiao/ >
< http://japanese.engadget.com/2008/11/06/xiao-zink/ >
< http://www.yodobashi.com/ec/product/100000001001061869/index.html >

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
年々紅葉が遅くなってる気がしますが、姫路近辺もうすぐようやく色付いてきそうな感じです。近隣でどこか撮りに行く時間が作れればいいなぁと思っております。
< http://s-style-arts.info/ > < mailto:okada@s-style-arts.com >

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■クリエイターのための自転車ライフ[3]
仕事の移動に自転車を使ったっていいじゃないか

須貝 弦
< http://bn.dgcr.com/archives/20081111140200.html >
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●場合によっては電車やバスより速い自転車

自転車通勤について触れた前回、終わりのほうに「自宅で仕事をされているフリーランスおよび自営業の方は、仕事の打ち合わせに出かけるときなどに、上記の手法を取り入れていただくとよろしいかと思います」と書きました。今回はその話を少しふくらませてみたいと思います。

そう、自転車を仕事の移動に使ったっていいと思うのです。よく考えてみてください。バイシクルメッセンジャーのみならず、郵便局、宅配便、ヤクルト、警察、そば屋、銀行……多くの事業所が、業務として自転車を使っているではありませんか。いや、ここに挙げたのはほとんど配達業なわけですけど、とはいえ、デザイナーのような人々が仕事の移動に自転車を使うのもアリなはずです。大手の制作会社や代理店では難しいかもしれませんが、小さなデザインオフィス、自営の会社等であれば、可能でしょう。

私が渋谷にある某編集プロダクションにいた頃(フリーランスで、机を借りていた状態ですが)、自転車通勤している編集者は、仕事の移動も自転車でこなしていました。そこで私が社長に「仕事の移動用に自転車を持ち込んでもいいか」と相談したところ、すんなりOKをいただいて、それ以来しばらく、渋谷を起点に自転車で移動していたことがあります。

大きなクライアントのひとつが初台にあったのですが、そこで毎週行われるミーティングなどは、決まって自転車で行っていました。渋谷といっても駅まで7〜8分かかる場所でして、そこから電車を乗り継いで初台に行ったり、もしくは路線バスで(これはこれでラクなのですが)初台まで行くことを考えると「っていうか、自転車でいいじゃん」という気になるんですよね。実際、調子良く走っていれば「路線バス+徒歩」や「電車+徒歩」に大きく差をつけられることはありません。打ち合わせから帰ってくるときなどは、自転車の私がオフィスに先着することもありました。

ひとつ難点を挙げるとすれば、出先で自転車をどこに置くかですが、可能なら事前に調べておくといいですね。「このビルには駐輪場がある」とか「○○駅の駐輪場から近い」とか、事前にわかっていれば安心です。そうでなければ路上に駐輪するしかありませんが、行政によって放置自転車禁止区域に指定されていないとしても、「ちょっと用事があるから」といって駐輪できる時間は、せいぜい一時間くらいじゃないかと思います。放置自転車禁止区域に指定されていれば、どこかに駐輪場があるはずですから、調べておきましょう。

クルマで移動するカメラマンさんが、駐車場を探すので四苦八苦するのと同じように、はじめて行く場所だと駐輪場所を探すのに四苦八苦してしまう場合があって、これはちょっと残念だなとは思います(自転車通勤を阻害する要因のひとつでもあります)。

それでも、パンク等のトラブルに見舞われることさえなければ、自転車はクルマよりよっぽど時間が読める移動手段です。心配性の人は(心配性の人が自転車で移動するかどうか疑問ではありますが)、フォールディングバイク、つまり折り畳み自転車を使ってみてはどうでしょう。自転車を収納するための袋を常に自転車にくくりつけておいて、何かトラブルがあったらサッサと収納してタクシーに乗ってしまうのです。この手法は自転車通勤にも活用できますね。

仕事の移動に自転車を利用する場合、とくにスポーツサイクルに乗る場合は、安全のためにもぜひヘルメットを使ってください。打ち合わせの場にヘルメット持参で登場すると「は?」って顔をされることがありますが(笑)、自転車で移動しているのだということが伝わると、意外と悪い印象にはならないものです。

【すがい・げん】< http://www.macforest.com/ >
一時期「置き自転車」というのを真剣に考えたことがある。小田急線の参宮橋駅近くに、首都高の高架下というすばらしい立地の無料駐輪場があるのだ。ここに、安くて丈夫なママチャリを置いて、都内の移動は自転車で済まそうというわけだ。良いアイディアだと思っているが、盗難のリスクを考えると実行できない。

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■デジクリトーク
ワーキングプア出版

白石 昇
< http://bn.dgcr.com/archives/20081111140100.html >
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白石昇です。こんにちは。ほとんどの人ははじめまして。

以前、デジクリに書かせていただいたときから実に一年半も経過しておりまして、デジタル技術は激しく進化を遂げ、日本社会も変容してしまいました。

思い起こせば、デジクリにはじめて掲載されたのが平成13年、あの当時はタイ王国サムットプラカーン県という場所にて書いておりましたのですが、あれから7年時は過ぎ、長崎→バンコク→長崎と移動しながらちょくちょくデジクリに書かせていただいたりしておったのです。

落ち着きのない人生で本当に申し訳ありません。そういった落ち着きのない流れをふまえたうえで、なぜかわたくしいま東京におります。2月下旬から住んでおりますのです。

いやあ、東京といえば変容した日本社会のど真ん中なので、さぞかし暮らしにくかろうと思っていたのです。わたくしみたいな大貧民はきっと大変な暮らしを強いられるのだろうと生活に追われて働けど働けど食べゆくのにギリギリなのだろうと。

ところがぎっちょん。

なにコレ東京?

わたくしが会社員として新橋の会社に毎日通っていた14年前時代に比べて、間違いなく物が安くなってるじゃあないですか? いつの間にこんなショップ99とか百円ショップとかドンキとか、なんですかこのデフレ絨毯爆撃は?

わたくしがタイに住んでた10年近くの間、東京で何が起こってたんですか!?まあしかし、過去を振り返っても仕方がありません。過去は過ぎ去った現在、未来はこれから現れる現在であります。それゆえに現在が一番大事なのです。現在中華思想なのであります。そのデフレな現在を楽しんでやろうではありませんか。

さらに現在の東京には、ゲストハウスという形式の賃貸物件が多数存在してます。条件さえ選ばなければ、三万円以下で一か月無線LAN完備の住処が簡単に確保できるのです。

ゲストハウス最新空室ニュース(メルマガ)
< http://archive.mag2.com/0000190268/index.html >

というわけで、現在わたくしは格安賃貸を確保しデフレの恩恵にあずかっているわけですが、賃貸には共同のキッチンなどもあるためにステキに自炊してたら一か月の生活費がなんと五万円未満(家賃含む)。ビバ東京。

もちろん、移動は自転車です。電車なんか一か月に一度乗るか乗らないかです。いや、だって東京自転車最強ですよ。長崎みたいに坂ないし。バンコクみたいに道がデコボコしてないし。

生活費が五万円程度で確保できるのですから、アルバイトも月10日くらいで十分いけます。それどころか貯金も出来ます。

さいわいわたくしが日本を留守にしているあいだに、日雇い派遣制度というなかなかステキな制度が出来たらしく、登録さえしておけば山ほど送られてくる仕事の案件から好きな仕事を選ぶことが出来ます。就労ビザがないと働けないバンコクや、車がないと通勤も困難な長崎とは大違いです。

で、この天国のような環境でわたくしが何をやっておりましたかというと、本を作っておりました。いや、こんなに東京が余裕なら一発印刷物作るのもいいかと思いまして。お友達にたのんだらDTPソフト入ってるパソコン貸してくれたので作ってみたのです。

それで印刷屋を探したのですがこれまたびっくり。東京って同人誌向けの印刷屋さんがいっぱいあるんですね。しかもそんなに高くない。これならちょっとお金ためて、1000部くらい自腹で刷ってISBN取得してアマゾンで売ってもけっこういけそう。

6年前に、わざわざバンコクの出版社で刷って空輸して送料とか関税にびくびくしてたころが懐かしいです。くそう、あのときにこの環境がそろってれば。

それで、ここまでいい環境が整っているので、とりあえずわたくしも小部数ながら500部ほど刷ってみました。ええ、過去は過去なのです悔やんでも仕方ないので、現在やれることをしっかりやってみるのです。

・ポプルス(今回お世話になった印刷所)
< http://www.inv.co.jp/%7Epopls/ >

表現を誰かに問うのであれば、東京ほど環境が整っている場所はないということをいまさらながら知りました。どんなに貧困でもちゃんと作品作れますからね。よくよく考えれば、路上ミュージシャンで無料のCD配ってる人なんか東京じゃめずらしくないし。

と、いうわけで今回作った印刷物に関する情報は以下です。
< http://d.hatena.ne.jp/whitestoner/20081108/r1 >

500部刷って総予算も10万円超えなかったし、これならお気軽に手が出せる金額です。せっかくなので、東京にいるうちにまだまだいろんなもの作ってみたいと思ってます。この環境を利用しない手はないですよホントに。

【しらいしのぼる】< http://d.hatena.ne.jp/whitestoner/ >

言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回日大文芸賞を受賞。訳書にノート=ウドム・テーパニット『エロ本』、『gu123』。

エロ本販売サイト
< http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpo.html >
報道実績
< http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpomedia.html#erhn-press >

・久しぶりの白石さん、掲載タイミングを逸してすみません。(柴田)

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■編集後記(11/11)

・娘に持って行かれてしまったiBOOKだが、Mailの不都合が続く。わたしのマシンだったからサポートしなくてはならぬ。これがめんどうだ。自分だってよくわからないのだから。まずは受信のみできなくなった。メッセージ受信後にメッセージのコピーをサーバから取り除く、という指定にチェックが入ってなかったので、サーバが満杯で受信できなくなったというお粗末。このときは、デスクのハマムラさんに教わってアッサリ解決した。先日は、重複メールがドカドカ届いた。わたしも時間をおいて2通のテストメールを送ってみたが、それぞれ10通、5通に増えきれいに並んで表示されていた。1通あたり5〜10倍に増えて受信だから、メールボックスには信じられぬ数のメールが続々到着。すわ、人民解放軍のサイバー攻撃か。相手を間違っておるぞ。ウイルスか。差出人はまともなものばかりだから、いたずらではない。Mailの環境設定を念入りに見てもおかしなところはない。そうこうするうちに、約12時間でこの症状は沈静化、元に戻った。プロバイダーのテクニカルサポートに電話したら、一種類の重複メールの中から3通、すべてのヘッダ情報をコピーしてメールして欲しいといわれて実行、その結果不審な点が見当たらないという。ようするに原因不明。またその症状が起きたらすぐプロバイダーに通知して、サーバをチェックしてもらうことになった。いったいなんだったのか。同時期に、携帯電話のカメラ画像が保存できなくなり、とうとう昨日は大型液晶テレビが映らなくなったという。うちの娘もマッ波体質? わたしは使っていないから、携帯電話や液晶テレビはサポートできるわけがない。(柴田)
※マッ波 まつむらまきおさんの身体から発する謎の怪電波の一種で、周囲の機械の調子を狂わせ、電化製品すべてが3年、5年しかもたないという。電車さえ遅らせることもあるという。……「MKチャット対談」のジョークのひとつ。

・自転車移動は快適であった。難点は汗。からいもの食べても汗が吹き出し、バレエでも一人だけ別のことをしているかのような大量の汗。この汗っかきに加えて、信号でひっかかるのが嫌。記録更新したくてタイムトライアルとかやっちゃう。化粧が落ちてしまい、服はぐしょぐしょ、顔真っ赤。それらを整えるのに時間と手間がかかる。スーツ移動はまず無理。汗さえなければなぁ。公道ではゆっくり走りましょう……。/CS4は12/19発売。(hammer.mule)