クリエイターのための自転車ライフ[3]仕事の移動に自転車を使ったっていいじゃないか/須貝 弦

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●場合によっては電車やバスより速い自転車

自転車通勤について触れた前回、終わりのほうに「自宅で仕事をされているフリーランスおよび自営業の方は、仕事の打ち合わせに出かけるときなどに、上記の手法を取り入れていただくとよろしいかと思います」と書きました。今回はその話を少しふくらませてみたいと思います。

そう、自転車を仕事の移動に使ったっていいと思うのです。よく考えてみてください。バイシクルメッセンジャーのみならず、郵便局、宅配便、ヤクルト、警察、そば屋、銀行……多くの事業所が、業務として自転車を使っているではありませんか。いや、ここに挙げたのはほとんど配達業なわけですけど、とはいえ、デザイナーのような人々が仕事の移動に自転車を使うのもアリなはずです。大手の制作会社や代理店では難しいかもしれませんが、小さなデザインオフィス、自営の会社等であれば、可能でしょう。

私が渋谷にある某編集プロダクションにいた頃(フリーランスで、机を借りていた状態ですが)、自転車通勤している編集者は、仕事の移動も自転車でこなしていました。そこで私が社長に「仕事の移動用に自転車を持ち込んでもいいか」と相談したところ、すんなりOKをいただいて、それ以来しばらく、渋谷を起点に自転車で移動していたことがあります。



大きなクライアントのひとつが初台にあったのですが、そこで毎週行われるミーティングなどは、決まって自転車で行っていました。渋谷といっても駅まで7〜8分かかる場所でして、そこから電車を乗り継いで初台に行ったり、もしくは路線バスで(これはこれでラクなのですが)初台まで行くことを考えると「っていうか、自転車でいいじゃん」という気になるんですよね。実際、調子良く走っていれば「路線バス+徒歩」や「電車+徒歩」に大きく差をつけられることはありません。打ち合わせから帰ってくるときなどは、自転車の私がオフィスに先着することもありました。

ひとつ難点を挙げるとすれば、出先で自転車をどこに置くかですが、可能なら事前に調べておくといいですね。「このビルには駐輪場がある」とか「○○駅の駐輪場から近い」とか、事前にわかっていれば安心です。そうでなければ路上に駐輪するしかありませんが、行政によって放置自転車禁止区域に指定されていないとしても、「ちょっと用事があるから」といって駐輪できる時間は、せいぜい一時間くらいじゃないかと思います。放置自転車禁止区域に指定されていれば、どこかに駐輪場があるはずですから、調べておきましょう。

クルマで移動するカメラマンさんが、駐車場を探すので四苦八苦するのと同じように、はじめて行く場所だと駐輪場所を探すのに四苦八苦してしまう場合があって、これはちょっと残念だなとは思います(自転車通勤を阻害する要因のひとつでもあります)。

それでも、パンク等のトラブルに見舞われることさえなければ、自転車はクルマよりよっぽど時間が読める移動手段です。心配性の人は(心配性の人が自転車で移動するかどうか疑問ではありますが)、フォールディングバイク、つまり折り畳み自転車を使ってみてはどうでしょう。自転車を収納するための袋を常に自転車にくくりつけておいて、何かトラブルがあったらサッサと収納してタクシーに乗ってしまうのです。この手法は自転車通勤にも活用できますね。

仕事の移動に自転車を利用する場合、とくにスポーツサイクルに乗る場合は、安全のためにもぜひヘルメットを使ってください。打ち合わせの場にヘルメット持参で登場すると「は?」って顔をされることがありますが(笑)、自転車で移動しているのだということが伝わると、意外と悪い印象にはならないものです。

【すがい・げん】< http://www.macforest.com/ >
一時期「置き自転車」というのを真剣に考えたことがある。小田急線の参宮橋駅近くに、首都高の高架下というすばらしい立地の無料駐輪場があるのだ。ここに、安くて丈夫なママチャリを置いて、都内の移動は自転車で済まそうというわけだ。良いアイディアだと思っているが、盗難のリスクを考えると実行できない。