装飾山イバラ道[27]年末年始らしく過ごしてみる/武田瑛夢

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昨年末にアメヤ横丁に行った。お正月の食材の買出しに多くの人が押しかけているのを覚悟で、その活気を見たくて夫婦ででかけた。クリスマスやお正月は自分でムードを作るよりも、ムードが出来上がっているところに行ってしまう方が手っ取り早い。築地かアメ横かと迷ったけれど、朝が早い築地と夕方の売り出しのアメ横とでは、私は時間的にアメ横派なのではないかと思った。

[ルートート] RT.MED.T-KEEP-ABARA ベージュ/レッド/グリーン 978702良いものがあったら買うつもりなので、お気に入りのROOTOTE(ルートート)のクーラーバッグを持って。大きいのに内側が銀色でしっかり保冷してくれる。
・ROOTOTE(ルートート)
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御徒町駅を降りると、もうすごい人で混雑していた。とりあえずメイン通りを人の流れのまま動いて、ライトで照らされながらカニを売っている人たちを見上げる。両サイドの店頭で海産物を売っている人たちは、なぜか天井スレスレの高さところにいる。手に大きなタラバガニの袋を持っての掛け声は、まるでクールポコのような威勢のよさだ。木の箱を積んだ上にいるから、お客さんより目線が高い。
・クールポコ
< http://www.watanabepro.co.jp/mypage/artist/coolpoko.html >

通りを進む最中も、人が多すぎて肝心の売り場の台の上はほとんど見られないような状況。これはもう、買う気で前に身を乗り出さないと、商品をよく見るのは無理だ。でもあまり積極的に動くと、売り場の人にガッチリ目をつけられて、目線を合わせて売り込みトークをされてしまう。売り手は買う人特有の動きを捉えるのも速いのだ。

高いところから声を掛けられてアピールされると、ステージ上に引っ張り出されたマジックショーの一般人のような気分になる。私のような小心者は、さりげなく見てるだけのようなフリで品定めをしなければ、マイペースを乱されてしまう。

大通りを二往復くらいすると、タラバガニやいくらや数の子の相場価格帯がだんだんと見えてくる。「こうなったらもうこのカニは2千円でいいよ!」「しょうがないから2個で4千円で!」だいたい前列に並んでいるタラバガニは一袋2千円以下にはならないらしかった。そういえばどの人も、今初めて値段を下げたような勢いで2千円! と叫んでいるのが楽しい。私たちがアメ横についた時間から帰る時間までずっとそんな感じだったけれど。

今のご時世、そうは簡単に値段は下がらない。私たちはあまり量を買わないので得するのはむずかしそうだった。高いものには高いなりの理由があるし、たくさん買う人ほどお得なのは当たり前だ。ブロックみたいに大きな冷凍マグロの切り身とか、1リットルの栗の甘露煮のビンに圧倒される。

結局、帰り際に身入りのよさそうな上段のカニを指差して、ちょっと高めに買っちゃったり、たらこやいくらなどの魚の卵系を買って花柄のクーラーバッグに押し込んで帰ってきた。

昨年は飾ることを楽しんだおせち料理作りだったけれど、今年は好きなものを少しだけ、おいしく食べられればいいというな家庭風のおせちになった。昨年にはなかった圧力鍋のおかげで、煮る時間を大幅に短縮できたし。圧力鍋はおっとりしてるのにせっかちな私には、なくてはならない道具だ。

おせちの手作りは栗きんとんと、黒豆。豚の角煮と焼豚も。黒豆はアメ横で買ってきた丹波黒(たんばぐろ)の豆。硬い豆を煮るのはじめてだったけれど、買ったからには煮ないといけなかった。今まで豆ってどうも手ごわくて、小豆など買っておいても、長いはずの賞味期限が切れるまで放置して慌ててしまうことがあったので。

黒豆と言えば煮豆の王様だ。もっと手軽で安い豆で練習しておけばと悔やんでももう遅い。今日はすでに1日だ。買ってしまった立派な丹波の黒豆を無事に煮豆にすることはできるのか。黒豆のレシピをWEBで検索すると、水や砂糖の他に「錆びたクギ数本」と必ず書いてある。鉄でできたものを入れるのはナスの発色をよくするように、黒豆にはあった方がいいらしい。

そんな食材以外のもの入れなきゃいけないとは、全然知らなかったので慌てる。もう夜だから買いにも行けない。しかも錆びてる状態では売っていないし。なしでも良いという心やさしいレシピもあったので、あっさりとクギなしでいく。でもまずは豆を一晩水につけなければならないらしい。

圧力鍋の力を借りて、翌日なんとか黒豆はそれらしく煮あがったけれど、やっぱりシワはよったし素材のよさを50%も引き出せていない気がする。いったん薄くなった黒い色をはっきりとした黒にするには、さらに1日そのまま茹で汁につけておくというので本当の完成は明日になるけれど、明日はもう3日だな。来年は黒豆を作るのは30日から始めないと。

今年は基本の蒲鉾や伊達巻を、ネットの通販で頼んでおいたので安心だった。買うのに絶対後回しになりがちで、去年は赤い蒲鉾を買えなかったので、紅白蒲鉾をしっかり予約しておいたのだ。食品もネットで注文できる時代に、空いた時間でアメ横に行くという矛盾。たぶんアレもコレも買う必要があったら、あの混雑の中では楽しめないので、本腰を入れすぎないで買出しに行ったのが良かったのかもしれない。

こうして今年もお正月が無事に終わった。前回のお正月よりもだいぶ食べ残しを少なくできたので良かった。正月の買出しがうまくいったかどうかは、一週間経ってはじめてわかる。今年は計画性を持って進んでいきたい年。今から今年のスケジュール帳の12月のところに、年賀状のデザインの締め切りと、黒豆作業開始のことを書き込んでおこうと思う。皆さん、今年もよろしくお願いします。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
家の観葉植物のモンステラに新しい葉っぱが増えた。大きい葉は35cm以上あるけれど、新しい葉っぱも既に30cm以上ある。折り畳み傘のように筒状に丸まったまま育っていたので、気づいた時にはもうかなりのサイズになっていた。画像はまた今度。
・装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/ >

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やさしいデザイン―誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
武田 瑛夢
エムディエヌコーポレーション 2007-09

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by G-Tools , 2009/01/13