[2572] トイレの水の流し方がわからない!?

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<まるでエイリアンの卵をみつけてしまった時のような>

■気になるデザイン[19]
 トイレの水の流し方がわからない!?
 津田淳子

■装飾山イバラ道[28]
 静かなる生命力──モンステラ
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[7]
 初心者向けデジカメ入門:1 カメラを選ぶ《その6》広角レンズ
 おかだよういち

■気になる記事CLIP


■気になるデザイン[19]
トイレの水の流し方がわからない!?

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20090127140400.html
>
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毎日寒い日が続きますねぇ。私は少しでも暖かい地でのびのび休日を過ごそうと、先週末は1泊で沖縄へ行って来た。まあ、本当は1月末で期限切れになってしまうJALのマイルを使おうにも、長い休みが取れないので、急遽行って来ただけなのですが……。もったいないなぁ。期限をちゃんと見ておくんだった。とほほ。

離島旅行が趣味なこともあって、空港を使うことはよくあるのですが、最近の空港のお手洗いって(空港以外の場所も、往々にしてそうですが)、お年寄りとか日本語の読めない外国人には、使い方がわからないのでは? と思ってしまう。

それは、お手洗いの水の流し方。那覇空港も羽田空港もそうですが、水を流すとき、レバーを踏んだり手で下ろしたりするのではなく、赤い小窓みたいなところに手を数秒かざすと水が流れるようになっている。

こんな方式は比較的目新しいものなので、使い方の説明がなされているのですが、ほとんどが日本語で「赤い部分に手を3秒かざすと水が流れます。再び流すときは、上部の緑色のランプが点灯してから行ってください」と書かれている。うーむ、水を流すのにこんなに説明がいるって、この水洗のデザイン、よくないんじゃない?

那覇空港では英語表記もなかったし、日本語が読めない人って、どうしてるんだろう? これって、何も説明がない状況で使い方を考えても、正解に辿り着くの、すごく難しいと思う。日本語が読める人だって、初めて使うときはちょっと時間がかかる。それは数秒かもしれないけど、なんだかなぁ。

手を触れずに水が流れる、ということで衛生面などでの利点があるんでしょうが、普通に足踏みレバーがついてる方が、わかりやすくないですか? まあ、海外での一般的な水洗機器がどのような形になっているのかあまりよくわからないので、日本の従来のものがいい! とは言い切れないですが、今まで海外に行って、水の流し方で迷ったことなんてないんだけどなぁ……。

あと、空港で思うことは、日本の空港自体も日本語が読めない人にはわかりにくいだろうなぁ、ということ。まあ、日本人は識字率が高いのであまり問題ではないのかもしれないけど、海外の人も多く使うわけだし、そのあたりもう少し考えられないもんでしょうか。

私はろくに外国語ができないのですが、以前、スイスに行ったとき、空港で何がどこにあるのか、アイコンを見るだけでかなりよくわかった。エレベーターとか両替所とか、わかりやすいものだけじゃなく、例えばコインロッカーでも、無人のコインロッカーと人がいるロビータイプのコインロッカーとの見分けも、アイコンを見るだけでできてしまうのだ。

まあ、単一言語の日本と違ってスイスは英語/フランス語/ドイツ語/ロマンシュ語の4言語が使われているので、文字での説明だとスペースを取りすぎてしまう、という背景もあるのだけれど、これだけ世界中の人が移動していることを考えると、そういう公共の場所では、日本ももっとわかりやすい表示にできるといいのに、と思うのだ。

お手洗いの水洗システムは、説明がないとわからないということだが、それよりもっと悪い(っていうと大袈裟だけど)のが、毎朝寄る九段下のスターバックスのドアノブ! ここは外から入るときはドアを引き、内から出るときはドアを押すようになっているのだが、どうもいつも外から入る時にドアを押してしまう。1年以上通っているのにもかかわらず!

私だけかと思ったら、いやいや、随分多くの人が間違って押していて、開かないので引く、という行動をとっている。勢いよく歩いて来てその勢いそのままに押してしまうということもあるんだろうけど、やっぱりこれはドアノブの形もわるいんじゃない? もっと「引きたくなる」ようなデザインにしてもらえれば、こんな間違い起こらないと思うんですが。

といっても、別に奇抜な形にしろとかいっているんじゃなくて、みんなが無意識に「これは手前に引くものなんだな」と思う形ってあるんと思うんです。難しいのかなぁ。件のスタバのトビラには「Pull」と「Push」と書かれてあるんですが、英語の苦手な私には、一瞬どっちが「押す」でどっちが「引く」だったかわからなくなっちゃうんですよね。両方「P」で始まってるし(って、バカですみません・苦笑)。

でも英語にかかわらず、エレベーターの「開」「閉」ボタンは、日本語で書かれてるけど、どっちがどっちか迷うことがよくあるなぁ。これって私の頭の回転が鈍くて、いつももアタフタしてるだけ!? うーむ、これは私の頭の問題なのか!?!?

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
旅行好きの私は、その副産物(?)として趣味としているのが、飛行機のエチケット袋を集めること。いやぁ、いろんなデザインがあって面白い。今100社130種類くらい集まったかしら。といっても、乗らない航空会社が多々あるので、みなさん、旅行に行った際にはぜひエチケット袋をもらってきて、私にめぐんでください!

箔押しのことを完全網羅した『デザインのひきだし6』発売中! 「箔押しのA to Z」「板紙の魅力」の2大特集はどちらも必見です。他に最近作った本は『ハニカムペーパー・クラフト』『標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
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■装飾山イバラ道[28]
静かなる生命力──モンステラ

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20090127140300.html
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昨年の10月に買って、35センチ大の葉っぱが3枚だけついていたうちのモンステラ。暖かくなったら葉も増えるかなと思っていたけれど、モンステラの成長は私の知らないところで着々と進んでいた。

・届いた頃のモンステラ
< http://www.eimu.com/dgcol/mon2 >

水をやるタイミングはインジケーターが知らせてくれるけれど、さすがにこれだけ大きい葉だと蒸散や乾燥も激しいので、水を葉に直接スプレーでふきかけても良いらしい。部屋の温度は冷え性の私向きに暖かめなので、観葉植物には合っているみたいだ。

モンステラはサトイモ科の植物で、土から出ている部分がボコボコとしている。そこから枝のように垂れ下がっているのは気根(きこん)というもので、本来生えているジャングルのような場所では、そばにある大きな木などにからんで安定させるためにあるようだ。鉢植えの場合は、そのまま放置しておいても良いみたいで、独特のワイルドな雰囲気はこの部分のおかげでもある。

ある時、一番上の葉が出ている茎の根元に新しい気根が出始めているのに気づいた。このモンステラが来てからの、はじめての大きな変化だったのでうれしくて写真を撮った。水をやってからだいぶ時間も経つのに、インジケーターの色に変化はない。鉢に残る水とわずかな肥料だけを栄養に、新しい気根はグングンのびて私たちを驚かせた。

・気根の成長
< http://www.eimu.com/dgcol/kikon2 >

別の日にふと鉢の向きを変えようとしていると、今度は新しい茎らしいものが上に生えているのをみつけた。しかもただの茎ではなくて、茎の先に巻き込まれた葉のようなものが堂々と頭のようについている。葉そのものがもう既に大きい。はじめて新葉の存在に気づいたにしては、大きすぎるその姿にびっくりした。正直「なんだこれ!」と。一番上の葉の茎の中から出てくる感じで、先が細くとがっていて緑色もフレッシュ。支え棒やワイヤーなどにまぎれて気が付かなかったのだ。

・新しい葉
< http://www.eimu.com/dgcol/newh2 >

まるでエイリアンの卵をみつけてしまった時のような、なんだか底知れぬ生命力に恐る恐る観察する。私は、モンステラの葉はもっと小さいハート型の葉が出てきて、光を受けながら大きく育つと思っていた。どうもそれは小さい鉢サイズ用の種類の違うモンステラの場合で、うちの「モンステラ・デリシオーサ」は大型なので成長が豪快みたい。葉のサイズが大きいのに、巻きの太さは細いので、ちゃんと中で葉として成長できているのだろうかと不思議でならない。

巻いた葉の長さは既に20センチはある。これはきっと、蝶がサナギの中で立派な羽根を作るようなものらしい。私たちが気根の成長に気をとられていた時に、新しい葉も作っていたなんてすごい生命力。

こんな折り畳み傘のような葉が、どんな風に開くのか楽しみになってくる。モンステラは下から順に葉がつくので、一番上の葉は一番若いお兄ちゃんの葉ということになる。きっと新葉はこの高さを超えてくるだろう。待つまでもなく、あっという間に一番高いところに葉が出るくらいになった。自然の環境なら風が吹いたりして、重なりに変化があるだろうけれど、リビングは無風で上の葉につっかえていたので、私が葉を上にひっぱり出してやることにした。

・とうとう一番上に顔を出した新葉
< http://www.eimu.com/dgcol/newh4 >

最初にみつけてから、ここまで数週間しか経っていない。こうなると葉そのものを成長させても問題ないらしく、葉が開き始めた。蝶のように数時間ではなく、何日もかけてだんだんと巻きが広がっていくのがかわいい。

・巻きがほどけてきた新葉
< http://www.eimu.com/dgcol/newh6 >

年が明けてすっかり葉も安定して緑色が濃くなり、やわらかかった質感も少しはハリがでてきた。縦の長さが30センチ以上はある。それにしてもこれだけの大きさの葉がちょっと前にはなかったとは信じられない。

・すっかり広がった新葉
< http://www.eimu.com/dgcol/newh8 >

まだまだ他のお兄ちゃんの葉のような威厳はないけれど、きっとすぐに立派になる。この新葉にももう既に気根が出てきたので、次の新葉が出てくる時は見逃さないようにしなければ。茎に巻き込まれるようにして抱かれている、葉の元となるものがあるのでまだまだ増えるだろう。

元々は中南米原産で鹿児島育ちのモンステラが、東京の我が家のリビングで着々と育つのはなんとも不思議。以前見た、もし人間が都会からいなくなったら町がどうなるかというTVでは、植物がはびこってあっという間に建造物を破壊して埋め尽くしていた。雨さえ降ればほぼ大丈夫だというのは何とも強い。

植物の適応力は生命の基本だけれど、その美しさが人に求められる力になっているからここにある。やはり美は生命の武器だ。今うちのリビングで一番生命力があるのはこのモンステラかもしれない。人間の方がシオシオしている。春夏のモンステラのオンシーズンは、もっと元気なのだろうか。負けないようにせねば。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
iPhoneの表面が鏡としても使えるミラーシールを貼った。使う時は光るのでアプリも見えるはずだけれど、どうも映り込みが激しくて、いつも自分の顔が表面にうっすらと見える。映り込みにくいミラーシールはないものかと矛盾に苦しむ。
・装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

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■おかだの光画部トーク[7]
初心者向けデジカメ入門:1 カメラを選ぶ《その6》広角レンズ

おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20090127140200.html
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さて、前回は標準ズームを使いこみ、望遠ズームを買い足し、かなり近くから遠くまで広範囲の被写体を撮れるようになりました。しばらくそんな構成で使っていると、更なる欲望が湧いてくる事になります。

例えば、室内の限られたスペースでの記念撮影的な集合写真を撮る時、後ろの壁ギリギリまで下っても全員が入りきらず、左右の人が切れてしまう事があります。また、観光地や都心の風景を撮影する時などでも、もっと全体を写し込みたいのに一画面に入りきらない事もあります。

そんな時に活躍するのが広角レンズ。前々回にオススメした標準ズームは、焦点距離17-50mm(35mmフルサイズ換算で約25-75mm)だったので、広角側の17mm(約25mm)は既に広角レンズなのですが、最近は更に広範囲をカバーする超広角レンズも色々出ています。

・タムロン SP AF11-18mm F/4.5-5.6 DiII
< http://www.tamron.co.jp/lineup/a13/index.html
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・トキナー AT-X 107 DX Fish Eye 10-17mm F3.5-4.5
< http://www.tokina.co.jp/atx/atx107dx.html
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・シグマ 10-20mm F4-5.6 EX DC/HSM
< http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/10_20_4_56.htm
>

などがそうです。もちろん、ニコンやペンタックスやキヤノンなどから純正の超広角ズームもラインナップされています。

人間の目で、普段見慣れた範囲より遥かに広範囲を写し込む超広角レンズ。カメラに装着してファインダーを覗くと、肉眼で見る風景とのギャップに最初はびっくりします。縦位置で正面に構えて自分の靴が見えてたり、横位置で正面に構えて、自分のほぼ隣に居る人が見えたりと、草食動物や魚が見てるのは、きっとこんな風景なのかと想像してしまいそうです。超広角は、最終的に全周囲を写し込む魚眼レンズ(Fish Eye)と呼ばれるレンズになり、まさしく魚の目で見た感じなのでしょう。

ただ、実際に超広角レンズを使って撮影するとなると、結構難しいので注意が必要です。同じ大きさの中に、実際は物凄く広範囲の風景を無理やり写し込むわけですから、肉眼で見る実際の物よりかなり歪みます。

画面の中心はそんなに気にならないのですが、端に行くほど大きく歪んでしまいます。水平線や地平線も、カメラの構え方ひとつで湾曲して写ります。水平・垂直のラインが歪むと気持ち悪く感じる風景や建築物などの場合は、とにかく水平に構える事を心がけないといけません。歪む事を逆手にとって、わざとダイナミックな構図にする場合もありますが、それも時と場合によりけりです。

そして、全体が入らないからと、安易に広角レンズを使って集合写真を撮ると端っこに居る人物の顔も容赦なく歪んでしまいますので要注意です。また、普段以上に隅々まで気を配らないと、広範囲が写る事で、写らなくてもいいものまで画面に入ってしまっていたという失敗も出てきます(後で、Photoshopでトリミングすればいいのかもしれませんが……)

広角レンズはしっかり構図を考えて撮らないと、絵が散漫になり、何を見せたいのかがよくわからない写真になりがちです。ちゃんと主題をはっきりとさせて構図を決めないと、たくさん撮って後から見てもどれもパッとしない感じになってしまいます。

広角レンズは被写界深度が深いため、手前から奥までピントが合うので、思いっきり被写体に近づいて主題を大きく入れ、背景を広範囲写すなどの工夫をすると、遠近感が誇張されて普段とは違った面白い写真が撮れます。ペットの鼻先に思いっきり近づいて撮ると、ちょっと前に流行った鼻が大きく可愛い顔でシッポまで全体が写った、鼻デカ犬のような写真も撮れます(ペットのよだれでレンズが大変な事になるので注意)。

ちょっと広い範囲を撮るだけでなく、普通とは違った面白い写真が撮れる広角レンズ・超広角レンズを一本加えると、一眼レフの楽しみが更に増えます。使いどころが難しいですが、挑戦してみてはいかがでしょうか。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
今週は Adobe MAX と F-site で久々に東京に行きます。行かれる方、会場で見かけたら声かけてくださいね!
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >

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■気になる記事CLIP
< https://bn.dgcr.com/archives/20090127140100.html
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●切り貼りデジカメ実験室【第7回】ジャンクカメラで作るレンズバリア内蔵キャップ(デジカメWatch)
< http://dc.watch.impress.co.jp/cda/labo/2009/01/26/10058.html
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●国内未発売の「サイバーショットDSC-T500」を買ってみた 〜薄型ボディにH.264の720p記録機能を搭載(デジカメWatch)
< http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2009/01/26/10064.html
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●最強カメラEXILIMケータイW63CAの真価とは(ASCII.jp)
< http://ascii.jp/elem/000/000/207/207405/
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●オバマ大統領就任式を"コミュニティ・ビュー"で振り返るPhotosynthの3D世界(マイコミジャーナル)
< http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/01/21/inauguration/
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●【試乗レポート】電動スクーターに乗ってみた、エコで静かだがネックは価格(nikkei TRENDY net)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090126/1023084/
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●ポメラみたいにカバンに──職人が作った折りたたみギター(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0901/23/news110.html
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●ポスト・イットとボールペン、蛍光ペンが1つに──「ポスト・イット フラッグペン」(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0901/26/news045.html
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●日本人は「日本のケータイ」の価値を理解しているのか?
(nikkei TRENDY net)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090115/1022805/
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●画像ギャラリーを作る際に使えるFlashやJavaScriptを活用したライブラリ&サンプル集(phpspot開発日誌)
< http://phpspot.org/blog/archives/2009/01/flashjavascript_4.html
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■編集後記(1/27)

覇王の番人 上・真保裕一「覇王の番人」(講談社、2008)を読む。上下2巻の長編である。主役は明智光秀だが、配下の忍び・小平太も主役級なのが、信長・光秀が登場する数多くの小説の中では新味。譜代の家臣でもない光秀が重臣にとりたてられたわけは、忍びによる多くの語れぬ手柄があったから、という設定はおもしろい。それにしても、上司にしたくない歴史上の人物トップは信長だ。信長の指図には多くの思惑が隠され、その意を汲み取れた者だけが重用されていく。そして、何があろうと必ず恨みを晴らす。恩や情けなどは無縁のまさに人でない外道のふるまいの数々。光秀は信長の天下布武のために邁進するが、このままでは静謐なる天下はほど遠く血みどろの乱世が続くのは必定と悩む。ならば為すべきことはひとつ。しかもまさに千載一遇。巷でささやかれている、光秀の私憤が高じての謀反ではない。光秀は天下万民のため、世の平穏をなによりも願っている。筆者は「光秀こそが、実は戦国時代を終わらせた真の武将である」と確信したという。光秀ファンとしてはじつに満足すべき展開である(後にちゃんと天海僧正になっているし…)。憎むべきは、その後も首尾一貫、裏切りと内応をくりかえすことになるあの親子。しかし、その男の動機はよく理解できる。これで光秀を誅殺に走らせたのは誰か、という謎が解明した。また、当時の勢力地図や信長が目指した世界などにも詳しく、わたしにとって新しい知識が増えた。歴史は常に勝者によって描かれる。光秀は勝者秀吉を賞賛するためだけの人物として扱われ、事実がねじ曲げられ不当に貶められていった。そして日本も、戦後63年を経てもなお勝者が描いた「日本を断罪する歴史観」に呪縛されているのである。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062149605/dgcrcom-22/
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・去年の話。バレエの先生方がご出演されるというので、クリスマスディナーショーに行って来た。200人以上集まっていたようだ。ディナーショーなるものに行くのは初めて。ピアノ、ヴァイオリン、男役3人、娘役1人で行われ、歌あり踊りありで楽しかった。この時に活躍したのがリコーR10。デジイチを出すのはためらわれる雰囲気の中、R10の7倍ズームや撮影モードが大活躍。画面いっぱいの笑顔が撮影できちゃうのはいいわ。出されたケーキをマクロ撮影したりも。撮影したものはiPhotoに取り込んで、思いつきからブック作成。ドラッグ&ドロップで写真を配置し、トリミングや画質調整までできちゃう。あ〜らくちん。なのに見栄えがいい。PDF保存して、ちょこっと修正かけて、家のプリンターではがきサイズに出力。一番大変なのは簡易製本(といっても、糊付やカッティング程度)。当日来れなかった人には、A4一枚を折り畳んで本にしたバージョンを用意する予定。(hammer.mule)
< http://www.apple.com/jp/ilife/iphoto/print-products.html
>
チュートリアルムービーを、先に見ておけば良かった〜
< http://www.alpslab.jp/2007/04/alpslab_print.html
> A4から