グラフィック薄氷大魔王[166]「Evernote」を使ってみた/吉井 宏

投稿:  著者:  読了時間:5分(本文:約2,400文字)


この原稿、ずいぶん書いちゃってから、MKチャット対談で詳しく紹介されてることに気がつきました。スイマセン、ちゃんと読んでませんでした。もうこのまま書いちゃう。DropBoxの時と同じくアンサーコラム(?)、まつむらさんおすすめのサービスにハマる吉井、です。
< http://bn.dgcr.com/archives/20081015140100.html >

開発終了してしまったGoogleノートブックの、代わりになるものを探してて見つけた「Evernote」を先週から使い始めました。とても便利です。DropBoxと併せて使えば、保存やバックアップに悩まされず、マシンにも縛られない快適パソコンライフを送れるようになるぞ〜。

EvernoteのCEOのPhil Libin氏は「Evernoteの本旨は外部に脳を持つこと」と言っているそうだ。WIRED VISIONによれば、「ユーザーの人生を構成するすべての知識を網羅したデータベース それが『EverNote』の目指すものだ。」とのこと(Evernoteの評判は検索するといっぱい出てきますので、調べてみてください。MKチャット対談でも魅力が網羅されてます)。



テキストや画像やウェブの切り抜きなど、何でもかんでもEvernoteで書いたり放り込む習慣をつければ、個人の知的活動(知的じゃなくても)の集積が出来上がっていく感じかな。

ショートカットキーを使えば、スクリーンショットやコピーしたもの(クリップボード)が、瞬時にデスクトップ版Evernoteの項目としてエントリーされ、Webにも上がる。前回、メモのタイトルをつけなきゃならなくて面倒と書きましたが、クリップボードから作成されたエントリーは、自動的にコピー元のファイル名や一行目がタイトルになります。メモ的な使い方をするとき便利。自動保存されないのがイマイチとも書きましたが、瞬時ではないけど自動的に保存されます。

Mac用デスクトップ版Evernoteは、横に三分割されたインターフェイスが少々使いにくいなと思ってたのですが、メールソフト風に「上に項目、下に本文、左にタグ集」という構成に変えてみたら、印象が一変。これは、自分の外部脳とコミュニケーションするためのメールソフトだ!

PCにもデスクトップ版をインストールしてみて驚いた。手書きノート機能があるじゃないですか! 絵やメモがペンタブレットで書けます(Mac版には未搭載で「Coming soon」となっています)。こりゃ、タブレットPCかタッチパネル付きのネットブックがほしくなるなあ。

もうひとつビックリしたのが文字認識機能。スクリーンショットでも写真でも、写ってる文字を認識していて、検索すると画像の中の文字がハイライトされる。手書きメモの文字も認識されてる。先日、Adobe Acrobatにこの機能があることを知って衝撃を受けたばかりです。世の中はどんどん進んでるなあ。

まつむらさんも書いてるように、後で検索できるようにしておくために、Evernoteを使うって姿勢もアリですね。たとえば、名刺をもらっていちいち住所録に打ち込まなくても、iSightやデジカメやスキャナでまとめてEvernoteに放り込んでおけば、検索できてしまうという具合(ただし、現時点ではEvernoteの文字認識は日本語未対応)。そのための超便利機能も搭載されてます。iSight Noteボタンを押すとMacのカメラで撮影でき、画像が貼られたエントリーが作成されます。

手書きメモ機能と組み合わせて使うとすれば、犬を描いたら「dog」、女の子の絵なら「girl」とスケッチの近くに字を書いておけば、入り組んだグチャグチャのスケッチを何百枚描いたとしても、検索で瞬時に目的の絵が見つかるわけだ。手書きメモ機能でなくて、スキャンしたりPhotoshopで描いたスケッチでも使える。

今すぐ役立つ機能で気に入ったのがチェックボックス。Mail.appのメモ機能にもチェックボックスがあるのだが、シンクが不完全だった。Evernoteのチェックボックスは、もちろんちゃんとシンクできる。仕事の進行表みたいのを作って、チェックしながら進めるときとても便利。

iPhoneやWindows Mobile用のアプリも用意されてます。iPod touchにインストールしてみました。パソコン版と同じく、iPod touchにサーバーから内容が読み込まれ、編集すれば同期されます。MobileMeを「オフライン前提のサービスは、すべてがオンラインになる前の発展途上の徒花」呼ばわりした僕としても、オフラインでも中身が見れるのは便利であります。

ようやく、出かける前の忙しい時に地図や資料をプリントする作業から完全に解放されそう(残念ながら、デバイス上のEvernoteで一度も表示したことのないメモはオフラインの時に開けないようなので注意。iPhone/iPod touchのメールと同じ仕組みのようです)。

まだそれほど突っ込んだ使い方をしているわけじゃないので、これからいろんな便利なことを見つけてびっくりすることになるんだろうな。

【吉井 宏/イラストレーター】hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

Googleの各種サービスにも密かにそれを期待してたんだけど、Evernoteにも力をつけてもらって「永遠」を勝ち取ってほしいぞ。というのは、「デジタルによる個人の全記録」を死後も永遠に保存して全人類の財産としてほしい、のです。すでに、パソコンやWebを活用していた人で亡くなった人も多いと思う。使ってたパソコンは、その人の全てが詰まったハードディスクは、その後いったいどういう処理がされているんだろう? 粗大ゴミとして出されちゃうんだろうか? ……すごい心配なのです。