ネタを訪ねて三万歩[48]ITの30年と年末年始のシステム変更騒動
── 海津ヨシノリ ──

投稿:  著者:


2009年に入って初めてのコラムです。今年も毎月1回の「ゆる〜い」話にお付き合いください。ところで私はこの30年ほどは、不思議なことに5年ごとに大きな変化が訪れていました。あまりこの手の結果論は気にしないのですが、それがこれからも続くとすれば、次の変化は2010年となります。つまり、私にとって2009年は変化に対する助走の年といったところなのかもしれません。

●ITの30年

毎年届くある恩師の年賀状は、その年を基準に100年単位で過去に何が起こっていたかを記載するという趣向になっており、毎年たのしみにしているのですが、10年単位で少しだけそれをパクってみました。ただし、一応「IT」がらみのネタということになると、それほど遡れません。というより、1969年の「IT」ネタを発見できずに1979年のネタでストップしてしまいました。結果的に、30年しか遡れませんでした。

SONY AIBO(ERS-311B/C)まず、10年前の1999年にはソニーがロボット犬『AIBO』の発売を開始しています。発売当時のAIBOは購入のタイミングを逃してしまったので、友人から借りたりして2代目に期待を寄せていましたが、いつの間にか熱は冷めてしまい、結局購入するに至りませんでした。犬じゃなくて猫だったらというわけでもありません。もともと犬好きですから。



要するに、極端な話、ペットはオモチャではないという点が引っかかっていたわけです。オモチャ的な感覚で動物を飼うから、あっさり捨ててしまうのでしょう。ニュースには取り上げられることはほとんどありませんが、不景気の影響で恐るべき数の犬や猫が壊れたオモチャのごとく保健所で処分されているそうです。かつて猫も犬も飼った経験のある私には、耐えられない現実です。

次に、20年前の1989年には富士通がFM TOWNSを発表しています。当時はセンセーショナルな登場と、そのデザインで購買意欲は高まりましたが、結局購入せずに白日夢のような感じで私の意識から消えてしまったことを思い出しました。ほんのちょっとしたタイミングのズレが、逆方向に働いていたら購入していたと思います。少なくとも、当時の私は富士通のパソコンを5台も連続して使い続けていたわけですから、いつ購入してもおかしくはなかったわけです。そして、もし購入していたら、その後の私の行動はかなり違ったことになっていたかもしれません。もちろん「もし」を考えるのは反則ですけれど。

更に、30年前の1979年にはソニーがヘッドホンステレオ『ウォークマン』を発売しています。実はこのウォークマンを、私は発売20年後の1999年頃に初めて購入しました。かなり薄型になった末期の型です。20年間もどうしてガマンしていたのかと突っ込まれそうですが、他社の類似品を使っていたのです。今のiPodに相当する当時のウォークマンは爆発的に売れていましたが、どうもシックリこなかったのです。いつの時代も、流行の主力製品が完全無欠であるわけではありませんからね。また、性能もそれほど比較したりはしませんでした。私は単にデザインの趣向だけで選んでいたようです。

そんな事を思い出しつつ、もうそんなに時間が経過しているのかという驚きの方が先に立ってしまいました。逆に、今年はどんな「凄いモノ」がリリースされるのだろうかという期待がかなり高まってきましたが、かつてのように新しいものに対してワクワク感が薄れているような気がしています。私自身が麻痺してしまったのか、あるいはそれほど凄いモノが出ていないのか、どちらなんでしょうね。

●年末年始のシステム変更騒動

さて、年末年始の私は、昨年とは違う意味でパニックでした。まず年明け早々にAdobe CS2 for Windowsでのセミナーが控えており、そのレジュメ作成をMacBookProにインストールしたWindowsXP上で処理していたのですが、急遽RAID用にゲットした2TBのハードディスクの使用レポートという仕事が入り、一気にTigerシステムであったMacBookProをLeopardにしなくてはならない状況になりました。そのため、タイミングもよいのでハードディスクを容量の大きいモノに変換することも予定していました。

とにかく、Adobe CS2 for Windowsでの処理が最優先のため、ギリギリまで徹夜を繰り返し、ある程度片が付いたところでAdobe CS2 for Windowsの処理は中断。あとは、一気にハードディスク交換とLeopardのインストールだけ。これはトラブルもなく対処出来たのですが、もうひとつ予定していたAdobe CS4(アップデート版)が待てど暮らせど届かず、焦り始めてしまいました。結局、Photoshop CS4の紹介を予定していた1月12日のApple Store Ginzaは、体験版をダウンロードして使うと決断したのが12月29日。早々にPhotoshop CS4の体験版をダウンロードしました。

なんだかよくわからないけど間抜けな私……と開き直ったら、翌30日にあっさりCS4が届きました。当然予定は壊滅状態となり、年末年始は悪夢のパソコン漬けとなってしまいました。Windows版とMacintosh版の両方を同時に申し込んだことで混乱したのだろうかとも考えたのですが、こればかりは考えたからって、今更時間が戻るわけではありませんからね。とにかく、使う前から思いっきりケチがついてしまったCS4が届いたのですから。

しかし、限定3,000個のミントケースは趣味の悪いジョークですね。Windows版とMacintosh版で2つも付いてきたのですが、私はちっとも嬉しくありませんでした。

------------------------------------------------------------
あおい輝彦アンソロジー1966-1980今月のお気に入りミュージックと映画
"あなただけを" by あおい輝彦 in 1976
------------------------------------------------------------
"Dirty Harry" by Donald Siegel in 1971 (USA)
------------------------------------------------------------
■アップルストア銀座のセッション:2月16日(月)19時より
Made on a Macとして画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol.31』 Adobe CS4による画像処理テクニック/中編』Adobe Illustrator CS4の可能性として、リリースされたばかりのAdobe Illustrator CS4に搭載された新機能の検証と、それらの可能性を独自の視点で整理いたします。予約無用・参加無料・退席自由ですので、気軽に参加してください。
------------------------------------------------------------

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター

●天地人〜仕事人

天地人 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ストーリー)今年のNHK大河ドラマは、上杉景勝に仕えた直江兼続。重臣という括りで選ぶと、伊達政宗に仕えた片倉景綱の次に好きな武将なので、今年は随分と楽しめそうです。2008年の篤姫もそれなりに楽しめましたが、幕末と異なり誰もが天下を狙っていた戦国時代は、色々な角度から見つめ直せば数百の物語と解釈が生まれることに気がつき、高校生の頃から熱中していました。実は、15年ほど前にかなりの蔵書を処分したのです。仕事に関係ない趣味と割り切って封印したわけですが、数年後に激しく後悔したのは確かです。

ところで、初回冒頭シーンで、上杉輝虎(謙信)に敵対したことのある長尾政景を粛清するため、永禄7年(1564年)、坂戸城近くの野尻池で政景に抱きつき、そのまま湖底に沈んで溺死した宇佐美定満の件が説明不足でしたね。上杉謙信ぐらいしか知らない人にとっては、訳が分からなかったかもしれません。そして、この騒動には、酒に酔っていたため溺死したという説もあり真偽は不明なのですが、刀傷があったことから事故ではなかったようです。

ちなみに、2007年の大河ドラマ「風林火山」では緒形拳が宇佐美定満を演じていました。当然、一世代前の時代を描いていましたので直江兼続は出ていませんが、2002年の「利家とまつ」では鈴木綜馬が演じています。なお、「天地人」にて宍戸錠が演じている直江景綱を、1988年の「武田信玄」では宇津井健(今回は前田利家役)が演じていました。また、愛の字の兜は、直江景綱も着用していたようです。

それと、今年は「必殺仕事人」がレギュラー番組として17年ぶりに帰って来ました。私はこれが大好きで、再放送は必ず見るようにしています。さすがに中村主水は年を取りすぎてしまいましたが、お約束のキャラクターですからね。しかし、特番でレギュラーだと思っていた玉櫛が殺されてしまったのはショックでした。

そんなわけで、ほとんどテレビを見なくなってしまった私にとって、今年は少し生活習慣が変わってしまうかもしれません。実はそれとは別に『ハイビジョンDVDレコーダーVHSビデオ&HDD250GB』を買ってしまいました。授業で使う資料の整理や、情報収集に必要になってしまったからです。2台目となってしまったのは、現在利用しているレコーダーでは裏番組録画が出来ないからなのです。出来ると思い込んで買った、私のミスでした。

yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com
>
< http://kaizu-blog.blogspot.com
>
< http://web.mac.com/kaizu
>