電子浮世絵版画家の東西見聞録[62]"Yes You can."/見たこともないブルーチーズケーキ
── HAL_ ──

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●TV朝日「BROSTA TV」で話しながら絵を描く

先日Painterで絵を描く姿を収録という事で、横浜は桜木町、ランドマークタワーにあるCOREL Japanの会議室に行ってきました。この会議室は長机が3台ずつ、向かい合わせに6台がつながり、プロジェクター用のスクリーンやテレビなどの機材が、会議用として使いやすいようにセットされている部屋です。

撮影前の打ち合わせのため、会議室を離れ別の部屋へ移動し、今日の撮影の内容確認をして会議室に戻ってみると、Painter作業用のテーブルが1台、撮影用にセッティングされ、それを囲むように四方から照明、そしてビデオカメラとモニターがセットされて、まるで元から撮影スタジオであるかのような変貌をとげていました。

そのテーブルに自分のマシンをセットし、タブレットを調整していると、真夏に複数の太陽にあたっているかのように、額に汗がにじんできます。空調は全館が集中コントロールされているため、この部屋だけに冷房を入れる事は出来ないそうで、飲むための水はいただいたものの、口にも含まずそのまま撮影開始です。

今回の番組は、前半と後半に分かれた二部構成で、各部の始まりと終わりに、プロデューサーの作ったひと言を入れます。「適当にアレンジして自分の言葉に置き換えて下さい」と言われたものの、元の言葉自体が頭に入らない。「なんと、粗末な頭よ!」と思いながらも、声を発していかなければならない。そうなると、言葉に詰まるのは当然。私の場合はろれつが回らなくなる。いわゆる噛み噛みの状態です。

それでも序盤はどうにかやり過ごしましたが、話しながら絵を描くというのは普段とは全く違う状態です。私の作品制作は、キャンバスとの対話が必要になりますが、口に出してしゃべるわけではありません。いざ撮影に入ると、口と手だけは動いてくれるのですが描くべき対象物がキャンバスに見えてきません。想像力のチャンネルが働かないのです。



●脳は口ほどに動かない

「絵を描くという事は、キャンバスの中に対象物を見出す事です」などと話をしているのですが、言っている私自身、何も見出せないのです。撮影に長い時間をかけられないという事も、発想の障害になってしまいます。しかし、ゆったり時間がとれればよいというものでもなく、手は動いているものの、口の方に全神経が集中し、創造的な目が開いてこないのです。しかし、そのまま前半の最後のシメの言葉に入ってしまいました。

シメの言葉、これがまた妙に緊張するもので、なんと5テイク。よくテレビで見る芸能人のNG集が頭にちらつきます。プロデューサーは「この程度ならいい方ですよ」と言うのですが、我が身は縮こまるばかり。この時ばかりは、長身の私の身長は10センチは小さくなっていたでしょう。第一部終了後は、サポートの人が汗を拭いて下さいとティッシュを持ってきてくれます。まるでタレントさんのような扱いに満足している間もなく、そのまま後半に突入です。

やはり、序盤で定型文が上手く言えず、見えてこないキャンバス面に無理矢理絵を描いていきます。まあ、ここら辺はZietZライブで修練している即興的なお絵かき。でも、「話をしながら」は妙におかしいのです。そして、シメの言葉は「Yes You Can.」です。そうです、あのオバマ大統領の「Yes We Can.」をもじった言葉。我が口からそんな言葉が発せられるのはなんともこそばゆい。これも数テイクを要しましたが、使わないバージョンも押さえたので、プロデューサー様、そちらを使って下さいね。

最後は、イメージカットの撮影です。イメージカットは格好良くと言うよりも、私の恥ずかしい映像を撮るためにあります。この撮影は、いかにも横浜という感じを出したいですね、という話からランドマーク屋外での撮影になりました。ポーズを付けた私の姿を、カメラが上から下からなめ回していく撮影です。寒空の下、必死で耐えましたよ、頑張りましたよ。

全体的には撮影は順調に進んだようで、予定より1時間早く終了。撮影中の話の方は相変わらず噛みまくりますが、とても楽しかった。あとは編集マジックでドウニカして下さるのでしょう。まだ放映日は決まっていないのですが、番組は「BROSTA TV/クリエイター発掘サイト」です。

●ジミ・ヘンドリックス屈指の演奏

動画配信といえばYouTubeですが、いつの間にか画面サイズが大きくなりましたね。古い動画が大きくなるわけではないのですが、未来を感じさせます。私がもっぱら見ているのは古いライブ放送などですが、掘り出していくと凄いお宝が見つかったりします。そこで今回から、YouTubeで発見したノリノリの音楽情報などを登場させていきます。

・本日のRock
jimi hendrix- woodstock improv + villanova junction
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Jimi Hendrix - Improvisation at Woodstock 1969
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60年代のギタリスト、ジミヘンの愛称で呼ばれるジミ・ヘンドリックスの演奏です。そしてこの演奏はウッドストック・フェスティバル(Woodstock Music and Art Festival/1969年8月15〜17日)のトリを務めた時のもので、長引いた雨のためジミ・ヘンドリックスの登場は最終日を超え、夜明け(18日)になってしまい、すでに大半の客が帰ってしまった後の演奏なのです。叫ぶように、時には歌い上げるように演奏されるギターの音は最高です。
私の描いたジミヘンイラストはこちら。
< http://bohemian.jp/works/alice/01.html
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そして、見つけました。これ!! 日本題は「星条旗は永遠なれ」。ジミ・ヘンドリックス屈指の演奏です。後半の曲は「PURPLE HAZE」です。祭りの後の会場の様子も見られます。
JIMI HENDRIX-STAR SPANGLED BANNER/PURPLE HAZE AT WOODSTOCK
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●見た事もないようなブルーチーズケーキ

今回はとんでもないものを作ってしまったので、材料まで細かく書きます。ブルーチーズケーキとは言っても、青い色のケーキではありません。出来上がりは上等な卵色、香ばしい香りとほんのりとした甘みと塩分が心を豊かにしてくれます。材料を見ると分かるように、かなり薄い甘みのうえに、ヨーグルトとサワークリーム、さらにゴルゴンゾーラチーズを使用しています。お菓子作り好きな方にはギョッとする素材感でしょうか。でも、出来上がりは秀逸です。ワイン好きな人は是非作ってみて下さい。白でも、赤でもどちらにも合うと思います。私はスパークリングワインで堪能しました。

材料:
クリームチーズ    160グラム
ゴルゴンゾーラチーズ  20グラム
グラニュー糖      30グラム
薄力粉         20グラム
プレーンヨーグルト  100グラム
サワークリーム     50グラム
タマゴ         2個
マリービスケット    12枚
無塩バター       30グラム

作り方:
まず、台を作るためにビスケットをビニール袋に入れ、麺棒などでたたき細かくします。これに少しやわらかくした無塩バターを混ぜ入れて、直径18センチの型または耐熱バットに敷き詰めます。それを冷蔵庫にいれて冷やし固めます。

クリームチーズは耐熱ボールに入れ、レンジでやわらかくしてゴルゴンゾーラチーズと砂糖を加え、ヨーグルト、サワークリーム、割ほぐした卵2個を加えハンドミキサーで撹拌します。そこに薄力粉を少しずつ入れ、さらに撹拌して冷やしておいた型にいれます。これを、あらかじめ170度に熱しておいたオーブンにいれて50分ほど焼きます。時間はオーブンの熱の回り方により差がありますので、様子を見ながら焼き上げて下さい。

表面に焼き色が付き、縁がきつね色になってきたら出来上がりです。あら熱が取れたら冷蔵庫で冷やしておきましょう。甘さはとても優しいですので、お菓子好きで甘いのが好きな方は砂糖を50グラム程度増量してもいいかもしれません。私はこの分量で最高に美味しくいただく事が出来ました。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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