伊豆高原へいらっしゃい[31]最近見たSFドラマのあれこれ/松林あつし

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スターゲイト SG-1 シーズン9 DVD ザ・コンプリートボックス以前、アメリカのSFドラマ「スターゲイト SG1」について書きました。そのSG1は、アメリカにおいては、最終シーズンであるシーズン10がとっくの昔に放送終了となっています。それで、日本ではどうかと言いますと、これがシーズン9で止まっているのです。もう1年半近く、新シーズンの発売がありません。

これは何故かと言うと、国内ではまだテレビ放送中であるためと言えそうです。放送しているのはスカパーの海外ドラマチャンネル「AXN」。放送開始は昨年の10月ぐらいからだったと思いますが、未だに繰り返し放送しているので、これが終了しなければ、日本版のDVDは発売できないのでしょうね。しかも、放送終了がいつになるのかまったくわかりません。前のシーズンから1年以上も間が開いたのでは、ストーリーも忘れてしまうってもんです。

いい加減待ちくたびれました……いっその事、AXNで見るか、と思い立ち、スカパーe2のカスタマーサポートへ連絡してみました。そうすると、前回の解約から1年以内であれば、加入料の2,940円はタダになるという事……つまり、基本料410円+AXNチャンネル630円、合計1,040円/月でドラマを見られる事になります。

前回解約したのがいつなのか定かではなかったので、調べてもらいました。そうすると、なんと去年の2月28日……あぶね〜、ぎりぎり1年以内! 早速再契約の手続きをやってもらいました。



スターゲイト:アトランティス シーズン2 DVD-BOXAXNでは今月から来月にかけても、SG1を再放送しています。契約時点では、すでに話の途中からになってしまいますが、予定表を見ると、その後もまたシーズン10の第1話から再放送をするようで、一話も逃さないよう、予約録画するつもりです。さらに、スターゲイトのスピンオフ作品「アトランティス」のシーズン3(これも、日本では発売時期未定)を同時進行で放送しています。総予約録画期間は2か月とふんでいますが、もし録画終了後にスカパーを解約したとすると、SG1シーズン10とアトランティスシーズン3の両方を2,080円で手に入れられる事になります。

今までのDVDボックスの価格を見ると、だいたい1シーズン18,000円〜20,000円ぐらいです。SG1とアトランティスの両方を買ったとすれば、40,000円ほどの出費は免れなかったでしょう。それらを後でネットオークションに出品したとしても、戻ってくるのは20,000円程度です。それを思うと、格安で見られる事になり、すごくラッキーですね。

ただ、AXNで放送されているのは、日本語吹き替え版なのが残念ですが、安く上がるのでしかたありません(SG1のカーター中佐役であるアマンダ・タッピングの声を鈴木弘子さんという声優が担当していますが、すごくおばさん声なので、がっかりです。アマンダの実際の声はもっと若々しい……さらに科学用語を連発するシーンなどは、声優の呂律がついて行っていません。とても科学者の声を担当する声優さんではないように思えます)。

スターゲイト コンティニュアム ザ・ムービー [DVD]それと、実はドラマは11シーズンまで予定されていました。しかし、ありがちですが、視聴率が尻すぼみとなり、これはキャンセルされたようです。その代わり、ストーリーを補完する意味で、DVD映画が発売されています。

その映画版DVDは去年夏にすでに購入済みなのですが、実はこれ、SG1シーズン10の後の話なのです。シーズン10が発売される1年も前に、その後のストーリーを先に発売するなんて、どういう考えなんでしょうか?>日本の代理店。これに関しては、色々なところから、不満の声が上がっています。僕も買ったは良いが、未だ見れぬまま、ホコリをかぶっています。AXNのドラマを見ることによって、4月ぐらいにはやっと映画版も見られそうですが……。

《ヒーローズ シーズン2》

HEROES/ヒーローズ シーズン2 DVD-BOX先月、「ヒーローズ」のシーズン2をツタヤで旧作扱いになるのを待って、一気に見ました。総論で言うと、シーズン1の方がおもしろかったです。まず、ストーリーの整合性にかなり疑問が出てきました。このドラマは時系列が行ったり来たりで、ともすると、話の流れを見失いがちですが、おおまかな流れでは整合性が取れているとは思います。しかし、「ターミネーター」や、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もそうですが、タイムトラベルを絡ませてくると、どうしてもおかしなところが出てきます。

日本語の発音がおかしい日本人「ヒロ」が、過去へ未来へタイムトラベルしながら、地球を救う方向へ持って行こうとします。最初、彼の時空能力は本人の意図しない形で表れるのだ、と思っていましたが、話が進むにつれて「なんだ、思い通りの時代にいつでも飛んでいけるんじゃん」って解りました。なぜ、こんな設定にしたのかわかりませんが、この時点で、すべての整合性が崩れてしまっています。これを許したら、どんな失敗も、いつでも過去に戻ってやり直せる事になります。

しかし、実際はそんなことお構いなしに、ヒーロー達はピンチに立たされていくのです。よく考えれば、確かにヒロと他の能力者との接点は非常に浅く、物語のキーパーソンである彼を深く気に留める者は、あまりいません。いつでも何でも振り出しに戻せる能力を持っているヒロに対して、あまりにも無関心すぎませんか? 普通なら、能力者同士、携帯で連絡を取りながら「失敗したのかい? なら、ヒロに頼んだら、過去をやり直してくれるよ」って、言えば済みそうなものですが、目の前の事象に翻弄される彼らは、そうはしないんですね。

さらに、シーズン2を台無しにしてしまったのが、過去の日本の描き方……シーズン2はキーパーソンのヒロが、戦国時代の日本に飛ばされることから始まります。しかし、そこにいた伝説の武将は、何故か変な日本語を喋るガイジン。さらに、あり得ない時代設定やあり得ない人物描写、あり得ないラブストーリーなど、あり得ない日本が目白押し……いくらアメコミ基調のドラマとは言え、インドやメキシコをあれほどリアルに描けるなら、日本ももっとなんとかなりそうなものです。監督が、近くにいる日本人に「これで問題ないかい?」って聞けば済む事じゃありませんか? 答えは「問題大あり」ですが……。

昨年、日本では忘れられかけていた田村絵里子さんが「凱旋帰国」と騒がれましたね。「ヒーローズ」シーズン2でのヒロインとして大成功したそうです。ううむ……あれを成功と言えるのかどうか……もちろん、監督の指示の元での演技でしょうが「高校の演劇部の発表会」ですか? 本人もああしたい、こうしたいという願望はあったでしょうが、監督やスタッフの「日本人とはこういうものだ」という先入観が、あんな演技をさせてしまったのでしょうか……残念でなりません。

まあ、ここまで見たからには、シーズン3に巻き返しを期待するしかありませんね。

《バトルスター ギャラクティカ シーズン1〜2》

GALACTICA/ギャラクティカ 【起:season 1】DVD-BOX 1これは、偶然ツタヤでレンタルされていたものを借りて見たところ、思いの外おもしろかったという作品です。ハリウッドのSFドラマにしては、珍しくハード&シリアス、そしてエロティックな描写とストーリーになっています。初めての紹介ですので、簡単にストーリーをまとめたいと思います。

銀河のとある宙域で、人類は12のコロニーに分かれて繁栄を謳歌していた。そんな中、文明をよりよいものにするために作られた、サイロンと呼ばれる人工知能が反乱を起こす。知能を備えたロボットや戦闘機を駆使し、サイロンは人類に戦争を挑んできたのだ。長い激戦の末、ようやく訪れた休戦協定。その後、彼らは宇宙の彼方へ消え、人類は50年に渡って平和を取り戻していた。

しかし、ある日突然、サイロンの攻撃が再開される。細胞やDNAまで人間にそっくりに進化したサイロンをスパイとして送り込み、ネットワークを支配した上で、全コロニーを同時に核攻撃。地上の都市や軍事施設はことごとく破壊され、人類は絶滅の危機を迎える。唯一ネットワークから切り離されていた、旧式空母である「ギャラクティカ」と軌道を航行中の、50隻ほどの民間船だけが難を逃れ、新政府とアダマ艦長の下に集結する。残された人類は約50,000人。

帰る星を失い、絶滅の危機に瀕した人類は、サイロンからの執拗な攻撃や、スパイによる破壊工作、内部からのテロなどに耐えつつ、13番目のコロニー種族が、はるか昔に向かったとされる伝説の地「地球」を目指す事になる。

このストーリーを見て「あれ?」と思った方は、結構なSF通ではないでしょうか。僕も、昔そんな名前のSFがあったな……ぐらいしか記憶に無かったのですが、実は1978年〜1980年に製作されたテレビシリーズ「宇宙空母ギャラクティカ」のリメイクなのです。

そんなリメイク版ギャラクティカですが、CGを大々的に使っている割に、昔の映像を踏襲する形で作られており、随所にクラッシックな感じを漂わせています。まず、宇宙物に付きものの、ビーム、レーザーガンなどは一切出てきません。武器はマシンガン、ピストル、高射砲、ミサイルなどで、今のアメリカの軍事設備よりも劣っているのではないかと思えるような設備になっています。さらに、通信はクルクルコードの有線電話……これには理由があり、アナログ設備でなければサイロンのコンピュータウイルスに支配されてしまうかららしいです。

宇宙船内には人口重力が働き、ジャンプと呼ばれるワープ航法を確立しているほどの先進文明とは思えない、クラシカルな設定には多少違和感を覚えますが、この作品のカラーと考えればこれも味なのかなと思います。ただ、やはり国家のありかたや軍事環境がアメリカそのもので、宇宙彼方の文明にしては、やはり人類=アメリカ人という雰囲気が漂い、納得できない部分もあります(地球がこのストーリーのキーワードになっていますが、今まで地球とは関係のなかった文明の言語文字が、英語なのも今後の整合性でおかしくなりそうです。船体にGALACTICAって印字されてます)。

まあ、全体的な完成度は結構高いと思いますし、俳優の演技もまずまずです。特にラプターと呼ばれる偵察船の女性パイロット「ブーマー」役のシャロン・バレリーは韓国系アメリカ人ですが、東洋系でありながら、他のアメリカ人と比べてもまったく引けを取らない大きな演技をします。ブーマーはこのストーリーの中ではキーパーソンなのですが、同じくアメリカ育ちの東洋人マシ・オカや田村英里子とは演技の幅が格段に違います。日本の女優も見習ってほしいですね。

「バトルスター ギャラクティカ」は4シーズン構成になっています。シーズン1=起、シーズン2=承、シーズン3=転、シーズン4=結という事で、最初から4シーズンを念頭にストーリーが計算されているので、今後の展開もうまくまとめてくれるのではないかと期待しています。

ただいま、アメリカでシーズン3を放送中。速やかな日本版DVDのリリースを望みます。

【まつばやし・あつし】イラストレーター・CGクリエイター
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