ところのほんとのところ[12]ハードディスクパニック!
── 所 幸則 ──

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ところは、随分前から普通の人よりはずっと多くのハードディスクを使ってきた。ここ数年は、FireWire400でHDDは150GBを4台、250GBを4台、FireWire800時代になって、250GBを2台、300GBを2台、500GBを2台、1TBを2台なんて感じ、だが、この1年、次々とFireWire800の青い目のHDDが壊れていく。

うーん。なんかほとんどが買ってから1年と1か月〜5か月でハード的にクラッシュしていく。初期化してもう一度使えるとかじゃないのでR。は〜、一時期は白くて丸目のHDDで全部そろえたり、最近は青い目で8台並べたりしてたのだが。3か月続けて1台づつご臨終になられては、ところは涙目でR。しょっちゅう葬式気分だ。

あー、青い目で8台元気に並んでた雄姿が忘れられない、、だが、、もう3台続けた後、2か月後に1TBが2台亡くなった時には、もう涙は枯れ果て、怒りに変わったのでR。ところは二度とこのメーカーのは買わないデスよ!



もう、覚悟を決めて10万円もするRAIDのケースと中身あわせて20万のeSATAのHDD、RAID 5を組んだのでR。早いし、HDDが壊れてもデータは大丈夫だし(1台ずつならね)HDDが熱くならないのだ!

昨今の、安くて大きい容量ありゃいいだろう的なのはもうおさらば〜と、そうしてところは心の平安を手に入れたのでR。それは2008年1月のこと、、、そして2009年の2月、悲劇はおきたのだ。

新しいMacBook Proを発注、結構カスタマイズするので、ネットのアップルストアーに。

2.53GHz Intel Core 2 Duo
4GB メモリ
320GB ハードディスク1
NVIDIA GeForce 9400M+9600M GT(512MBメモリ)
バックライトキーボード (j)

これをこうカスタマイズッ!
2.8GHz Intel Core 2 Duo
4GB メモリ
128GBソリッドステートドライブ
※耐久性にすぐれたソリッドステートドライブ(SSD)
バックライトキーボード(US)これじゃないとところは嫌!
Apple Mini DisplayPort-Dual-Link DVIアダプタ

※Mini DisplayPort-Dual-Link DVIアダプタがあれば、30インチApple Cinema HD Display に接続できます。解像度2560×1600ピクセルの究極のワイドスクリーンをキャンバスにして、創造性を広げよう。

と、カスタマイズして注文したんだけど。出荷は3営業日だそうだが、配送予定日が2週間後だって。。しょぼーん、、となってたところだったけれど、なーんと5日後には届いた(笑)

マジ早いね、ソリッドステートドライブは。ここに作業中のデータおいてやると、びっくりするほど早い。150MBや200MBのフォトショップファイルが1秒以内で開くんだから。

と喜んでいたのだけれど、3時間の間に5回〈再起動してください〉というメッセージとともにフリーズする。。アップルに持っていったけれどもよくわからなかったので、工場出荷時に戻してもらって様子を見てると、調子がいい。う〜ん、、大丈夫かな?

ところが、家の環境だとやっぱりだめだ、、、ためしに、eSATAのHDを古い方のMacBook Proに繋いだ環境だとおかしくならない?

eSATAのカードメーカーに電話してみる。衝撃の事実が、、OSが10.5.6だと不具合がでるという事例による苦情が殺到してるらしい。。。

がーん。そうだったのか。だけどしばらくして10.5.7がでれば多分、たぶんだけど、大丈夫になるんじゃないかというお話、、うーむ。

気を取り直して、本当は嫌だけど、しばらくデータの管理は古い方のMacBook Proでやることにしようと思っていたら。なんと! しばらくすると、、古い方でもeSATAのHDDが認識しなくなったのでR。

しばらく頭が真っ白になってしまった。今回は本当に油断した。この1年、新しいシリーズ「渋谷1sec」をはじめとして、自分自身をリセットするワンセコンドシリーズに没頭していたところであるが、ここにしかデータがないのでR。ところ自身大枚をはたいて買ったRAIDシステムだっただけに、しかもちょうど1年。安いHDDとちがって、まだ1年だしという気持ちが、ところのこころに油断を生んでたんだな。。

しかもミラーリングだし、、今回の事件でわかったのだけど、RAIDが効果を発揮するのはハードウェアの不具合であり、論理的不具合には関係ないのだ。そして今回の不具合の理由は、新しく買ったMacBook ProのOSと相性が悪いeSATAのカードであった。

RAIDケースのメーカーに持ち込んで、見てもらったら。書き込みエラーが頻発した履歴が読み取れたそうだ。ちょうど再起動しまくってた回数と合致する。結局、メーカーの人が昔から僕の事を一方的に知っていてくれていたということもあり、このデータがなければ、ヨーロッパの雑誌の特集の話も、個展の話もパーだということを訴えると親身になってくれた。

いろいろ調べたり、開発の人たちが見た感触とか教えてくれて、「電源入れてアクセスが落ち着くまでの時間が、短いので経験上救い出せる確率が高いですね」。この言葉を聞いて少し生きた心地がしたところでした。

そして、2日。なんとかなりました!(泣)早速もう1台ミラーリングのできるRAID HDDを買って2か所にデータをおいてますが。これからは、本当に気に入ったものは全部、大型カメラの8×10で複写しとこうかな?

日本カメラ 2009年 03月号 [雑誌]ふうー、前回の「マニエル君がやってきた」その後の経過とか、彼やぼくの友人たちも巻き込んでのやりとりもおもしろかったのでそっちを書きたかったのですが、それは次回のお楽しみということで。そうそう、本日発売の「日本カメラ」3月号に僕の新作が載っていますので是非見てくださいね。インタビューと方法&解説付きです。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則
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by G-Tools , 2009/02/20