電子浮世絵版画家の東西見聞録[66]田渕俊夫展・牡蠣と葱の炒め物/HAL_

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●脳天を打ち砕かれた「田渕俊夫展」

京都智積院の襖絵を見てきました。とは言っても、京都に行ったのではなく、前回同様に横浜高島屋での展示を見てきました。チケットを手にしてから、その後にネットで検索して、画業40年の日本画家の手による墨による襖絵とはどのようなものかと、行く前から興味津々でした。

そして、会場で紹介案内板を読んでから作品展示の部屋に入ると、五間の真っ白い襖の上に、ケヤキの梢がパノラマ写真のように大きく広がっていました。中央部にはたくましい幹があり、幹から左右に広がった太い枝が途中で断ちきられています。断ちきられた枝はそのまま死を迎えるのではなく、その先から新しい芽を吹き出させ、たおやかな枝を伸ばし葉を広げていきます。まさに、夏を迎えるケヤキの梢が、こぞって天に向かい歌いあげるような命の謳歌を感じます。

田渕俊夫画集 刻(とき)今回展示されている田渕俊夫の作品は、すべて唐墨とたった二本の和筆で描かれています。自然の植物の形を極限にまで単純化させ、光と影で演出させた氏の観察力と表現力には脳天を打ち砕かれます。襖の近くにまで寄って、葉の一枚一枚を観察しようと思っても、それぞれの形はないのです。絵筆によって作られた、シミのような濃淡がすべての命を形作っているのです。日本画、墨絵の奥深さを感じます。

次の作品は、笹竹の群生による「夏」を描いたものでした。この笹はケヤキとは大きく違い、葉の一枚一枚を鋭いタッチで描ききっているのです。そして中央部、折り重なった笹の中に奥深い藪に潜む生物の息づかいを感じます。その闇を中心として、外に広がる笹の葉。襖絵の外周の笹の葉は風に吹かれ、しなやかに揺れ動いています。



これらが、私にとっては最高の二点でした。次の作品は「春」。大きな八重桜作品と、若い葉を芽吹かせた柳の二作品です。「冬」は雪山、「秋」はススキと続きます。さらに日の出と日没の景色、そして小作品の柿。小作品とはいっても、襖絵なので両開き二枚の襖に大きく描かれたサイズのものです。大きな作品はやはりいいものです。私も大きな作品を描く方なのですが、それ以上のものを描いてみたいとあらためて思いました。

大きさに感動はしたものの、「夏」以外の作品は私の中での感動は薄くなっていきました。はじめに見たからなのかと思い、すべての作品を見終わった後、順路を逆行してはじめからまた見て行ったのですが、同じ思いでした。その違いがどこにあるのかと、しばらく陽光の作品を見ながら考えていたのですが、結論付けたのは「描きすぎている」ということでした。

私の想像する世界より、氏の作品は襖の白地に対する墨の量が多いのです。画家は描きたくて絵を描きます。その中で、本当に描きたいものを探し当てて行く作業の積み重ねだと思っています。これは、油彩の世界ではキャンバスの上に、文字通り塗り重ねる作業が出来ます。しかし、墨絵の世界にはあてはまらないのだと気がつきました。墨絵は、まず完成を思い浮かべ、それに沿った作業をしていかなければ完結しないのです。薄墨の世界は、目の前に広がるよりも、頭の中に広がる世界観の方が広いのです。

田渕俊夫を紹介する新日曜美術館のページ
< http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0111/index.html >

◇本日のお薦めYouTube Music──レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)

1968年結成のブリティッシュ・ハードロックバンド。デビューアルバムはロックファンを震撼させ、1970年代には日本のロックファンにとってもなくてはならない存在になり、メンバーは変遷しているが現在まで続いています。

そして今回の発見。1970年代、日本発売のレコードは日本でデザインされていました。今そのデビューアルバムをあらためて見ると、メンバーの名前が間違っているのです。ヤードバーズで活躍していたジミー・ページは顔と名前が一致していますが、その他のメンバーはバラバラなのです! その間違いは「ボヘミアン」で御覧下さい。

芸術・文化・サブカルチャーをこよなく愛す人達のWEBマガジン「ボヘミアン」
< http://bohemian.jp/works/alice/ml003.html >

Led Zeppelin - Stairway to Heaven
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LED ZEPPELIN - Stairway to Heaven - LONDON - 2007
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ついでにギターレッスンです。
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●冬の牡蠣料理と定番料理

◎牡蠣とネギの炒め物

昔から滋養強壮、神経沈静、成人病予防にと、良い栄養素の塊のような表現をされ、海のミルクともいわれる牡蠣。大好きな方も多いのではないかと思いますが、一度でも牡蠣にあたったことのある人は、あまりにもひどい中毒症状のため二度と口にしなくなるそうですね。私は牡蠣にあたったことがあるわけではないのですが、牡蠣はあまり好きではありません。でも、美味しい牡蠣は分かるので、出てくればひとつはいただくという程度です。

私が生涯でいちばん美味しいと思った牡蠣が、創業1913年の古い歴史を持つニューヨーク・グランドセントラル駅地下にある、大きな大きなオイスターバーでいただいた牡蠣。こちらは小ぶりのものから大ぶりのもの、色も様々で豊富な種類の牡蠣が用意されています。私はメニューを見ても何が何だか分からないので、すべて友人にお任せ。友人が選んだ小ぶりのものを数種類頼んだのですが、どれもこれも美味しかった。いまだに私にとって、国内でこれを超えるものは出てきません。

しかしなんと、Grand Central Oyster Bar & Restaurantは、2004年に世界2号店として品川駅構内に、そして第3号店が東京駅に近い明治生命館に出来ているそうです。まあ、行くことはないでしょうが、飽食の国日本の貪欲さを感じます。

さて、牡蠣はもちろん生食でも食べられるものがいちばん、もちろん加熱しますので、生食不可のものでも加熱をしっかりすれば大丈夫です。

《材料》牡蠣150グラム、青菜今回はターッアイを使用、長ネギ1本、エリンギ1パック、ショウガのみじん切り、ニンニクのみじん切り、豆板醤小さじ2、醤油大さじ小さじ2、オイスターソース大さじ1、砂糖小さじ1、サラダオイル、ごま油適宜

《料理法》生牡蠣は、汚れを取るため塩または片栗粉をまぶし、流水で優しく洗います。きれいになった牡蠣は水気を拭き取り、フライパンで軽く乾煎りし、余分な水分を飛ばします。中華鍋にサラダオイルを入れ、熱くしてからショウガとニンニクを入れ、香りが出てきたら豆板醤を加え炒めます。そこに長ネギ、エリンギ、青菜を入れて炒め、牡蠣を戻し入れ、残りの調味料を合わせて最後にゴマ油を少々まわしかけて出来上がりです。牡蠣には火を通しすぎないように注意しましょう。

◎シシトウと蒟蒻の煎り煮

シシトウは夏のものですが、この料理は我が家の定番です。最近では、シシトウは季節に関係なく手に入りますので、これを使ってチョッピリ辛みのきいた箸休めを作ってみましょう。

《材料》板こんにゃく1枚、ししとう8本程度、醤油大さじ1、鷹の爪適宜、顆粒だし少々

《調理法》こんにゃくは湯がいて短冊に切り、ししとうは縦半分に切り種を出しておきます。フライパンにごま油を熱して鷹の爪を加えこんにゃく、ししとうを炒め、顆粒だしと醤油で味付けして完成。手軽で簡単、お薦めです。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/ >
Web < http://lohasfood.exblog.jp/ >
Web < http://Web.mac.com/hal_i/ >