[2608] あらすじ映画『善悪のお彼岸』

投稿:  著者:  読了時間:21分(本文:約10,400文字)


<職場で自分と同じメガネに遭遇…>

■私症説[02]
 あらすじ映画『善悪のお彼岸』
 永吉克之

■買物王子のモノ語り[12]
 昔ながらの職人技を感じる眼鏡で気分を変えたい。
 石原 強

■ショート・ストーリーのKUNI[56]
 今年の目標
 やましたくにこ

■展覧会案内
 「ターミネーター展」〜戦いか、共に生きるか? ロボットとボクらの未来


■私症説[02]
あらすじ映画『善悪のお彼岸』

永吉克之
< http://bn.dgcr.com/archives/20090319140400.html >
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このところ、若手の映画作家の間で注目されている「あらすじ映画」とは、あらすじを完成作品と見なす映画のことである。あらすじまでは書いたものの、なんだかやる気がなくなって映像化するのをやめてしまった、その遺物としてのあらすじではない。あらすじを書くことが最終目的なのである。したがって完成した映画は、文章の形をとるが、一定のルールはなく、いわゆる箱書きのような図式的なスタイルから、ほとんど脚本といってもいいようなスタイルまでさまざまである。

たとえば劇作家にとって脚本は、それ自体で独立した作品であって、上演されようがされまいが、その価値に変わりはないと考えられる。また、作曲も同じで、楽譜そのものが、実際の演奏とはかかわりなく作品価値をもつと考えられる。たしかに、ヘタな役者や演奏家のせいで、脚本や曲そのものまでが駄作にされては、作者もたまらないだろう。

しかし、同様の発想をあらすじにあてはめるのは難しい。なぜなら、脚本や楽譜とちがい、あらすじは「粗筋」というだけあって、作品の設計図とはなり得ないからである。そんな曖昧なポジションにあるだけに、あらすじ映画が今後どう展開していくのか予想がつかないが、すでに多くの優れた映画が生まれているのは事実である。

そのなかで私が注目した一作が、伊呉隆史(いごたかふみ)監督の『善悪のお彼岸』である。監督はまだ25歳ながら、すでに8本ものあらすじ映画を撮っている。本作は最新作で、あらすじ映画専門誌「Alas!」での上映を終えたばかり。斬新な映像で、人間の実存に迫る作品を撮り続けている。

以下は映画のあらすじであるが、あらすじ自体が作品であり、著作権の保護下にあるため、原文に一切、手を加えないことを条件に、一部を上映する許諾を得た。

■あらすじ映画『善悪のお彼岸』/2009年/16mmカラー/1時間14分
【スタッフ】
監督:伊呉隆史/あらすじ:伊呉隆史/あらすじ清書:伊呉かなえ

【キャスト】
永吉克之[求職中の中年男性]……宮崎あおい
鹿海洋平[パチンコ店の店長]……長澤まさみ
洪 建明[謎の中国人]……………相武紗季
玄武博士[イヌからアヒルを作る研究をしている科学者]…新垣結衣
セルゲイ "ヒットマン" ヴォルゾフ[ロシアの格闘家]……蒼井優
ネブカドネザル2世[新バビロニアの国王] …………………堀北真希

【あらすじ】
49歳のときに正職を失って以来4年間、臨時雇いや、mixiで知り合った知人から回してもらった仕事などで、細々と生きてきた永吉だったが、前年のリーマンブラザーズの経営破綻を発端とした世界的経済危機のあおりで、ただでさえ難しかった中高年の就業がいちだんと厳しさを増し、彼も人生最大の苦境に立たされていた。

すでに20か所で採用を断られ、仕事を探す気力まで失っていた。かといって、このまま即身仏になるわけにもいかず、21枚目の履歴書を書きながら「いったい何回、同じこと書かせりゃ気が済むんだ、おい」と虚空に向かって憤懣を漏らした瞬間、永吉はある思想に目覚めた。それは「どうしても仕事の見つからない中高年は、生活を守るために履歴書に虚偽の記載をし、面接で虚偽の返答をする権利がある」という一種の超人思想だった。

これまでは道徳観から、面接では何でも正直に答えていた。健康状態を尋ねられれば、腰が悪いことや目が悪いことや顔が悪いことなどを明かした。しかしそんな不利なことまで正直に言うのは、わざわざ自分の商品価値を落とす愚行にすぎない。就職面接とは存亡を賭けた駆け引きなのだ。能のない鷹は、虚偽のツメを誇示しなければならない。弱者が強者を縛るために作られた道徳を超克することができなければ、このまま川下へと流されて、澱みのなかで腐っていくしかない。

毎週月曜は仕事情報誌「大阪しごとマガジン city aidem」(無料)の発行日だった。駅前のフリーペーパーのスタンドにそれが並ぶや、永吉が手に取って開くと、すぐにパチンコ店の求人が目に止まった。「オープンにつき、ホールスタッフ急募!」。パチンコといえば、18歳になった時の通過儀礼として一回やったことがあるだけで、スロットとの違いも分らない。しかしそんなものは超克しなければならない。なにしろ時給1300円・交通費別途支給・制服貸与・皆勤手当あり・委細面談という破格の待遇なのだから、超克しない奴はバカだと腹を決めて、電話で面接のアポを取った。

そして永吉は履歴の偽装に着手した。まず、最大の障壁になっていた年齢を引き下げた。53歳のところを24歳と書いた。また経験者優遇とあったので、職歴には、高校を卒業してからすぐに「パラダイスホールOSAKA」という、いかにもな名前のパチンコ店に入社し、6年間勤めたことにしておいた。

最近は、店の雰囲気を明るくするため、女性を優先的に雇用している店が多いと聞いて、性別は女、名前はイザベラと書き、顔写真はネットで見つけた、誰だか知らないがハーフっぽい妙齢の美女の画像を使った。また住んでいる所も勤務地に近い方が有利と考えて、そのパチンコ店と同じ住所にしておいた。

面接の当日。永吉は自信を持って履歴書を差し出した。店長は、その顔写真に魅入られて「ほう!」と感嘆の声を上げると、採用を即決した。ちょうど店側も若い女性を入れたいと思っていたところだったと言う。しかもこれだけの美女なら客を呼べるし、それに同じ住所に住んでいれば、交通費も要らないし遅刻することもない。おまけにこの業界でのキャリアは申し分ない。願ってもない人材だと言う。

イザベラが働き始めて一年ほど経った。常連客も彼女を「ベラちゃん」と呼ぶほどの看板娘なっていた。客の多くは、イザベラが目当てで店に足を運んでいた。中には、店に来るたびにプレゼントをする客もいた。遊郭でもあるまいに、身請けを申し出る客までいた。ストーカーまがいの行動をする客もいたが、他の客たちが袋だたきにしてくれた。

そんな恵まれた職場にいたイザベラだったが、いつしか良心の痛みを感じるようになっていた。皆に愛されていると感じるほど良心が痛んだ。履歴を偽装したまま働き続けることに耐えられなくなっていたのだ。もう何もかも暴露してしまいたい。あの履歴はでっち上げだ、ほんとうは俺は50男なんだと、あらいざらいぶちまけたかった。それで自分はどうなってもいい。しかし店にまで累が及ぶのは間違いない。へたをすると店を潰すことにもなりかねない。

このジレンマを一気に解決するために、イザベラは悩んだ末に思い切った手段に出たのだった。ある出勤日の朝、彼女は虫メガネと発泡スチロールを持って現れ、店長に言った。「私は、ゆ

                 ●

上映が許諾されているのは、ここまでであるが、主人公の実存的苦悩が余すところなく伝わってくる。曖昧な情報に踊らされて、真実の人間の姿を見ることができないでいる、われわれ人間の愚かさの寓意であろうか。

【ながよしかつゆき】katz@mvc.biglobe.ne.jp
・無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz >
ここでのテキストは、わがブログに、ほぼ同時掲載しています。

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■買物王子のモノ語り[12]
昔ながらの職人技を感じる眼鏡で気分を変えたい。

石原 強
< http://bn.dgcr.com/archives/20090319140300.html >
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春になると新しいメガネが欲しくなります。壊れて買い替えるわけではなく、気分を変えたくなるからです。手軽に印象が変わるので、新旧問わず掛け変えて楽しむメガネ好き。毎年1〜2本くらいのペースで買い続けてきて、手持ちを数えたら10本を超えていました。ここしばらくは、レンズが小さい金属製のメガネを掛けていたけど、今年は大きめのものが欲しくなりました。

一般に、プラスチックのメガネを「セルフレーム」と呼びます。頭についている「セル」とは「セルロイド」のことです。セルロイドは、19世紀に象牙の代用品として開発された、歴史上最も古い人工の熱可塑性樹脂です。そんな風に言うとなんだか小難しいですが、アニメの「セル画」や映画のフィルムにも使われていた素材です。かつては眼鏡フレームの主流でしたが、最近は「アセテート」という素材に取って代わられて、セルロイドは絶滅寸前とまで言われています。

セルロイドの良い点は、アセテートと比較すると乾燥してからの安定性が良いため、変形しません。つまり、丈夫で長持ちします。反面、堅くて加工が難しく完成までに時間がかかるために、採算が合わないのだそうです。それが激減の原因ですが、鮮やかな発色のアセテートに対して、渋く鼈甲のような底光りするような深みのある色や、セルロイドならではの温もりと柔らかな味のある感触が最近、メガネファンの中で見直されています。

福井県の「鯖江市」は、メガネの産地として世界的に有名です。メガネフレームの国内シェアは96%で、世界シェアでも約20%を占めているそうです。最近では、米大統領選のさなか、共和党のサラ・ペイリン氏が鯖江市で作られたメガネをかけていると報道されて、一般の人にも良く知られるようになりました。メガネファンの間では、鯖江市は「聖地」とも言える場所です。一度は訪れてみたいと思っています。

ここに、昔ながらのセルロイドのメガネ作りを受け継ぐ職人がいます。50年以上のキャリアを持つ、山本泰八郎氏です。氏のセルロイド製眼鏡フレームの名前は「泰八郎謹製」。鯖江市郊外の山間にある工房で、3年以上寝かせた良質のセルロイドを使い、生地からメガネの型を切り出してパーツを作り、組み立てて最後の磨きまで、たった一人の手で行います。そのため、月産200本程度という少量生産です。この頑なな職人気質に、共感するファンも多いそうです。

出会いは、渋谷にある「ポーカーフェース」というお店でした。掛けてみると、これまで軽いメタルフレームに慣れていたせいもあり、セルロイドのフレームは重くて私の低い鼻ではずりおちる感覚がありました。けれど、泰八郎謹製のフレームは、鼻のパッドがしっくりはまって掛け心地が良い。定番である深い黒色ではなく、クリアのグレー色が一目で気に入りました。その時はちょっと迷って買わずに帰ったのですが、それが大失敗でした。購入を決心して一週間後に再びお店に行ったら、既に売り切れていました。

お店の人に聞いてみると、私の選んだ「T-104」はシリーズの中でも、10年以上作られているという定番で最も人気がある。ほとんど入荷直後に売れてしまうが、次回入荷は未定。入荷はだいたい2か月に一度程度で数も1〜2本という。それからは、見逃さないようお店にたびたび通うことになりました。やっと半年後に見つけたけど、前に見たのと色が少し違うのです。他のお店に入荷したかもしれないと、全国のお店を調べてもらいました。仙台のお店に1本あったのを、取り置きしてもらいました。

数日後、メガネがお店に届きました。やっぱり最初にピンときた色が一番いい。横からの見た目がすっきりしています。そのわけは、「ノー芯」と呼ばれる製法で作られているからです。通常、メガネのテンプル(両サイドの"つる")には金属製の芯が入っています。セルロイドは堅くて変形しにくいので、芯を必要としないのです。それで見た目を邪魔しないのです。あと、細かいことですが、内側に掘り込まれた「手造」の文字が職人の誇りを感じます。今度こそと購入を決めました。視力のチェックをして、レンズを加工してもらいます。一週間後の受け取りが待ち遠しい。

受け取り時は、大事なフィッティングです。店員さんが専用の道具で、頭の形にフィットするようにフレームを丁寧に曲げて、微妙な調整をしてくれます。これでやっと自分のものになった気がします。セルロイドは熱で柔らかくなる性質なので、気温や体温でも徐々に緩んでくるようです。定期的にフィッティングが欠かせません。ちょっと面倒ですが、楽しみのひとつと割り切ります。使っているうちにキズや汚れが目立ってきたら、再びピカピカに磨き直すこともできるとのこと。大事に長く使っていきたい。

フレームの価格は29,400円、これにレンズ代の5,250円が加わります。現在、メガネはレンズ代込みで5,000円から10,000円というワンプライスショップが主流なので、決して安い買物ではありません。それでも、日常メガネが手放せない私としては、掛け心地や丈夫さという面では大きな差があります。なにより、メガネを愛するファンの一人として、この不景気の中で鯖江のメガネ職人を応援したいという気持ちも強いのです。

泰八郎謹製
< http://www.boq.jp/special/2008/taihachiro/index.htm >

ポーカーフェース
< http://www.pokerface-web.com/ >

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
・ウェブアナ< http://www.muddler.jp/ >

新しいメガネをかけて意気揚々としていたら、最近、職場で同じメガネに遭遇してしまいました。メガネが一緒だと、他人でも顔の印象が似て見えるので、なんとも複雑な気分です。色違いだったことが、せめてもの救いか。

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■ショート・ストーリーのKUNI[56]
今年の目標

やましたくにこ
< http://bn.dgcr.com/archives/20090319140200.html >
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ヤマモト「先輩…」
先  輩「おお、ヤマモトか。どないしたんや」
ヤマモト「実は、ぼく、今年の目標を立てようと思うんです」
先  輩「今年の目標? おまえ、いま何月や思てるねん。もう3月の、それもしまいかけやないか」
ヤマモト「ええ…やっぱり手遅れですかねえ」
先  輩「いや、まあまだ今年が終わったわけとちゃうからな」
ヤマモト「先輩もご存じやと思いますけど、ぼく、ものすごく優柔不断なんです。すぐに迷って、決められないんです」
先  輩「そうやなあ」
ヤマモト「それで、去年は今年の目標を立てよう立てようとしてる間に一年が終わってしまいました。実はおととしもさきおととしもそうでして。それで、なんとか今年こそはと思ってるんです」
先  輩「どんだけ優柔不断やねん。よし、わかった。おまえと違うて、おれはめちゃめちゃ決断が早いねん。よう相談してくれた。おれがさっさと、今年の目標どころか来年、再来年、10年後の目標も立てたる」
ヤマモト「ありがとうございます。で、いつごろまでにたてたらいいでしょうか」
先  輩「いつごろまでに?! あほか。家たてるんちゃうぞ。そんなもんに何ヶ月もかかるかいな。今じゃ。今立てんでどないする」
ヤマモト「やっぱりそうですか…」
先  輩「そんな暗い顔すんな。たいしたことやないがな。なんか候補があるやろ、目標の。いくつか出してみ。その中から『これ』と決めたらそれで終わりや。簡単なこっちゃがな」
ヤマモト「はあ、候補ですか…ないこともないんですが、それを先輩に言うべきかどうか」
先  輩「なんやねん。さっそく迷てるんか。難儀やな。どうせたいしたもんやないやろ。朝遅刻しないとか廊下を走らない、知らないひとについていかない」
ヤマモト「それは児童会の目標です」
先  輩「ほなシューカツとかコンカツか。ゆうとくけど、コンカツゆうてもこんにゃくにパン粉まぶして揚げたんとちゃうぞ。間違えたらあかん」
ヤマモト「だれが間違えるんですか。そんなんやなくて、普通の目標なんですけど…やっぱりゆうたほうがいいですか」
先  輩「あー、めんどくさいやっちゃな。よし、ほな、この中から選べ」
ヤマモト「なんですか、この汚いノート」
先  輩「おれがこれまでの人生で立ててきた目標が書いてある。後輩のためなら惜しくもない。譲るからどれでも持っていけ」
ヤマモト「ありがとうございます…読ませていただきます…今年の目標・ヤマモトに借金を返す…返してもらってないですけど」
先  輩「ああ、すまん、悪い。いや、ほかのもあるやろ」
ヤマモト「TOEIC満点をめざす。ヨットで世界一週。株でもうけてビルを建てる。選挙に出る。外務大臣になる…これ、目標やなくて妄想では」
先  輩「目標は高いほうがええやろ」
ヤマモト「先輩、外人が近づいてきたら死んだふりしてるやないですか。だいたいなんで外務大臣に」
先  輩「総理大臣はしんどいやろ。外務大臣あたりがなんとなくかっこええ」
ヤマモト「はあ…しかし、こんな目標では立てることができても、達成できる確率はほとんどないでしょ」
先  輩「ええねん。それが男のロマンや」
ヤマモト「いや、やっぱり、目標はささやかに。でないと、達成感が味わえません。達成感が、またこれからもがんばろうという活力を生み出すのです」
先  輩「おまえ、優柔不断なくせに言うことは言うな」
ヤマモト「ぼくが考えた『今年の目標候補』はこれだけです。1、メールの返事をその日のうちに出すかどうか決める。2、昼の弁当を迷わず、昼休みが終わる前に買う。3、賞味期限を過ぎたものは迷わず捨てる。4、朝、会社に行くかどうか迷っているうちに遅刻にならないよう早く決める。このうち、どれを今年の目標にしたらいいか…」
先  輩「うっとうしいやつやなー。おまえの人生は迷いっぱなしか。なんでそんなことが目標になるねん。おれなんか昼の弁当なんか一瞬で決められる。賞味期限が過ぎたら捨てる。あたりまえやろ。メールなんか、向こうから来る前に返信書いたるわい。いちいち目標にするか」
ヤマモト「そうですか。どれもだめですか。じゃあ、もう一度練り直してきます。また三か月くらいかかると思いますが…」
先  輩「うわー。それをやってるとまた今年も目標が立てられへんやろ」
ヤマモト「いいんです、もう、ぼくなんかどうなっても」
先  輩「あ、そうや」
ヤマモト「なんですか」
先  輩「おまえ、今年の目標を立てたいんやろ。ほな、『今年の目標をたてる』というのを今年の目標にしたらええやないか」
ヤマモト「あ、そうか!」
先  輩「そうや! もう目標はできたんや!」
ヤマモト「先輩!」
先  輩「ヤマモト!」
ヤマモト「なんか感動で胸が熱くなってきました。こんなにすばらしいものだったんですね、今年の目標を立てるということは。ああ、涙が」
先  輩「泣くな、ヤマモト。おまえという後輩を持って幸せだ」
ヤマモト「ぼくも、先輩に出会えたことが誇りです。しかし…そうすると、いよいよ今年中になんとか目標を決めないといけないんでしょうか」
先  輩「今年の目標を来年に立ててどないすんねん」
ヤマモト「とても自信が…ああ、『今年の目標をたてる』という目標は、やっぱりぼくには大きすぎる目標だったのかも…」
先  輩「おれにまかせろ。ここに、おれの目標を書いたノートがある。この中から選べ。後輩のためなら惜しくない、譲ってやる」
ヤマモト「それはさっきやりました…お金返してくださいね。いや、というより先輩、やっぱり、ここは原点に帰って、そもそも今年の目標を立てたほうがいいのかどうか、いや、そういうことを考えるべきかどうかを考えていったほがいいような、そうでもないような、どちらかといえばいいようで案外ちがうかもしれないという、そんな気分になってきましたが、どう思います」
先  輩「おまえはいったいなにをゆうとんねん」
ヤマモト「申し訳ありません。実は、だれに相談していいのか、決めかねていろいろあたっておりまして。先輩で11人目です。これからみなさんのご意見を集約して、それから、もう一度ゆっくり、今年の目標をたてたほうがいいかどうか考えてみようと思います」
先  輩「しばくぞ」

【やましたくにこ】kue@pop02.odn.ne.jp
みっどないと MIDNIGHT短編小説倶楽部
< http://midtan.net/ >

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■展覧会案内
「ターミネーター展」〜戦いか、共に生きるか? ロボットとボクらの未来〜
< http://wwwz.fujitv.co.jp/events/t-ten/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20090319140100.html >
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会期:3月19日(木)〜6月28日(日)10:00〜17:00 5/2〜5/6は18時まで
火休 祝日および3/31は開館
会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンb(東京都江東区青海2-41)
入場料:大人1,200円、18歳以下500円、小学校未就学児は無料
※常設展示見学可
内容:これから人間とロボットがどのような関係になっていくのか、機械や情報など様々な技術の融合であるロボット技術について、そのあり方と未来を考えていく。

Zone1〜3/ターミネーターの世界
特殊効果演出の巨匠、スタン・ウィンストンが手がけたロボット型プロップ実
物をはじめ、撮影で実際に使用された小道具、衣装、アートワークなど、日本
初公開のものを含む作品を展示する。

Zone4/人間とロボットの未来は?
映画のような、人間とコミュニケーションするロボットはどこまで進化してい
るのか。人間とロボットのコミュニケーションをテーマに、ロボットの未来を
考える。

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■編集後記(3/19)

フォトグラファーズ・ファイル2009 (コマーシャル・フォト・シリーズ)・コマーシャル・フォト編集部編「フォトグラファーズ・ファイル2009」を眺めている(昨年の今ごろも、「200 PHOTOGRAPHERS 2008」を眺めていた)。玄光社のお家芸FILEシリーズのフォトグラファー編、2年目である。掲載フォトグラファーは252人とボリュームアップした(このFILEプロジェクトは、毎年どんどん収録人数が増えてゆく宿命にある。先行する「イラストレーション・ファイル」も2分冊になっている。来年はどうなるんだろう)。一人当たり見開き2ページで、顔写真、連絡先、パーソナルデータ、仕事やオリジナルの写真がきれいに並ぶ。総ページは458ページ、厚さ2センチ、重量1000グラム超、ものすごく見応えがある。日本のコマーシャル写真の総覧として意義ある企画だ。例によって、パーソナルデータをチェックすると、サイトを公開していない人が39人(15%)もいる。サイトもメールアドレスも公開していない人が5人いて、そのうちひとりは、パーソナルデータ欄に生年と卒業大学しか記入していないそっけなさだ。この時代、ネットの好き嫌いは別にして、自分のサイトを公開する方が仕事に結びつくはずだと思うが。この本は、各メディアのクリエイターや雑誌編集者にとって「フォトグラファーのデータベース」として機能するのだが、作品だけでフォトグラファーをセレクトできるものだろうか。わたしがその立場だったら、その人となりも分かる詳しいデータがほしい。顔写真は必須だが、この本ではふざけたものや、全然顔が見えないものがあるのには腹が立った。ともかく、パーソナルデータをもっと充実したらいいなと思う。編集作業が超過酷になるのは、体験から知っているが。(柴田)
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・永吉さん強烈すぎる……。/顔写真ってあった方がいいのか……。10年ぐらい前までは平気で出していたんだけど、今はなぁ。あっ、美容的見地じゃないわよ。/日本でもスパイダーマンって作ってたのね。本家マーベルのサイトで見られる。字幕スーパーなんだな。/さすがは年度末。仕事が重なっててジャグラー中。しかし4月からの仕事が……。仕事が来ますように!/ティファールもいいけど、アサヒ軽金属のフライパンが良さそうだなぁ。活力なべも欲しいなぁ。重そうだなぁ。以前書いたが、吉田金属工業のグローバルプロ(のペティーナイフ)は切れ味良くて好きなんだよなぁ。やっぱり日本の技術がいいよなぁ。しっかし高いよなぁ……。/そう思えば今のパソコンって安くなったよなぁ。(hammer.mule)
< http://marvel.com/animation/Japanese_Spider-Man >  スパイダーマン
< http://www.asahikei.co.jp/ >  アサヒ軽金属
< http://www.yoshikin.co.jp/j/ >  値上がりしてる