[2610] 捨てられない理由

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<1.思い出、2.同居人、3.価値観、4.流行、5.保留>

■気になるデザイン[23]
 活版印刷はまだまだ現役!
 津田淳子

■装飾山イバラ道[32]
 捨てられない理由
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[11]
 初心者向け被写体別撮影 Tips:1 桜を撮ってみよう
 おかだよういち

■マガジンガイド&プレゼント
 「Web Designing」2009年4月号 毎日コミュニケーションズ刊


■気になるデザイン[23]
活版印刷はまだまだ現役!

津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20090324140400.html
>
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唐突ですが、みなさんの名刺はどんな印刷でつくってますか? オフセット印刷やオンデマンド印刷、またはご自分のプリンタでつくっている方も多いでしょうね。私がいただく名刺を見ても、それらの印刷方式のものが比較的多くあります。

でもここ2年程、かなりの比率で多くなっている印刷方式の名刺がある。それは「活版印刷」だ。デザイナーとの名刺交換が多い人は、同じように感じているのではなかろうか。

という私も、実は名刺を活版印刷で刷ってもらっているのですが(ちなみに銀座にある「中村活字」というところで刷ってもらってます)、デザイナーや印刷・加工関連の方々にお渡しすると、「おっ、活版ですか」、なーんていう話題から入れたりして、かなり活躍してくれています。

中村活字
< http://www.nakamura-katsuji.com/
>

活版印刷は、日本全国で衰退の一途をたどっているのは間違いないのですが、数年前までは昔ながらの名刺屋さんがまだ使っていたという場合や、こだわりを持って欧文活字を中心に刷られている印刷所、まだ少し仕事があるからと規模は縮小しても活版を残していた印刷所、くらいな感じで(聞いた話だと、京都の方ではかなり活発に印刷している活版印刷所があるそうですが)、仕事もさほど多くないということだった。

ところが、2〜3年前から、活版の最盛期を知らない若い世代を中心に、「活版印刷ってステキ!」といって自分の名刺や、小さなカード類などの印刷に、敢えて活版印刷を選ぶ人たちが徐々にでてきた。確かに活版って、独特の風合いがありますよね。無骨で素朴な感じ。私も、たしかに活版印刷されたものは好きです。

とはいっても、どこにお願いすればどんな(印刷サイズや活字組版もできるのか、データから凸版を起こして刷ることならできるのか、など)活版印刷ができるかがよくわからなかったので、今から2年程前、私が編集している『デザインのひきだし』2号で、活版印刷の特集をした。

デザインのひきだし2 ※すみません。完売してしまいました……。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766118030/dgcrcom-22/
>

この特集をしたとき、一過性のブームで終わらないといいなと思ったものだ。活版印刷をしている印刷会社は、この取材をさせていただいたときは、まださほど仕事が増えた、というところまでは行っておらず、活字鋳造所が閉鎖になってしまったり、母型屋さんが廃業したりと、暗い話題ばかりで、このまま仕事が減り続ければ数年で日本の活版印刷はなくなってしまうのでは、と思ったからだ。

あれから2年たち、そのとき取材におつきあいいただいた活版印刷会社の方々には、今でもいろいろと良くしていただいてるのですが、仕事がかなり増えたというお話を耳にして、非常に嬉しく思っている。やはり仕事として成り立たなければ、国が保護してくれるなんてことがない限り、活版印刷は廃れてしまうだろう。だって、生活できないんじゃ、しょうがないもの……。

でも、現場の方々の努力もあり、活版印刷のワークショップがいろいろと開かれたり、企画展があったりと、この盛り上がりは一瞬にして消えてしまうブームとは、ちょっと違う流れになって来たんじゃないかな、と感じている。

さすがに、書籍一冊を活版で組むというのは、かなり特別な場合でないと、もう物理的にも難しいだろうが、名刺やハガキ、ペラものなどはかなり大きなサイズまで活版印刷できる。デザイナーは印刷物を制作する際の、選択肢のひとつと思って、これからもどんどん活版印刷を使ってほしいなぁ。

そうそう、そんな活版印刷ですが、今週金曜日の22:54から23:00まで放送の「匠の肖像」(テレビ東京系列局)では、幣誌特集にも登場していただいて、私の年賀状も印刷してもらった三木弘志さん(活版整版家)が登場します。ぜひご覧くださいませ。私もわくわくしております。

匠の肖像
< http://www.tv-tokyo.co.jp/takumi/this/index.html
>

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
金銀とCMYKの掛け合わせ見本帳がでました。『標準 印刷見本帳2 銀×青金×赤金×CMYK×CMYK×マット/グロスニス編』よろしくお願いします!
箔押しのことを完全網羅した『デザインのひきだし6』発売中! 「箔押しのA to Z」「板紙の魅力」の2大特集はどちらも必見です。他に最近作った本は『ハニカムペーパー・クラフト』『標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>

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■装飾山イバラ道[32]
捨てられない理由

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20090324140300.html
>
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そろそろ冬物の衣料をしまいたいのに、まだまだ寒い日があって困る。かさばる冬服の季節の入れ替えのついでに、不要な洋服を捨てにかかる。毎年の戦いのはじまり。

世の中にはシーズンごとに新しい服を買って、前年度の服を残さず捨てて入れ替えてしまう人もいるらしい。スタイリストとかファッション関係の人ならば、自分のクローゼット内容が仕事でもあるのであり得る話かもしれない。さぞかしサッパリして、気持ちいいだろうな。しかし、うちでは捨てられない服があって困る。

気負って買った足首まであるロングのコートや、重いムートンのジャケットは、今ではまるでたんすの主(ぬし)のようになっている。新入りの軽やかなコートたちが入っても、定番の奥の場所は明け渡さずに済んできた。出番がない年があるなんて、もはや珍しくもない。何度か手に取られてはしまわれるのを繰り返すうち、とうとう最期の時を迎える。なぜかボタンだけ取られて、ポケットを全部チェックされた。これでお役目終了となるようだ。ご主人様に買われたあの日が懐かしい。

だいたいうちのご主人様は、部屋の収納も限られているのにコートを買いすぎなのだ。新入りはどれも似たようなものだ。自分より高くもない。私の隣りのインポートのコートだって、きっと来年はここにいないだろう。こいつも最初は嫌なやつだと思ったけど、けっこう良い仕立てだ。形だけ古いのだ。そういう時代だったのだ。

……などと、ついつい服に感情移入してしまうから、捨てにくくなるのだ。思い出が邪魔になる。衣類の整理は他人に任せた方がいいのかもしれない。洋服が捨てられない理由のまずひとつは【1.思い出】ということになるだろう。

【2.同居人】
母と同居していた頃は、捨てることのもったいなさを教え込まれていたので洋服が溜まってしまった。その上、いよいよ覚悟して捨てることを決めた服でさえ「私がもらう」というので、家全体の洋服収納スペースは全く変わらない結果になる。今は同居人が夫しかいないので、服は捨ててくれた方がいいらしく、スペースの確保面では前進している。だから今こそ洋服を捨てるチャンスなのだ。

【3.価値観】
「洋服そのものに価値が残っていてもったいない」というのも一つの価値観で、それも捨てられない理由のひとつ。しかし、自分で持っていてもこの先に着ないならそれは置いておくだけで、スペースの損になる。取っておくだけのために防虫剤も消費する。私たちネットオークション世代では、使っていない物であっても、自宅保存しているだけで時間と共に価値がぐいぐい下がっていくことを実感している。ものすごい毛皮なのに、誰にも入札されずに回転寿司状態のオークションを見るたびに、自分が着てこその服の価値だと思う。たんすの中では止まったように見える時間は幻なのだ。

【4.流行】
毎年流行は変わってしまうので、洋服を捨てられない理由とは真逆な気がするけれど、私くらい年齢を重ねると事情が変わってくる。長く生きたおかげか、捨てずに持っておけば、また流行が繰り返してやってくることに期待してしまうのだ。流行が一周するなんてわりとあっという間だ(錯覚)。しかし、商品流通のテクニックなのか、流行はまた「違う形」でやってきていて、決して同じものではない。古くもなっているし、自身のサイズも変わって、結局着られない。若い人がレトロっぽさを楽しむのと、レトロな自分が無理して着るのとでは訳が違う。悲しい現実だ。

このような【1.思い出、2.同居人、3.価値観、4.流行】などの服が捨てられない理由をこじつけてみたけれど、本当にいらなくなれば捨てるかオークションに出すかで、次の段階へ進ませるしかない。「たんすの主」化する前に、なるべく奥にしまわず手前に出して、「使わないなら邪魔」だということを実感するのが早道だ。

そして、ついついやってしまうのが【5.保留】で、判断を先延ばしにしてしまうこと。上の4つのチェックポイントで自省しつつも、でもやっぱり今決めなくてもと可能性を残してしまう。何年かおきにまた引っ張り出して、考えるのを繰り返すなんて考える時間の無駄なのに。

結局たくさん引っ張り出すものがあって、困り果てて切実に捨てる作業をする。今処分するのは、未来の自分がまたコレのおかげで悩まなくても済むようにする唯一の方法だ。こうして文章にしたおかげで、さらに捨てる作業が進みそうで助かった。

洋服だけじゃなく、残しておきたいもののほとんどは他人には価値がないような気がする。執着を捨てて、颯爽と生きられたら素晴らしいのに。でも誰かが執着と愛着は違うから、愛着があるのはしょうがないことって言っていた。愛着のあるものはたんす残し、執着でしかないものは処分、を合言葉にさらに作業を進めたい。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

WBCのバッターの奥に映る画面で合成している広告は、霧に煙る日だと広告だけ綺麗で不自然に見える短所がありますね。確かに天気が曇ってるからって、広告を曇らせて自然になじませる必要があるのかと言えば悩んでしまう。綺麗すぎる画像処理が抱える悩みかも。

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■おかだの光画部トーク[11]
初心者向け被写体別撮影 Tips:1 桜を撮ってみよう

おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20090324140200.html
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東京をはじめ、あちらこちらで桜の開花宣言が聞こえてくる今日この頃。だんだんと春を感じる、暖かい日が増えてきました。

前回までは、デジタル一眼レフを購入することを想定して、揃えておきたいレンズのオススメや特徴などの解説が長く続いていましたが、今回からは、カメラを持って撮りに出かけることを、新しくスタートしてみたいと思います。

最初のテーマは“桜”。地域によってばらつきがあるものの、関東から西のエリアはだいたい3月後半から4月中旬までの、2週間程の間が桜を撮るチャンス。開花宣言から一週間〜10日ほどで満開、それから一週間〜10日ほどで散ってしまい葉桜になってしまいます。

その間に週末とか、ゆっくり撮影に出かけられる日は数日。天候の良し悪しもあるので、実際にベストな桜をじっくり撮影出来るチャンスは意外と少ないものです。

「あ、桜が綺麗に咲いているなぁ。今度カメラ持ってゆっくり来よう。」なんて言っていると、もう次回はチャンスがない可能性が高いと思います。「あ!」っと思った時は、とにかく携帯のカメラでもいいから、その場で足を止めて撮ってみましょう。もちろん、普段からコンパクトデジカメや一眼レフを持ち歩いているのであれば言うことなし。きっと素敵な一枚が撮れるはずです。

その瞬間に「あ! 綺麗♪」って思った気持ちが一番重要だと思います。そんな気持ちの時に撮った一枚はきっと素敵な写真なので、カメラのスペックや機種は関係ありません。例えばコレ。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3375719317/in/set-72157615670331003/
>

わたしの母と姪(婆ちゃんと孫)が散歩している、ほのぼのといい感じだった時の一枚ですが、一眼レフを持ってなかったので、その時に持っていたRicoh R2という古いコンパクトデジカメで撮ったものです。ピントはボケボケだし、クオリティ的に細かいことを言い出すとダメな部類かもしれませんが、とっても好きな一枚です。

先の例は、純粋に桜の写真というわけではないので、いいサンプルではないかもしれません。桜をメインに撮影すると、意外と平凡でつまらない写真になりがちではないでしょうか。そんな時は、レンズの選択と、フレーミングを考えるといいでしょう。

桜の撮影に限った話ではありませんが、平凡な写真になってしまう一番の原因が“日の丸構図”だと思います。中心のセンサーだけを使って写真を撮っていると、どうしても主題が画面の中心にしかない構図になってしまいます。

最近のカメラは、周辺にもセンサーが配置されています。中心以外のセンサーで主題のピントを合わせると、ちゃんと絶妙な構図になるようになっているので、違うセンサーでいつもと違うフレーミングを試してみましょう。

更に、多くの機種でファインダーや液晶に格子線が表示される設定があるので、縦線と横線の交点に主題を持ってきたりしても、日の丸構図を回避できます。デザインする時のことを想像して、タイトルやコピーを入れる場所を考えて構図を決めて撮るといい感じになるんじゃないでしょうか。

イメージとしては「青空バックにピンクの桜」が撮りたい気満々だったりしますが、春の空は霞んでいたり花曇りだったりで、澄みきった青空の日は少ないと思います。なので、花をマクロレンズアップで撮る場合は、白い曇り空バックだといまいちなので、花の背景に黒っぽい幹や、山や建物などをボカして入れると花が引き立って締まって見えます。

曇りの日だから残念というわけではありません。むしろ、晴れで日差しが強い日より、花のアップを撮る場合は、影が出ずやわらかく優しい雰囲気で撮れますから、曇りの日もシャッターチャンスはいっぱいあります。

そして晴れの日、桜は思っている程ピンクではなく白っぽいので、逆光で撮るのは避けた方がいいでしょう。バックの方が白く光ってしまうと、本来綺麗な桜がくすんで汚く見えてしまうからです。晴れた日には、引いて青空も入れて全体の風景を順光で撮ると色もくっきり綺麗に写せます。

構図に関して、日の丸構図を避けるところから更に追求するなら、枝や木と空の境界、山の稜線、建築物や道などのラインを意識するとだいぶ違ってくると思います。その他に、昼間だけでなく、ライトアップされた夜桜や、満月の夜に月明りで長時間露光で撮るなど、いろんな桜にチャレンジしてみるのも面白いと思いますよ。

数は少ないですが、姫路城の夜桜や月明りで撮った桜の写真などのサンプルをアップしてみました。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/sets/72157615670331003/
>

せっかくの春なので、少し時間に余裕をもって、通勤途中や打合せに行くの道の途中の桜や風景に足を止めて撮ってみるのも贅沢な瞬間かもしれませんよ。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
> < mailto:okada@s-style-arts.com >

先週の東京出張でN700車内無線LANを体験。ものすごく便利なんだけど、ずっと仕事しなきゃいけない感じが微妙です。

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■マガジンガイド&プレゼント
「Web Designing」2009年4月号 毎日コミュニケーションズ刊
< http://book.mycom.co.jp/wd/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20090324140100.html
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<編集部より>

こんにちは、『Web Designing』編集部の井原です。
『Web Designing』では、創刊以来、グラフィックデザイナーの永原康史さんに「デザインにできること」を連載していただいています。その永原さん曰く、「不況とデザインは実は何も関係ない」。1970年代のオイルショック時にイラストレーターという職業が認知され、暗黒の90年代にWebデザインというジャンルが誕生したと、弊誌3月号で語っています。

そして、(ニュアンスはちょっと違うのかもしれませんが)オアシスのノエル・ギャラガーも似たようなことを「BARKS」のインタビューで答えていました。「危機が訪れてるときっていうのはたいてい、音楽やファッション、それに政治なんかで最高のものが生まれるんだ」。
< http://www.barks.jp/news/?id=1000047555
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どうです? この言葉にグッと来る人も多いのではないでしょうか。そんなあなたに、『Web Designing』から提案したいのが特集2「ブラジルのWebデザイン」です。ブラジルのデザインは、どれもとてもカラフルで、健康的で、爽やか。水着だってWebサイトだって、最高に素敵なんですよ。『Web Designing』を読んで、地球の裏側・ブラジルを覗いてみませんか。

●特集1:Webグラフィックの基礎と応用
「Adobe Photoshop」を的確に使いこなすことができれば、Webサイトにおけるグラフィックの質はもちろん、効率もアップします。ですが、「切り抜き」や「マスク」、「レイヤー」といったベーシックなテクニックをきちんと理解していない、という人も多いのではないでしょうか。そこで本特集では、Photo-shopの基礎を充実させるとともに、基礎を知ったからこそ役立つTipsをたっぷりと掲載しました。毎日の作業をランクアップさせる、Web制作のための本格Photoshop特集。マウス片手にさあ、始めましょう!

●特集2:ブラジルのWebデザイン
日本との時差が12時間という、地球の反対側に位置する南米ブラジルが、Webデザインの分野において常に世界から注目されています。Gringo、AlmapBBDOといった名だたるWeb制作会社や広告代理店を輩出し、広告クリエイティブにおいても、カンヌ国際広告祭、One Show、クリオなどで高い評価を集めています。その“ブラジルデザイン”のポテンシャルに迫るべく、本特集ではサンパウロやリオ・デ・ジャネイロでの取材を敢行しました。

さらに、今月から新連載「Web Designing Lab.」がはじまりました。この連載では、グラフィック、CSS、Flash、Ajax/JavaScriptなど、Webサイト制作に直接役立つさまざまなテクニックを紹介していきます。無料のサンプルデータも提供中ですので、ぜひお見逃しなく! 定価1,280円で発売中です。

●本誌を毎日コミュニケーションズよりデジクリ読者2名様にプレゼント。
応募フォームをつかってください。締切は3月31日(火)14時。
当選者(都道府県、姓)はサイト上に4月上旬掲載予定です。
< http://www.dgcr.com/present/list.html
>

・アマゾンで見る
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001UOJN8A/dgcrcom-22/
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■編集後記(3/24)

あの世はどこにあるのか・森田健「あの世はどこにあるのか」(アメーバブックス新社/幻冬舍)を読む。不思議研究所の森田健を、仲間うちの作家・山川健一がインタビューする体裁だが、話している内容がよくわからないのを我慢して我慢して我慢して読む。結局、半分以上はサッパリわからない。彼らの世界を知っている、ファン(信者)だけにはわかるんだろうな。特殊な体験をしている彼らにとっては、その調査データと実験結果は事実なんだろうが、なにも知らない素朴な読者(わたしのことだ)にとっては、妄想としか思えない内容だ。ファンは必読、素人は読む必要はない。途中で投げ出さなかった、忍耐力のある自分を誉めてやる。実際に、投げ出してしまった本も二冊ある。京極夏彦の「南極(人)」(集英社)は四六判496ページという分厚さ。有名小説やマンガのオマージュというかパロディというか、古屋兎丸、秋本治、しりあがり寿、赤塚不二夫らのイラスト入りで、みるからに面白そうな連作である。造本も組版も凝っていてじつに楽しい。だが、内容は、滑稽、ギャグ、ドタバタというジャンルらしいが、うーん、このしつこいテイストはどうにもたまらん。「どすこい(仮)」もかなり我慢して読んだのだから、それ以上にくだらない本作は、ファンではないわたしにはお呼びでないということで。もう一冊の大作は、町田康の「宿屋めぐり」(講談社)だ。こっちは602ページもある。主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、『偽』の世界にはまりこむ、とかいった内容で、あまりのわけのわからない怒濤の展開に辟易、こんな無間地獄にとりこまれるのはイヤ、今回は投げ出すしかなかった。この二冊はそのうち再挑戦してもいいが、我慢して読んだ方は二度と読まないだろう。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434499132X/dgcrcom-22/
>
アマゾンで「あの世はどこにあるのか」を見る(レビュー24件)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087712745/dgcrcom-22/
>
「南極(人)」を見る(レビュー1件)

・配信する頃には野球の結果が出ているはず。/バレエの先生によく注意されること。背中を意識するように。息を止めない、足の下から空気を吸い上げ、頭の上から空気が抜けるように、そして抜けた空気が大きく弧を描き、また足の下から吸い上げるような、常に循環しているようなイメージを持つ。体の中心をまっすぐにとイメージすると顎が上がりやすいので、ポニーテールを結ぶ部分が上に引っ張られているような意識で、後頭部や背中がまっすぐになるように。つま先をのばすのではなく、足首(アキレス)をしっかり縮めるように意識をしていると、何かの動きをしていてもつま先がゆるまない。指先、つま先は、遠くから見えない細い糸でひっぱられているような、実際の指先やつま先より外側を意識。動かす時も、指先やつま先を動かすというよりは、少し外の空気を動かす気持ちで。(hammer.mule)