ネタを訪ねて三万歩[50]気まぐれスナップ撮影
── 海津ヨシノリ ──

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●「ちい散歩」してみる

2月中旬。打ち合わせで駿河台大学へ出かけることになりました。そこで頭の中を過ぎったのが近隣の風景。いつもは元加治駅と大学間をスクールバスで移動していたので、徒歩による探索を考えていた私には絶好のチャンスです。というわけで、元加治駅で下車し、一眼レフを首に下げ、大学まで20分程度の距離を1時間近くもかけて「ちい散歩」をしてみました。

余談ですが、明らかにパクリ企画と言われそうな「ちん散歩」も意外と好きだったりします。同じ放送局だから、お約束の範囲でしょう。陳さんらしい企画なのかも。なにせ「チンディジョーンズ(確か)」なんて企画もあったくらいですから。ところで「ちん散歩」ですが、地井武男さんが一人で散歩する「ちい散歩」のように、陳建一さん一人での散歩ならもっといいんですけどね。もっとも、「ちい散歩」もスタート当初は、今とちょっと構成が違っていましたけど。

ちい散歩
< http://www.tv-asahi.co.jp/sanpo/
>
ちん散歩
< http://www.tv-asahi.co.jp/hadaka/
>



さて、話を戻すと、町並み探索スナップは難しい時代かもしれませんね。今は人物だけでなく、何に対してでも唐突にカメラを向けることに注意が必要な時代であることが、一番の問題だからです。ですから、もっとじっくり3時間ぐらいかけて大学まで向かう余裕があれば、近隣の方達と話すということが可能になり、撮影しにくいモノも少しは撮影可能になります。要するに、不審者の盗撮と勘違いされる危険性は避けたいというわけです。

学生の頃、写真ばかり撮りまくっていた私は、警察官の職務質問やら、こわい人からの恫喝とか色々経験しました。深夜に写真を撮りまくっていたら、どう考えても不審者ですからね。ただ、警察官の職務質問も、被写体が駅や道路だったので、交番に連れていかれなかったのかもしれません。深夜に民家を撮影していたら、問答無用だったでしょう。考えてみれば、当時の私はかなり強引だったかもしれません。同じことを再現してほしいと言われても、まず絶対に出来ないと思います……と、遠い目。

元加治での撮影は昼間ですし、私も随分怪しさが薄れているので、職務質問はないと思います。そこで浮かんだのが、四季を通じて定期的に「ちい散歩」してみるという壮大(誇張しすぎ)な計画。そんな妄想を膨らませながら「ちい散歩」を続けていると、なんだか大昔の溝の口から梶が谷あたりを歩いているような錯覚に陥ると同時に、私はその時のカメラ小僧に戻ってしまったようです。杉花粉さえなければ、私にとって最高の空間かもしれません。

さて、肝心の写真に関してはどちらかというとスナップ派の私にとって、今回の「ちい散歩」はいい感じでした。思い込みなんでしょうけど、こんな時は絶対にレンジファインダーカメラですね。そう言い切る私も、レンジファインダーカメラは、父から譲り受けた骨董品的なオリンパスオートしか持っていません。このカメラは、オリンパスのサイトにも載っていない型番で、珍しいものだとか。

ただし、これはレンズ固定式。1958年のオリンパスエースに似たカメラですが、これが名機で今でも愛着があります。それを考慮すると、今ならEPSON R-D1とCOSINAレンズの組み合わせがいいですね。そんなことを思い描いていたら、なんだか本当に欲しくなってきてしまいました。封印していた危ないカメラ道楽に、火が付いてしまうとまずいかも。道具がいいからいい写真が撮れるわけではないんですけどね。ソフトウェアも同じ。

ところで、この手のスナップ撮影で私が心がけていることは視点です。まず、絶対に自分の目線で撮影することはありません。屈んだり、寝そべったりと、かなり怪しい状況になってしまいます。学生の頃は、NIKON F2にウエストレベルファインダーを付けて、よく撮影をしていました。ウエストレベルファインダーとは、ちょうど二眼レフのファインダーのような感じで上、から覗くタイプです。

そんなわけで大学に到着し、打ち合わせを済ませると、昼食&先生方とのヨタ話に誘われたのですが、池袋での所用が迫っていたので、帰りはスクールバスで駅まで向かいましました。そういえば、駿河台大学の学生達は、「よろしくお願いします」と言ってバスに乗り込み「ありがとうございました」と言って下車していきます。コミュニケーションの基本は挨拶という好例ですね。気持ちがいいです。

ところで、1月10日に駿河台大学でロケが行われていたTVドラマ『相棒Season7』は、3月4日に放送された『天才たちの最後』と判明。かなり色々なシーンに使われていたのには驚きましたが、設定が東都芸術大学ということでしたので納得。実は、2月18日放送の『密愛』でも階段教室がワンシーンだけ出てきましたが、3月4日放送分では、いつも私がお昼に学生と弁当を食べていたベンチが、かなり重要なシーンとして登場していたので驚くと同時に、思わずDVDに焼いてしまいました。

で、「ちい散歩」ですが、後期の授業に備えた下調べのため、メディアセンターに何度か通おうと思っていますので、最低でもあと数回は続きが出来そうです。なお、駿河台大学の近隣には、航空自衛隊の入間基地があります。毎年、文化の日に開催される航空ショーといえば分かりやすいかもしれませんね。元加治駅の3つ手前の稲荷山公園駅です。もっとも、稲荷山公園駅と入間駅は隣のようなものなので、2つ手前といったところですかね。少々乱暴かもしれませんが。

とにかく、歩き回るというのは究極のアドベンチャーだといつも感じています。そうは言っても、自動車も手放せない生活をしており、ほぼ毎日運転しているCO2排出野郎です。そして、運転している道筋を歩いてみるだけでも、運転している時は意外と風景を見ていないことに気がつきます。人間って、かなり適当ですからね。そうなると、コンパクトカメラも欲しくなってきます。携帯電話のカメラは本当に使い物になりませんから。

●プリンタ添付ツールの"簡単は正義"

使い物という意味で、最近インクジェットプリンタを買いました。まず現在の私は富士ゼロックスのDocuPrint C525A(レーザープリンタ)をメインプリンタとして使用していました。A4専用ですが、特に困っていませんでした。A3は必要に迫られてから、と割り切っていたからです。ところが、最近になって少部数ながら両面プリントの必要に迫られ、オプションの両面ユニット購入を検討していた時にEPSONのPX-B500を知り、かなりその気になってしまいました。レーザープリンタのような、高速処理の両面プリンタです。

もうほとんど【1-Clickで今すぐ買う】ボタンを押しかけたとき、突然CD/DVDの盤面印刷もしたいという欲求が脳裏を走りました。この「どうしてだかわからない一瞬の躊躇?」で、対象プリンタの絞り込みをいったんリセットし、消去法で導き出したのがCanonのiP4600です。冷静になれば、CD/DVDの盤面印刷が一番重要だったわけです。納品用のDVD等を綺麗にしたかったので。実はインクジェットプリンタは、BrotherのDCP115Cという複合機タイプも所有しているのですが、CD/DVDの盤面印刷が出来ないタイプなのがちょっと残念。

そして、私は今までプリンタに添付されているユーティリティー類はほとんど使ったことはなかったのですが、CD/DVDの盤面印刷のこともあり、今回初めて添付されているEasy-PhotoPrint EXというレイアウト&プリントツールを使ってみました。もちろん、IllustratorやInDesignと比べれば機能は雲泥の差ですが、簡単というのは正義だと感じました。他のメーカーのものは当然使ったことがありませんので、あくまでもEasy-PhotoPrint EXだけの話ですが、今までこの手のツールを使っていなかったことに少々後悔してしまいました。

従来はIllustratorやPhotoshopを使っていましたが、位置合わせの設計が意外と面倒でしたし、機能が豊富だとどうしてもシンプルに作り込むことが出来なくなってしまうからです。割り切りって大切ですね。そもそも、高機能だから良いレイアウトやデザインが生まれるわけではありません。調子に乗って色々と遊び回っています。ここのところ、色々なソフトが肥大化しているので、余計にシンプルな単機能ソフトが新鮮に感じられます。Easy-PhotoPrint EXは単機能ではありませんが、潔さがいいです。

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今月のお気に入りミュージックと映画
"なみだ涙のカフェテラス" by ジューシィ・フルーツ in 1980
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"Das Boot" by Wolfgang Petersen in 1981 (Deutschland)
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
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>

テレビはほとんど見ないと言っているわりには、かなり見ていることに気がつきました。気がつくのが遅すぎですね。先月ネタにした時代劇の他に、「キイナ -不可能犯罪捜査官-」「Q.E.D.証明終了」「相棒」「ヴォイス」あたりは概ね毎回見ています。つまり……、明らかに見過ぎかも。

キイナ -不可能犯罪捜査官-
< http://www.ntv.co.jp/kiina/
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Q.E.D.証明終了
< http://www.nhk.or.jp/drama8/qed/
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相棒
< http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
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ヴォイス
< http://www.fujitv.co.jp/voice/
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ただし、ライブで放送時間帯に見るのは皆無となって数年経ちます。エアチェックして見た方が、時間の節約になりますから。そして見たらすぐに消去してしまいます。見忘れたら、DVDがリリースされるのを待ってTSUTAYAですね。