おかだの光画部トーク[13]初心者向け被写体別撮影 Tips:2 結婚式の撮影を頼まれた時(撮影編)
── おかだよういち ──

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デジタル一眼レフを買って、レンズも色々と揃ってきたら、親戚や友達から結婚式の撮影を頼まれたりする機会もあるでしょう。結婚式の撮影は、やり直しの利かないシチュエーションで、しかも色々な制約があり、何度頼まれても緊張する撮影です。前回は、そんな結婚式撮影で失敗しないような準備と心構えについてのお話でした。今回は、実際に撮影するときに押さえておきたいポイントなどをあげてみます。

まず、今回はメインカメラマンとしての撮影ではなく、式や披露宴に出席しているゲストの一人として、サブで撮影することを前提としておきます。最近では、ホテルや結婚式場の専属のカメラマンがメインで撮影することがほとんどだと思いますので、それを補完するような写真を心がけるとよいでしょう。

結婚式の撮影は、ジャンルで言うとドキュメンタリーフォトになります。後から一連の写真セットを見ただけで一日何があったのか、どんな会場にどんな人が出席していて、みんなどんな気持ちだったのかなどが感じ取れることが必要です。



よくあるのは、後で写真を見たら殆どの写真が、新郎&新婦か友達や親戚の集合写真のみという内容。これだと、後から見た時に物足りない感じがしてしまいます。挙式・披露宴は色々な場面がありますので、とにかく、印象に残るもの全てを撮ってみましょう。

基本的に新郎&新婦は当日スケジュールに追われ、かなり忙しく聴牌(テンパ)っています。なので、新郎&新婦が見えていない(であろう)風景や様子をしっかり撮っておくと、後からとっても喜ばれます。

例えば、結婚式の日の会場の空。晴れならもちろん、雨天でもそれはそれで素敵な思い出です。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3459607513/in/set-72157615670331003/
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式場に行くと、花が飾られていたり、ウェルカムボードなどが置かれていたり、色んな小物などがありますので、それもしっかり押さえておきます。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3459608175/in/set-72157615670331003/
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< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3460423428/in/set-72157615670331003/
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< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3459662221/in/set-72157615670331003/
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広角で全体の雰囲気、マクロやアップでディテール。被写界深度を深くして全体がわかるように、逆に浅くして背景をぼかして小物のイメージカットなど、同じものも設定を変えて、色々な角度から撮っておきましょう。

式が始まったら、自由に動けるのはメインカメラマンのみ。ゲストとして出席している場合は、自分の席からの撮影になります。また、牧師さんから起立の指示がある場合以外は勝手に立ち上がったり、席を離れることは慎みましょう。このような制約がありますが、逆に考えれば、あなたの席からの視点で撮れるのはあなただけなので、その席から撮れる印象的な風景をちゃんと撮っておきましょう。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3460424404/in/set-72157615670331003/
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チャペルでの挙式、神社での神式、お寺での仏式、ガーデンウェディングなどの人前式など、様々な形式がありますが、基本的に挙式の場では、三脚やフラッシュの使用が禁止されている場合が多いです。禁止されていなくても、その場の雰囲気が壊れるのでなるべく使わない方がいいと思います。

ただ、室内の場合や照明によっては、かなりISO感度をあげておかないとシャッタースピードが遅くなりブレてしまうので、着席して新郎が入場してくるまでの間、どれくらいのシャッターが切れるのか設定を確認しておきましょう。また、フォーカスが合った時に鳴る「ピピッ!」という電子音や、コンパクトデジカメの電子シャッター音なども、式の邪魔になるので鳴らないような設定にしておきましょう。

披露宴でも、新郎&新婦はやることがいっぱい。出される料理なんて、殆ど手をつける暇がない状態です。コースで出てくる婚礼料理は、箸をつける前に必ず写真を撮っておきましょう。
< http://www.flickr.com/photos/okadayoichi/3460423008/in/set-72157615670331003/
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メインのカメラマンは新婦&新婦を中心に撮影しているはずなので、あなたは友達や親戚など、あなたの席の周辺で起こっている出来事や表情を残しておくのもポイントです。新郎&新婦がお色直しなどで退席中に、新郎&新婦が坐っていた高砂席に行って、二人の目線からの写真を撮っておくのも結構喜ばれる一枚になります。

最後に、新郎&新婦のツーショットを撮る時ですが、「ニ人近づいてください」と肩がふれるくらいに近づいてもらうと、結構近いと感じると思いますが、実際写真で見るとこれでもかなり離れて見えて、とてもよそよそしく感じてしまいます。せっかくですから、顔と顔がくっつくくらいの、普段ではありえないくらい、恥ずかしいほど近づいてもらいましょう。それでやっと、写真で見るとブライダルフォトらしい仲むつまじい感じになります。

とにかく、好奇心を持って、新郎&新婦が後で見る時の気持ちになって、ご両親の気持ちを想像して、想像力をフル回転させて参加すると、今まで見えなかった被写体が見えてくると思いますよ。

【おかだよういち/WEBクリエイター・デザイナー+フォトグラファー】
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笠居さんと、森さんに触発されて、わたしも自転車を買おうかと画策中。自宅が坂の上なので電動アシスト付きでかっこいいのを探してます。