ネタを訪ねて三万歩[51]禁断のレンジファインダーカメラ/海津ヨシノリ

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●トリプルブッキング

3月25日は、多摩美術大学造形表現学部に駿河台大学、そして東京都立中央・城北職業能力開発センターの卒業式。つまり、トリプルブッキングというわけです。私は分身の術が使えませんので、ここは消去法で対処するしかありません。駿河台大学は半年しか関わっていなかったことと、4年生に顔見知りがほとんどなかったこともあり、欠席させて頂くことにしました。しかし、「〜女優の仲間由紀恵さんから卒業生にメッセージも〜」というサプライズがあったことを後日知って少し後悔、激しく動揺。しかし、事前に知っていてもどうしようもなかったと思います。

あとは、毎年の恒例行事となっている造形表現学部の式典への参加。実は今年の式典で、教授代表となったK教授がバイオリン演奏を行い、式典は大いに盛り上がりました。演目は「ゲオルグ・フィリップ・テレマン 無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア7番の1楽章と2楽章」。このサプライズは学生達にとって、一生の宝物となったことでしょう。

ちなみに、K教授のバイオリンはプロ級というよりプロそのものです。時々、ミニコンサートを行っているほどの腕前でうっとり。私は毎年行われる様々なセレモニーをICレコーダーで記録しているので、K教授のバイオリン&スピーチを切り出して、CD-Rに焼いて後日プレゼントしました。そして、校内での謝恩会後に造形科の校内卒業制作展を社会学が専門のH教授と鑑賞。



※愛用のICレコーダーVoice-Trek V-40
< http://kaizu-blog.blogspot.com/2008/02/voice-trek-v-40.html >

なお、共通教育(一般教養という大学もあります)の講師である私は、校内で行われる謝恩会出席で解放というわけです。ただし、今年の卒業生は私が就任したときに入学してきた学生なので、多くの学生と昔話(といっても4年前ですが)に花が咲いてしまい、かなり感無量。入学した当時の、どことなくギスギスした感じが取れ、不思議とみんないい顔になっているんですよね。

夕方からは、職業能力開発センターの謝恩会。寄せ書きと花束、そして卒業文集を頂き、一年間の思い出が走馬燈という感じでした。実は職業能力開発センターで私が関わってるパソコングラフィック科の卒業文集は、生徒がデザインしたものをグラフィック印刷科の学生が実際の印刷機で印刷し、最終的に製本まで行う本格的なモノ。まずは卒業おめでとう。そして、これからも宜しく。とにかく、どの学校もこまめにスケジュールの連絡を入れていただけるので、本当に助かります。翌日の軽い二日酔いは私へのご褒美なのかもしれません。

●EPSON R-D1xGとVoigtlander ULTRON 28mm/F2.0を購入

ご褒美と言えば、絶対に手を出すまいと誓っていたレンズ交換式レンジファインダーカメラに、とうとう手を出してしまいました。EPSON R-D1xGです。2004年にリリースされた初代R-D1を少しだけ使ったことがありましたが、あの時は「危ない誘惑」と感じて、すぐに返してしまいました。しかし、結局は使うことになってしまったわけです。赤い糸で結ばれていたのかもしれませんね。

とにかく、3月にCASIO EXILIM EX-S10をゲットしたばかりですが、この薄型で携帯にかさばらないカメラはそれなりに必要不可欠。つまり、R-D1xGの有無に関係なく購入していた機種だからです。それよりも問題は、R-D1xGに走った経緯。それは前回触れた、私の大切なレンジファインダーカメラであるOLYMPUS-AUTOを思い出してしまったことです。

実はフィルムカメラ時代にもLEITZ minolta CLや、Leica M3、そしてLeica MP購入未遂事件を引き起こしていました。しかし、結局は買わずに禁断の世界に入ることはありませんでした。とにかく、今頃になってこの世界に入ったことを私自身が一番驚いています。

まず一般的なカメラと異なり、R-D1シリーズはボディーのみの販売で、EPSONはレンズの販売をしていません。ただし、ボディーはCOSINA Voigtlander BESSAシリーズをベースとして再設計された筐体だそうで、レンズもVoigtlanderシリーズが実質的な純正レンズということになるそうです。

そこで色々と事前調査した結果、最初は広角気味の標準レンズであるVoigtlander ULTRON 28mm/F2.0を購入することにしました。CCDの関係で実際に装着すると1.53倍になってしまいますので、約43mm。OLYMPUS-AUTOの固定レンズが42mm/F2.8でしたから、昔に戻った感じです。

ところで、レンジファインダーカメラの面白さは、中古ショップを徘徊し、祖父の代に製作されたような古い名品レンズや、マニアックで怪しいロシア製レンズなどを探し出すことなどがクローズアップされているようです。まさに宝探し的な楽しみ方といったところでしょうか。デジタル化以前の流れも、大きな違いはありませんでしたから、案外これこそが王道かもしれません。

しかし、最初の一本はR-D1xG本体に敬意を表して、新品を購入することにしました。最初から、寝ても覚めても中古ショップ巡りという奈落の底へ、自主的に入ることもないですからね。

とにかく、レンジファインダーカメラファンにありがちな、古くて高価なレンズの描画力を楽しむことに走るのではなく、スナップ写真撮影そのものを楽しむ方向で、ゆったりと作品を撮りたいと考えています。

なんでスナップ写真かというと、一眼レフ(マニュアルフォーカスのフイルムカメラ版)と比較すると、レンズを通して被写体を見ていないので、暗い場所でもピント合わせが簡単であること。また、構造上ミラーアップがないので、レンズ設計に無理なく小型で高性能なレンズが作りやすく、低速シャッターを切ってもブレにくいといった利点から、スナップ撮影に向いていると言われています。

逆に欠点は、レンジファインダーシステムの構造上、望遠レンズのピント精度が甘くなりやすく、135mmまでが限界と言われています。またレンズの画角に合わせてフレームを変更しなくてはならず、R-D1シリーズで言うと28mm、35mm、50mmといった一般的なレンズ以外は別途ビューファインダーを必要とします。また、接写や複写は構造上不向きといったところです。

R-D1をノーマル環境だけで使うとなると1.53倍の問題があるので、実質43mm、54mm、77mmということになります。もちろん、ビューファインダーでピント調整は目測の広角レンズで楽しまないと持っている意味がありませんので、頑張ってレンズを揃えたいところです。

しかし、この徹底的にアナログ操作にこだわった設計と、金属の感触は何か忘れていたモノを呼び起こしてくれそうな感じがするとともに、末永く使い込めそうな親和性を感じています。やはり赤い糸なんでしょうね〜。

実は二本目のレンズも既に購入済みなのですが、それはまた次回のお楽しみということにしたいと思います。ちなみに、最低でもレンズは三本揃える予定です……って、完全にウイルス感染してますね。まっ、2004年の初代リリースから基本スペックの変更はないので、大騒ぎするほどではないのかもしれませんが、私にとって大事件なのは確かです。

※CASIO EXILIM EX-S10
< http://kaizu-blog.blogspot.com/2009/03/casio-exilim-ex-s10.html >

※OLYMPUS-AUTO
< http://kaizu-blog.blogspot.com/2009/04/blog-post_03.html >

※EPSON R-D1xG+Voigtlander ULTRON 28mm/F2.0
< http://kaizu-blog.blogspot.com/2009/04/r-d1xg.html >

ところで、ウイルス感染という表現ですが、正しくは「ライカレンズに魅了されることを茶化した表現で、「ウイルス感染して全財産を飛ばす」といった具合に使うそうです。そう考えると、私はまだライカレンズには手を出していませんから、感染してはいないのかもしれません。

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今月のお気に入りミュージックと映画
"空も飛べるはず" by スピッツ in 1994
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"少年猿飛佐助" by 河野寿一 in 1958(日本)
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【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com/ >
< http://kaizu-blog.blogspot.com/ >
< http://web.mac.com/kaizu/ >

●激しくイイintuos4

タイミングがズレてしまいましたが、intuos4は激しくイイです。ワコムさんには申し訳ない話ですが、私はintuos3のファンクションキー機能をほとんど使ったことがありませんでした。すべてオフにしていました。つまり、ファンクションキーをタブレットに組み込むことに、違和感を覚えていたわけです。しかし、今回のintuos4ではその違和感が消え失せました。もちろん、永遠のテーマであるキーボードとの共存を考えると、まだまだワガママがいくらでも出て来ますが、少なくともintuos3での個人的な問題点はみごとに解決したと感じています。

さすがに少々ほめすぎてしまったかもしれませんが、どんな機械も相性というモノがありますからね。しかし、タブレットの新製品がリリースされる毎に、贅沢な悩みが生まれてしまいます。それは、すべてのタブレットを最新にしたいという欲求です。少なくとも、大学の講義で使うMacBookPro用に一番小さいタイプを買うのは決まりですね。しかし、レンジファインダーカメラというウィルスに感染してしまったので、何を買うにもすぐにレンズの値段と天秤にかけてしまいそうで……。