グラフィック薄氷大魔王[180]立ったままデスクワーク/吉井 宏

投稿:  著者:  読了時間:4分(本文:約1,900文字)


それを他人に強制されるのだったら、僕は絶対ヤダ。そんな会社はただちにヤメる。

椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!柴田さんも後記で書いてましたし、某所でも盛り上がってましたが、「本当に『いす』がなかった、キヤノン電子のオフィス」。同社の酒巻社長が書いた「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!」(祥伝社)という本。効率アップをギリギリまで追求、実践。
< http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20090518/330168/ >

この本は知らなかったけど、「立ったままデスクワークすると仕事が異常にはかどる」というのは経験上知ってました。細かなフットワークというか、机の上での動作の小回りが効くようになるんです。



イスに座っていると、重心が固定されてしまい、隣のマシンにイスを転がすどころか、手を横に伸ばして資料のページをめくるのさえおっくうになってしまうことがある。中途半端にWebを見てるときなど、片肘ついた左手をキーボードまで持っていくのさえ面倒、マウスをタブレットのペンに持ち替えるのも面倒とか。完全集中状態なら関係ないけど、まだエンジンがちゃんと回ってない段階だと、「あ〜、めんどくせー」の積み重ねが時間ロスに繋がるし気分も悪い(効率を上げロスを少なくすると、遊んだりダラダラする時間を増やせるのである)。

一旦、楽な姿勢で安定してしまうとそれが心地よくなってしまい、姿勢を変えるのを苦痛に感じてしまうのだ。反面、立って仕事すると、姿勢を変えたり重心を動かすのが苦痛でなくなり、いつでもどの方向にも動けるんです。

最初にそれに気がついたのは、十数年前、床にヒザ立ち状態で仕事してたとき。なんか動きやすいのです。仕事にもすぐ集中できる。こりゃいいぞと、ときどきヒザ立ちでやってたんだけど、すぐに腰が痛くなってしまう。机の高さは変えられないので、立ったときに肘がちょうどつくくらいの高さの箱を乗せて、その上にキーボードやタブレットを置いてみた。なかなか具合がいいけど、カッコ悪いし不安定。机の下に木箱を置いて高さを稼ぐのも考えたけど、危険。

僕が考えていたのは、さすがに「立ったまま」ではなく、イスに全体重を乗せないで足に半分以上をかける状態。本当に立ったままだと2時間もしないうちに腰に来てしまうので。具体的には、駅前のバス停などによくある、腰を支えるクッションのついた横棒が理想的。腰掛けない止まり木のような感じ。

ハンズで「作業用スツール」を見つけて購入したこともある。極小サイズの座面の高さを1メートルくらいまで調整できるもの。でも、細いパイプ製なので、片側から体重をかけられず、結局ほとんど座る状態になってしまい、小さな座面でおしりが痛くなるのが難点。

その後は普通にアーロンチェアを使ってます。座り心地はいいですが、前傾姿勢で作業に集中するにはあまり具合よくないです。ヒザ立ち専用みたいな「バランスチェア」もハンズ等で試してみたけど、高さがぜんぜん足りない。

先日見つけて狙ってるのが、MOVEというイス。立つと座るの中間で、動きやすそう。そのうち試してみたい。
MOVE < http://www.momoda.co.jp/stokke/move.html >

繰り返しますが、「立ったまま仕事」を他人に強制されるのは僕はイヤです!
個人の自主的工夫としてだけならアリです。

余談。「立ちっぱなしで仕事など残酷」という意見もあるようですが、世の中の大半の仕事は立ちっぱなしでしょ? と思いました。あと、写真では下駄を履かせたデスクに社員が立ったまま向き合っているけど、これが非常にイケてない。普通のデスクが壁のように迫ってるし、身長が低くて無理な姿勢になってる人もいる。これでは確かに反感を覚えるし、こんなところで働くのはまっぴらだ。立って仕事したり会議するのなら、それに合わせた調度品や配置の工夫が必要でしょうね。

【吉井 宏/イラストレーター】  hiroshi@yoshii.com

小倉トースト。数年前、伊集院光の話で「JR幸田駅の近くの喫茶店で食べた小倉トーストがこの世のものと思えないほどうまかった」というのがあった。半日死ぬほど自転車を漕いだあと食べたという前提なので、大したものじゃないはずなのにうまかった、というネタ話なんだけど。愛知県の幸田町は実家の近く。ぜひその店の小倉トーストを食べてみたいと、帰省したときにその喫茶店を探してみた。それらしい喫茶店はあったのだが、最近廃業した模様でした。残念。

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