グラフィック薄氷大魔王[182]「紙の本」VS「ディスプレイ」/吉井 宏

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一般に本は、「いつでもどこでも広げて読めるし、電気もいらないし、ペラペラめくれば内容を大まかに把握できる。デジタルにはマネのできない長所だ」と言われている。

でも、本を読む(見る)には、まず、本の実物が手の届く範囲にある必要があり、本棚から目的の本を見つけ出さなきゃいけない。座る場所を確保しなきゃいけないし、照明のために電気が必要だ。冊数が多ければ置き場所も大変だ。

大きな画集などを見る場合はもっと極端で、重い本を取り出して持ってくるのがおっくうじゃない程度の気力と体力と、本を安定して置ける机としっかり調整された照明が必要になってくる。好きでよく広げる本ほど痛みが激しく、洋書など糊がバリバリになってページがどんどん抜け落ちてしまう。消耗していく。紙の束に特別な価値を見いだしているのでないかぎり、本は、実はかなり不便だ。



その点、パソコンのディスプレイで読む場合(たとえばPDF)、照明も角度も完璧、重さはゼロ、目的の箇所は検索すれば出てくるし、バックアップさえ可能。それに、以前はパソコンの処理速度が遅くて現実的じゃなかった、ペラペラめくるのだって今ならぜんぜん可能だ。

なんでこんなこと書いてるかというと、またまた本の大処分をしたのです。昨年、かなり処分したのですが、あんなもんじゃないです。今度はマジ本気です。古くは30年以上前に買った本も含め、持ってた本のうち、たぶん三分の二、いや、四分の三くらい処分しました。

くやしいじゃないですか〜。本の中身は処分したくないのに、物理的な制約のために紙と一緒に中身も処分しなきゃならない。前にも同じこと書いた気がするけど、本の主体は中身であって、紙の束に用はないのです。全雑誌・全書籍がデジタルで売られる日が待ち遠しい〜〜。

電子書籍ビュアーといえば、Kindle2も悪くなさそうだけど、バックライトがないのが弱点。最近知った「TechCrunch」みたいなデバイスがパソコンと本の両方を兼ねるなら、完璧なんだけどなあ〜。デモムービーを見ると、たかだか5〜6年前にタブレットPCに期待した自分が石器人に思えるほど洗練されてる。まあ、パワーのあるパソコンじゃなく、どちらかというと格安なネットブック的なものらしいけど。

TechCrunch
< http://wiredvision.jp/news/200906/2009060519.html >

・おまけ/「セールスの電話」

「もしもし、イラストレーターさんでよろしかったでしょうか?」
「あ、はい?」
「吉井さんおねがいします。」
「僕ですが。」
「このたび、公務員やサラリーマン対象の投資物件をご紹」
「興味ありません。ガチャ」

……イラストレーターが公務員かサラリーマンと思ってる、もしくは、イラストレーターが職業名だと知らない人だったようです。肩書きの「イラストレーター」を屋号だと思い込んだのかな。あ、それもおかしいか。二重三重にわけわからないなあ。

【吉井 宏/イラストレーター】  hiroshi@yoshii.com
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

WWDCで発表されたもの。iPhone関連は、iPhone OS 3.0はコピペが使えるようになった。iPod touchでも使えるので楽しみ。Snow Leopardは、容量をシェイプアップして動作がかなり軽くなるそうで、期待。アルミMacBookがMacBook Proに昇格。15や17インチもちょっと値下げか? 買い換えには魅力的。大判iPod touchはまだだったか〜。